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2014年09月13日

【仕事術】『外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』川井隆史


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外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の日経新聞の広告欄で知った仕事術の本。

著者の川井さんは、政府系金融機関に勤めたのち、アーサー・アンダーセン、日本コカ・コーラ、GEほか数社を経て、経営コンサルティング会社を創業された方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
元スターバックスコーヒージャパンCEO 岩田松雄氏推薦!
「新入社員はもちろん、若きリーダーも必読。仕事で力強く前進し続けるためのヒント」

帯にあるように「外資系」の「仕事のルール」が50も収録されている1冊です!





New York 2009 - General Electric Building / Jorbasa


【ポイント】

■1.GEで高速で回される4ステップ
1.全体的な流れを俯瞰しながら、一回りさせる
2.頭を使いながらも、とにかく自分から手をつける
3.上司からフィードバックをもらい、途中で「よい質問」をする
4.ダメ出しされてもめげずに、完成度を上げていく

(詳細は本書を)


■2.見積もりを厳守するアーサー・アンダーセン
 アーサー・アンダーセンでは、仕事時間の見積もりは厳守するというルールがあった。「自分の仕事が何時間で終わるかを見積もり、絶対にその時間内に終わらせる」ことが当たり前なのだ。(中略)
 仮に8時間の見積もりで始まったアサインメントが、仕事の進め方が悪く実際には14時間と長くかかってしまった場合、8時間の労働時間しか自分から報告しないことさえあった。強制的にそうさせられているわけではない。プライドが許さないから「切り捨てる」のだ。


■3.自分の仕事をブラックボックスにしない
 もしもあなたが、明日上司に呼び出されて「1週間後に君は昇格する。後輩の○○君に今までの仕事を引き継いでくれ」と言われたら、すぐに後輩に説明を始められるようなマニュアル(細かい指示書)や引継書があるだろうか。あったとしても、自分が引き継いだときのままではなく、ちゃんと更新されているだろうか。
「ない」というあなたは、今からでもマニュアルをつくっておこう。
 一度つくったあとでも仕事の工程はしょっちゅう変わるので、マニュアルが形骸化しないように、更新する時間を決めるとよい。私の場合、忙しさがピークを過ぎたころに、反省の意味を込めてマニュアルをつくっていた。


■4.クローズド・クエスチョンで報告する
「困ってしまったので何とかしてください」というのは、とても恥ずかしいオープン・クエスチョンで、判断材料を提示した上で、「自分の意見ではこうだが、どうか」と言うべきだ。
 たとえば、顧客から現在納入している商品の10%値下げを要請されたとする。「値下げを頼まれたのですが、どうしたらよいですか?」は新入社員以外許されない質問だ。少なくともあなたなりの判断として、100%受け入れるべき、断固として断るべき、折衷案として5%分は承諾しようなどの選択肢を用意し、その根拠とともに述べる必要がある。


■5.仕事は投げずに「渡す」
 仕事の箱をポンと投げる場合は、次のどちらかのパターンである。
 1つめは、ほとんど箱の中身も見ないで、あなたも何の仕事かたしかめないまま、とりあえず部下や後輩にやらせてしまうパターン。(中略)
 2つめは、「あれやれ、これやれ」と細かい作業レべルまで指示を出して、ひたすらやらせるだけのパターン。(中略)
 もしあをたが仕事の箱を部下や後輩に「渡す」つもりならば、渡す瞬間に仕事の目的や達成しなければならない条件やデッドライン(期限)をきちんと伝えるはずだ。
 一方、目的や達成条件、デッドラインを守る限り、やり方は任せる。部下にとっても力の発揮しどころがあり、自由度が高い。今までの私の経験から言えば、このほうがずっと高いパフォーマンスを発揮するのだ。


■6.数字を示した上で交渉する
 たとえば、運送業の会社に勤務するあなたが、顧客に対して値上げの要請をしなければならないとしよう。運賃の原価の30%を占めるガソリンの代金が最近15%上昇したことを受けて、社内では運賃の2%の値上げを顧客に要請することが決まったとする。あなたならどのように伝え、納得してもらうだろうか。もちろん、きちんと数字で説明することが大切だ。
 30%×15%ということは、原価が4.5%上がることになる。そこで私なら、自社で2.5%分は努力するので、2%はどうにか痛み分けで、よろしくお願いしますと伝える。
 たんに「ガソリン代が上がったので運賃を上げてください」と言われれば、通常「そのあたりは企業努力で何とかしろ」と言われるのが関の山である。しかし、このように企業努力の部分をしっかりと数字で見せておけば、相手側にとってもある程度納得せざるを得ないし、担当者の上司などにも報告しやすい。


【感想】

◆複数の外資系企業で働かれた上で、それらの会社における仕事術のエッセンスをまとめる、というスタイルでは、既にこの本が有名でしょうか。

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世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?

参考記事:【仕事術】『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』戸塚隆将(2013年08月18日)

この本の戸塚さんは、「ゴールドマン・サックス」「ハーバード」「マッキンゼー」というトリプルコンボ(ハーバードは会社ではありませんがw)。

また、具体名は明かされていないものの、この本の著者であるムーギー・キムさんは「投資銀行」「コンサル」「資産運用会社」「プライベート・エクイティ」「MBA」と5段重ねです。

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世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実

参考記事:【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム(2013年12月22日)

この2冊に比べると、本書は装丁は地味ですが、中身は中々に秀逸でした。


◆特徴的とも言えるのが、アーサー・アンダーセンにいらしたことで、実は川井さんは、政府系金融機関の3年目の時に、1年間勉強して公認会計士の資格を取られています。

それもあってか、本書の第5章のテーマは「数字の使い方」について。

ここでは上記ポイントの6番目のほか、ビジネスシーンでの数字の取り扱い方を指南されています。

特に「おおざっぱな数字を作る」(「クイック・アンド・ダーティ」と言うのだそう)のは、日本人、中でも経理関係者が苦手とする部分なので、ぜひとも押さえておきたいところかと。


◆ところで、そのアーサー・アンダーセンで気になったのが、上記ポイントの2番目のお話です。

これって「プライドが許さない」と言っても、結局は残業時間をつけない「ブラック企業」と変わらない気がしないでもありません。

ただし、この件に関して川井さん曰く、「自分を成長させてくれる外資系企業は、一見ブラックでもメリットは多い『黒光り企業』である」とのこと。

つまり、本質的な違いは報酬ではなく、「生き馬の目を抜くような競争環境で、つねに新しい困難な仕事に挑戦させてくれること」なのだそう。

川井さんは、ご自身の体験も踏まえた上で、こうした「黒光り企業」をおすすめされていますので、就職・転職の際にはご一考頂きたく。


◆もっとも、こうした外資系企業は働くこともさることながら、入るのが容易ではありません(入ってから「社内失業者」になる可能性もありますが)。

そこで本書は、転職本ではないものの、「外資系企業の採用面接官が必ずする質問」なんてお話も収録しています(ネタバレ自重)。

もちろん、たとえ転職をしないにしても、本書収録の50のルールを意識して働いていれば、社内で確固たる地位は築けるハズ。

やはり本書の装丁同様(?)、地味めでも堅実な働き方が正解なんだな、と思った次第です。


着実に成長したい方にオススメ!

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外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術
1.外資系企業3社で学んだ「すぐ成長する人」に共通する心構え
2.仕事の質を高めスムーズに進めるためのコツ
3.成長の機会を増やすコミュニケーションのポイント
4.若くても大きな成果を上げるリーダーになる方法
5.少しの工夫で信頼を生む数字の使い方
6.さらなる成長のために自分に投資すべきこと


【関連記事】

【仕事術】『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』戸塚隆将(2013年08月18日)

【エリートは見た!?】『世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた』ムーギー・キム(2013年12月22日)

【仕事術】『マッキンゼーのエリートが大切にしている39の仕事の習慣』大嶋祥誉(2014年07月26日)

【外資あるある】『外資1年目の教科書』福留浩太郎(2013年12月19日)

【ガイシの掟?】『外資系の流儀』に学ぶ7つのコツ:マインドマップ的読書感想文(2012年09月15日)


【編集後記】

◆書店で見かけて気になった本。

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林 修の仕事がうまくいく「話し方」講座

やたら分厚い割にはお値段かなり安めなんですけど、どういうことなのか……?


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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