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2015年02月16日

【オススメWeb文章術】『正しくウケる文章の書き方 プロのノウハウで「顧客」に読ませる!』戸田 覚


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正しくウケる文章の書き方 プロのノウハウで「顧客」に読ませる!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた文章術の本。

タイトルや装丁からは分かりにくいのですが、ブログやサイト、メルマガといった「Web媒体」に特化した内容です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
ビジネスで勝つには「ウケる」文章を書くノウハウが不可欠――ウェブやメルマガなどで「読まれるテキスト」を書くための88の秘訣を、プロのライターが公開。
読み手に分かりやすく、魅力的な文章をウェブサイト(製品・商品紹介、広報宣伝、ブログ)やメルマガに書くためのノウハウを具体的に説明します。

サイト運営者のみならず、私たちブロガーにも一読の価値がある1冊でした!





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【ポイント】

■1.知らないと困る情報を書く
 例えば、次の内容のどちらを読みたいだろうか?
●最新スマホの素晴らしい新機能!
●気付かなかった! 最新スマホの欠点
 どうだろう。読みたいのは後者ではないだろうか。この結果について僕は、いい話を聞き飽きている人が多いからだと推測している。一般に、売り手側はいい話ばかりを強調し、悪い話を隠そうとするものだ。
 こうした読み手の気持ちを汲んだ書き方にすることで、ウケる内容にすることができる。製品などの欠点を「知らないと困る情報」として読み手にしっかり伝える方法である。


■2.「次にもとめられる」情報を提供する
 僕は、最新ニュースはレッドオーシャン(血で血を洗う競争の激しい領域)だと思っている。ならば、最新でなくてもよいから、最新の「次に求められる」情報を提供したいと考えている。
 具体的には、iPhoneなら「実際に使ってみたらどうだったのかという感想」や「使いこなしのヒント」などだ。こちらは、最新ニュースと違って同じ内容はまずないので、情報が長持ちする。しかもニュースに比べると長文を読み込んでくれる読み手が多い。ニュースは情報を提供するものだが、こうした記事は「読み物」として提示するわけだ。


■3.共感してもらいやすいのは「納得」より「疑問」
 これも、非常に大切な法則だ。文章の内容を考える際に、基本的には得してもらうネタを作っていく。だが、まず文章は読んでもらわないと話にならない。そこで重要になるのが、共感なのだ。「私もそう思う」と読者にまず感じてもらえれば、必ずといってよいほど文章を読み進めてくれる。その上で、最終的に納得してもらうことを目指せばよい。
 共感を得るには納得よりも疑問が有効である。同じ内容を書くときに、納得と疑問のどちらが共感するか、内容を抜粋したサンプルを紹介しよう。
A●納得するパターン
 通信料金が安い新しいスマホが出ました
B●疑問で共感を得るパターン
 毎月のスマホ利用料が高いと感じていませんか?


■4.説明は質より量
 説明は、質より量だ。そう書くと、若干勘違いを受けそうなので、詳しく書いていこう。例えば、デザインの良さを説明するとする。1000文字でいかにして形にこだわったかを延々と書いていくのも悪くない。だが形へのこだわり、トレンドに合致していること、使いやすさとのすり合わせ――このように、デザインが良くなった理由をなるべく多く並べた方が、読み手の理解度が上がる。量とは情報の量ということで、文章の量ではない。1つひとつの説明は、理解できる最低限の文章量を目指そう。 2章でも取り上げた法則だが、読み手が領く回数を増やすのが重要だ。


■5.ウェブでは「です・ます調」+体言止め
 実は、ウェブぺージの文体も「だ・である調」「です・ます調」とは若干違ってきている。基本的には「です・ます調」がほとんどなのだが、文体には体言止めがよく使われているのだ。アップルのウェブサイトを見るとよく分かる。また、新聞でも体言止めはよく使われている。
例文●体言止め
今日はいい天気。
新製品の特徴を紹介。必ずご満足いただけるはず。


■6.自らをほめる言葉にはしない
 例えば、「購入いただいた多くの方から『性能がよい』とほめていただきました」といった書き方は、読み手からは怪しく感じられる。「購入者アンケートによると、満足度は98%です」という数字の表示も同様だ。数字を掲載する方法を先に紹介したが、ほめる場合は逆効果になる。あまりにもこうした書き方をしている怪しい売り手が多く、読み手からその同類と思われて信頼されないからだ。(中略)
 自らの商品の良い点を書くのは賛成だが、自分でほめたり、「客観的な評価」につながる利用者の声を自ら掲載するのはやめておいた方が無難だ。嘘偽りのないレビューをそっと表示しておけばよい。


【感想】

◆本書の著者の戸田 覚さんは、20代前半から主に雑誌関係のライターとして活躍されてきた方。

それが、ここ10年程の出版不況で、その仕事の多くがウェブ関係へとシフトされてきたのだそうです。

雑誌媒体でかれこれ20年近く記事を書いてきたので、基本的な部分はできていると思っていた戸田さんですが、ウェブでは、思ったように「ウケ」なかったのだとか。

そこで仲間のベテランライターに相談したところ、同様の印象を持っており、分かったのが「紙のように書いてもウェブではウケない」ということ。

そこから戸田さんは研究と勉強を重ね、ウェブでウケるための基本的なテクニックを会得。

それを1冊にまとめて下さったのが、本書というわけです。


◆なるほど本書は、類書というか、一般的な文章術の本ではお目にかかった事のないようなTIPSがちらほら。

典型的なのが上記ポイントの5番目で、「『です・ます調』+体言止め」というのは、まさに当ブログが実践していることです。

本書によると、体言止めをうまく使っていくと「テンポよく読める」「読みやすいと感じる」人が多いとのこと。

具体例としては、アップルのウェブサイトが挙げられていました。

一方、新聞は「だ・である調」なのですが、論文等と比べると、実は「だ・である」をほとんど使っていないのだとか。

代わりに使われているのが「過去形」で、「株価は続落した」「○○としている」というような語尾が多いのだそう。

これは、新聞が「事実」を伝える媒体だからであり、私たちもウェブページで客観的な情報を伝えるコーナー等で、参考にしたいところです。


◆また、ブロガーの方にとっては、上記ポイントの2番目は参考になるはず。

私は基本的にガジェットは扱っていませんが、新製品が出るとなると、「なるはや」で記事にしたくなるものです。

結果、似たような記事が並ぶことになり、PVを食い合うことに。

そこで、腰を落ち着けて、骨太な記事が書ければ、「情報」ではなく「読み物」になるわけですね。

……もっとも、発売日前に丸善オアゾまで駆けつけて、新刊を漁ることのある私が言っても、全然説得力がないんですがw


◆ちなみに、上記ポイントの6番目で否定されている書き方は、楽●市場辺りでは、ごく当たり前に使われている気が。

何かもう「怪しい」というよりは、皆さん慣れっこになってしまっていて、単純にその部分は飛ばして、金額ですとか仕様を読みにいってるのではないでしょうか?

そこで本書で提案されているのが、「自ら感動する」というTIPSです。

たとえば「素敵な新製品が完成しました」という代わりに、「新製品を手にしたら、すぐにも使いたくなってしまいました」というなど(詳細は本書を)。

また、この方法は、逆に何かを批判するときにも「自らがそう感じた」という風に使えるので、ブログ等で「まろやかに」否定したい際には重宝すると思います。


◆なお、本書は文章術本であるがゆえ、サイト等のデザイン面にまでは踏み込んでいません。

むしろ、「文章術本」であるがゆえか、単なるアイキャッチの画像に対しても、多少ネガティブなスタンスを取っています。

たとえば「フリーの素材をテキトーにいれるのは、あまりにもやっつけ仕事ではないだろうか」等々。

確かに、コンテンツの内容とマッチしていない画像があるのは、決して「良い」とは言えないのですが、それでも読者がクリックするのは、画像があるコンテンツの方なんですよね。

ただこの辺は、「とにかくアクセスして欲しい」のか、「最後まで読んで欲しい」のか、といった部分を各々が考えるべきだと思います……。


多少人を選びますが、オススメせざるを得ません!

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正しくウケる文章の書き方 プロのノウハウで「顧客」に読ませる!
はじめに:ウェブ時代の文章力とは
第1章 読ませて「ビジネス」に勝つ
第2章 読ませる「内容」を練る
第3章 読ませる「構成」に仕立てる
第4章 読者が「納得する」書き方
付録 正しくウケる文章を書くためのチェックリスト


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【文章術】『書くことが思いつかない人のための文章教室』近藤勝重(2011年10月02日)


【編集後記】

◆文章術本と言えば、引き続きこちらもオススメ。

476127056X
人を操る禁断の文章術

既にKindle版も出ております。


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