2014年11月16日
【自己啓発】『嫌われても折れない〈自分〉をつくる101の言葉』諸富祥彦
嫌われても折れない〈自分〉をつくる101の言葉
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、明治大学文学部教授で教育学博士である諸富祥彦さんの自己啓発本。昨日に続いて「言葉」の本ですが、こちらは一転して「深い」内容を取り扱っています。
アマゾンの内容紹介から。
人生に絶望しかかったとき、自分が見えなくなったとき、もっと心の底から満たされた人生を生きたいとき。人生を変える秘訣、自分を変える法則。
確かに「人生を変える秘訣」が満載の1冊です!
Pennsylvania School Counselors Association Conf. / ArmyStrongPA
【ポイント】
■1.わかりあえない人とは、わかりあえないままでいい精神的に追い込まれる人の多くが「どうしてあの人は私のことをわかってくれないのか」とつぶやきます。(中略)
これは、とても無駄なことです。
というのも、人間は本来わかりあえなくて当然の存在だからです。
わかりあえなくて当然。一瞬でもわかりあえたらとても幸運なこと。それが人生の現実です。
にもかかわらず、まわりの人から理解されたい、上司から理解されたい、と思い続けるのは、無駄な精神エネルギーの浪費にすぎません。
不必要に自分を追いつめてしまいます。
■2.人から嫌われることを覚悟する
みんなから好かれようして自分を抑えているあいだは、自分に本当に共鳴してくれる人と出会うことはありません。
逆に、人から嫌われることを覚悟して、自分の信じる道に従って生きはじめると、真に自分に共鳴してくれる人と出会うことができるのです。
人から嫌われても平気だと思いはじめたときに、人はひとりではなくなります。
逆に、みんなから愛されようとしているときは、内心はひどく孤独におびえてばかりです。
人生には、こんな逆説的法則が存在しているのです。
■3.「原因探し」や「犯人探し」をやめて、「小さなできること探し」をする
「誰々のせい(○○のせい)で私は幸せになれないのだ」という考え方を、因果論的思考と言います。因果論的な思考に捕らわれるとき、人間の精神は不自由になってしまうのです。
原因探しや犯人探しの因果論的思考をやめて、「今できる小さななこと」に目を向け変えること。
「誰々のせい」「何々があったせい」という考え方をやめて、「今、自分にできることは何か」と考える習慣を持つこと。
「犯人探し」や「原因探し」はもうやめて「できること探し」をする心の習慣をつけること。
その積み重ねが人生を変えていくのです。
■4.小さな目標設定をする
たとえば、ファッションセンスを磨くといった大きな目標を持つのではなく、それを具体化し、小さなサイズの行動目標へと細分化して設定することです。
たとえば、「2週間以内に紳士服のお店に行って、お店の人にたずねて自分に合った上着とズボンを1着ずつ買う」。
この程度の目標であれば、ほとんどの人が「それならできる」と思うはずです。
そして、小さな目標が達成できれば、目標達成できたことが自信へとつながります。この自信が、人生の変化をスピードアップさせていくのです。
■5.「Not ToDoリスト」を作る
ToDoリスト、たくさんのすべきことのリストを作って自分を生真面目に追い込んでいくのはもうやめにしましょう。すべきこと、しなくてはいけないことが増えるだけでますます不自由になってしまいます。
作るべきはNot ToDoリストです。これは「しないと決めたこと」のリストです。Not ToDoリストを作り、「これはしない」と決めることによってあなたの人生に「空きスぺース」を作りましょう。
人生は時間もエネルギーも限られています。何かを新しく始めようとすれば、何かを削る必要があるのです。
■6.2週間以内に確実にできる小さなことを見つける
1週間以内に目標を設定してしまうと、決めた目標が達成できずに落ち込んでしまうことが少なくありません。2週間が現実的です。
2週間以内に決めたことを実践できる人、小さな目標を立てて実行できる人が、少しずつでも人生を変えていくことができる人です。
一方、大きな夢や目標ばかり語っていても、2週間以内に何も始めることができない人は、結局、いつまでたっても人生を変えることができない人です。
これが人生のリアリティです。
【感想】
◆本書は、タイトルには「言葉」とありますが、実際には文章、それも1文ではなく、ある程度のボリュームがある2〜3の文章が見開きの右ページに掲げられています。もちろん左ページは、その解説。
よく、この手の本で、1ページにホントに「1フレーズ」だけ載せているモノがありますが、それと比較すると、かなり良心的だと思います。
ただ、なまじ長いものが多いため、上記ポイントの各小見出しは、1番目と3番目を除いて、すべて私の方で書きなおしました。
……右ページの言葉が縦書きで、左ページの解説が横書きなのは、若干違和感がありましたがw
◆また、その「言葉」ですが、ビクトール・フランクル、アルフレッド・アドラー、カール・ロジャーズ、フリッツ・パールズといった「伝説のセラピスト」の「重要な言葉」が多数。
ヴィクトール・フランクルと言えば、『夜と霧』が有名ですけど、心理学者だとは知りませんでしたよ(恥)。
一方、アドラーは、最近関連本が多数出版されていながら、当ブログでは、まったく触れていませんでした。
というのも、昨今出版されている作品のほとんど(全て?)が本人の作ではなくて、その解説本だからなんですが、ラインナップを見てみると、確かにこのままでは食指は伸びないような……。
Amazon.co.jp: アルフレッド・アドラー:作品一覧、著者略歴
そういう意味では、口火を切った『嫌われる勇気』は49万部(10月初旬時点で)だそうで、さすがダイヤモンド社さんだな、と。
◆なお、今回も付箋を貼ったものの割愛した教えが多いので、そのいくつかを列挙しておきます。
・味方は誰もいなくていい。ただ、自分だけは、自分自身の味方であれ。
・自分のダメな部分を受け入れることができたとき、はじめて変わっていくことができる。
・落ち込んだ「気持ち」を変えるのではなく、まず「行動」を変えること。
・海の側に住んでいる人はいるが、しみじみ海を眺め、味わい尽くす人はいない。
・うまくいかないことがあるとき、自分を責める習慣をやめよ。
読んだだけでピンと来るものも、一読しただけでは趣旨が分からないものも、一応本書にてご確認頂ければ。
◆なお本書では、アドラーを初めとしたセラピストたちの言葉もあるものの、その中心をなすのは、あくまで作者である諸富さんご自身のお考えです。
諸富さん曰く「私自身のこれまでの約30年間のセラピストとしての経験の中から生まれた言葉です」とのこと。
ですから、解説本というよりは、あくまで諸富さんの主張がまずあって、それに適した言葉を抜き出した、と考えるべきだと思います。
また、これらの言葉は単に列挙しているのではなく、本書の前半(第1〜4章)は「自己確立の段階」、後半(第5〜6章)は「自己超越の段階」に取り組むための言葉。
最終章(第7章)は、「人生に絶望しかかったとき」にぜひ読んでほしい言葉が収録されているのだとか。
ちなみに、上記ポイントでは、この第7章からは抜き出していませんので、どのようなものか気になる方は、やはり本書にてご確認を。
より良い人生をおくるために!
嫌われても折れない〈自分〉をつくる101の言葉
第1章 なぜ、嫌われるのが怖いのか?
第2章 孤独の真の意味
第3章 孤独力を持て!
第4章 他人の目を気にせず生きる技術
第5章 自分自身を生きる技術
第6章 後悔しない様に生きる技術
第7章 人生に絶望しかかっている時に
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【編集後記】
◆ちょっと気になる本。受験の叡智 受験戦略・勉強法の体系書 99%の受験生が知らない究極・秘密の受験戦略・勉強法 (YELL books)
著者は1人ではなく、「東大2回合格・理3合格、東大理2主席合格、東大文一」という頭脳集団のようですね。
「勉強本オタク」としては、是非チェックしてみたいのですが、リアル書店になかなかなくて……。
ご声援ありがとうございました!
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