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2014年10月07日

アルファギークも知らない『記憶力の鍛え方』の秘密


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記憶力の鍛え方 (宝島SUGOI文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、医師・医学博士である加藤俊徳先生の手による「脳ネタ」本。

4月に同じ内容と値段のムック本が出ていたようなのですが、まったく値崩れしないまま、今回文庫化されたようです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
大人になると「年齢を重ねた今、記憶力は衰えていく一方……」と思いがちですが、諦めるのはまだまだ早い! 記憶力は鍛えさえすれば大人でもぐんぐん向上します。ありがちな「えーっとホラ、アレだよアレ」や「鍵、きちんとかけたっけ?」といった“ど忘れ"も未然に防止することができるのです。本書では、記憶の仕組みを深く知るとともに「あっと意外な記憶力を上げる習慣」「実はやりがち! 記憶を妨げる悪い習慣」といった、記憶力を鍛えるメソッドを紹介していきます。

なお、書名が短いので、久しぶりに「ホッテントリメーカー」を使ってみました!





memory / Humphrey King


【ポイント】

■1.自分の得意な方法で記憶する
記憶は大きく3つに分類することができます。文字や言葉を通して記憶する「言語系の記憶」、画像や図形などを覚える「視覚系の記憶」、筋肉の動かし方などを覚える「運動系の記憶」です。(中略)
脳の中には、様々な種類の情報が入ってきます。そして、それらの情報を記憶する方法はひとつだけではありません。もちろん、すべての情報を完璧に記憶できる人はいないので、どの方法を使うかは人それぞれです。(中略)
まずは自分が記憶しやすい情報と記憶しにくい情報を知ることが大切です。そうすれば、様々な情報を記憶しやすい形に変えて覚えたり、苦手な分野を鍛えたりすることもできるでしょう。


■2.集中的に暗記する時間を作る
1度に複数のことをするよりもひとつの作業に集中する時間を作ったほうが、脳は効率よく覚えようとします。ただ、ひとつの作業に集中するといっても、忙しくてまとまった時間を作るのが難しいという人も多いことでしょう。
 そこで、1日に20分だけでいいので、暗記に専念する時間を作ることをおすすめします。1日に1時間あてるとなると大変ですが、20分なら気楽な気持ちで取り組むことができると思います。散歩の時間や通勤時間を暗記の時間にあてることもできますし、それでも難しい場合は、寝る前の10分間でもかまいません。


■3.模擬試験や問題集は、答え合わせに時間をかける
記憶力を高めるという観点で話をすると、模擬試験や問題集は問題を解く時よりも、答えあわせに時間をかけるべきです。(中略)
 というのも、答えあわせの際に単に問題ができたかどうかをチェックするだけで終わらせてしまうと、問題を解いたこと自体がメインになり、せっかく模擬試験や問題集を解いたのに、そこから得た情報が十分に記憶されないのです。
 間違った時は、何で間違えたのかをしっかりと考えることが大切です。単純なケアレスミスなのか、答えを導き出す間に大きな勘違いをしたのか。間違った原因を分析していくことで、思考系脳番地が刺激され、問題とそれに関連する知識の印象が強くなります。


■4.休憩時間にダンスをして脳番地を休める
 脳を休息させるには、ただだらだら過ごすということではなく、トレーニングで使っていない別の脳番地を活性化させることで、それまで使っていた脳番地を休めることができます。
 そのため、言語系の記憶力を鍛える時は、休憩時間に映像を見ながらダンスをするのがおすすめ。映像は実際に他の人が踊っているものがよいでしょう。ダンスは運動系脳番地をフル稼働させ、踊っている人のまねをすることで視覚系脳番地も使います。その間に言語系脳番地を休めることができるのです。


■5.利き手と逆の手を使う
 また、脳が活発に活動している時は、酸素が使われており、酸素が足りないと「酸素疲れ」してしまいます。脳が酸素疲れしないためには、酸素を効率よく使えるようになることと、脳の酸素量を増やすことが大切です。
 脳の酸素量を増やすのに有効なのが、日頃行っている動作を利き手と逆の手でやること。歯みがきやぞうきんがけなどを利き手でない手でやってみると、予想以上に時間がかかり、難しいと思うはずです。その一方で、いつも使わない脳番地が活性化されるのを感じることができるでしょう。


■6.おでこに力こぶをつける
 超前頭野を刺激するトレーニングとして、「おでこに力こぶをつける運動」があります。これは、1度身体を脱力状態にした後、再び姿勢をよくする運動。実際にやってみるとよくわかりますが、人は姿勢を正すと、必ずおでこに意識が集中します。このおでここそ、超前頭野がある場所です。つまり、正しい姿勢をとるだけで、超前頭野は覚醒します。このトレーニングを行う際、おでこに意識が集中していることを感じながらやると、より効果的でしょう。また、普段から姿勢をよくして行動するように心がければ、超前頭野が鍛えられます。


【感想】

◆本書は下記目次の通り、2つの章に分かれているのですが、第1章は30ページ弱であり、そのほとんどが第2章の「記憶力がみるみる上がる38のコツ」で占められる構成になっています。

そしてその第2章の冒頭にあるのが、上記ポイント1にある3つのタイプのセルフチェックリスト。

「言語系脳」「視覚系脳」「運動系脳」のそれぞれのタイプごとに、各20問の設問があり、それらに「はい」「いいえ」「どちらでもない」で答えることによって、自分がどのタイプの脳なのかが分かる仕様になっています。

私はやる前から「視覚脳」だろうな、とは、以前読んだこの本の結果から思っていたのですが……。

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医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)

参考記事:【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美(2012年06月19日)

案の定、今回も思いっきり「視覚系」でした。

ただし上記の本では、3つのタイプが「視覚系」「言語系」に加えて「聴覚系」という区分なので、考え方としては、多少違うハズ(私が「視覚中心」なのは変わりませんけど)。


◆その結果を踏まえた上で、残りの全ページを通して「38のコツ」が本書では展開されていきます。

なお、1つ1つのコツが、どのタイプかについて明記されているので、まずはご自身のタイプからチェックして、トレーニングして頂ければ、と。

ちなみに、上記のポイントについては、2,3,4が「言語系」、5,6が「運動系」……って、私のタイプである「視覚系」がないじゃないですか!?

うーん、すいません、そこまで意識しないで抜き出してしまったのですが、付箋を貼った「視覚系」のコツが「図形を45秒間で覚えて3分半後に紙に描く」みたいな、実際の図形がないと分かりにくいものだったり、「それ、試験に使える?」的なものだったので、優先順位的にはどうしても……。

そんな中、「視覚系」のコツとして類書でも目にしたことがあったのが、「人の顔と名前を覚える時、場所と一緒に覚える」というもの(詳細は本書を)。

これは、場所だけでなく、記憶した時の状況も一緒に覚えておくと、想起する時にヒントになると思います。


◆また本書によると、特定の脳(本書では「脳番地」という言い方をします)を使い過ぎたときには、「リセット」(休憩)するのが必要とのこと。

たとえば上記ポイントの4番目では、映像を見ながらダンスをすることで、「運動系脳」と「視覚系脳」をフルに使い、「言語系脳」を休めることを推奨しています。

この考え方は、他の脳でも同様であり、たとえば私のように「視覚系」を駆使する人は、「聴覚系」の脳を使うといいのだとか。

具体的に本書で推奨されているのが、「英語の歌を耳で聴いて口ずさむ」というもので、これは確かに「視覚系」は休まっている上に、他の脳がフル活動していそうです。

私はもう、資格試験の受験勉強をすることはないでしょうけど、受験生時代知っていたら、ぜひ試してみたかったな、と。


◆本書は、ガチな「勉強本」「暗記本」ではないため、この1冊だけで成績に劇的な変化があるとは思いにくいものの、うなずける点が多かったのも事実です。

たとえば、上記ポイントの5番目の「利き手と逆の手を使う」は、私も会社員時代に右手で打っていた電卓を、左手打ちに替える、という形で実践していました。

もっともこれは、「左手を使うことによって右脳を鍛える」ツモリでやっていたことで、「脳の酸素量を増やす」効果があったとは露知らずw

このように、日頃の生活から脳を鍛えられるのであれば、読んだ価値はあると思います。


手軽に「脳トレ」できる1冊!

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記憶力の鍛え方 (宝島SUGOI文庫)
第1章 図解でわかる「脳」と記憶

第2章 記憶力がみるみる上がる38のコツ


【関連記事】

【オススメ!】『脳のワーキングメモリを鍛える! ―情報を選ぶ・つなぐ・活用する』トレーシー・アロウェイ,ロス・アロウェイ(2014年01月14日)

【超脳トレ?】『天才脳をつくる!: 潜在能力をぐんぐん伸ばす、計算と記憶のテクニック』マイク・バイスター,クリスティン・ロバーグ(2012年10月12日)

【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美(2012年06月19日)

【オススメ】『受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法』池谷裕二(2011年12月09日)

【脳力UP!】「脳力育成HACKS!」に学ぶ7つのポイント(2010年03月17日)

【脳科学】「最新脳科学で読み解く 脳のしくみ」サンドラ・アーモット,サム・ワン(2009年05月02日)


【編集後記】

◆本日の「Kindle日替わりセール」の対象商品はこちら。

B009CTVQM6
英語を学ぶのは40歳からがいい 3つの習慣で力がつく驚異の勉強法 (幻冬舎新書)

私の場合、もはやアラフィフなんですがw


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