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2014年08月09日

【即戦力?】『世界一即戦力な男――引きこもり・非モテ青年が音速で優良企業から内定をゲットした話』菊池 良


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世界一即戦力な男――引きこもり・非モテ青年が音速で優良企業から内定をゲットした話


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日話題となったこの記事で、「はてな村出身」だったことが判明した「世界一即戦力な男」こと、菊池 良さんのデビュー作。

ゼロ年代をはてなで過ごした人間が単著を出した話 - 夏のサマー

私自身、菊池さんのサイトと就職なさった経緯くらいは知っていましたが、まさか「はてな村民」だったとは全く思いもよりませんでした。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「即戦力」で検索すると、 全世界で1番目にヒットする男、菊池良。
彼の生き様から、「即戦力」になるための マインドとアイデアを学べ!

「即戦力」かどうかはさておき、この方、とんでもない行動力と経験値をお持ちですよ!?






【ポイント】

■1.好きなものに没頭する
 私は引きこもっていた間、自分が「面白い」と思うものを必死に追っていたのだ。ウェブの楽しさに、脳が疲れていた。そうやって溺れているうちに、泳ぎ方を身につけたのだ。
 何かにハマったり、追いかけたりすることは悪いことじゃない。「好き」は学ぶ原動力になる。キミも目の前に好きなものがあったら、それ以外のことはちょっと横に置いて、ひたすら没頭してみてはどうだろうか。レオナルド・ダ・ヴィンチだって最初は消費者だったはずだ。


■2.失敗できる場所で自信をつける
 安全圏での失敗は、大いにすべきだ。小さくても成功体験を積み重ねておけば、ちょっとやそっとじゃ自己嫌悪に陥らなくなる。何かあっても「俺には○○があるし」と平静を保てるのだ。(中略)
インターネットは失敗するのに適した場所である。匿名でブログをはじめて上手くいかなかったらひっそりと閉じればいい。その経験を次に生かせばいいのだ。少なくとも同じ方法をとったら成功しないってことはわかる。


■3.過去を後悔するより、前を見る
 過去を悔やんだってしょうがない。タイムマシーンでもないかぎり、それは直せないのだから。それに周りにとってはどうだっていいことだ。
『源氏物語』を書いた紫式部だって、「あの場面はこうしたほうが良かったなあ」と思っていたかもしれない。だけど、私たちにはその箇所はわからない。他人からしたら、後悔なんてその程度のものだ。
 舞台の上にいた私だって、古屋さんからしたら「淡々とこなして」いるように見えたのだ。そんなものだ。
 前を見よう。「今」をより良くしていくことしか、私たちにはできない。


■4.評価される場所を探して移動し続ける
 教祖にはなれなかった。ライターのときと同じように失敗したのになぜ立ち上がることができたのか。
 それはどういうことをやれば認められるのかを掴んだからだ。真面目に原稿を書いていくライターは無理だとわかったが、「面白い」と思うものをつくり上げれば気に入ってもらえる。
 もともと、織田裕二のことを書いたライターの試験だってそうだったのだ。どこで何をしたら受け入れられるのかを把握し、その場所を離れないこと。
 それが重要だ。


■5.何が動機かは気にしない
 何がどう転がるかはわからない。玉城さんと仲良くなりたくて、漫画を描いたり、曲をつくったりしていたら、本の帯に推薦文を書くことになった。
 モチべーションが不純なほうが、長続きしたりする。カッコいい音楽を掻き鳴らしてロックの歴史を更新したバンドマンたちも、最初は女性にモテたいから楽器を手に取るのだ。全員。
「こんな動機、間違っているんじゃないだろうか」
 そんなことは考えず、やりたいこと、面自そうなことにはどんどん手を出したほうがいい。


■6.できないことは、できる人にまかせる
 できるところは全力でやって、できないところは仲間を口説いてみよう。
 それでも無理だとわかったときに、はじめてほかの方法を考えるのだ。
 TVアニメは1人じゃつくれない。原画や動画、背景などをそれぞれ書く人が集まって制作される。チームでやると、個人にはできないものがつくれるのだ。
 考えを先回りさせて、「自分にはできないから」と可能性を潰してはいけない。「どうせ無理だよ」というような脳の意見は無視しよう。サイコロは振ってみなきゃわからないんだ。


【感想】

◆当ブログのスタンスとして、できるだけ「本から学ぶ」ことを主題においておりますので、上記ポイントでは「お役にたちそうな部分」を選んでみました。

本書は小見出しとして25の「STORY」(菊池さんの体験談)が挙げられており、その最後に、菊池さんがそれらの体験談から学んだことがまとめられています。

これが一般書を出しているような版元さんだったら、「一時期話題になった人」の「単なる自伝」になりそうなところ、何せ本書の場合「フォレスト出版さん」ですから、そうはならずw

ただ、その「STORY」の多くがぶっ飛んでいて、正直圧倒されました。


◆そもそも本書のアマゾンのページにおける「主要登場人物一覧」ですが、留学生のダニエルと菊池さんを除けば、他は皆、著名人ばかり。

また、ここには名前が挙がっていませんが、芥川賞作家の朝吹真理子さんにイベントで詩を朗読して話しかけたり、村上隆さん主催のアートイベントに『完全教祖マニュアル』の架神恭介さんと参加したりしています。

その他の著名人との絡み(?)については詳細を割愛しますが、その多くが、何らかの募集に対して応募したもの。

たとえば、水野敬也さんと古谷雄作さんについては、2人の「後輩」を募集した「後輩オーディション」がきっかけでしたし、西島大介さんも「西島大介のひらめき☆マンガ学校」に応募したことによるものです。

それぞれの結末等については本書を読んで頂くとして(ネタバレ自重)、菊池さん言うところの「応募力」は、すさまじいものがあるかと。


◆いや、ホント、こうしたイベントやら企画応募やらの体験談だけ読んでも、本書は楽しめることウケアイです。

何たって菊池さん、敬愛する古谷雄作さんに命じられるまま、あの「R-1ぐらんぷり」にまでエントリーしているのですから。

ちなみに、その時点で菊池さんは何年も引きこもっている状態であり、「人前に出て何か話す」とかいう次元ではありません。

何という難題ww

……その時の「学び」は、上記ポイントの3番目にある通り(お察し)。

こういう体験していれば、それは度胸はつきます罠。


◆なお、菊池さんのブログは、現在はてなブログで読むことができますが、冒頭のエントリーの中でも触れられているように、かつてははてなダイアリーで執筆されていたのだそう。

現在はプライベートモードであるこのブログ、かつては「切込隊長」ことやまもといちろうさんに記事内でリンクされ、「よくそこまで書くもんだ」と言わしめた模様(菊池さんの記事は一番下のリンク)。

岡田斗司夫問題は深いな: やまもといちろうBLOG(ブログ)

あのやまもとさんに評価されるくらいですから、菊池さんの筆力はかなりなものであり、上記ポイントの4番目にあるように、「ライターの試験」も余裕でパスしています。

ただし、その試験と言うのは「有名タレントと付き合っていた女性の告発、という体裁で、タレントのプライベートを暴露する記事を書く」なるもの。

それに対して菊池さんは、「俳優の織田●二は、性行為中も『キターーッ』『うわぁぁぁあ、気持ちぇぇぇ!』とうるさかったと女性が告発する記事を書いた」とのことなので、筆力以前の「ネタの勝利」かもしれませんがw


◆いずれにせよ本書は、「なかなか一歩が踏み出せない」方にとっては勇気づけられるのではないか、と。

上記ポイントにもあるように、失敗してもそれを成長の糧にすればいいですし、そもそも経験がなくても、申し込んじゃいさえすれば、何とかなったりするもの(M1とかw)

そして、自分にできないことは、他人にやってもらうこと。

たとえば「即戦力」サイトを見て、ウェブデザイナーとして採用しようとするメッセージも多かったそうですが、菊池さんが質問に答えているように、あのサイトのウェブデザインは専門の方がやられています。

でも、そういう「人脈」をふくめたところで考えれば、菊池さんには「即戦力」があると言えるのではないでしょうか?(世界一かは別としてw)


なかなか楽しめる1冊でした!

4894516306
世界一即戦力な男――引きこもり・非モテ青年が音速で優良企業から内定をゲットした話
第1章 「引きこもり」というアイデンティティ
第2章 憧れの人物からの拒絶
第3章 22歳の大学1年生へ
第4章 挫折から得られるもの
第5章 狂ったような挑戦の日々
第6章 自己PRサイト「世界一即戦力な男」の軌跡
第7章 音速で内定をゲットした話


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【編集後記】

◆ふとアマゾンランキングを見ていたら、この本の在庫が復活していました。

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世の中にそんなにコンサル志願の人がいるとも思えないんですが、私のような士業の人が買ってるんでしょうかね……?


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