2014年12月23日
【勉強法】『東大首席弁護士が実践! 誰でもできる<完全独学>勉強術』山口真由
東大首席弁護士が実践! 誰でもできる<完全独学>勉強術 (SB新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で取り上げた時点で、既に購入を決定していた1冊。当ブログではお馴染みの「東大主席弁護士」山口真由さんが、改めて「7回読み勉強法」の具体的なやり方ほか、独自の勉強法について語られています。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
桁外れの結果を残してきたのは、いずれも「教科書を7回読むだけ」という著者ならではの勉強術。
塾に通ったり家庭教師についたりしたことは、過去に一度もない。
本書では、そのシンプルにして合理的、かつ安上がりな独学法のすべてを公開。
大学受験はもちろん、中学・高校受験、社会人の資格試験にも必ず役立つ一生モノのメソッドだ。
今回は特に「7回読み勉強法」についてフォーカスしてみます!
Reading / ZapTheDingbat
【ポイント】
■1回目:まずは全体を眺めるだけ1回目は、スピード感を重視しましょう。繰り返しますが、内容を理解しなくてかまいません。集中して全体を「眺める」だけです。
たとえるならば、ものすごく疲れているときむに本を読んでいるような状態。読み進めようにも疲れていて、ざっと眺めるだけでさっぱり内容が頭に入ってこない。そんな程度の理解度でいいのです。
■2回目:確認しながら単語を拾う
大きく変わるのは、1回目では漢字しか拾わなかったのに対して、2回目は数字も拾うことです。
2回目になると、これが負担なくできます。具体的には「670年、庚寅年籍」「694年、藤原京」のように拾っていきます。拾った漢字と数字は、これまで同様、頭のなかで唱えながら進みます(ただし、まだ「黙読」するのではありません)。
■3回目:拾い残しをさらっとゲット
1、2回目はサーチライトをあてながらジグザグに眺めていく感覚でした。それに対して、3回目は1、2回目より照らす範囲が狭い「レーザービーム」をあてます。そして、「左から右」→「左に戻って、また左から右」と1行ずつ読む通常の読み方に変わります。その分、1、2回目より時間がかかるわけです。
■4回目:意味を拾いながら読む
4回目は、簡単にいうと、テンポよく黙読するイメージです。(中略)
4回目は本文の意味を把握しながら、1行ずつ「左から右」→「左から右」と普通に改行しながら読み進めます。3回目までは、単語(漢字・数字)を拾っていましたが、4回目では「唐招提寺をひらいた鑑真ら、、国の僧侶の活動に……」というように、普通に文章を読むのです。
■5回目:理解度が2割から8割に急上昇
4回目と5回目の違いは、次に読むところの内容を少しずつ予想できるようになること。頭のなかで教科書と対話するような感覚です。(中略)
また、4回目まではさらっと眺めるだけで済ませてきた図版、表、縦書き部分も5回目では読んでいきます。この5回目ではじめて本文以外の部分を含めた教科書を全部通読するようにします。
■6回目:要領をまとめて頭に叩き込む
まずは見開き2ぺージの左ページを普通に1行ずつ読んで終えます。その後、右ページに進む前に、あらためて左ぺージの頭からさらっと読み返します。こうすることで一度読んだ文章をあらためて拾い読みして、頭のなかで要約するのです。これを「普通の黙読×拾い読み要約」と称しているわけです。(中略)
拾い読み要約で、サーチライトをあてながら眺めるときには、単語と単語を頭のなかでつなげながら読み進めるのがポイントです。(中略)
単語と単語、数字に動詞を組み合わせて、頭に叩き込むイメージです。そうやって、「固有名詞、固有名詞、数字、数字、なにをした」という、単語同士の関係性で要約していくわけです。
■7回目:細かいところまで再現できるまで完璧にする
7回目が、1回目から6回目までと大きく異なるのは、1ぺージを頭から読む前に、まずページ単位で要約することです。そして、次に本文を1行ずつ黙読しながら、正しく要約できているかを「答え合わせ」していくのです。
間違って覚えていないかをチェックしながら黙読していきます。この作業によって、内容を完璧に叩き込でいくのです。「記憶は確かかな」「あっ、ここは間違っていた」と記憶の状態を確認しながらたどっていくことで、最終的に記憶を正確に固めます。
【感想】
◆以上、「7回読み勉強法」の各回ごとの「ほんのサワリ」でした。本書はこの「7回〜」以外のTIPSも収録されてはいるのですが、何せこの部分だけで40ページものボリュームがあるという……。
実際、本書のプロローグでも山口さんは、今まで自著にて「7回読み勉強法」に触れてきたことに言及した上で、「しかし、その具体的な方法論については、読者の皆さんがそのまま実践できるような説明をしきれていませんでした。その反省から、本書では皆さんが私の勉強法をちゃんと実践できるように、詳細に説明していきたいと思います」と言われています。
おまけに、本エントリーではごっそり割愛していますけど、理系科目用の「7回解き」なる勉強法も、20ページ強使って解説しているわけでして。
ちなみに、この「7回読み」「7回解き」でも対応しきれない科目については、「仕方がないと割り切る」のだそう。
要は「東大入試」のようなケースでは、トータルの点数勝負なので、他で頑張れば良い、というスタンスです。
……資格試験では、1つでも足切りにひっかかるとアウトなものもあったと思うので、その辺はご注意頂きたいところですが。
◆また、興味深かったのが、「7回読み」をする際の山口さんの姿勢。
椅子に座って机に向かい、両手で教科書を持つところまではいいのですが、「椅子の上に左足をのせて立ひざをする」というところで、「ハァ?」w
何やら、『デスノート』のLみたいですよ、それ。
本書では、実際に山口さんがそのポーズを取っている写真が掲載されているのですが、教科書を注視する山口さんの目は、
「2週間に渡り、1日19時間30分勉強した」という逸話があるくらいなので、やはり集中力は突出されているようです。
◆……と「7回読み勉強法」についてばかり掘り下げてきましたが、「勉強本オタク」である私個人の見解としては、「そういう勉強法もあるよね」といったところ。
頭から否定はしないものの、積極的には肯定できない、というのが本音です。
特に引っかかったのが「一切マーキングをしない」ことと、「7回読み終わるまで問題集に手を付けない」こと。
一般的には、(やり方は皆違えど)マーキングをしない勉強法などほとんど見たことないですし、問題集は比較的初期の段階で手を付けるのが、現在の勉強法の王道です。
この「山口さん流」の勉強法で挑戦してもいいのですが、他のスタイルと相容れられない部分があるので、下手したら心中しかねないのではないか、と。
◆さらに気になるのは、この勉強法は「すべての人に有効」だとは思えない(少なくとも私はダメですw)のに、試してみて効果がなかった場合、それが「個人の資質(タイプ)の問題」なのか、「やり方の問題」なのかが判断しにくいことです。
私は山口さんのデビュー作で、「7回読み勉強法」なるものを知ったのですが、その後、それだけを掘り下げたこの本を、山口さんは執筆。
東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法
ただ、こうして1冊かけて解説しても、まだ「読者がなかなか実践できない」ということで、今般「さらに詳しく解説した」本書が出されたワケですから、本書を読んでも実践できなかったら、もう「個人の問題」としてあきらめてもらった方が無難ではないかと。
とは言え「あきらめる」というのは、悪いことでも何でもなくて、たとえば、私が税理士試験で理論暗記をした際には、当初、「書いて覚える」というやり方で挑戦したものの、すぐにダメだと気付いて「読んで覚える」に切り替えました。
要は、人には「向き不向き」がある、ということで、逆にこうして山口さんのやり方で成果が出た人もいますからネ。
【驚愕】東大主席が考案した勉強法を3ヶ月実践してみた結果wwwwww - かれっじライフハッキング
「7回読み勉強法」の最後のバイブルです!
東大首席弁護士が実践! 誰でもできる<完全独学>勉強術 (SB新書)
プロローグ なぜケタ違いの結果を出せるのか
パート1 レベルの高いところに身を置くと楽
パート2 1番にならなくてもいい! 大切なのは“上位3割"
パート3 私の東大合格法
パート4 目標達成のメンタルトレーニング
パート5 7回読むだけでインプットする技術
パート6 理系科目が完璧になる「7回覚え」
パート7 苦手は「守り」、得意で「攻める」
パート8 「苦手」は発想の転換で克服する
パート9 読む、書く、聞く、話すのどれが得意か
パート10 集中力を最大限に高める方法
パート11 自分にスイッチを入れる方法
パート12 パフォーマンスを劇的にアップする時間術
パート13 社会人のパフォーマンスアップ術
おわりに 昨日の自分に今日は勝つ!
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【編集後記】
◆こうしてレビューしておいて、ちゃぶ台返すようですが(ヲイw)、山口さんの勉強本としては、個人的にはこちらの方がしっくりきました。誰でもできるストーリー式記憶法
レビューは上記関連記事にて。
ご声援ありがとうございました!
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