2014年09月04日
【ハーバード流?】『人生が2000%うまくいく ハーバードの秘密』左門 新

人生が2000%うまくいく ハーバードの秘密 (王様文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ハーバード大学院で学ばれた、医学博士・左門 新さんが、「ハーバードの秘密の教え」を明かした書き下ろしの文庫本。生きていく上で大切な「思考法」「行動の仕方」「習慣のつくり方」等について指南してくれています。
アマゾンの内容紹介から。
「ハーバード」といえば…もちろん“交渉術”や“統計学”などの講義で有名ですが、学生たちに叩きこまれるのは学部学科を超えて共通する「秘密の教え」です。これこそが、どんな人生を選ぼうとも、自分や周囲をも幸福にするカギなのです。世界中のエリートが時間とお金をかけてまで身につける「珠玉のエッセンス」を大公開!
「なぜハーバードの卒業生たちが、これほど優秀なのか」を、うかがい知ることができる1冊です!

Harvard University campus / First Daffodils
【ポイント】
■1.机の上はきれいに片づける"できる人の机は片づいている"とよくいいますが、これは事実だと思います。
ハーバード時代、どの教授の机でも、ものが散乱しているのを見たことがありません。
なぜいつもシンプルに整理されているのかというと、デスクを散らかしておくと「時間」という資産のロスになるとよくわかっているからです。
資料やメモを探す時間がもったいないのはもちろん、思考が中断され、ひどいときは思いついたアイデアまで忘れてしまう……だから片づけておくのです。
■2.得意分野をひたすら伸ばす
仕事でもなんでも、ステップアップしたいと思ったら、私たちがまず取りかかろうとするのは、"短所の克服"ではないでしょうか?(中略)
ところが、ハーバードでは、考え方がまったく逆です。
「できないこと」にはこだわらず、「できること」である得意分野を、ひたすら伸ばしていくことを考えます。逆あがりはできなくても、前回りはうまくできるから、前回りの上級ワザ、片足前回りの練習をしようとするわけです。
■3.信頼される人になる
私がハーバードへの入学を希望したときもそうでしたが、欧米社会では、会社であれ大学であれ、常に複数の人からの"推薦状"が求められます。つまり紹介がなければ、大学にも入れないということです。(中略)
ハーバードにかぎらず、外資系企業では、転職する際に、やはり信頼できる人間の紹介を要求するところが結構あります。
あなたは、推薦状を書いてもらえる人が2人以上いますか?
そうでなければ、日ごろから、好かれ、信頼され、上司からは可愛がってもらえる人になっておくようにしましょう。
■4.「誰にも負けない何か」を持つ
では、なぜハーバードの学生は、そんなに強いメンタルを持っているのでしょうか?
入学選抜では、そうした強さを持っている学生を選んで入学させているというのはあります。学力以外に、「今まで何をやってきたか?」という点を非常に重視しているのは、そのためです。(中略)
ですから、メンタルをより強くするため、あなたも「誰にも負けない何か」を、これからつくっていけばいいのです。
営業マンなら、「アポイントメント数で、誰よりも多くのお客様に会った」、技術者なら「この分野では、自社商品も他社商品も研究し尽くした」と胸を張っていえる自信は、どんなお守りにも勝る宝。最後の最後で自分を救ってくれます。
■5.「レベルの高い人」と接する
まず、アメリカのノーべル賞受賞者はハーバード卒が最も多く、在職中の受賞者は常時10人を下りません。私もノーべル賞を受賞した教授の授業を受けました。受賞者たちは、まったく別世界の雲の上の人ではなく、先生であり同僚であり、ライバルなのです。
想像してみてください。かつての同級生や上司がノーべル賞をとったら、どう思うでしょう? きっとノーべル賞は届かない夢ではななく、「私にも手が届くかも!?」という実現可能な夢と思うようになるはずです。研究に取り組む姿勢も俄然、変わるでしょう。レべルの高い人がそばにいるだけで、周囲の人間のレべルもつられて向上するのです。
■6.気軽に声をかけあう
ハーバードには、世界各国から様々な人種、文化を持つ学生たちが集まってきます。そこでどうコミュニケーション能力が磨かれるのかといえば、特別な授業などがあるわけではありません。
ただ、ランチタイムになると、さっきまで名前も知らなかった学生たちと1つのテーブルで顔を寄せ合い、気軽に会話をするのがハーバードの文化です。席を探していると、どこからともなく「こっちに来いよ!」と声がかかるわけです。
自分とは異質な人に積極的に話しかけること。
声をかけられた人は、選り好みせず、躊躇なく輪の中に入っていくこと。
この2つによって、ハーバードの学生たちは、意欲的にコミュニケーションの扉を開いていきます。
【感想】
◆いかがだったでしょうか?上からザーッと見ていって、すぐにもできそうなのは、上記ポイントの、1番目と6番目くらい?
このうち1人でもできるのは、1番目くらいなんですけど、実はこれが私自身、もっとも苦手なモノの1つというw
なお、その1番目の部分で、本書では「3つの片づけのポイント」を挙げており、その3番目というのが「所有物として本を持たない」というモノ。
ハーバードの学生は、本を沢山買うものの、ほとんどは読み終えたら売ったり寄付したり、もしくは初めから電子書籍を買うのだとか。
もっとも、ハーバードの場合、いくつかの図書館は24時間利用できるので、必ずしも手元に本を置いておく必要はないようです。
…わ、私の部屋が散らかってるのは、本のせいですからね!←言い訳w
◆さて、図書館が24時間やってることからも分かるように、ハーバードでの勉強はとにかく大変な模様。
著者の左門さん曰く「かつてないほど勉強させられ」たため、「大学時代300人入る大教室の一番後ろからでも黒板の字がはっきり見えていた視力」が、ハーバードで2年間勉強した結果、一番前の席からでも字がぼやけるほどになっていたのだとか。
授業の準備に長時間かかるだけでなく、授業自体もハードであり、遅刻する生徒など皆無です。
特徴的なのが「ケース・メソッド」と呼ばれる授業で、実在の企業や機関が直面した問題に焦点を当て、社長や理事長になったつもりで、学生に最終決断を下させるというもの。
これがまた、のんびり答えるのではなくて、教授が追加情報を加えながら次々と生徒を指名し、即答させるワケですから、プレッシャーも半端ありません。
実際、左門さんも「大都市で発生した"食中毒の原因"を究明する」、という授業で教授に追い込まれ、しどろもどろになったのだそう。
◆なお、割愛した中で興味深かったのが、ジョン・F・ケネディも学んだという「ハーバードの速読法」。
何せ1つの授業で、宿題として読んでおくべき資料が50〜60ページも渡されるハーバードでは、速読のスキルは必須です。
サラッとご紹介しておくと、まず授業では、第1段階として、スライドを使ってトレーニング。
大きな画面に単語を2〜5個並べ、最初は5秒ほど映し、次第に時間を短くしていきます。
3秒、2秒……最終的には0.1秒未満にして、「速く読む」という意識を脳に植えつけるという。
続く、第2、第3、第4段階については、本書にてご確認を。
これは基本的には英語用のメソッドなのですが、本書では左門さんが一部日本語用にアレンジして下さっています。
◆本書の「はじめに」で左門さん曰く、本書収録の「ハーバードの秘密」は、「誰にでもできることが9割以上」とのこと。
また、パッと見、タイトルの「2000%」は盛り過ぎだと思ったのですが、これは「確率(可能性)」ではなくて、「成長率」を意味しているようです。
コンテンツ的には、普通に単行本として出されていてもおかしくないクオリティですから、文庫本で安価に入手できるのはありがたい限り。
9割は無理だとしても、本書の内容を1つでも2つでも実践して、人生の質を上げていければ、と……。
「世界のエリート」が身につける「珠玉のエッセンス」です!

人生が2000%うまくいく ハーバードの秘密 (王様文庫)
1 簡単なのに、今すぐ人生が変わる習慣―この小さなことが、絶大なパワーを生む!
2 成功は、学力よりも“心”で決まる!―ハーバードが重要視する能力はコレ
3 ポジティブで「折れない心」をつくる―「アクティブ」なことは、頭のよさより重要
4 桁外れに成長できる「ケース・メソッド」―世界が認めた“やり方”を自分のものに!
5 自分の「壁」を、早くラクに超える法―あなたをサポートするあらゆる方法
6 輝く「コミュニケーション力」をつける!―仕事も恋愛も友情も、基本は同じ!
7 「ビッグな才能」が目覚めるコツ―さらに「仕事ができる自分」「すごい自分」
8 ムリ・ムダのない「効率のいい勉強法」―人生は、その時々で学ぶべきものがある
9 次々すごい「アイデア」がひらめく頭に!―ユニークな企画が!大発明が!
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【編集後記】
◆ハーバードつながりで、ガチな内容の作品をご紹介。
ハーバード・ビジネス・レビューBEST10論文
版元サイトによると
世界中のエグゼクティブが注目し、経営学者に引用されてきた世界最古のマネジメント誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」。その100年近い歴史の中で時代を超えて支持されてきた「不朽の論文」10本を、HBR編集部が選定。とのことなので、これは一読の価値アリですね!
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