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2014年08月24日

【出世作法?】『上司の言い分 部下の言い分』濱田秀彦


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上司の言い分 部下の言い分 (角川SSC新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨年レビューした『なぜか評価される人の仕事の習慣』が当ブログでも好評だった濱田秀彦さんの新刊。

リアル書店では見かけていたものの、その濱田さんの作品だとは気付かずにスルーしておりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
上司曰く「うちの部下は、話の前置きが長くて、何を言いたいかわからない」
部下曰く「うちの上司は、最後まで話を聞いてくれないから、内容が伝わらない」
これらは、企業研修や公開セミナーで多くのビジネスマンと接している著者が、近年よく耳にする上司と部下の言い分であり、不満である。
本書は、こうした両者の言い分を並べて見ることで問題の本質を見極め、解決に必要なビジネススキルを提示していくのが特徴である。

今回は特に、「部下へのアドバイス」を中心にまとめてみましたのでご覧ください!






Enviornmental Roundtable Discussion / MDGovpics


【ポイント】

■1.「相手が聞きたいこと」から話しはじめる
 声をかけた瞬間、上司か知りたいことは、「なんの話か」「聞いてどうすればいいのか」の2点です。相手の聞きたいことを聞きたい順に話そうとすれば、この2点こそが真っ先に知らせるべきことです。
 例えば商談に関する話ならば「東西産業の値引き幅について、判断をお願いしたいのですが、いま5分ぐらいいいですか?」というように話しましょう。


■2.仕事の範囲は広めに考える
「それって僕の仕事でしょうか?」という質問は、部下の皆さんが思っている以上に、上司を挑発してしまうセリフだということは、知っておいたほうがいいでしょう。例えば「ちなみに、この仕事を私に、と判断したのは……」のように言い方を変えるだけで印象はだいぶ変わります。
 また、仕事の範囲は広めに考えたほうがいいものです。仕事の範囲を広げれば、社内で評価されるだけでなく、あなたの「市場価値」が上がります。
 これは、私がかつて再就職の支援事業に参画したときに痛感したことですが、数多くの役割を担った人は、転職市場で評価されます。専門性があっても、担った役割の幅が狭い人は、苦戦していました。


■3.期が始まる前に評価のポイントを聞いておく
 公正な評価を得るためにやっておきたいことは、期がはじまる前に上司に評価のポイントをきちんと聞いておくことです。なにをするとどう評価されるのか、というゲームのルールを確認します。制度がどうなっているかだけでなく、自分にどういう行動が期待されているのかも聞いておきます。
 また、上司が自分の仕事ぶりを見ていないと思うならば、日常の報告をプレゼンと位置づけて行うことです。単に結果を伝えるだけでなく、工夫したところ、生み出した効果を数字で伝えます。


■4.評価されるためには、きちんとアピールする
評価されない体質(1)アピールしない
 アピールは悪いことだと思っており、しない。その結果、仕事の成果が正しく伝わらず、大したことをやっていないと思われてしまう。黙々とやっていれば、誰かが見てくれるはずだと思っている。また、かいた汗の量が評価されるべきだと思っている。
 1人のプレイングマネージャーが数多くの部下を抱える今日、上司が部下の行動を逐一見るのは不可能です。これみよがしのアピールは不要ですが、業務報告を通じ、挙げた成果をきちんと伝えることは必要です。かいた汗の量は評価されないと割り切り、成果を数字できちんと伝えましょう。


■5.管理職を目指さなくても、それを公言しない
 なお、管理職を目指す、目指さないは本人の自由です。ただ、管理職になりたくないと公言するのは避けたほうがいいでしょう。そういう発言を繰り返すと、会社や上司から「やる気のない人」と見られます。
 あなたが管理職志向ではなくプロ志向であるならば、「管理職になりたくない」ではなく、「プロフェッショナルを目指します」と公言して自分を磨いていくのが得策です。


■6.叱られたら「ありがとうございました」と言う
 叱られれば、気分はよくないでしょう。叱られて感謝するのは、後になってから。その瞬間は、なかなか素直になれないものです。
 しかし、そんなときこそ人間としての器の大きさを示すときです。自分に100%非があったわけではないでしょう。でも、部分的であっても自分に非があるなら、そこは認めるのです。再発防止を誓い、最後は感謝で締めるというようにします。例えば、「わかりました。今後はきちんと確認します。ありがとうございました」というように。


【感想】

◆せっかく本書は、「上司」「部下」それぞれの「言い分」と「アドバイス」が併記されているのに、片方だけしか取り扱わず、申し訳ございません。

当初、同じテーマで両者を載せようとしたのですが、1つのポイントだけでも結構な量になってしまいました(1つにつき、上記の量の2倍なので)。

かといって、ばらばらに上司側、部下側で選ぶと、今度は視点がブレてちと分かりにくい印象を受けてしまった次第。

まぁ、確かに「同じテーマ」で「上司側&部下側」それぞれから論じた本というのは、あまり記憶にありませんよね。


◆具体的に「どのような感じになるのか」にも触れておくと、たとえば上記ポイントの1番目のテーマでもある「上司の聞き方」と「部下の話し方」はどちらに問題があるのか、というお話について。

上司の言い分は「前置きが長くて、なにが言いたいのかわからない」。

対する部下の言い分は「最後まで聞いてくれれば、内容はわかる」。

どちらの言い分にも一理あるように思えるのですが、これはたとえば上記ポイントの1番目にあるように「部下側」が意識して「上司が聞きたいこと」から話し始めると、改善されるハズ。

また同時に、上記では割愛していますが、上司の方も「1分間だけよく聞く」ことを厳守すれば、大抵の話はそれで収まりますし、部下の方も「聞いてもらえた」感が得られるという(詳細は本書を)。


◆また、両者の言い分が対立するテーマとしては、「人事考課」も避けられません。

上司は「自己評価を甘くつけるのはやめてほしい」といい、部下は「結果だけでなくプロセスも評価してほしい」と反論します。

これに関しては、部下は上記ポイントの3番目のように「期がはじまる前に評価ポイントを聞いておく」べし!

なお、濱田さんが企業の管理職だった頃、自己評価シートを読むと、高い点をつけざるを得ないようなプレゼンの上手い部下がいたのだそうです。

一方の上司へのアドバイスは、考課を「部下指導・育成のシステムの1つととらえること」なのですが、長くなるので、詳細は本書をお読み頂きたく。


◆本書ではこうしたテーマ(本書内では「CASE」と言っていますが)を計17収録。

数としては多い方ではないものの、1つ1つを結構掘り下げているので、結構読み応えがありました。

冒頭で触れたように、上記ポイントは「部下側」の引用のみですが、本書はもちろん「上司側」の言い分や処方箋もしっかり載っていますので、ご安心を。

私も年齢的には明らかに「上司側」なのですが、当ブログの読者さんの年齢構成を検討した結果、このような形に落ち着きました。


会社生活を充実させるために!

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上司の言い分 部下の言い分 (角川SSC新書)
第1章 指示と報告をめぐる言い分

第2章 評価をめぐる言い分

第3章 コミュニケーションをめぐる言い分

第4章 指導・育成をめぐる言い分


【関連記事】

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【編集後記】

◆なお、本書はすでにKindle版が出ております。

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上司の言い分 部下の言い分 (角川SSC新書)

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