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2014年11月28日

【仕事術】『世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力』作佐部孝哉


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世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、1回前(11月13日)の「未読本・気になる本」の記事にて人気だった、仕事術のご本。

著者である作佐部孝哉さんは、アクセンチュアのグローバルリーダー育成プログラムを担当されている方で、社内向けの研修講師としても「全プログラム中、年間No.1の満足度」を達成されたのだそう。

アマゾンの内容紹介から。
2014年ラーニングエリート企業200社中第1位(米国の人材育成最高責任者向け情報誌「CLO」)に輝いた、世界最大規模の陣容を持つアクセンチュア。
同社組織・人材戦略の第一人者が、社外のトップビジネスマンや社内のコンサルタントたちの能力開発に活用してきた「成長のルール」を初めて解禁したのが本書です。
通常は10年かかるスキル習得を3年で得られる同社の育成の仕組みに基づいたノウハウがわかります。

なるほど、この「心構え」で日々仕事をしていたら、それは成長しまくります罠。

思わず付箋も貼りまくり!







Accenture / Avanade / Coritel / Ricardo Ricote Rodriguez


【ポイント】

■1.ナンバーワンになるための2つの方法
 1つめは、意外なもの同士を掛け合わせていくことで新しい市場を築くという方法です。
 2つめは、いま自分がやっている仕事の土俵を自分がナンバーワンになるまで、小さく、小さく分解していくという方法です。
 例えば、マーケティング戦略が得意なら、渋谷区のアパレル向けマーケティングならナンバーワンとか、3世代で一緒に住んでいる家庭向けの旅行企画ならナンバーワンとか、市場を細分化して、自分が勝てる土俵を設定していくことです。
 どちらのやり方にしても、市場におけるあなたの価値を決めるのは、必ずしも「能力の高さ」ではあめりません。「希少性」という価値も重要なのです。


■2.複利で成長する際の2つのポイント
 1つめは、普通は20%下がったら、下がった20%分だけ頑張れば元に戻るはずだと思いがちですが、そうではないということです。
 一度、100%が80%に落ちてしまったら、元の100%に戻すには20%ではなく、25%頑張らないと元の100%には戻れません。(中略)
 2つめは、効果を早く出せば出すほど、複利効果がより大きく効いてくるということです。同じ20%成長でも、元が100万円の場合と、500万円の場合では、リターンが変わってきます。成長速度を速めたいなら、頑張る時期を後ろではなく、できるだけ前倒しをしたほうが複利の効果が大きく活かせます。


■3.何気ない日常を「意思決定の場」ととらえる
「どんなランチを食べるか?」「どんな服を着るか?」――。そういった日常における意思決定の積み重ねによって、いまの状況、結果が生まれています。無意識に自分がどういう決断を下すのかという癖を知り、その意思決定のモデル自体を高めていけば、いまの状況はより良くなります。
 そして、あなたが意思決定を意識的にやることで、まわりからの見方も変わります。
 例えば、「すぐに決める」「常に自分の意見を先に言う」といった意識で毎日、行動を積み重ねていけば、職場や会議でのプレゼンスが上がります。向然とまわりから「あの人に聞けば……」と意見を求められるようになり、存在感が高まることで、ハイパフォーマーとしての認知も高まるのです。


■4.迷う時間を減らすための3つの方法
●「迷ったらやる」
 迷うというのは、メリットとデメリットが括抗しているから迷うということです。
 もしそうなら、万が一失敗しても「挑戦したという誇り」と「経験という財産」が残るので、やるほうを選びましょうとこうことです。
●「判断軸を決める」
 何かを選択するときに悩んでしまうのは、何を選んでいいかがわからないのではありません。自分にとって何が大切なのか、その軸自体が決まっていないから悩んでしまうのです。悩んでいる状況において、さらに選択肢を増やしたり、新しい情報をたくさん集めても不安は解消されません。
●「できるかどうかを考えない」
 意思決定が遅い人を見ると、その思考プロセスには共通点が見られます。それは「できるかどうか」を考えてしまうことです。
 逆にハイパフォーマーはどういう決め方をしているのか。それは「できるかどうか」ではなく、「やる価値があるかどうか」という観点で決めています。


■5.「思考」の速度より「試行」の速度を上げる
 ビジネスの世界では、どんな素晴らしい企画でも先行されてしまえば終わりです。
 いまの時代、どの企業においても入手できる情報の質、量、タイミングとも大差ありません。しっかり考えれば、おのずと似たような戦略ができあがってきます。つまり、いまや戦略の巧拙よりも、いかに早く着手するかが大切なのです。
 とかく、私たちは完璧な準備に拘ってしまうところがあります。
 うまくいくために必要な計画、人、資金の準備が万全に整うまでリスクがあるからやらないという癖です。それでは他の人に遅れをとります。
 ハイパフフォーマーが意識しているのは、戦略や計画を考える「思考」の速度ではなく、むしろ「試行」の速度を上げていくことです。


■6.失敗のあとは堆肥化を怠らない
 失敗したときには、責任の所在を考えるより、「具体的に解決に向けてどう対処していくか」に知恵を使い、実行していくことを意識しましょう。
「失敗の堆肥化」とは、良い失敗をどんどん重ね、それを肥やしに次の成長の階段をかけあがることを意味しています。日々の仕事でいえば、上司から注意されたこと、顧客の前でプレゼンをして思ったとおりにできなかったときなど、失敗したケースを自分なりに分析し、再発しないやり方を考えることて次回に活かしていく。
 こうすれば失敗はただの失敗ではなく、よりうまくなるためのステップへと変わっていきます。失敗は悪いものでも、避けるものでもありません。良い失敗は、あなたがハイパフォーマーとなるためのマイレージポイントとなるのです。


【感想】

◆今回はちょっとボリューミーになってしまいましたが、お許しを。

以前「未読本・気になる本」の記事で触れたように、アクセンチュア出身者の方のご本は、三谷宏治さん以外、あまり思い当たりません。

同じコンサル業界でも、マッキンゼーやBCGに比べると、少々さびしい限り(ただしマッキンゼーの場合、書名に入っているケースが多々あるので、印象が強い可能性は高いですw)。

もっともこれは、本当は本を出していても「アクセンチュア」と名乗ってない(名乗れない事情あり?)からかもしれませんが。

いずれにせよ、内容紹介にあるように「初めて解禁した」という「アクセンチュアの成長のルール」は、非常に濃密なものでした。

冒頭の付箋も、ブコメ等で批判されることもあるので、あれでも多少は減らしているというw


◆ちなみに、サブタイトルにもある「3つの仕事力」ですが、これは書影に小さく書いてあります

その「構想力」「人間関係構築力」「実行貫徹力」の3つは、下記目次の通り本書の第3章から第5章までに該当。

さらに、それぞれの章ごとに「成長のルール」が収録(計49個)されている構成になっています。

また、その「成長のルール」の中でも、「方法」や「ポイント」が大体3つずつ列挙されている、というのも、コンサル仕様なんでしょうか?

3つ挙げられているのに、その中から1つだけ選ぶ訳にもいかず、上記ポイントの4番目などは、結構なボリュームになってしまいました。

正直、このお話だけで、記事1本書けるくらいの内容を、上記ではかなり端折っているんで、本書を手に取られた方は、ぜひチェックして頂きたく


◆本書は、主に若手向けであろうことからか、内容的には類書でも見かけるお話も当然ありました。

ただ、それらも「類書より掘り下げられている」のが特徴です。

たとえば、上記ポイントの2番目の、俗に言う「複利で成長する」お話でも、「下がった%だけ頑張ったのではダメ」という指摘は初めて見た気が。

同時に、「早く成長した方が得」というのも、複利の仕組みから考えたら当たり前ですが、「毎日のちょっとずつの成長が、将来の大きな成長に繋がる」という趣旨からか、類書ではあまり強調されていないかと。

一方、上記ポイントの6番目も、内容としては既知でありながら「堆肥化」というメタファーが秀逸だと思います。


◆また、あれだけの付箋なので、割愛した部分もかなりありました。

1つご紹介しておきたい「成長のルール」が『「言わない」気配りより「言い方」の気配りをする』

これは、「言うべきことはしっかり言う、ただし、言い方の気配りを持って伝える」ということです。

これもまた「3つのポイント」が挙げられてまして、ざっくり端折ってしまうとこんな感じ。

・相手の立場を尊重する切り出し方をする

・「ここを強化するともっと良くなるよ」という未来志向の指摘

・当事者意識を持って伝える


確かに「何を言うか」と同じくらい「どう言うか」には注意したいところです。


◆なお、上記の「3つの仕事力」とは、アクセンチュアが、国内外の優良企業において上位の管理者になった人、約8000名を調査し、その共通の要素を分析した結果導きだされたものなのだそう。

そして本書では、その成長を促す土台となる心構えや行動特性のうち、代表的なものが収録されている、とのこと。

それも抽象的な話に終始するのではなく、具体的なアクションに落とし込まれている点も、ポイントが高いです。

似たような仕事術、自己啓発書も多いですが、本書はアタマ1つ抜けてる感じ。


これはオススメせざるを得ません!

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世界No.1コンサルティング・ファームが教える成長のルール ハイパフォーマー集団が大切にする3つの仕事力
はじめに なぜアクセンチュアの社員は成長が早いのか?
第1章 これからの時代のハイパフォーマー
第2章 ハイパフォーマーをつくり上げる基本姿勢
第3章 学ぶ力を磨く成長のルール
第4章 構想力を磨く成長のルール
第5章 人間関係構築力を磨く成長のルール
第6章 実行貫徹力を磨く成長のルール
おわりに Go for it! (やるしかない! )


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【ガイシの掟?】『外資系の流儀』に学ぶ7つのコツ:マインドマップ的読書感想文(2012年09月15日)


【編集後記】

◆昨日の未読本記事で、ご紹介し損ねた1冊。

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直感を裏切る数学 「思い込み」にだまされない数学的思考法 (ブルーバックス)

まだ読んでませんが、数式等があると、どうしてもレビューしにくいんですよね……。


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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