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2014年12月11日

【働き方】『ハイパフォーマー 彼らの法則』相原孝夫


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ハイパフォーマー 彼らの法則 (日経プレミアシリーズ)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、人事・組織コンサルタントである相原孝夫さんの最新刊。

前作である『20代のあなたに、会社が期待していること』は、当ブログでも人気でしたが、本書も「全世代のビジネスパーソン必読」の内容だと思います。

アマゾンの内容紹介から。
成功法則の「常識」を覆す!成果が継続する人に、共通する行動習慣とは何か。数千人の「できる人」を分析し、見えてきたのは、意外なほど、誰もが実践できる5つの特徴だった。豊富な事例を紹介しながら、ビジネスの好循環、悪循環の謎を解く。「いい仕事」をする人が、何を考え、どう働いているかが学べる1冊。

ハイパフォーマーを目指す方なら、要チェックです!





Group of happy business people clapping their hands / tec_estromberg


【ポイント】

■1.失敗を自分ごととして受け止める
 誰にとっても失敗とは手痛いものであり、目を伏せたいものだ。できればそれは失敗ではなかったと思いたい。できるだけ早く忘れ去りたい。(中略)
 精神的なダメージをできるだけ避けて、次の仕事に前向きに取り組むためには、確かにそれも1つの手段ではある。しかし、ハイパフォーマーたちはそれをしない。あえてその経験を自分事として直視するのだ。ただの失敗に終わらせずに、そこから何かを学び取ろうとする。経験重視であり、成長重視なのだ。


■2.まずはやってみる
 ハイパフォーマーは、たとえうまくいかない可能性があっても、とにかくまずはアクションを起こしてみる。彼らはミスや失敗を避けようとするよりも、早く学び取るために自分のスキルや知識の限界に向き合うチャンスを積極的に模索するのだ。
 できる限り早く、そしてたくさん失敗すること。この点は前章のテーマにも共通する。ジェームズ・ダイソンのような起業家たちは失敗をして前へ進む。早く学ぶためにまずは失敗するのだ。
 成功している人は、何かを学び、上達するためのべストな方法は、まずはやってみて失敗することだと知っている。


■3.身近な人を積極的に支援する
 ハイパフォーマーの人たちは生産性高く仕事をするためにも、気持ち良く楽しく仕事をしたいと思っている。そのために一番重要なことは身近な人たちとの関係であり、それにより、互いにいい仕事ができ、成功にも近づくということを知っているのだ。(中略)
 身近な人を積極的に支援すると、当然ながら関係性は良くなリモチベーションが維持しやすくなり、生産性高く仕事ができる。困った時にも周囲から助けてもらえる。また、評判も高まり、重要な仕事が任されたり、自由裁量の余地を多く与えられたりする。成果があがった時には、仲間と一緒に喜びを分かち合える。それにより、さらに関係が強固なものとなる。このように好循環が回ることになる。


■4.再現性を重視する
漁師であれば、どういう条件が揃えば魚がたくさん獲れるかを会得し、その想定のもとでたくさん獲れて初めて嬉しいはずだ。
 ハイパフォーマーもこれと同じである。プロ意識が強いのであろう。たまたま成果があがったということで喜んだりはしない。今回の成果はそこそこであっても、次につながる何かをつかむことができた時の方が嬉しいのである。ハイパフォーマーはもちろん結果重視でもあるが、同様にプロセスも重視する。たまたま入ったゴールでは満足せず、描いたプロセス通り進んだ結果のゴールでなければ納得しないのだ。


■5.仕事と一体化する
 私は職業柄、業種や職種を言い当てるのは得意な方だが、特に、ハイパフォーマーであるほど、それらの特徴は色濃く見て取ることができる。(中略)
 外見に限らず、考え方や価値観に至るまで、ハイパフォーマーの人たちは仕事と一体化している。ハイパフォーマーかどうかを判別するうえでは、その人の仕事について聞いてみるだけでいい。ポジティブな側面について言及する人はハイパフォーマーであり、ネガティブな側面に言及する人はハイパフォーマーではない可能性が高い。
 なぜなら、実績をあげている人ほど、その仕事の本当の意味合いやその仕事の素晴らしさを見いだしているからである。


【感想】

◆今回は、比較的シンプルにまとめてみました。

もちろん、付箋はもっと沢山貼っております(といっても成毛眞さんのように50枚も貼ってませんが)し、通常なら引用しているであろう内容も多々。

ただ、本書の場合、よく仕事術本である「TIPSの寄せ集め」ではなく、テーマに関連する「大きな柱」を掘り下げるタイプの作品です。

そして、その「大きな柱」に関して、かれこれ20年ほど「ハイパフォーマーの調査・分析をしてきた」著者の相原さんが、過去接した事例や、関連書籍からの引用を踏まえて論じる、という仕様。

ただし、スペースの関係で、理由や具体例については、今回のエントリーではバッサリ割愛していますので、その辺は本書をお読みください。


◆また、その関連書籍には、当ブログでもご紹介済みの本がいくつかありました。

たとえばこの本ですとか。

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やってのける ~意志力を使わずに自分を動かす~

参考記事:【スゴ本!】『やってのける 〜意志力を使わずに自分を動かす〜』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2013年09月24日)

上記参考記事内にある「証明型」「習得型」のお話が、ハイパフォーマーに関連している模様。

また、この本は、上記ポイントの2番目と、密接に関係しています。

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小さく賭けろ! 世界を変えた人と組織の成功の秘密

参考記事:【オススメ】『小さく賭けろ!―世界を変えた人と組織の成功の秘密』ピーター・シムズ(2012年04月05日)

……この本、参考文献の常連さんな気が。

てっきり起業家だけの話かと思いきや、一般的なビジネスパーソンにも関連していたとは意外でした。


◆一方、本書で登場する事例を読んでいて、若干気になったのが、「ハイパフォーマー」の方々の上司のこと。

人によっては、それまでうだつが上がらなかったところ、上司が変わったことで、ハイパフォーマーに転じる方も見受けられました。

もちろん、上記ポイントの3番目を実践していて、普通に周囲の評判は良いんですけどね。

この辺りは、起業家とは違って、組織で働く以上、しょうがないことではあるのですが。


◆ところで、こうして「5つの特徴」を抽出した相原さんは、本書を執筆中に、ある大手企業のOBの方々と話をすることがありました。

そこで、書き進めていた本書の内容について話をされたところ、彼らから「ある指摘」を受けます。

これが結構「目からウロコ」と言いますか、「ちゃぶ台返し」(?)と言いますか(ネタバレ自重)。

私はまだOB世代ではないものの、それなりの世代なのでこの指摘にうなずけましたが、果たして若い方々はピンと来るのやら……。

ちなみに、「5つの特徴」を否定するものではなく、むしろ「補強」することなので、ご安心を。


仕事で成功する上での普遍的なお話でした!

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ハイパフォーマー 彼らの法則 (日経プレミアシリーズ)
第1章 前向きなあの人が、なぜ結果を残せないのか
第2章 良くも、悪くも、すべては循環する
第3章 期待の新人は、なぜ「平凡な社員」になったのか
第4章 失敗から学ぶ彼らにとって、仕事は「ゲーム」だ
第5章 彼らは、とにかく「小さな行動」を続ける
第6章 彼らは身近な人を支援し、成功を助ける
第7章 彼らは、たまたまの成果を喜ばない
第8章 彼らは、環境が変わっても瞬時に溶け込む


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【編集後記】

◆本書の参考文献として挙げられていた1冊。

中古でも新刊並みに高いのですが、Kindleの「年末年始セール」の対象商品なので、今なら「54%OFF」とお買い得です!

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成功する子 失敗する子 ― 何が「その後の人生」を決めるのか

この機会にぜひ。


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