2014年12月29日
【99の仕事術】『大学では教えてくれないビジネスの真実』アレクサンドラ・レヴィット
大学では教えてくれないビジネスの真実
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログでは安定した人気のある「仕事術」ネタの1冊。先日仕事術本のまとめ記事をやったばかりなので、それに間に合わなくて少々残念でした。
アマゾンの内容紹介から。
アメリカの新入社員が一番最初に読む本。入社1年目から「成功」を手にするマストスキル99!
たとえ新人でなくとも、ビジネスパーソンなら目を通しておきたいTIPSが満載です!
untitled_15341_.jpg / Jack Bushong
【ポイント】
■1.採用される履歴書の書き方原案――へルスケア関連案件の予算の表計算シートを作成。この案件についてあなたが貢献したのはあくまでも補佐的な業務かもしれない。原案ではそう読める。だが、バージョンアップした案では、企業の大口の収益にかかわる仕事を任されていたと読める。複雑な財務の仕事でもリーダーとしてやっていける人材だと感じられるのだ。
バージョンアップした案――月間3千万円規模のへルスケア関連案件の財務管理。
広告業界ではこうした戦略をスピニングと呼ぶ。もしこれが自分に役立つと思えなくても、よく考えてみて欲しい。「創造性が備わっていること」「積極的な姿勢を持っていること」、この2つを履歴書で示すことができれば、ほとんどとるに足らない経験でもきらめく経歴にすることができるのだ。
■2.上司に確認すべき3つの戦略
二ューヨーク市でキャリアカウンセラーをしているジュディス・ガーバーグが、上司との最初のミーティングで確認すべき「3つの戦略」を指南している。1.時間をとってくれたお礼と働く意欲を伝える。
2.「自分が何をすべきか」と「上司が何を期待しているか」をはっきりさせる。
3.仕事の質を上げるために必要なトレーニングと支援があるかどうか明確にする。
■3.たらい回しの仕事にも「責任」を持つ
あなたが電話に応答すると、相手はいらだっている同僚や顧客のこともあるだろう。よくあるのは、その人は電話をたらい回しにされていて、4番目か5番目につなげられたのがあなただったというパターンだ。
ここで逃げることもできるが、手伝いを申し出たり、満足のいく解決策を出したりしてあげたほうがいい。その人があなたの上司にあなたの労力に感謝するメールを送るかもしれないし、良いことをしていればいずれ報われるものだ。
回ってきた仕事があなたの仕事に関連する場合は、もちろん責任を持つことは避けられない。すべての人に対していちばん大切な顧客のつもりで対応し、手をつけたすべてのプロジェクトを確実に完了させよう。
■4.さりげなく自己アピールする
一目置かれた存在になりたければ、あなたの業績を目に見える状態にしなければならない。あなたの昇進はあなたが何をやったかではなく、あなたが成し遂げたことを誰が知っているかに左右される。(中略)
では、傲慢だとか自慢屋だと思われずに自分の会社への貢献を知らしめるにはどうしたらいいだろうか?
そのカギとなるのは「熱意」である。
業績を説明するときに情熱的に語ることができれば、聞いている人はあなたがそれに精魂込めて取り組んでいると思ってくれるはずだ。情熱的な人は熱心に見えるし、他人の情熱をわざわざ批判しにくいだろう。
■5.自分の感情を管理する
何かに対して批判的な態度をとることは、不満に対する自然な反応だろう。しかし、それが正しい反応とは限らない。悲観的な20代の働き手たちは不快な気分になることにエネルギーを無駄に使いすぎる。周囲の人たち全員に嫌な思いをさせるので同僚たちには好かれないし、未熟な人物だと思われて、プロとしての人格にも傷がつく(中略)。
自分の考えを調整することを身につけて、筋の通らない期待を手放そう。そして自分の感情を管理して、怒りや心配、ストレス、不満を追い払えば、ほんとうに幸福でもっと心穏やかな人になれるはずだ。
■6.批判を生産的に受け止める5つのステップ
批判されたときに、怒りや弁解に終始する人は成長しない。その反対に、もっとも成功した人たちは、偏見を持たずに話に耳を傾け、建設的な批判は受け入れ、そこから成長する方法を見出す。ハリー・チェンバーズは、批判を生産的に受けとめる5つのステップを提案している。(1)批判を個人攻撃ととらない
(2)相手に確認するために断定的に言い直す
(3)アドバイスを求める
(4)情報を処理する
(5)自分の進歩をチェックし、フォローアップを依頼する
(詳細は本書を)
【感想】
◆冒頭で、本書が「仕事術本」であることは申し上げましたが、その範囲はかなり広いものになっています。実際、下記目次をご覧頂ければお分かりのように、第1章が「採用前」で、最終章である第10章が「退職」ネタ。
その間における、ほぼすべての事象について言及しているワケです。
ですから細かく言うと、「就職」「コミュニケーション」「ビジネススキル」「メンタル」「交渉」「昇進」「マネジメント」等々、ビジネスパーソンとして必要な、ありとあらゆるスキルが収録されている次第。
書影に「アメリカの新入社員が一番最初に読む本」とあるのも、分かる気がします。
◆それで、「アメリカでの評判がどんなものか」と気になって、向こうのアマゾンでググってみたところ、評価も上々。
They Don't Teach Corporate in College, 3rd Edition: A Twenty-Something's Guide to the Business World: Alexandra Levit: 9781601633088: Amazon.com: Books
今年の2月に出たばかりのようなのですが、原題に「3rd Edition」とあるので、第1版はもっと昔のハズ……ってレビューで一番古いのが2004年の9月ですから、10年前ですか。
これだけでは、一般的な評価までは分からないものの、こうして第3版が出るということは、一種の「定番本」的な扱いなのだと思います。
良く見ると、ダニエル・ピンクやケン・ブランチャードといった面子が推薦文を書いてますし。
◆ただし、フォローする範囲が広い分、どうしても一般的な内容が中心としまうのは、致し方ないかと。
ぶっちゃけ、当ブログでご紹介した翻訳本でも、ここまでネタ的にバラエティに富んでいた作品は、他に記憶がありません。
ですから、それぞれのジャンルごとに、掘り下げて本を読んでいる方にとっては、類書にもあるような話がちらほらあって気になってしまうかな、と。
ただ、本書は10年前からある以上、実は本書が元ネタだったりするかもしれないワケで、正直どっちが先なのか等は、私にはよく分からないのですが。
◆ちなみに、本書の「はじめに」には、「あなたがやれるいちばんのことは、この本の10章すべてを読んで、自分にとってもっとも効果があると思った考え方を選び出すことである」とありました。
確かに、収録しているTIPSは99もありますし、これはもう、当ブログでもよく言っている「自分に合ったものだけ実践すれば良い」ということで良いのだと思います。
一部、「それはちょっと日本でやるのはどうか?」というモノもありましたけど、その辺は、お勤めの会社と、ご自分のパーソナリティを考えて頂ければ、と。
そして、「マネジメント」や「退職」ネタがあることからもお分かりのように、新人だけでなく、中堅層以上の方にとっても、一読の価値はあると思います。
……私の場合、既知の話が耳イタくて困りましたがw
今年の仕事術本を締めくくるにふさわしい1冊!
大学では教えてくれないビジネスの真実
1 「採用前」の真実
2 「採用後」の真実
3 職場の人間関係
4 人生の目標を立てる
5 武器としてのビジネススキル
6 「心」を見直す
7 人を動かす
8 昇進する
9 部下を持つ
10 辞める決断する
【関連記事】
【仕事術】『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力』作佐部孝哉(2014年11月28日)【仕事術】『外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』川井隆史(2014年09月13日)
【オススメ!】『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之(2014年07月30日)
【仕事術】『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』戸塚隆将(2013年08月18日)
【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム(2013年12月22日)
【外資あるある】『外資1年目の教科書』福留浩太郎(2013年12月19日)
【編集後記】
◆この本、なかなか売れているみたいですね。夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え
メルマガで土井英司さんが「個人的には、シリーズ中、最高評価」とまでおっしゃってますし、当ブログでのレビューは無理でも、読んでみたいな、と。
ご声援ありがとうございました!
この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ
「マインドマップ的読書感想文」のトップへ
スポンサーリンク
この記事へのトラックバックURL
●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。
当ブログの一番人気!
12月16日まで
Kindle月替わりセール
年間売上ランキング
月別アーカイブ
最近のオススメ
最近の記事
このブログはリンクフリーです