2014年11月22日
【オススメ】『最短合格! 超効率「サーキット」勉強法 システムが回れば自動でうまくいく』椋木修三

最短合格! 超効率「サーキット」勉強法 システムが回れば自動でうまくいく
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、当ブログでは『図解 超高速勉強法』の著者として名高い、椋木修三先生の最新作。前作は「本に蛍光ペンが付いているという」意欲作(?)でしたが、打って変わった本書は、「ガチな勉強本」なので、ご安心を。
アマゾンの内容紹介から。
シンプルで、ラクで、持続する復習システムをグルグル回せ!高速回転で効果2倍!「記憶の達人」「速読術のプロ」「合格カウンセラー」の三冠王が、すぐに実践できる最強の勉強メソッドを伝授!
『図解 超高速勉強法』に匹敵するクオリティでした!

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【ポイント】
■1.勉強に「想起時間」を組み込む復習を組み込んだ勉強は、まず、時間の配分を変えるところからスタートします。
勉強時間とは、「記銘時間」プラス「想起(再生)時間」です。
「想起時間」とは、「思い出すための時間」という意味です。
勉強は、基本的には知識を頭の中に入れる行為ですが、今後はそこに「思い出す」時間を意識して加えてください。(中略)
たとえば、勉強時間が20分間あるとするなら、記銘時間を15分間にし、残りの5分間は、想起時間にするのです。
■2.授業の前に「パラパラめくる視読」をする
授業開始のチャイムの音を聞いたら、すぐに、その授業の教科書を最初のぺージから最後のぺージまでパラパラめくるのです。(中略)
もちろん、めくるだけですから、「読む」より「見る」ことになります。
速読では、この「見る」読み方を「視読」と言います。
感覚としては、書店で本を探す時に、パラパラとぺージをめくって「おもしろそうだ」とか「興味がわかないなあ」と判断する要領に似ています。
ただ、教科書のぺージめくりは、それより、もう少していねいに1ぺージ、1ぺージをめくっていくといいでしょう。
■3.速読は1.5〜2倍速で
まず速読のスピードを言えば、1分間で500字前後を読んでいた人なら、1.5倍速は750字前後を、2倍速は千字前後を読めるようになる速さです。
速読の専門家からは「そんなのは速読じゃない」と言われそうな、のろい「速読」です。
でも、これでいいのです。
学習コーチングを受けた人たちが異口同音に言う希望の速さが、1.5倍速から2倍速だからです。(中略)
そして経験上、1.5倍速から2倍速が、読み落としや読み間違いを極力抑え、かつ速く読むというバランスの取れた速さなのです。
■4.「指さし法」でブロックごとに読む
1行を3つから5つくらいのブロックに分けて、指またはぺン先で、トントントンとさしながら読みます。
1文字1文字を読むのでなく、ブロック(文字群)を読み取るのです。
一般には、1行が40字の本が多いですから、次の字数をまとめて読み取ることになります。
・3分割……1ブロック約1三字
・4分割……1プロック約10字
・5分割……1プロック約8字(中略)
ポイントは、指やぺンで「なぞる」読み方をしないことです。トントントンとリズムよく読むことで、速読の効果も上がり、頭にも入りやすくなります。
■5.小見出しを自分への問題提起と見る
たとえば、次ぺージの図のように「ヨーロツパの国々」→「EU設立とその発展」→「小国の苦悩」となっているのであれば、「小国の苦悩」とはどんなものかと考えながら本文を読みます。(中略)
当然、その答えは本文中にあるわけですから、それを探すようにして読んでいけばいいのです。
小見出しを問題提題として受け止め、その答えを探そうとして教科書を読むのです。
漫然と読むことはなくなり、意識が答え探しに集中します。
実際にやってみると、これは実におもしろい作業だということがわかるでしょう。
■6.やる気を出すには本音をさらけ出す
A4の紙か、大きめのメモ用紙を用意して下さい。
そして、上のほうに、思いの根幹になる質問を書きます。
「なぜ、お前(あなた)は、この資格を取りたいのか」
「なぜ、○○(自分の名前)は、この大学に入りたいのか」
そして、その下に、思いつく限りの理由を箇条書きにしていきます。
この時に重要なことは、本音で書くことです。
格好よく飾られた「よそ行きの言葉」は使わないことです。
なぜなら、本音のほうが、モチべーションが高まるからです。
本音は、感情に火をつけます。感情に火がつけば、火事場の馬鹿力が出て、予想以上のことがやり遂げられるのです。
【感想】
◆椋木先生ご自身も、勉強本を何冊も出されていますし、もちろん、他の著者さんも書籍を出されている以上、いいかげんネタ切れするかと思いきや、本書は意外にも(失礼)、TIPSが盛り沢山でした。まず、驚いたのが、上記ポイントの3番目の速読のスピードについて。
1.5倍速〜2倍速というのは、「速読」と呼ぶには、確かにかなり遅いです。
速読を取り入れた勉強法の大家として、宇都出雅巳先生が挙げられると思うのですが、宇都出先生は、特にこのくらいの低〜中速で読むことは推奨されていなかったハズ。

速読勉強術 (PHP文庫)
参考記事:「速読勉強術」宇都出雅巳(2007年02月03日)
むしろ宇都出先生の場合、速読して稼いだ時間を回数に反映させて、その分多く読む、というスタンスですから、可能な限り速い方がいいのでしょう(理解できる範囲内で)。
ただし、3回目、4回目以上の回転になれば、普通に3倍速以上の速読になってしまうと思うので、それを「あえて抑える」ところが、椋木先生のメソッドと言えるかと。
◆また、上記ポイントの6番目もユニークなものでした。
よく目標や夢を紙に書きだして、目につく所に貼る、というお話は聞きますが、大抵他人に見られても恥ずかしくないものがほとんどです。
しかし椋木先生曰く「本音で書け」と。
本書では、図解として具体例が挙げられているのですが、「なぜ○○の資格を取りたいのか」というタイトルの下に
◎自分をバカにしてきたヤツらを見返すためなんて書いてあって、赤裸々杉ワロエナイw
◎カケラもなかった自信と誇りを持ちたい
◎とにかくカネが欲しい!カネさえあれば人生が絶対変えられる
……まぁ、でも「本音は、感情に火をつけます。感情に火がつけば、火事場の馬鹿力が出て、予想以上のことがやり遂げられるものです」という主張は、確かにそうかも。
実際、「試験の直前に感動させると合格率が高まる」というお話もありますし。

ココロでわかると必ず人は伸びる
参考記事:【感動】「ココロでわかると必ず人は伸びる」木下晴弘(2007年08月15日)
◆また、上記では割愛しましたが、椋木先生も他の多くの先生方同様に、教科書(テキスト)をカスタマイズすることを推奨されています。
まず、目次はコピーした上で糊付けし、1枚にまとめて、ひと目で見られるようにすること。
さらに、余白に書き込んだり、付箋を活用する、といった方法も本書では紹介されています。
特にユニークなのが、関連する問題文を付箋に書いて、余白に貼るというTIPS。
その付箋も、問題文の内容(「自分が作った」「実際に試験に出た」等)によって、色分けするというのですから、類書でも見ないスタイルだな、と。
◆色分けといえば、マーキングの際の色分け法も、本書では指南されています。
それも、2色、3色、4色と、パターン別に分けられて列挙。
この辺のやり方は、人それぞれだと思うのですが、一応本書の3色の例をご紹介。
(1)重要語句……オレンジ色なお、いきなりマーキングするのではなく、ある程度読んで「どのように色分けしていくか」を決めると良い、とのこと。
(2)重要語句の説明文……緑色
(3)補足部分……ピンク色
それと、「色分けをしただけで勉強した気になってしまいがちなことよく自戒」する、という点もお忘れなく。
◆なお、本書の第3章では、「ノートの取り方」等のアドバイスもあるのですが、さすがに図解がないと分かりにくかったので、今回は割愛しました。
同じく「計画の立て方」等についても、本書の第4章に詳しく載っていますので、こちらもぜひチェックして頂きたく。
有名校に受かったり、国家資格に合格した著者さんですと、その勉強法が、どれだけ汎用性があるのか分かりにくいのですが、学校や塾、専門学校で講師をされている方なら、そういう心配はまずありません。
さらに、椋木先生のように「勉強法講習」までされてらっしゃる方ですと、個々の勉強のみならず、受験までを踏まえた全体像から適切なアドバイスが期待できます。
そういう意味で、本書で椋木先生が主張しているお話は、理に適ったものであると思いますし、本書の内容も説得力がありました。
王道スタイルの勉強本として、オススメです!

最短合格! 超効率「サーキット」勉強法 システムが回れば自動でうまくいく
第1章 なぜ復習は成果に直結するのか―勉強したくてたまらなくなる!
第2章 できる人はやっている「マイ教科書」勉強法―とことん一冊を使い倒せ
第3章 見るだけ復習法―問題集とノートの活用 スマホのようにきれいに多用途化する
第4章 計画を立てて心を駆り立てる―数字と日付で大きな人生を描こう
第5章 日・週・月単位のサーキットスタディ―システムが回ればあとは自動でうまくいく
終章 「モレなし、ムダなし、要領よし!」の定着―成功を手に入れる9つのルール
【関連記事】
【速報!】ド定番勉強本にとうとうKidle版が出た件(2014年11月05日)【記憶&速読】「図解超高速勉強法」椋木修三(2008年05月04日)
【記憶系】「一発記憶!図解 超高速勉強法〈2〉」椋木修三(2008年05月20日)
【濃縮】「新超高速勉強法」椋木修三(2009年02月28日)
【色分け】『図解超記憶! 色分け勉強法 「分ける」だけで「時短」「効率」「理解度」がアップする』椋木修三(2014年03月27日)
【編集後記】
◆本書と同様に、速読を取り入れた勉強本。
光の「速読法」と「記憶法」が5日間で身につく本: 脳のレベルが一気に上がる簡単で楽しい「未来派学習法」 (単行本)
まだ未読ですが、気になる1冊です。

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