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2014年09月14日

【キャリア】『戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略』渡辺秀和


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戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「ビジネスエリート」のための転職本。

著者の渡辺秀和さんは、2010年の「日本ヘッドハンター大賞」のコンサルティング部門においてMVPを受賞されたという方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
マッキンゼー、BCG、ゴールドマン・サックス……。
1000人超のキャリアチェンジを支援してきた日本最高のキャリアコンサルタントは、彼らに何を教えているのか!?

果たして「安全・着実・効率的にトップキャリアにたどり着くキャリア戦略」とは!?






Career Fair at College of DuPage 2014 35 / COD Newsroom


【ポイント】

■1.同じ職種でも業界によって年収が変わる
例えば、社内の情報システム担当者という仕事に就いた場合、日系の大手金融機関では30歳で年収800万〜1000万円程度となります。それが日系の大手メーカーの社内情報システム部門では、年収600万円程度のことが多いでしょう。人事や経理などの他のバックオフィスの職種も同様に、業界によって年収に大きな差があるのです。スキルはそれほど大きく変わらないにもかかわらず、明確な年収差が生まれています。つまり、人事や経理や社内情報システムという職種に関心があるというだけであれば、業界を選ぶことによって年収をアップさせることができるということなのです。


■2.英語が苦手な人は「捨てる」という選択肢もある
 結局のところ、英語力というものは、中途半端に身につけていてもキャリア上はあまり意味がありません。もし、ビジネスで使える水準に到達する見込みがないのであれば、投入する時間がもったいないと言えます。思い切って英語は捨てて、他の分野に時間を投入するというのも有力な考え方です。仮に、英語が大嫌いな人が精一杯努力して、どうにかTOEIC600に到達したとしても、実際の仕事ではほとんど使えないと思います。おそらくキャリア上の選択肢もほとんど差が出ないでしょう。


■3.専門性を特化させた「尖ったキャリア」を目指す
ビジネスの世界では、あらゆるスキルを満遍なく伸ばそうとする"丸いキャリア"は、苦労の割に評価されません。「念のため、このスキルも身につけよう」と保険をかけたつもりが、かえって自分を追い込んでしまうという本末転倒の現象が起きてしまうのです。むしろ「この領域はやらない」という捨てる勇気を持ち、得意な領域や好きな領域に経験を集中させて伸ばすことが極めて大切です。人材市場で高い評価を得るには、「領域を絞り、ライバルよりも高度なスキルや力を身につける」ということがべーシックな考え方になります。


■4.転職後のスタートダッシュを怠らない
入社した会社でスタートダッシュをかけて早期に成果を挙げると、周囲から「この人はすごいな」という高い評価を得ることができます。当然、自分のモチべーションも上がります。これによって、ますます仕事に打ち込みやすくなり、成果が挙がりやすくなるという好循環に入っていきます。逆にスタートダッシュを果たせず、なかなか成果を出せないでいると周囲からの評価が下がり、自分も仕事がつまらなくなるという悪循環に陥ることになります。(中略)
大事なのは、仮にスタートダッシュに失敗しても、とにかく成果を出すまでがんばり続けてしまうことです。そうやって、好循環に入るように持っていく。成果が出るまではとにかく歯を食いしばる。これが新しい会社に入った時は重要です。


■5.「ハブ・キャリア」で業界・業種を飛び越える
 一般的にネクストキャリアは、前職までの経験にかなり縛られます。(中略)
そうなると、自分がやりたい仕事にキャリアチェンジするためには、すでにその仕事の経験を持っている必要があるという"矛盾"が生じます。このような現状から、一般的な転職手法のみでは、大きくキャリアを変えることはたいへん難しいのです。
 この矛盾を解くために効果的なのが、「ハブ・キャリア」の活用です。ハブ・キャリアとは、さまざまな業界・職種から入ることが可能で、かつ、さまざまな業界・職種へ転出することが可能な仕事です。(中略)
 ハブ・キャリアの代表例は、戦略コンサルタントです。コンサル未経験でもポテンシャル採用で入社することが可能で、かつ、次の転職でも幅広い選択肢が生まれます。


■6.応募先企業によって書類の書き方を考える
メーカーの営業職からコンサルティングファームへ応募する場合、「A商品をX億円売り上げた」と書いても、「うちに入社したら、A商品の営業をするわけではないんだよね。この実績に何の価値があるの?」」となってしまいます。問題解決能力を重視するコンサルティングファームとしては、業務の中でどのように問題解決してきたのかということを知りたいと考えています。例えば、「A商品をX億円売り上げた」と単に実績を記述するのではなく、「顧客分析を通じてセグメント別の施策を打ち立て、営業部門の販売戦略を再構築した結果、X億円の売上げを実現」と表現します。このように応募先企業にとって意味のある書き方をよく考えたうえで応募書類を作成することが大切なのです。


【感想】

◆本書の第1章の最初では、転職に成功した「年収1600万円」の「女性のマーケティング部長」のお話が登場します。

新卒の日系(「日系」というと、どうも「日系三世」とかの「日系人」のニュアンスが強いのですが、本書で言う「日系」は、すべて「日本資本」という意味になります)大手企業に総合職として入社し、営業部門に配属された彼女は、そのままでは希望していた経営企画やマーケティングの仕事に就くには何年もかかる上、その部門の幹部になるにはさらに10数年かかるところでした。

そこで20代後半の時点で、本書の著者である渡辺さんに相談し、キャリア設計をすることに。

彼女に対して渡辺さんが取った手段は、「まず外資系のコンサルティングファームへ入社する」というものでした。

彼女は、そのコンサルティングファームで大企業の戦略立案や海外マーケティングのプロジェクトを経験し、34歳でマネージャーに昇格。

そして人気の大手外資系企業のマーケティング部長に、35歳という若さで抜擢(同社でも最年少クラスの抜擢だそう)されたワケです。


◆これこそまさに、上記ポイントの5番目にある「ハブ・キャリア」の活用に他なりません。

今まで何冊か転職本を読んできたものの、この「最終目的のために一回(ないしはそれ以上)迂回する」という手法は多分初めてな気が。

ちなみに上記では「ハブ・キャリア」の例として戦略コンサルしか挙げておりませんが、他にもベンチャーキャピタルや、インターネット業界等を使ったケースも本書では挙げられています。

また、私は知らなかったのですが、戦略コンサルの中でも、有名な外資系戦略コンサルは、実は出身大学にハードルを設けているのだとか。

ただし、ご自分が東大等の有力大学を出ていない方でも、「ハブ・キャリア」と同じように「迂回」(?)すれば、外資系戦略コンサルにも入社は可能……なんですけど、この辺はネタバレ自重でw


◆一方、上記ポイントの2番目では「英語は不要」的なニュアンスで引用してしまいましたが、あくまで「中途半端な実力しか身に付けられないなら」という前提になります。

むしろ、一般的には英語力はあった方が当然有利(当たり前)。

以前は日系企業の場合、英語ができる「だけ」の人はあまり高い評価を得られなかったのですが、現在では「英語ができる人を優先的に採用する」企業が増えてきたのだそうです。

とはいえ、応募企業にもよるものの、「人材市場で十分と判断される」点数というのは、TOEICで言うと「800〜850」程度なのだとか(もちろん、実際にビジネスで使えるか否かが重要)。

結局のところ、どうしても英語が必須な仕事でもない限り、「費用対効果」の話になってきますので、「やるならやりきる。やりきる自信がないなら、他のスキルを磨くのに時間を割くほうが効率的」(渡辺さん)ということになります。

……ちなみに渡辺さんも、「英語学習を早い段階で放棄した」のだとかw


◆なお、本書の第6章では、「戦略的なキャリア設計法をマスターする」と題して、それまでの各章の内容をまとめているのですが、同時に「選考対策」についても触れられています。

そして、面接対策本として掲載されていたのが、私が未読のこちら。

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現役東大生が書いた 地頭を鍛えるフェルミ推定ノート――「6パターン・5ステップ」でどんな難問もスラスラ解ける!

同じフェルミ推定絡みならば、個人的にはこちらを推したいところですがw

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過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

参考記事:【論理的思考】「過去問で鍛える地頭力」大石哲之(2009年07月02日)

いずれにせよ、「新卒採用は時期は選べないが、転職では時期を自分で選ぶことができる」ワケですから、よく考えた上でアクションして頂きたく……。


転職するには「キャリア戦略」が必要なんです!

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戦略コンサルタント、外資系エグゼクティブ、起業家が実践した ビジネスエリートへのキャリア戦略
第1章 人生を飛躍させるキャリアを設計する
第2章 まずは人材市場の実態を知る――誰もが気にするキャリアの疑問
第3章 あなたの「常識」は間違っているかもしれない――陥りがちなキャリアのワナ
第4章 ビジネスエリートたちはすでに実践している――押さえておくべきキャリアの鉄則
第5章 劇的に人生を変えるマジックがある――プロが編み出したキャリアの飛躍術
第6章 戦略的なキャリア設計法をマスターする


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【マル秘転職術】「外資系キャリアの転職術」シンシア・シャピロ(2008年11月16日)


【編集後記】

◆昨日の勝間和代さんのメルマガで知った1冊。

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愛がなくても喰ってゆけます。

いわゆるグルメ本なんですが、勝間さんが訪問した何軒かのお店は「ハズレなし」だったのだそうです!?


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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