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2015年01月27日

【読書法?】『バカになるほど、本を読め!』神田昌典


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バカになるほど、本を読め!


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み神田昌典さんの最新刊。

一応、今日発売になっていますが、渋谷の某リアル書店では、昨日の段階でドーンと平積みされていました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
本をどう読むかなんて、個人の自由だが、もし、あなたが「自分の人生を変えたい」というのであれば、少しだけ読書の方法を学んでおいても損はない。
そんな「あなたの可能性を広げる読書」について、これからお話ししていきたいと思う。
その方法論を実践するメリットは、教養が身についたり、話題に乗り遅れなかったりすることだけにとどまらない。
読んだ本の内容を、即、行動に結びつけて、他の人が生み出せていないあなた独自の価値や知識を生み出せるようになる。
そして、あなたが思い描いていたイメージとはまったく違う人生が切り拓かれていくのだ。――「序章」より

本を読んでも「読むだけ」で終わってしまっている方なら、要チェックです!





Family reading / PVignau


【ポイント】

■1.本は目的を明確にして読む
 なぜ、「目的意識がない」「目的があいまい」だと、たくさん読んでも仕事の役に立たないのかというと、どの情報が必要なのか、脳が判別できないからだ。本に書かれている内容すべてが何かの役に立つ気がして、あれもこれもと散漫になってくる。本は付箋だらけになり、ラインマーカーは引き放題。しかし、結局のところ、何も覚えていなかったり、何の行動にも結びついていなかったりするわけだ。
「何か得られるだろう」という受動的な姿勢では、本から得られるものはない。目的を明確にして、必要な情報を能動的に「取りに行く」ことが、知識創造をするうえでは必要だ。


■2.本を読んで知識を創造する
 文学作品などの内容について決まった答えを書かせる一昔前の学校のテストをするなら話は別だけど、私たちの読書の目的は、「その本を読んで、知識を創造すること」だ。
 そう考えると、主張を100%理解しているかどうかや、全部読んだか読まないかは、どうでも良いこと。極端な話、1ページしか読まなくても、自分ならではの意見を持てたり、知識を創造できたりすれば、それで良いわけだ。むしろ、主張を完璧に把握していたり、1冊すべてを読めたとしても、何の知識も創造できなければ、それは読まなかったことに等しい。


■3.洋書は原書を読む
 洋書を読むときは、翻訳本でも良いのだが、できれば原書を読んでほしいところだ。
 一番の理由は、英語を日本語に翻訳するという作業自体が、知的創造を刺激する面があるからだ。母語で読むと読み飛ばしてしまうところでも、洋書の場合は、立ち止まって読むことになるので、「これは日本ではどうなんだろう」などと考え、発想を刺激することになる。日本語、英語に限らず、外国語で本を読む意義はそこにある。より多面的に本に書かれたアイデアを眺めることができるのだ。


■4.気楽に参加できる「リード・フォー・アクション」
「リード・フォー・アクション」は、ファシリテーターという進行役のナビゲートのもと、皆で1冊の本を読んでいくというスタイルをとっている。だから、本を事前に読まなくてもまったく問題ないのだ。当然ながら、意見をまとめていく必要もない。そのため、初心者でも、気楽に参加することができる。
 参加者同士が本を読むときには、同じテーブルの人と意見交換をしながら読む。もっとも、討論するのではなく、あくまでダイアログ(対話)をする。本の知識を競い合ったり、互いに論破し合ったりということはまったくない。


■5.読書をしたら行動する
あらゆる情報がネットを介していつでも手に入るようになった今、得た情報について机の上で考えている程度では、価値のある知識を生み出すことが難しくなった。必要なのは、情報をもとにリアルな行動をすることだ。それが伴うことで、はじめて、価値の高い知識を創造することができる。
 それを踏まえて、リード・フォー・アクションの会の最後には、必ず「自分の目的を達成すること」「今後の行動につなげること」を目標とし、それを書き出したり発表したりする。だから、読書会が終わってすぐ、
「よし、次は○○をやるぞ!」
 と行動に移すことができる。ひいては自分ならではの価値を生み出せるというわけだ。ソーシャルプレッシャーにも後押しされるので、行動に対するモチべーションも続きやすい。


■6.社外人脈ができる「リード・フォー・アクション」
異業種交流会の類では、そこに集まる人たちに共通点があまりないという難点がある。そのため・単なる名刺交換会に終わってしまうこともしばしばだ。一緒に何かをするわけでもないので、関係が深まることもない。
 それに対し、読書会は、同じ本に興味を持っている人が集まり、「本の内容」という共通の話題があるので、親しくなりやすい。とくにリード・フォー・アクションはその効果がバツグンだ。こまめにコミュニケーションをとりながら、協力し合って1冊の本を読んでいくので、「同志」のような感覚になり、親しくなりやすいのだ。また、互いに自分の目標を伝え合うので、その人の人となりがつかみやすい(きっと幕末の志士たちもこうやって志を同じくする仲間を集めていったのだろう)。
 こうして一度知り合った後、フェイスブックなとのSNSでつながっておけば、より一層親しみが湧き、関係が深まっていくわけだ。


【感想】

◆本書は、まず序章において、メディアとしての本の有用性や、読書の仕方の変化(「知識を暗記する」ことから「知識を創造する」へ)について言及。

この辺りは、そもそも当ブログをお読みの方なら、納得して頂けると思います。

それを踏まえた第1章は、下記目次にあるように「目的志向型」の読書について。

上記ポイントの1番目にあるように「目的を明確にする」ことの重要性が強調されています。


◆これはまさに「フォトリーディング」でも言われていることで、「神田昌典さん×読書」となれば、やはり「フォトリーディング」は登場せざるを得ないかと。

一応本書では、ご存知ない方のために、14ページほどに渡って、フォトリーディングの概略が説明されています。

ただ、フォトリーディングができないといけない、というワケではなくて、あくまで「目的志向型読書」の「究極の形」が「フォトリーディング」という位置づけなのでご安心を。

なお、「フォトリーディング」について興味のある方は、この辺のご本をお読み頂ければ。

4894513692
[新版]あなたもいままでの10倍速く本が読める

4894514176
フォトリーディング超速読術


◆続く第2章が、実は本書のキモとも言えるところで、その根幹をなすのが「リード・フォー・アクション」です。

Read For Action

詳しくは上記リンク先をご覧頂くとして、簡単に言うと、上記ポイントの4番目にあるように「ファシリテーターを置いた読書会」である、ということ。

本書では、具体的な会の模様にも触れられているのですが、とある事例を見る限り、フォトリーディングの手法が応用されているようでした。

そのせいか、分厚い本や洋書をテーマ図書にした読書会はすぐに定員が埋まってしまうそう。

要は、たとえ「読書障壁が高い本」であっても、ファシリテーターや、参加者、場のチカラによって、その本を「自分のモノ」にできる感じです。


◆結局、本書の評価は、この「リード・フォー・アクション」をどう捉えるかにかかっているのではないか、と。

確かに「リード・フォー・アクション」は、「本を読んでも、何も得られない」という悩みを持つ方には、実践的なアプローチとして有効だと思います。

とは言え、あくまで「本は1人で黙々と読む」というお考えの方もいらっしゃるので、個人的には何とも言えないところ。

ただ、逆に本書をきっかけに読書会に目覚めて、本書で紹介されているような「メディアに登場するファシリテーター」になられる可能性も否定できないので、ピンと来た方はチェックして頂きたく。

それにしても、「本のタイトルが内容とちょっと違うよなぁ」と思っていた私ですが、本書の表紙の「本」という字を、アマゾンのページでよーくご覧頂くと……。


なるほど、そういう事だったのか!

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バカになるほど、本を読め!
序章 なぜ、活躍できる人は皆「バカ」なのか

第1章 「目的志向型」読書

第2章 本を持ち、町へ出よう――なぜ本を「大勢で読む」のか


【関連記事】

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【読書術】『読書は「アウトプット」が99%: その1冊にもっと「付加価値」をつける読み方』藤井孝一(2014年01月02日)

【書評ゲーム?】『ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム』谷口忠大(2013年04月22日)

【知的生産?】『0点主義 新しい知的生産の技術57』荒俣 宏(2012年05月17日)

【問題解決】『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』安宅和人(2010年11月30日)

【読書ハック】「READING HACKS!」原尻淳一(2008年10月12日)


【編集後記】

◆「読書会」とは違いますが、どうせ参加するなら(?)、「オススメしまくる」こういう形の方が好きだったりします

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ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書)

レビューは上記関連記事にて。


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