2015年02月27日
【プログラミング】『子どもを億万長者にしたければプログラミングの基礎を教えなさい』松林弘治
子どもを億万長者にしたければプログラミングの基礎を教えなさい
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。ムスコが「大人になったらゲームクリエイターになりたい」と言っている関係上、父親としては、読まないわけにはいかないかな、と。
アマゾンの内容紹介から。
企業のトップたちが当たり前にプログラミングできるという事実。ビジネスで成功する近道は「プログラミング」だった!プログラミングの根本概念を子どもと一緒に楽しく学ぶ方法、ひとり立ちさせる秘訣までわかる!
タイトルは若干煽り気味ですが、それ以外は「極めて真っ当な」内容でした!
/ elemenous
【ポイント】
■1.オバマ大統領が「コンピューター科学教育週間」に寄せたメッセージからコンピューター科学のスキルを学ぶことは、あなたの将来に役立つだけでなく、我が国の将来のためにも大切です。
我が国がこれからも世界の最先端であり続けるために、皆さんのような若い人たちに、テクノロジーやツールを習得してもらい、私たちの生活を変えていってほしいのです。
皆さんもぜひ、この流れに参加してください。
ビデオゲームを買う代わりに、ビデオゲームを作ってみませんか?
最新のアプリをダウンロードする代わりに、アプリをデザインしてみませんか?
スマホゲームで遊ぶ代わりに、スマホゲームをプログラミングしてみませんか?
■2.大人の初心者がプログラミングを学ぶメリット
実は、大人がプログラミングを学んでも、子どもと同様に得られるメリットはたくさんあります。・大きな問題を小さな問題の組み合わせへと分解する分析力プログラムを作る行為を通して身につけられるこうした能力は、あらゆるビジネスにおいても役立つはずです。
・小さな部品を効果的に組み立てることで、大きな目標を達成する論理的思考力
・製品やサービスの提供側と使う側など、違う視点を持つ者同士を効果的につなぐ能力
■3.プログラムの基本となる3つの構成要素
実は、どんなプログラムであっても、細かく分解していくと、基本となる3つの要素に突き詰められます。・処理(別名「順次」)プログラムは、これら3つを構造的に組み合わせ、積み重ねることで書かれます。
コンピューターに行わせる計算や作業などの処理そのもの
・分岐(別名「条件分岐」)
ある条件が成り立つ場合、成り立たない場合に合わせて、処理の流れを変える処理
・反復(別名「繰り返し」)
ある条件の間、一定の処理を繰り返す処理
■4.教育用言語の「入り口」としての価値
例えば、過去にプログラミングの経験はなくても、プログラミングがどのようなものであるか興味があり、知っておきたい。そういう人にとって、プログラミングのエッセンスがきちんと反映されている教育用プログラミング言語は、その「とっかかり」として非常に役立つはずです。
教育用プログラミング言語では本格的に凝ったプログラムやゲームを作れないかもしれませんが、教育用言語を通してプログラミングの基本概念が学べます。初心者が新しく本格的な言語を学ぶ際に、基本概念を理解しているかいないかで、学習効率は大きく変わるのです。
■5.次にどのプログラミング言語を学ぶか
子どもがScratchなどのブロックプログラミングに物足りなさを覚え、テキストを打ち込むプログラミングに興味を持ちはじめた。そのとき、何をすすめたらいいかわからない、という人がいるかもしれません。
その問いに対する答は、「基本的に何をすすめても大丈夫」です。(中略)
「何でも大丈夫」と答えるのには理由があります。きっと「何をすすめたらいいかわからない」という問いの中には、「子どもが何を身につけたら、いちばん成功するだろうか」という親心が含まれているのだと思います。しかし実際には、「この言語さえ覚えておけば、将来にわたって仕事に困らない」「将来、何かしら儲かるサービスを作れる」という特定のプログラミング言語はないのです。
【感想】
◆冒頭で「タイトルは若干煽り気味」と書きましたが、本書には実際に「プログラミングの基礎」を学んだ子供が、「億万長者になった」という統計が出ているわけではありません。また、具体的に「どのプログラミング言語を学ぶべきか」という話でもないのは、上記ポイントの5番目にもある通り。
それでも、昨今の成功したIT企業を見るにつけ、創業者にプログラミングの素養があることは、マイクロソフトやAppleはもちろん、GoogleやTwitter、Facebook等々でも同じです。
必ずしも、プログラミングスキルの優劣が、会社の成功とは直接結びついてはいないものの、スティーブ・ジョブズが言うように「思考プロセスを映し出す手段として」、皆、プログラミングを身に付けていたかと。
◆そこで本書の第2章では、「最新のプログラミング教室事情」と題して、日本における子ども向けのさまざまなプログラミング教室が紹介されています。
我が家でも、ムスコに学ばせようとこの手のスクールを検討したことがあったのですが、週末は満員だったり、平日はまだ一人で通えなかったり、といった事情により断念したことがありました。
こんな時、親が教えてあげられれば良いのですが、私の場合「まったくのド素人」なため、それは不可。
結果的にどうしたか、と言うと、「ゲーム機が欲しい」というムスコに「じゃー、自分で作れや」と、この本を買って与えたという。
小学生からはじめるわくわくプログラミング
上記ポイントの5番目のほか、本書でも何度も登場する、「Scratch」の子供向け解説本であり、さまざまな「課題」を通して、Scratchの基礎を学ばせるものです。
◆この本は、ムスコはほぼクリアしたようなのですが、「いかにもゲームらしいゲーム」が収録されていたわけではないので、次に与えたのがこちら。
スクラッチアイデアブック―ゼロから学ぶスクラッチプログラミング
子どもが作るには、かなり骨の折れるレベルの「大作ゲーム」が収録されており、ムスコは「インベーダーゲーム」のようなシューティングゲームに何日もかけてトライしました(不具合を私がチェックして動きましたが)。
ただ、そもそも目的が「ゲーム作り」であるなら、それに特化した「MOONBlock」の方がよかろう、と思い、この本に移行。
MOONBlockでつくるゲームプログラミング: エンちゃんと遊ぼう!
その後、小学校の夏休みの自由研究(?)では、「MOONBlock」を使ってゲームを作る手順をまとめたものを提出したのですが、画面をいちいちキャプったり、それをカラー印刷するのが結構大変でした(涙目)。
「確かにゲームを作ったのはお前だが、この自由研究はパパがほとんどやってないか?」的なw
……この辺のお話は、今回のご本と直接は関係ないので、いずれ時間がある時に、キチンとまとめて記事にするツモリですが。
◆なお、本書の第5章「プログラミングを学んでみよう」では、この「Scratch」や「MOONBlock」はもちろん、その他のプログラム言語や、プログラム環境、学習ゲームが紹介されていますので、これから始められる方は是非ご一読を。
ここでは、ムスコに買い与えようと思ったものの、高くて断念した(実話)「LEGO Mindstorms」も登場していますw
レゴ マインドストーム EV3 31313
結局、子どもにプログラムを学ばせようとしても、プログラムはあくまで「手段」でしかない(コードを書く喜びみたいなものはない)以上、「目的」というか「何がしたいか」にもよるかと。
そういう「目的」を見つけたり、色々な「手段」を知る事ができる、という意味で、本書は価値ある1冊だと思います。
「親は(知ら)なくとも、子は学ぶ」
子どもを億万長者にしたければプログラミングの基礎を教えなさい
第1章 子どもをビジネスで成功させる近道は「プログラミング」だ
第2章 最新のプログラミング教室事情
第3章 「プログラミングって何?」と聞かれたら
第4章 基礎を理解して興味を持たせる
第5章 プログラミングを学んでみよう
第6章 子どもが将来も意欲的に取り組めるように
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【編集後記】
◆今回の記事を書いていて、この本が出ていたことに初めて気が付きました。ゲームで遊ぶな、ゲームを作ろう!スクラッチ2.0アイデアブック―ゼロから学ぶスクラッチプログラミング
上記の『スクラッチアイデアブック』の石原さんの最新刊(出たのは昨年4月ですが)です。
今でもムスコはたまに「Scratch」で遊ぶことがあるので、こちらも買っておかねば。
ご声援ありがとうございました!
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