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2014年10月15日

【仕事術】『これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方』吉沢康弘


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これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、P&Gや人事コンサルティング会社を経て、ライフネット生命保険でマーケティング・事業開発を担当されていた吉沢康弘さんのデビュー作。

吉沢さんはライフネット退社後、ベンチャーの創業・成長支援を行う会社を興してらっしゃるのですが、本書ではライフネット時代の同僚のエリートの皆さんの働きぶりを通じて、「仕事の強みの磨き方」を探ってらっしゃいます。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「もしも、マッキンゼー/BCG/モルガン・スタンレー/Yahoo!/スターバックス/A.T. カーニーといった企業の出身者と同僚になって、一緒に必死に仕事をしたら、どんな感じなんだろう?」
本書は、そんな追体験が痛快に楽しめる一冊です。
そして、彼ら・彼女らと数年間一緒に仕事をしたかのように、彼ら・彼女らが持つ「仕事の強みの磨き方」を、学び取ることができます。

こうしたエリートの皆さんの、仕事をする上での秘訣とは、果たして!?





Lifenet INSURANCE. / MIKI Yoshihito (´・ω・)


【ポイント】

■1.インタビューでは「共通項」か「全く違う点」に着目する
「僕の場合、仕事での公式なミーティングならまだしも、たわいもない話から始めるインタビューのときは、"どうやったら、最初に心を開いてもらうことができるかな"というところに、本当に気を使ってきましたね。特に、30代以上の男性には、苦手意識もあったりして(笑)」
「そういうときは、【共通項】または【全く違う点】に着目して、その2つの観点でざっくばらんな会話を始めると、やりやすいですね。同じだったらもちろん盛り上がるし、もしも全く違っていたら、相手側の状況を丁寧に聞いていくと、喜んでくれるし、色々教えてくれるし、話が弾む印象があります」
(辻靖(A・T・カーニー出身))


■2.キャリアチェンジを目的とした勉強は行わない
 外資系に転職するために「英語」を勉強する、マーケティングの仕事に移りたいから独学で「マーケティング」を学ぶ、といった、現在取り組んでいる仕事とは直結せず、転職や配置転換などのキャリアチェンジを目的とした勉強に時間を割かないというのが、目の前の仕事に集中するための、1つ目のポイントとなる。
 ちょっとやそっと、実務ではなく座学で勉強した内容は、実際の一線級の面々と仕事をする上では、使い物にならない。これは、趣味で野球をちょっとやっていても、プロ野球選手には到底なれないのと同じような感覚だ。


■3.プライベートの問題に正面から向き合う
 まず言えるのは、もしも「将来結婚するパートナーを見つけなければ」「妻との関係を良くしなければ」という課題に直面していたとすれば、それを決して流さずに、即時に正面から向き合い、その問題を解決することが重要だ。
 なぜなら、こうしたプライべートに関する問題は、時間が経過すればするほど解決やリカバリーが難しくなるだけでなく、問題を抱えているだけで、自分の精神エネルギーを大いに消費し、目の前のことに集中できなくしてしまうからだ。


■4.締め切り効果を利用する
要は、自分が仕事で行う内容について、その期日と成果のレベルを定め、その結果を発表したり、議論したりする場を自分から設定。その「締め切り」に追われる感覚を利用して、強制的に難易度の高い状態に自分を追い込む方法だ。
 もしも自分の現在の状況が、既にこの120%程度の難易度の状況になっていたり、こうした難易度を適切にコントロールしてくれる上長と仕事をしている場合は、敢えて「締め切り効果」を使う必要がない場合もある。
 だが、もしも現時点で、「自分は120%までは能力を発揮していない」と感じることが多ければ、意図的にこの「締め切り」を設定し、自らを追い込むことが、圧倒的な集中をもたらすために、効果的な方法と言えるかもしれない。


■5.仮説思考で行動する
仮説思考で大切なのは、その結果が合っているかどうかよりも、その仮説を持ち、実際に行動することで、考えていたことの何が正しくて続けるべきことであり、何は間違っていて、変えるべきことかが明確になるということだ。
「仮説を立てる」→「やってみる」→「そこから新たなことを学ぶ」→「次の取り組みの仮説を立てる」というサイクルこそ、変化が激しく前例が少ない未来において、主体的に取り組むためのポイントであることは、多くの人たちが指摘する行動様式だ。


■6.他の変化要素は最小限に抑える
人間の集中度合い、精神エネルギーといったものの総量は一定のため、新たな環境の変化を仕事上で起こすときは、他の変化を一緒に取り入れないほうがよい。
 よくあるケースとしては、転職や起業を機に、住んでいる場所から引っ越したり、それを機に結婚したり、変化のオンパレードという状況だが、できればこれは避けたい。
 新しい環境に馴染もうとしている矢先、ちょっとした住環境の変化や、家族関係の変化は、ダブル・トリプルになって自分の余裕を失わせてしまう。


【感想】

◆本書は、著者の吉沢さんが「有名企業出身」の同僚たちと、ライフネット生命創業時に一緒に働いた際に学んだ「ビジネススキル」を指南するというもの。

具体的に登場するのは、下記目次のChapter1〜6までの、6名の皆さんです。

本書の「前半」では、各6名につき、それぞれ1つの章を割り当て、そのスキルを深掘り。

「自習力」「問題提起力」「個人観察力」といった、その方の優れた点を1人当たり6つずつ挙げて、それぞれの最後に、そのスキルをマスターするための「練習法」が付されている、という構成です。

……一部「適当力」ですとか「根拠なき自信力」といった「?」なタイトルのスキルもありますが、決してふざけたモノではありませんので、詳しくは本書を読んで頂きたく。


◆この6章までを読んで分かるのが、当時(というか今もでしょうが)のライフネット生命には、非常に優れた人材が集まっていた、ということ。

特に創業当初は「動物園」と揶揄されることもあったのだそう。

実際、著者の吉沢さんも、ライフネット生命(当時はネットライフ企画)に入社したときの一番の動機は、「自分と同世代で最高の人材が集まっている」からだった、とのこと。

確かに、今では当たり前のように思えている「生命保険をインターネットで販売する」ということも、こうした多士済々な状態にならなければ、実現しなかったことかもしれません。

ただ、なまじ6名の皆さんのキャラが立ちすぎている分、そのスキルに汎用性があるのかが、読んでいて若干不安になったりしたのですがw


◆そこで後半からは、それまでの内容を集約。

まずChapter7では、「個人として彼らから学べること」と題して、5つの点が挙げられています。

ちなみに章の最後に、その内容がキレイに1つの図にまとめられていますので、ぜひそちらをご覧頂きたく。

そして続くChapter8では、まさに本書のタイトルでもある「仕事の強みの磨き方」が展開されており、実は上記ポイントの2番目以降は、すべてここから抜き出しました。

ただし、前半部分の6名の皆さんの描写があってのChapter8ですから、ここだけ読んで済ませないようにw


◆ところで、本書のアマゾンのページの作り込みは、他に類を見ないちょっと変わったモノです。

本書の構成の解説があったり、「主な読者ターゲット」「原稿をレビューした方々の感想」といった項目があったりと、ブックマーケティング的に見ても面白いな、と。

なお、やはりアマゾンのページで、このページを知ったのですが、『敢えて副題に「エリート」という言葉を使っている理由』とかあって、なかなかに興味深いです。

書籍「仕事の強みの磨き方」〜その制作背景と狙いについて - ICJ

……うちのこのエントリーを読むより、こっち読んだ方がいいんじゃないかという(ヲイw)。


「強みの上に自己を築け」(ピーター・F・ドラッカー)←本書の帯からw

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これからのエリートだけが知っている仕事の強みの磨き方
Chapter0 エリートたちから何を学べるのだろうか?
Chapter1 消費者感覚に優れた企画の才児 堀江泰夫(Yahoo!ジャパン出身)
Chapter2 楽天的な分析家 辻靖(A・T・カーニー出身)
Chapter3 エレガンス溢れるマーケティングヘッド 中田華寿子(スターバックスコーヒージャパン出身)
Chapter4 ストイックなファイナンスのプロ 堅田航平(モルガン・スタンレー証券出身)
Chapter5 常識では捉えきれない能力を発揮 升野恵也(マッキンゼー・アンド・カンパニー出身)
Chapter6 大舞台を創り上げる立役者 岩瀬大輔(ボストンコンサルティンググループ出身)
Chapter7 個人として彼らから学べること
Chapter8 仕事の強みの磨き方
Chapter9 組織として彼らから学べること


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【編集後記】

◆本田直之さんの新刊が久々に登場!

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Live Simply シンプルに生きるための162のコトバ

本田さんの過去の著作「21冊から162のフレーズを厳選」とのことなので、この機会に改めて読み直しても良さそうです。


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