2015年01月06日
【資料作成】『外資系コンサルタントの図解の技術』橋本歌麻呂

外資系コンサルタントの図解の技術
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、リアル書店で捕獲した資料作成本。著者の橋本歌麻呂さんは、コンサルティングファームでも「物事を図解化して分かりやすく説明する能力」に定評があった、というお方です。
アマゾンの内容紹介から。
ビジネス上の問題の8割は図解で解決できる!センスもデータ処理も必要なし!外資系コンサルティングファームで活躍した著者が教える「わかりやすい」と評判のテクニック。
資料作りにお悩みの方に、格好の1冊となるかも!?

The eXtended Web / mikecogh
【ポイント】
■1.「図解すること」は「考えを整理すること」と同じ様々な情報が入ってきて頭が混乱しているとき、いったん図解にしてみましょう。すると、考えが整理され、自然と何がポイントなのか見えてくるはずです。
ポイントが見えてくるとはどういうことでしょうか? それは次の4点を押さえているということです。・全体像が見える実はこの4点というのは、まさに図解するときに必要な思考そのものなのです。だから、図解すると頭の中が整理され、スッキリ理解できるようになるというわけです。
・重要な箇所がすぐにわかる
・構成要素の関係が明らかになっている
・不要なものが削られている
■2.色や濃淡に意味を持たせる
なぜ、色を変えるのか、なぜ濃淡を変えるのかについては、必ず理由が必要です。その理由とは、分類が異なったり、重要度の重み付けが違ったり、原因と結果のような関係が成り立つようなときです。もし、不必要に変えているのであれば、受け手を混乱させてしまいます。また、原色やピンクや赤、オレンジなどの目立つ色を理由なく多用することは避けましょう。
■3.図解が持つべき4つの機能
(1)内訳を出す……要素を分解して、構成する内容を列挙する。
(2)比較を行う……要素を列挙して、「どれがよくて、どれが悪いのか」、あるいは「何が同じで何が違うのか」比較を行うこと。
(3)範囲を見る……要素をいくつかの範囲に分けて、特徴を表す。各範囲が重なり合うこともある。
(4)関係を表す……原因と結果の因果関係。時系列や順序などの前後関係。
■4.7つのテンプレート
(1)表組型 ・縦軸と横軸を使って、見出しの要点をまとめたり、比較したりする。
(2)樹形型 ・根幹になる要素を基点にして、展開したり、遡及したりする。
(3)段階型 ・時系列や前後関係に並べて、要点を述べる。
(4)相関型 ・要素同士の結びつきを表す。
(5)座標型 ・軸を引いて、要素同士の立ち位置から比較する。
(6)階級型 ・要素の集合に階級がある。
(7)包含型 ・要素の集合に含むのか含まれないのかで比較する。重なりを表す
■5.見せる図解のための6つの仕上げテクニック
1 統一感をつくろう
2 方向を揃えよう
3 角と端を揃えよう
4 メリハリをつけよう
5 5つを超えたら分類を見直そう
6 1点をハイライトしよう
(詳細は本書を)
【感想】
◆良い図解術本というのは、掲載された図やチャート、グラフが良くないといけないわけで、逆にそれは、テキストでレビューすることの限界をも意味します。たとえば、以前書いたこの記事なのですが。
【はてブ2000超!】『ビジネスプロフェッショナルのExcel術』(2014年09月20日)
当初、当ブログでご紹介するのは断念していたものの、版元サイトの記事に、図がふんだんに使われていたのを知り、それを援用することでなんとかアップできたという。
翻って、今日ご紹介した作品ですが、図がないと、上記ポイントだけ見ても、ぶっちゃけ良く分からないと思います。
……版元さん、図を使った記事書いてくれないかなぁ(チラッ
150131追記:版元さんが図を掲載したページを立ち上げて下さいました!
外資系コンサルタントの図解の技術
◆また、他にも図がなくて泣く泣く割愛したのが、下記目次の第6章「ストーリーで学ぶ図解の使い方」。
ここでは、ストーリー形式によって「実際のビジネスの現場で、図解をどのように使用するか」を学びます。
主人公・影山真治が、自社である医療機器製造会社・東洋カーメンの「売上不振」や「不良在庫」といった問題を、図解によって分析。
さらには具体的な施策にまで落とし込んでいきます。
類書でも、具体例を使っているケースはいくつもありましたが、このように複数の問題を、流れに沿って解決していくパターンはなかった気が。
◆そしてその際に用いるのが、上記ポイントの4番目の「7つのテンプレート」です。
実際にここで図を提示できると分かりやすいのですが、それはさすがに断念。
本書では第3章が該当しますので、気になる方はリアル書店でチェックしてみてください。
また、続く第4章ではこれらのテンプレートの組み合せ技が披露されていて、実はここの方が「お見事!」なんですけど、こちらはもっと図がないと分かりにくいんですよね……(涙目)。
◆なお、リアル書店でのチェックを推奨しといてアレですが、本書には結構な誤植がいくつかありました。
具体的には「図解とその見出し(タイトル)が合ってない」というもの。
それがまた、ことごとくこのパターンばかりなので、ミスと言うより、どこかの過程で何かあったんじゃないかと。
……以前、会社の後輩の女性に頼まれてCDを3枚貸してあげたら、ケースとインナーとCDが全部バラバラにセットされて返ってきたことを思い出しました(違
現時点でアマゾンにはレビューがありませんが、そのせいで★が1つとかになっていたらちょっと可愛そう(サイトをパッと見て★が少ないと、その時点で離脱してレビュー内容までは読まない人が多い)なので、今回ここでアナウンスした次第。
……土井英司さんだって「誤植が目についた」と言いつつ、メルマガで紹介されることもあるので、お許し頂きたく。
コンサルタント流の図解術を手軽に学べる1冊!

外資系コンサルタントの図解の技術
第1章 図解の3つの目的
第2章 図解についての5つの誤解
第3章 7つのテンプレート図解術
第4章 テンプレートの組み合わせ技
第5章 見せる図解のための6つの仕上げテクニック
第6章 ストーリーで学ぶ図解の使い方
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【資料作成】『「伝わる」「通る」ビジネス資料作成術』渡辺克之(2013年05月03日)
もしものときのための『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』6選(2011年04月13日)
【編集後記】
◆今日の本に関連して。
ビジネスに効くスケッチ (ちくま新書)
内容紹介を読むと、「洞察力が身につくスケッチ眼、スピード重視で徹底的に省略するシルエット表現、図解で理解しプレゼンテーションでも発揮できるスケッチ思考、発想が湧き出すトレペ着想、さらに基本的な線の引き方から使える文房具の考察まで。目からうろこの技術がぞくぞく」なんてあって、非常に気になりますw
もっともこの本も、具体的な図あっての作品なので、当ブログでご紹介できるかは微妙なのですが……。

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