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2014年09月25日

【集中力】『精神科医が教える集中力のレッスン』西多昌規


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精神科医が教える集中力のレッスン


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、精神科医・医学博士である西多昌規先生が書かれた「集中力」の本。

この「集中力」というテーマは当ブログでも人気であり、リアル書店で発見して、即、ゲット致しました!

アマゾンの内容紹介から一部引用。
仕事にも勉強にも使える、インターネットの誘惑にも負けない新世代の「集中力」を、ハーバードで学んだ医師が伝授する。(中略)
体内時計、脳内物質、目標設定、リズムの作り方・・・最新の医学・科学を背景に、仕事の効率を上げるだけでなく、余暇を楽しみ人生を充実させる46のレッスン!

なるほど、お医者さんが「集中力」を扱うと、こうなるのだな、と。






concentration / gagilas


【ポイント】

■1.「攻めの集中」と「守りの集中」を使いこなす
資格取得のための勉強は、会社から取るように強制されているのならば別ですが、基本的には本人がスキルアップを目指して自ら積極的に目指すもの。つまり、「攻める」ための行動です。
 一方、2つ目のセリフの気の進まない書類仕事は、自分から望んでしていることではありません。やりたくないけれどやらねばならない、「受け身」の行動でしょう。(中略)
「攻めの集中」の特徴は、人に褒められたり、数値化された目標を達成したりすることが、集中の原動力となることです。(中略)
「守りの集中」では、危険や叱責、罰、苦痛といったネガティブなイメージを持って取り組むほうが、皮肉ですが集中することができます。試験に落ちたくないがために、「一夜漬け」で集中力を発揮した経験を持つ人も少なくないでしょう。


■2.アクションスリップ(うっかりミス)は、自分がやりがちなパターンを知っておく
 アクションスリップを防ぐ最善の方法は、失敗を前提にすることです。「ミスにつながらない工夫」を施すことが、大切なのです。(中略)
個人の場合では、自分がやりがちなうっかリミスのパターンを知ることが重要です。すなわち、アクションスリップのバターンを把握しておくことです。(中略)
(1)反復エラー(コーヒーに砂糖を入れたことを忘れて、また入れてしまう)
(2)目標の切り替わり(コンビニに寄ろうとしていたのに、そのまま帰宅した)
(3)脱落・逆転(風呂の栓をしただけで、湯をためなかった)
(4)混同・混合(花を切るのに、缶切りを持って庭に出た)


■3.「プリショット・ルーティーン」を行う
「プリショット・ルーティーン」とは元々はゴルフ用語で、ショットの前におこなう決まり切った動作のことを指す言葉です。ゴルフの帝王、ジャック・ニクラウスが1962年の全米オープンで発揮した集中力のエピゾードは有名です。パッティングのまさに途中で、強風で帽子を飛ばされてしまったのですが、まったく動じずにパッティングを決めたのです。このニクラウスは、ボールの下を確認したり、フェースとボールを何回も合わせたりするなど、「プリショット・ルーティーン」を十分に取っていたと言われています。
 長く時間を取ればいいというものではないでしょうが、何か集中したいときには、その前の「取っかかり」の行動が、思いのほか大切です。この「取っかかり」も、具体的であればあるほど、集中力を引き出すことができると考えられます。


■4.「タイムリミット」は作業内容と分量も併せて決める
 その場の仕事や作業、勉強に集中するためには、時間だけでなく、内容や分量も併せて決めることが重要です。集中力を発揮するためには、始める前にタスクの内容も分量も時間も具体的に「制限する」「絞り込む」作業をおこない、準備を整えておくのです。
「冒頭の部分のパワーポイントを、30分で作る」
「問題集の5ぺージから10ページまで、1時間でし終える」
 などの、本書でもたびたび指摘している具体的なタスク設定が大切なのです。集中するためには、集中する前の下準備が重要になってきます。


■5.マルチタスクしない
 プログラムをたくさん同時に開くことは、メモリを過度に使用してしまい、パソコンの処理速度が遅くなるだけではありません。操作している人自身のタスク処理能力も、落としてしまう可能性があるのです。(中略)
 デスクトップ上にアイコンをたくさん置いている人は、デスクトップのアイコン整理から始めてみてはいかがでしょうか。すべての作業書類やプログラムをいっぺんに開いてしまう傾向のある人は、書類作成ツールだけ開くなど、アクティブなプログラムに絞ってみましよう。


■6.息を長くゆっくり吐く
 吐く時間を思い切って長く取ることが、副交感神経のはたらきを高めて、集中力を引き出す深呼吸法です。吐く時間に決まりはありませんが、息を吸うのが2〜3秒とすれば、10〜15秒はかけたいところです。
 タイマーや砂時計まで使う必要はありません。自分で数を数えて呼吸をするほうが手軽ですし、余計な雑念が入らなくなるのでいいでしょう。回数は、時間にもよるでしょうが5〜10回もおこなえば、身体には確実に変化が起きているはずです。


【感想】

◆結構「集中力」に関する本は、それなりに読んできたツモリでしたが、初っ端の「攻めと守りの集中」のお話は初耳でした。

ここをリアル書店でチェックして、本書をゲットした次第。

なお「攻めの集中」で補足しておくと、「少しだけ難しいこと」を対象にして取り組むのがポイントなのだとか。

同時に、「成功したときの喜びやもらえる報酬」といったポジティブなイメージを持つようにせよ、とのこと。

……こういう「報酬系」は、むしろ「守りの集中」で用いてきた気がするのですが、実は、それはあまり効果がなかった悪寒。


◆また、割愛したお話で押さえておきたいのが、「雑音と集中力」のお話。

まず、注意には「能動的注意」(仕事や勉強等)と「受動的注意」(突然の大きな音、ネコの飛び出し等)があり、このうち人が「能動的注意」をしている際の脳は、頭頂葉付近の活動が活発になり、それ以外の脳活動は活発ではないのだそう。

つまり、人が作業に集中している時は、必要な部分が活性化しているのですが、隣で会話(=悪いノイズ)をされたりすると、それ以外の部分まで活性化してしまいます。

そこで、それを防ぐのが、「不必要な脳活動を起こさせない雑音」である「ホワイトノイズ」。

具体的には、雨音やたき火、川のせせらぎ等の自然音で、音楽では、クラシックやイージーリスニングが似た効果があるそうです。

最近では、ホワイトノイズを出せるアプリもあるようなのですが、一歩間違えたら、居睡りしてしまいそうなw

集中力を高めるホワイトノイズを手の中に! Androidアプリ「Ambio」(動画あり) : ギズモード・ジャパン


◆一方、本書で興味深かったのが、第4章の「ネット時代に集中力を維持する5つのコツ」。

特にスマホを多用して、メールやSNSをなさっている方は、ここは要チェックだと思います。

中に「モバイルツールへの依存度チェック」があり、8項目中、3項目以上当てはまると、「モバイルツールで集中力が低下している可能性がある」のだとか。

詳しくは本書をご覧頂くとして、1つだけ項目を挙げておくと「友人や家族からスマホの使いすぎを指摘された」……って皆さん大丈夫ですかw?

もちろん、スマホだけではなく、デスクトップでも集中力が低下してしまうのは、上記ポイントの5番目の通りなのですが。


◆なお、本書の場合「集中力」というテーマに対して、比較的「幅広く捉えて言及している」のが特徴ではないか、と。

たとえば、睡眠不足が集中力低下につながるのは、類書でもよく言われていることなのですが、それだけに留まらず「では、良い睡眠を取るにはどうすべきか」というお話で1つの章(第2章)を費やしています。

この辺は、上記の第4章のネットの件同様、「集中力」に関する本で、そこまでお話を広げるのが妥当なのかが、人によっては意見が分かれるかもしれません。

もちろん、こうした日々の生活習慣が、最終的に「集中力」に影響を与えている、という考え方は正しいでしょうし、特に受験生の方には、「そこまで」意識して頂きたいところですが。


「ここ一番」で力を発揮するための1冊!

4479782966
精神科医が教える集中力のレッスン
1章 脳のクセを知って集中力を高める8つのレッスン
2章 体内時計を整えて集中力を強化する7つの技術
3章 目標設定で集中のレベルを上げる7つの方法
4章 ネット時代に集中力を維持する5つのコツ
5章 集中力が身につく8つの生活習慣
6章 続く集中力を手に入れる6つの上手な休み方
7章 メンタルコントロールで集中力に磨きをかける5つの条件


【関連記事】

【集中力】『トップ1%の人だけが実践している 集中力メソッド』永田豊志(2013年09月28日)

【集中術】『東大ドクターが教える集中術』森田敏宏(2013年04月07日)

【東大式】「現役東大生だけが知っている!集中力を高める34のルール」(2010年03月24日)

【スゴ本】「最強の集中術」はキテます!(2008年04月02日)

【超集中術】「東大生が教える超集中術」(2007年12月11日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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「ネイティブ発音」科学的上達法 おどろきのストレッチ式発声術 (ブルーバックス)

英語本は、なかなかウチではご紹介しにくいのですが、興味のある方はぜひ。


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