2015年02月22日
【エクセル】『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』熊野 整
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術−−−数字力が一気に高まる基本スキル
*Kindle版アリ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、一昨日の「未読本・気になる本」の記事で人気だった1冊。著者の熊野 整さんは「ボストン大学卒業後、モルガン・スタンレー証券投資銀行本部に入社し、その後グロービス経営大学院にてMBA取得をされた」という、まさに本書のタイトル通り「ビジネスエリート」な方です。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「見やすく、ミスなく、速く」エクセルで数字力アップ! 巨額マネーを動かす投資銀行のエクセルの基本スキルを大公開。外資系コンサルティング会社、大手IT企業なども注目する3000人が受講した大人気セミナー「投資銀行が教える!エクセルで学ぶビジネス・シミュレーション講座」シリーズのエッセンスを収録。
それにしても、マクロはおろか、関数も登場しないエクセル本、というのは初めてかも!?
Excel & OpenOffice Calc navigation shortcuts / Till Zoltan
【ポイント】
■1.行の高さ(縦幅)は「18」図1-5のようにエクセルのデフォルト(初期値)の行の高さ(縦幅)は一般的に「13.5」です。この高さのまま表を作ると、行間に余裕がなく、詰った感じになります。そこで、正しいフォーマットでは、行の高さを「18」にします。「13.5」から「18」に変えるだけで、文字の上下にゆとりができて、文字が見やすくなるとともに、洗練された印象の表になります。
■2.フォントは、英数字は「Arial」、日本語は「MS P ゴシック」
図1-7のように正しいフォーマットで使うフォント(書体)は、英数字は「Arial」、日本語は「MS P ゴシック」です。エクセルの標準のフォントは「MS Pゴシック」ですが、このフォントは半角英数字のキメが粗いという欠点があります。そこで、英数字のフォントについては、数字のキメが細かい「Arial」に変えます。
■3.数字の色は「ベタ打ち」が「青」、「計算式」が「黒」、「他のシートを参照」が「緑」
エクセルの表で使う数字は3つに大別できます。1つはセルにべ夕打ち(直接入力)した数字、2つ目は計算式の数字、3つ目は他のシートを書照している数字です。この3つは、誰が見てもわかるように色で区別します。
■4.「F2」で計算式をチェック
数字のチェック方法の1つは、[F2]キーを押すことです。ご存じの方も多いと思いますが、数式が入力されたセルをクリックして[F2]キーを押すと、計算の中身がわかります。べ夕打ち数字のセルであれば計算式が表示されないので、べ夕打ちであることを確認できます。
■5.「トレース」で参照元&参照先をチェック
私が、[F2]よりはるかに多く使っている計算のチェック機能があります。「トレース」という機能です。(中略)
[F2]キーでは1つの数式の内容だけを表示するので、横の比較ができません。そのため、参照がずれていてもなかなか気づきません。しかし、同じ計算をしている式のトレース矢印を出すと、数式を見比べてミスを見つけやすくなります。これがトレースの大きなメリットです。バッと見てわかりやすく使いやすい機能です。
【感想】
◆本書のタイトルを最初見た時は、「外資系+エクセル」ということで、当然この本を思い出しました。外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方
ただし、この本は当ブログでは未紹介。
というのも、前半の「基礎編」はまだよかったのですが、後半の「モデル編」になると、やっている事が高度であり、とても理解した上でブログに書けるとは思えなかったからです。
それに比べると、今回の熊野さんのご本は、上記の本の「モデル編」をもっと掘り下げたような感じで、私にも実践できるものばかりでした。
◆ただし、上記ポイントの3番目の文字色については、若干の違和感が。
私は現在は、どの文字も黒で印刷していますけど、もし青色を使うとしたら、ベタ打ちではなく計算式にすると思います。
その理由は、ネットではリンクが張ってある部分が青色になっていることが多いからで、本書のコラムによると、大手会計監査法人でもベタ打ちが黒で、計算式が青なのだとか。
一方、本書で指定されている色は、熊野さんのみならず投資銀行業界では共通のルールだそうで、ハーバード・ビジネススクールでもそのように指示がされているとのこと。
この辺は、最低限、同じ職場や作業グループで統一されていればいいと思うので、各人ご検討頂きたく。
◆また、こういった「見栄え」の部分もさることながら、本書で強調されているのが、上記ポイントの4,5番目の「チェック」のお話です。
私は「F2」キーは、主に「編集モード」にするために使っており、実はその事を知るまでは、いちいち数式バーにカーソルを合わせて修正を行っていました。
「編集モード」にできるだけでも十分ありがたかったのに、セル内で計算式のチェックまでできるとは、「F2」侮りがたし!
もっとも、計算式は数式バーに目を移せば確認できますが、「トレース」の方はそれ独自の機能だと思います。
具体的には、任意のセルをクリックした後、[数式]タブ→[参照元のトレース]もしくは[参照先のトレース]をクリックすればOK。
本書では、この部分に限らず、操作画面付きで丁寧に解説されているので、エクセル初心者でも非常に分かりやすいかと。
◆とは言え、その分かりやすさを追求したがゆえか、冒頭で触れたように、本書にはマクロはもちろん、関数の解説すらありません。
その代りに第3章の「速いエクセル」では、ショートカットキーや[Alt]キーの使い方に言及されているという。
この辺の掘り下げ方の加減が、従来のエクセル本との大きな違いであり、ひょっとしたら好みの分かれるところかも。
個人的には、「実践可能」という意味で、本書は「使える1冊」だと思っておりますが。
より速く、より正確にエクセルを使うために!
ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術−−−数字力が一気に高まる基本スキル
はじめに 外資系投資銀行のエクセルをあなたにも
プロローグ 本書で学んでほしいエクセルで身につける数字力
第1章 見やすいエクセル――きれいな表を作れなければ、信頼されない
第2章 ミスのないエクセル――徹底的に正確な仕事のために
第3章 速いエクセル――質と量を同時に高めるテクニック
第4章 エクセルで数字に強くなる――「いくら儲かるか」を極める
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【編集後記】
◆買ったきり、ご紹介できていないエクセル本。Excel大全 神ワザ1000+α (三才ムックvol.772)
こちらはガチでTIPSだらけで、まるで辞典のようですw
ご声援ありがとうございました!
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