2014年10月11日
【成功本?】『「成功法則」を本気で科学する』野口哲典
「成功法則」を本気で科学する (ベスト新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事の中でも、特に注目を集めていた1冊。著者の野口哲典さんは、「確率」がテーマの著作も多い方で、そういった切り口で「成功法則」を掘り下げてらっしゃいます。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
「思考は現実化する」、「強く願えば夢がかなう」、「そうじをすると運がよくなる」など、普通の感覚なら「そんなバカな! 」という、いっけん不可思議な成功法則には、なんらかの根拠があるのか?
世の中にあふれる膨大な数の「成功法則」が説く、「成功」や「ツキ」の正体を確率・統計、脳科学、心理学で解き明かす。
成功本好きなら、見逃せない1冊です!
Success / h.koppdelaney
【ポイント】
■1.成功するための3つのポイント・明確な目標を定めることこれら自体はごく当たり前のことだ。
・実行すること
・失敗しても、あきらめないで続けること
まずは明確な目標がなければ何もできない。
次にそれを実行しなければ、現状のままで変わることはない。
途中であきらめてしまえば、そこで終わりである。
だが、ほとんどの人は、この3つのポイントを達成できないために、成功することもできないのである。
だからこそ明確な目標や夢を持ち、それを実行し、あきらめないで継続することが特に重要なのである。
■2.理屈抜きに行動する
家の中に閉じこもり「自分はダメな人間だ」「そんなことはできない」「どうせやっても無駄だ」と「ノー」ばかり言って、何もしないでいたらチャンスは広がらない。
まずは偶然のチャンスや幸運を積極的に自分からつくりだすことが大切なのだ。
そのためには「イエスマン」でも描かれているように、すぐに否定しないで、とにかく何でもやってみるということだ。
成功するためには、何よりチャンスや幸運に出会う確率を高めるようなことを積極的に実行することが大切なのだ。まずは理屈抜きに行動しろということだ。
■3.人との出会いを大切にする
ワイズマン博士の調査でも、運のいい人は積極的に人に会い、たくさんの知り合いを持っていることがわかっている。博士はそれを「運のネットワーク」と呼んでいる。
積極的に人に会い、たくさんの知り合いを持っている人ほど、チャンスや幸運に出会う確率も高くなる。
なぜならチャンスや幸運の多くは、人が運んできてくれるからである。
そして、運のいい人は、知り合いになった人たちとの関係を大切にし、それを維持する努力をおこたらない。
そうすることで、飛躍的に運のネットワークを広げることができるのだ。
■4.目標や夢を実現するための方法に関する情報を収集する
具体的な方法を知っていれば、不安や恐怖心も少なくなり、目標や夢へ向かって一歩を踏み出すことができるようになる。
そして一歩ずつ前に進み続ければ、成功することだって不可能ではないのだ。
自分の目標や夢を実現するための方法がわからないから始められないのならば、なんとかしてその方法を見つけ出せばいい。
そのためには目標や夢を実現するための方法に関する情報を収集することが、成功への第一歩であり、近道なのである。
■5.あきらめないで続ける
成功確率10%のくじを1回引いたときに当たる確率はそのまま10%である。
だが、このくじを2回連続で引いたときに当たる確率は19%になる。
3回連続で引けば当たる確率は約27%とアップしていく。(中略)
たとえ成功確率が1%しかない場合でも、あきらめないで230回続ければ約90%の確率で成功する。400回で約98%の確率で成功できるのだ。
「あなたが結婚できる確率は1%です」と言われたとしても、すぐにあきらめてはいけない。400人にプロポーズすれぱ少なくとも1人は結婚をOKしてくれるからだ。
■6.そうじをすると運がよくなるワケ
これもそうじをしただけで、運が良くなるのではない。それならそうじの仕事をしている人たちは、みんな運が良くなるはずだからだ。
この法則も途中が抜けているのだ。
そうじに集中している時には、あまり余分なことは考えないで無心でいられる。
そうじをして、きれいになれば気分も良くなる。達成感もある。感謝もされる。
身体を動かし、気分も良くなったことで、やる気も出てくる。というわけだ。
ようするに、身体を動かし無心になれるような単純作業で、その結果、気持ちが良くなるものならなんでもいい。そうじはこれらを全て満たすうってつけのものなのだ。
【感想】
◆本書はいわゆる「成功法則」を解説するとともに、その根拠や実践するためのノウハウを論じた本です。まず成功法則自体がどのようなものかについて、本書ではこの本にある「10の成功法則」を列挙。
成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (光文社ペーパーバックスBusiness)
参考記事:【成功本!】『成功本50冊「勝ち抜け」案内』水野俊哉(2008年02月05日)
詳細については、この本もしくは本書をご覧頂くとして、具体的にいくつかあげると「周りに感謝する」ですとか「失敗を恐れない」といったお馴染みのヤツですね。
ただ、この本を挙げるなら、こっちもせめて参考資料に挙げて欲しかった気が。
「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則
参考記事:【超自己啓発?】『「人生成功」の統計学〜自己啓発の名著50冊に共通する8つの成功法則』晋一(2014年01月10日)
◆根拠に関しては、あれこれ書いてしまうと、結構ネタバレになってしまうので、上記ポイントでは控えめにしました。
参考までに1つだけ挙げておくと、本書の内容紹介にもある「そうじをすると運がよくなる」の「種明かし」が、見てもお分かりの通り上記ポイントの6番目。
もちろん本書ではもう少し詳しく書かれており、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンとの関係についても触れられています。
また、あからさまなネタバレではないものの、上記ポイントの5番目も、とある「成功法則」の確率的な根拠となるもの。
そもそも何で、著者の野口さんが、成功法則の本を書かれたのか不思議だったのですが、こうした切り口なら、確率や統計の著作が多いだけに、説得力がありますね。
◆ところで個人的には、上記ポイントの4番目が腑に落ちました。
確かに何か目標や夢があったとしても、何をどうするか分からなければ、それは実現しようがありません。
逆に、ハードルが高い、と思っていた夢であっても、やり方を知っていさえすれば、意外と簡単に挑戦できたりします。
たとえば「独立して起業したい」と思った場合でも、起業に関する知識や情報がないと、なかなか踏み出せないところ、こういう本を読んでいたら、すんなり実行できたりして。
会社のつくり方 (日経文庫)
参考記事:【起業心得】「会社のつくり方」成毛 眞(2010年03月26日)
……成毛さん、昔はこんな本も出されてましたっけw
◆本書は、冒頭でも申しあげたように「成功本好き」の方ならば、一読の価値はあると思います。
タイトルにある「本気で科学する」というフレーズも、読んだ当初はちょっとした違和感(?)があったのですが、脳科学や確率・統計も「科学」と言えるでしょうから、これもアリかと。
ただ、最近はむしろ、従来の成功法則に異を唱える本も出てきているので、それについても言及して欲しかったな、と。
たとえばこんな本とか。
その科学が成功を決める (文春文庫)
参考記事:「その科学が成功を決める」がもっと評価されるべき5つの理由(2010年03月23日)
いずれにせよ、これら成功法則は、大昔からあるものであり、そのまま変わらずに、未来に受け継がれるのだと思います。
あらためて「成功法則」を学ぶために!
「成功法則」を本気で科学する (ベスト新書)
第1章 成功するためのポイントは3つしかない!
第2章 明確な夢や目標を定める
第3章 運をよくする法則とは
第4章 実行しなければ始まらない
第5章 あきらめないで続ける
第6章 どうしてプラス思考が重要なのか
【関連記事】
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【キャンペーン有】『「成功」のトリセツ』水野 俊哉(2012年09月25日)
【成功作法?】『成功を手にする人のちょっとした作法』立川竜介(2013年06月10日)
【濃厚!】『成功者3000人の言葉』上阪 徹(2013年06月01日)
【編集後記】
◆本書の参考資料の中にあった1冊。その科学があなたを変える
これも安めの中古が充実してきたので、読んでおこうかな、と。
ご声援ありがとうございました!
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