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2014年12月08日

【本棚術?】『本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか』成毛 眞


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本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、お馴染み成毛眞さんの「読書術本」

もっとも成毛さんは、今まで何冊かこのジャンルでご本を書かれていたこともあってか、特に今回は「本棚」にフォーカスしてらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から。
本棚のルールを知るだけで、効率良く知識が手に入ります。
重要なのは「本棚の新陳代謝」と「余白があること」。
本棚の中身が入れ替われば、それだけ多くの知識が身に付くし、余白があれば、空いているスペースに将来知っておきたい「知」が入る予定があるということです。

もちろん、本棚に端を発した選書法や読書術も披露されてますので、当ブログの読者さんなら「マスト」な1冊です!





Oliver in the Bookshelves / Mr.TinDC


【ポイント】

■1.本棚で頭の中身をアップデートする
本棚には、鮮度が勝負のノンフィクションの本を中心に並べるべきだ。そして、あなたの脳の中身をアップデートさせる装置として使う。本棚の中の本を最新のものにアップデートすることは、自分の頭の中の情報をアップデートするということだ。本棚の中の、本という物体を動かすことで、新しい情報や知識を頭に入れ、吸収することができるのだ。これは、本棚の持つ素晴らしい機能である。


■2.ベストセラーは読まない
 私には、本棚に並べない本に加え、読まない本もある。べストセラーだ。何十万部と売れるべストセラーを読んで得られるものは、他の何十万人の読者が得るものと変わらない。他人に差をつけたければ、他人とは違う本を読むべきだ。
 あるいは、読んでもそれを読んだとカウントしないし、自分からは周囲に言わない。


■3.社会人の持つべき3つの本棚
(1)新鮮な本棚……買ったばかりの本、これから読む本を置いておくスぺース。そこにあるのは、これからの自分の教養だ
(2)メインの本棚……読み終えた本を効率良く並べて置いておく場所。3つの本棚のうち、最も収容量が多い。一般家庭にある本棚が、この本棚に近い
(3)タワーの本棚……ふとしたときに参照したくなる本を積んでおく本棚で、辞典やハンドブックで構成される。知識を層にして積み上げるイメージだ

(詳細は本書を)


■4.メインの本棚に入れる基準
 本が各セルに収まりきらないなら、入れるものをセレクトしなければならない。ぎっしりと収まればいいというわけではない。本を入れるのは8割まで、残りは空間として残しておかなくてはならないのは、前の章で書いた通りだ。セレクトは非常にシンプルなルールに沿って行う。
 基準はこうだ。
(1)面白いかどうか
(2)新しいかどうか
(3)情報量が多いかどうか


■5.古典は積ん読でいい
 私が主にすすめるのは新刊だが、この手の古典を「古いから」「難しいから」と対象外にしてしまうのは早計だ。また、読まないからと本棚に入れておかないのも損だ。いつも目に入るところに置いておかないと、忘れてしまって二度と読まない。
 いつか、読める日が来るかもしれない。それが5年先、10年先でもいい。前章で、「積ん読は無理に読むな」と書いた。読書は長く楽しめる娯楽なのだから、焦る必要はない。本を読むのにもタイミングがある。読む気になれないのは、まだ自分とその本のタイミングは来ていないだけだと判断するべきだ。古典は、多くの人にその内容が保証されている本である。その保証人にいつか自分が加わるというのは夢がある話ではないだろうか。


■6.本に付箋を貼る2つの箇所
 貼る箇所は、「驚いた新しい事実」と、「人に紹介するとしたらこのフレーズ」という箇所だ。この2力所に貼ると、あとから思い出したいときに困らない。書評を書くときにも大いに使える。そうやって読んでいくと、本を読み終えたとき、必要な場所に付箋という名の自分専用のしおりが挟まっていることになる。私は、1冊につき50カ所くらい付箋を貼る。


【感想】

◆今まで当ブログでは、「書斎」という切り口の中の1つとして「本棚」を扱った本をレビューしたことはありましたが、「本棚」中心の作品、というのは初めてなハズ。

ただそれも、当代きっての読書家であり、多ジャンルを読まれる成毛さんの新刊ということであれば、読まない訳には参りませぬ。

まず本書の第1章では、上記ポイントの1番目にあるように、「本棚」の持つ役割について言及しています。

実は「ノンフィクション中心」と言われつつも、「仕事の本は入れない」ですとか、「ジャンル分けにする」といったお話もあるのですが、詳細は本書にて。


◆上記ポイントの2番目によると、本棚に入れる入れない以前に、成毛さんは「ベストセラーは読まない」そうなんですが、逆に土井英司さんは、仕事柄「どういう本が売れているのか」を知っておく必要があるため、ベストセラーを読んでいる、というお話を聞いたことがあります。

一方私の場合は、そもそもそんなに部数が出るまで待てない(ビジネス書で初版が10万部とかありませんw)ので、読んだ本が結果的にベストセラーになることはありますが、「売れてるから」といって読むことはほとんどありません。

そういう意味では、出遅れた場合を除けば、売れているかいないかはあまり関係ないカモ。

ちなみに、成毛さんは「どんな本が好きですか」と聞かれたら、「ベストセラーにはなっていない、面白かった本」を答えるのだとか。

具体的に挙げられていた中の1冊がこちら。

4105064312
量子革命―アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突

うーん、テーマ的にもお値段的にも、ウチではちとキツそうなw

なお本書では、ところどころで成毛さんのオススメ本が、装丁のイラスト&簡易レビューとともに掲載されている点も見逃せませぬ!


◆続く第2章では、具体的な「本棚の作り方」について掘り下げられています。

上記ポイントで言うと、3番目と4番目が相当。

上記では、サラッとまとめているものの、ぶっちゃけ本書のメインコンテンツと言えるのが、この第2章かと。

そして、上記ポイントの3番目で言うところの「メインの本棚」について触れたのが、ポイントの4番目なんですけど、これまた軽くまとめ過ぎましたね。

さらに具体的なオススメ本棚まで紹介されているのが、大変ありがたいところで、たとえばこちらは、メイン本棚のオススメ。

B00KRUDAEG
IKEA KALLAX シェルフユニット バーチ調 77×147cm 00275891

なんで背面が空いているのか、なんで奥行にこだわるのか、等々については、これまた本書にて。


◆第3章は、「本棚を新調しない」人にもありがたい、「成毛流選書&読書術」について。

まず上記ポイントの5番目にある「古典は積ん読でOK!」というのが嬉しかったです……って、私はもういい年なんで、いいかげん読むべきだと思いますがw

また、ポイントの最後では、成毛さんが通常貼られる付箋が50カ所というのも初めて知りました。

私も付箋を貼った本の画像をアップした際、たまにブコメやTwitterで「付箋が多すぎる」と批判されることがあったのですが、今後は気にしませぬw

特にこういうレビューを書く作業をしていると、付箋を貼った箇所を削ることはできても、付箋を貼ってない箇所を再度見つけ出すのは至難の技なんで……。


◆ここまででお腹いっぱいだったのですが、実は巻末の特別付録こそが、書評系ブロガーやアマゾンレビュアーなら見逃せないパートです。

ここでは成毛さん主催の「HONZ」で実践している「読まれる書評の書き方」を、20ページ超を費やして解説。

正直、ここだけで記事が1本書ける位なんですけど、他のパートと毛色が違いすぎるので、泣く泣く割愛しました。

一応、ネタバレというか、成毛式フォーマットに沿って書かれた事例として分析されていたのが、HONZのこちらのエントリーです。

『偉人は死ぬのも楽じゃない』 - HONZ

なお、私の今回のこのエントリーは、もちろんまったく沿っていませんのであしからずw


本好きなら、読んで損なしの1冊!

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本棚にもルールがある---ズバ抜けて頭がいい人はなぜ本棚にこだわるのか
第1章 本棚は外付けできるあなたの脳である

第2章 「理想の本棚」の仕組み

第3章 教養の深まる本の買い方、読み方

特別付録 [HONZ特製] Webで読まれる書評の書き方


【関連記事】

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【これはヤバいw】『面白い本』成毛 眞(2013年01月24日)

【HONZ本】『ノンフィクションはこれを読め! 2013 - HONZが選んだ110冊』成毛 眞 編著(2013年10月25日)

【本好き必読!】『ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊』(2012年10月25日)

【オススメ】『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ 』成毛 眞(2010年07月10日)

【読書】成毛眞さんのセミナー「遠くを見すえるための非ビジネス読書術」に潜入してきました(2011年05月11日)


【編集後記】

◆本書の中でオススメされていた1冊。

448089313X
仁義なきキリスト教史

成毛さん曰く「読者は自分がキリスト教史を学んでいるのか、広島やくざ言葉を学んでいるのか、だんだんわからなくなってくるだろう」とのことですw

中古が値崩れしていないのでKindle版もご検討を。


ご声援ありがとうございました!

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