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2014年11月05日

【学び】『未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法』


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未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、リアル書店でゲットした勉強本

「『予測がぴったり当たる!」と評判の経済アナリスト」である中原圭介さんが書かれているだけに、ちょっと見逃せない未来予測にも言及されています。

アマゾンの内容紹介から一部引用
歴史や宗教のひもとき方から学問の雑食の仕方、書籍の読み方、直感の磨き方まで……。
本質を見極める力を養うための勉強法が満載の一冊です。

受験等を目的としない勉強本だけに、すべてのビジネスパーソンに、「一読の価値アリ」だと思います!






Pen, Diary and Glasses / Generationbass.com


【ポイント】

■1.真のグローバル化は異質な相手への理解から
 たとえば、みなさんがイスラム教徒の人々と接したときに、彼らの考え方や行動原理が異質すぎて、まったく理解ができなかったとします。こういった事態に直面したとき、グローバルに活躍できる人間になるためには、みなさんはこの後に何をすればいいのでしょうか。
 それは、「彼らはなぜそのように考えるのか」「彼らはなぜそのように行動するのか」をしっかりと理解し、相手を尊重することです。そのことができて初めて、彼らから受け入れられる環境が整いますし、みなさん自身のグローバル化が始まるのです。


■2.読書で海外のさまざまな事柄を疑似体験する
 読書によって得られる知識をもとに、世界のどの国の歴史や宗教でも、世界のどの人々の価値観や生活様式でも、想像力を膨らませることによって、現地の事柄を疑似体験できるようにする。これが、あなたの人生にとって大きな糧となる読書の方法なのです。
 他国の歴史、宗教、価値観、文化などは、それに関連する書籍をさながら実体験するつもりで読んでいれば、実際に海外で体験できる以上のことはすぐに理解できるようになります。明確な目的意識をもたずに、ただ漫然と海外研修へ行ったとしても、そういった読書をしている人にはまったくかなわないでしょう。


■3.新聞で得られる2つの利点
 新間紙面を読むことには、インターネットに勝る非常に大きい利点が2つあります。
 1つ目は、読む人が新聞を通して、政治、経済、社会、文化などのそれぞれの分野で起きた出来事を、自ら俯瞰して見ることができる点です。 
 要するに、国内外の出来事にかかわらず、世の中の大きな流れを大まかに把握するには、新聞の一覧性が適しているわけです。(中略)
 2つ目は、関心のなかった記事にもひと通り目を通すことができるということです。
 多くの人々がインターネットでニュースを見る場合、開心のある分野の出来事ばかりを探しながら読んでしまう傾向があります。これでは、せっかく吸収できる知識や情報が自分の興味のあるジャンルに偏ってしまい、自らの視野が広がらなくなるのです。


■4.歴史を学ぶことで同じような過ちを回避する
 人類はこれまで、膨大な歴史を刻んできました。過去の出来事を1つひとつ検証してみると、人類は同じような過ちを太古から繰り返してきたことがわかります。
 それは言葉を換えると、歴史を「人類の失敗史」ととらえ、現在起こっている目の前の問題を過去の酷似する事例と照らし合わせ考察することで、同じような過ちを回避することが十分に可能になるということです。
 そのためには、過去に起こった出来事を単なる知識として覚えるだけではなく、その出来事が起こった理由や時代背景、その当時の人々の価値観、その出来事の与えた影響などを総合的に分析することが、欠かせない作業となります。


■5.古典を読むことで読む速さと理解する速さを上げる
 古典は、文章全体が具体性に欠けていて、抽象的でわかりにくいという面があるというのが大事なポイントです。
 超インテリである古典の著者は、読み手のレべルが自分たちと同じ理解力をもっているという前提で文章を書いています。現代のビジネス書の類いのように、大衆向けに平易な文章ではけっして書いていなかったのです。
 そういう難しい文章とあえて苦闘することによって、私たちの理解力や思考力は高まっていきます。
 初めはまったく理解できなかった文章でも、粘り強く何回も読むことで、著者の考え方が少しずつ理解できるようになっていくものです。
 そして、こういった経験を積み重ねていけば、難しい文章の論理の展開にも慣れてきて、読む速さと理解する速さの双方が上がっていくことになるわけです。


■6.「直感」は「ひらめき」よりもすぐれている
 私が思うに「直感」は「ひらめき」よりも物事の本質を見極めていることが多いのです。
 なぜそのようなことがいえるのかというと、、「直感」で考えが思い浮かぶとき、脳の中では自らの膨大な過去の経験や、その経験で蓄積したデータをもとに、自動的に「正しいか」「正しくないか」の答えを出しているからです。
 ですから、厳密には、結論を出した理由がないわけではないのです。理由はあるのですが、脳の中の複雑な計算の過程が自分自身には明らかにされずに答えが浮かぷわけです。
 要するに、「直感」も「ひらめき」も、誤解を恐れずに別の言葉で表現すれば、「これまでの経験知の集大成」といえるのですが、「直感」のほうは「意識的な経験知と無意識的な経験知の集大成」、「ひらめき」は「意識的な経験知のみの集大成」と分けることができると思います。(中略)
 このように考えると、経験知の領域が広い「直感」のほうが「ひらめき」よりもすぐれていると考えるのが自然でしょう。


【感想】

◆一応、自分なりにポイントをまとめてみましたが、上記は「いくつかの大事な部分」が割愛されています。

まず1つ目が「英語」について。

中原さんは「英語を流暢に話す能力は、必ずしも必要ではない」というスタンスです。

その理由が本書では列挙されており、たとえば「ビジネスでは相手の国の言葉を使うのが基本」「語学力より思考力を身につけることが大事」等々。

さらには「英語を日常的に使えるようになりたければ、常時そのような環境下にいなくてはならない」とも言われていて、中原さん自身、かつては仕事上で英語をフルに使いこなしていたものの、数年ほどまったく英語を使わない仕事をしていたところ、聞き取れなくなってしまったのだとか。

確かに私も、かつて英国での3ヵ月間のホームステイでかなり身に付いた英語が、帰国後あっという間に元に戻った経験があるので、これはうなづけるところ。

ただ、「あと10年もすれば、プロの通訳に匹敵する自動翻訳機が登場するだろう」というのは、ちと眉唾かもしれませんが。


◆そして中原さんが英語学習の代わりに推奨されているのが、「さまざまな知識を吸収する」こと。

そして、その第一歩として挙げられているのが「歴史」と「宗教」であり、この件に関しては下記目次にもあるように、第2章を費やして、じっくり掘り下げています。

たとえば、「欧米人にとって、なぜ『民主主義』と『基本的人権』が絶対的な価値基準になっているか」。

中原さんは「ほとんどの日本人がこの問いについて明確な答えをもっていないでしょう」と言われているのですが、私なんぞは「なぜ」以前に、その2つが価値基準になっていたことすら(ry

ここから10ページ以上、このお話が続くのですが、結論だけ述べてしまうとネタバレなので、本記事では割愛します(詳しくは本書を)。

また、欧米人から自分の宗教を問われて「無宗教」と答えてしまうと、大変よろしくないことも、この章では指摘されていました……って、私、今まで散々外国人相手にそう言ってましたがw \(^o^)/ オワタ


◆さて、具体的な勉強方法としては、中原さんは、王道ですけど「新聞」と「本」を読むことを挙げてらっしゃいます。

特に本については、上記ポイントの5番目にあるように「古典」がベストである、と。

本書の第5章では、中原さんご推薦の古典が25冊ドーンと列挙されている(「まず読んでおきたい古典25冊」)のですが、これが「ガチ」すぎて、1冊も読んだことがないというアリサマ。

よく古典というと、中国関係も含まれているものですが、ほぼすべて欧米の作品であり、しかも哲学系が多いということで、全然食指が伸びませぬ。

さすがに中原さんもその辺はわきまえてらして、初心者用に入門書も25冊用意されてらっしゃいます(「理解に役立つ入門書25冊」)。

それでもこういう本は、当ブログではなかなか……。

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アリストテレス入門 (ちくま新書)


◆むしろ、私や当ブログの読者さんにとっては、それらに続く「学問を横断的に学ぶための入門書36冊」の方が向いてそうな。

ここでは前述のラインナップでカバーできていない、さまざまなジャンルの入門書が挙げられており、こちらなら私が読んでも理解できるハズ!?

ここら辺りは、書店でも目にした記憶がありますし。

4166608142
池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書)

4061385275
キヨミズ准教授の法学入門 (星海社新書)

4121020413
行動経済学―感情に揺れる経済心理 (中公新書)

なお、この第5章では、速読ではなく、じっくりと繰り返し読むことを薦められていますので、この辺も個人的には「立つ瀬がない」と言いますか……。


◆このように、さまざまな知識や経験を蓄えると生まれるのが「直感」や「ひらめき」であり、本書では最終章にて触れられています。

詳しくは本書を読んで頂くとして、中原さんによると、日本の「直感」がすぐれている経営者の代表は、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長であるとのこと。

私も鈴木さん関連の本は何冊か読んだことがありますが、確かにまわりの大反対の中で自分の考えを推し進められたのは、理屈では説明しきれない「直感」によるところが大きかったのかもしれません(成功してからはいくらでも後づけできますが)。

では、「ひらめき」型の経営者の代表は?……については本書にてご確認を(これまた「なるほど」な人選でした)。


本質を見極めるには、日々のたゆまぬ努力から!

4763134108
未来予測の超プロが教える本質を見極める勉強法
第1章 物事の本質を見極めれば、人生はきっとうまくいく
第2章 本質を見極めるためには、まず「歴史」と「宗教」を学ぶこと
第3章 学問の雑食をすると、思考の幅と奥行きが広がる
第4章 歴史を中心とした学問の融合が大局を判断する力をもたらす
第5章 本当に深い理解を得るための書籍・新聞の読み方
第6章 経験値を積むと直感を発揮できるようになる


【関連記事】

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【勉強】『学び続ける力』池上 彰(2013年01月18日)

【知的生産?】『0点主義 新しい知的生産の技術57』荒俣 宏(2012年05月17日)

【読書法】『社長の勉強法』に学ぶ7つの読書法(2012年04月29日)

【セブン-イレブン流】『売る力 心をつかむ仕事術』鈴木敏文(2013年10月18日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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上脳・下脳: 脳と人間の新しいとらえかた

これからは「左脳・右脳」ではなく「上脳・下脳」になるのかも!?


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