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2014年07月30日

【オススメ!】『コンサル一年目が学ぶこと』大石哲之


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コンサル一年目が学ぶこと


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログでは根強い人気を誇る、大石哲之さんの仕事術本。

「各界で活躍する元コンサルタントの方に取材」をし、「新人時代に学んだことのなかで、15年たっても役に立っていること」を、大石さん自らの経験を踏まえてまとめたものが本書になります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
新人からベテランまで今日から使える、外資系コンサル出身者が必ず身に付けているベーシックスキルを30個に厳選!
本書は、コンサルティング会社に勤める人のためだけの本ではありません。
職業・業界を問わず、 15年後にも役立つ普遍的なスキルを、社会人一年目で学んだときの基礎的なレベルから理解するための本です。

半ば「定番」とも言えるスキルが多いのですが、それらが「なぜ重要なのか」を事例を踏まえて解説されていて、大変勉強になりました!





CIM - Marketing Leaders Research / renaissancechambara


【ポイント】

■1.言い訳せず質問には率直に答える
 ごくごく簡単な例で言うと、たとえば、待ち合わせに遅れているとき。
「いまどこにいる?」
 と言われたとき、言い訳をしない。いまどこにいるのかと聞かれているのたから、現在地をまず答える。
「表参道駅、千代田線のホームです」
 そのあとで、あと何分かかる見込みだとか、迷っているのでへルプしてほしいとか、そういうことを付け加えるべきです。寝坊したとか、トラブルがあったとか、そういうことを言うのは、現地に到着してミーティングなどすべてが終わってからにすべきでしょう。


■2.数字というファクトで語る
 コンサルタントは、一年目であっても、年上で経験も豊富なクライアントと話すことが少なくありません。どうしてそんなことができるかというと、ずばり「ファクトで語っているから」です。(中略)
 ファクトとは、事実のこと。つまり自分の経験談や、気の利いた言葉ではなく、動かしようのない事実をさします。事実の最たるものは「数字」です。数字は誰も動かしようがなく、否定もしようがありません。ですから、数字でものを言うのが、いちばん効果的です。(中略)
 仮に、世界共通言語があるとしたら、それは英語ではなく数字です。それも、難しい数字ではなく、売上、出荷の個数、コスト、利益率などの単純な数字です。


■3.「事実」「解釈」「推奨アクション」の見出しをつける
 事実、解釈、アクションをきちんと区別し、「だから何?」「どうしてそうなるの?」への答えを明確にする。
 これは、いわゆるロジカルシンキングの基本です。(中略)
 では、どうしたら、このスキルをすみやかに身につけることができるのか?
 いちばん簡単な方法は、見出しをつけることです。
 何か文章を書くときに、
(事実)
(わたしの解釈)
(推奨アクション)
 といった具合で見出しをつけることによって、頭の中がスッキリ構造化されます。
 それをそのまま仕事相手に見せてもよいでしょう。
 相手にとっても、事実、解釈、アクションが区別できて、とてもわかりやすいはずです。


■4.仮説→検証→フィードバックのサイクルを高速で回す
 もし仮説が正しいなら正確なデータを用いて「実際にこのようになっています」とクライアントに示すためのグラフをつくる。
 もし違っていたら自分なりにそのデータから読みとれる新しい仮説を考えて「検証してみたところ違う結果が出ました。データから考えると、真実はこうではないかと思います」と、新しい仮説を提示します。
 このようにして、
仮説→検証→フィードバック
 というサイクルを高速で回すことで、問題の本質に効率よく迫ることができます。


■5.議事録には決定事項のほかに「決まらなかったこと」も書く
議事録で必ず盛り込むべき項目を挙げましょう。
・日時
・場所
・参加者
・本日のアジェンダ(論点・議題)
 以上は当たり前ですね。重要なのは、次の4つです。
・決まったこと
・決まらなかったこと(次に持ち越したこと)
・確認が必要なこと
・次回に向けてのTODO(誰がいつまでに)
 この4つが、簡潔に、クリアーに、整理されて書かれていたら完璧です。

(詳細は本書を)


■6.最終成果物から逆算して、作業プランをつくる
 作業プランニングの方法として、「空(から)パックをつくる」というものがあります。
 これは、簡単に言うと、仕事を始める時点で、すでに最終成果物、最終アウトプットの骨組みをつくってしまうということです。(中略)
 何かの資料をつくろうとするとき、多くの人は、まずは資料集めから始めます。なんとなくリサーチして、なんとなくいろんな情報を手に入れて、そこそこの情報量が集まったところで、それを並べ替えて、資料に仕立て上げる、というのがふつうのやり方でしょう。
 コンサルタントのアプローチは、アウトプットから逆算する方法です。これを「アウトプットドリブン」といいます。資料をつくるとき、最初にやることは、その資料のアウトラインイメージをつくってしまうことなのです。


【感想】

◆テクニックやスキル、TIPSを挙げるタイプの書籍の場合、本書のような「30」という個数は決して多くはありません。

ただ逆に、それだけ「重要」というか「王道」的なものが本書には収録されています。

実際、上記6つのポイントも、その多くを類書で目にしたことがあるかと。

たとえば、今回は割愛したものの、本書で最初に登場するスキルは「結論から話す」です。

これなどはもう、「耳にタコ」状態かもしれませんが、大石さん曰く「これがコンサルタントとして学んだことのなかでもっとも役に立ち、いまも意識しているコミュニケーションの鉄則」であるとのこと。

ほかのスキルも冒頭で触れたように、大石さんはじめ、コンサルや元コンサルの人にとって「15年たっても役に立っている」ものであり、コンサルティング会社のみならず、どの業界、業種を問わず有益と言っても良いでしょう。


◆ちなみに、大石さんが話を聞いたコンサルないし元コンサルの人は、多数いらっしゃるそうですが、そのうちの何人かは実名で登場し、体験談を語られています。

しかも、当ブログで書籍をご紹介済みの方もちらほら……。

●秋山ゆかりさん

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考えながら走る―グローバル・キャリアを磨く「五つの力」―

参考記事:【仕事術】『考えながら走る―グローバル・キャリアを磨く「五つの力」―』秋山ゆかり(2013年10月20日)

●牧田幸裕さん

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得点力を鍛える

参考記事:【コンサル流?】『得点力を鍛える』牧田幸裕(2012年11月28日)

●山口揚平さん

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なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

参考記事:【お金】『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』山口揚平(2013年03月11日)

本書によると、ポイントの6番目の「空(から)からパックをつくる」は、秋山さんのご本でも解説されているそうなのですが、すっかり忘れておりました(ダメじゃん!)。


◆また、同じく割愛してしまったものの、第3章の「コンサル流デスクワーク術」には、「コンサル流検索式読書術」なるものが。

これは当ブログでも大ヒットしたこの本のコンテンツですね。

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ロジカルシンキング・リーディング

参考記事:すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)

絶版になったためか、Kindle版(タイトルが違いますが)が出ていますが。

B00AFZVMOS
コンサルタントの読書術 確実に成果につながる戦略的読書のススメ

正直、この本を初めて読んだときは、目からウロコがボロボロ落ちまくりましたよ(遠い目)。


◆ついでと言ってはなんですが、どうしても押さえておきたいのがこちら。

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新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術

大石さんは、学生時代にこの本に出会い、繰り返し読んではロジックツリーを練習し、そのおかげもあって、コンサルティング・ファームに入社することができたのだとか。

しかも、そのコンサルティング会社で最初に受けた研修も、この『問題解決プロフェッショナル―思考と技術』と同じ内容だった上に、それ以降もこの本以上の方法論は使わなかったのだそうです。

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           ,ゝ `く/ /  〉 /  ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / /  . {'⌒) ∠二二> -  - - - - - -
  _,.. ‐''"  _,,,.. -{(⌒)、  r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
 '-‐ '' "  _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐'   ;;    ‐ -‐   _- ちょっくらこの本買ってくる
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同様に、資料作成の場面においては、下記2冊が「コンサル出身者(パワーポイント)」「投資銀行出身者(エクセル)」が書いたものなので、大いに参考になるとのこと。

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外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

参考記事:【オススメ!】『外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック』山口 周(2012年10月22日)

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外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方

下の方のエクセル本は、リアル書店でチラ見したところ、後半がかなりディープな内容だった故、スルーしていたのですが、考え直すべきか……。


◆この手の「スキル本」は数多く読んできた自分にとっても、本書は得るところが多かったです。

何故なら、本当に重要なスキルを抽出して、それらを体験談を交えて掘り下げていたから。

今回はTIPS部分との兼ね合いで、体験談は丸ごと割愛してしまいましたが、大石さんや上記の牧田さんの失敗エピソードも収録しています(お二人も新人時代は、そんな失敗やらかしていたんですねw)。

こうした失敗談や、大石さんの上司のツッコミを読むにつけ、「だからこそこうしたスキルが大事なんだな」と実感できること必至!

もちろん、読んで納得しているだけではダメで、実践することが重要なのは言うまでもありませんが。


コンサル流のスキルを身につけたい人に!

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コンサル一年目が学ぶこと
第1章 コンサル流話す技術

第2章 コンサル流思考術

第3章 コンサル流デスクワーク術

第4章 コンサル流ビジネスマインド


【関連記事】

【仕事術】『考えながら走る―グローバル・キャリアを磨く「五つの力」―』秋山ゆかり(2013年10月20日)

【コンサル流?】『得点力を鍛える』牧田幸裕(2012年11月28日)

【お金】『なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?』山口揚平(2013年03月11日)

すぐに使える「ロジカルシンキング・リーディング」テクニック5選(2009年09月04日)

【論理的思考】「過去問で鍛える地頭力」大石哲之(2009年07月02日)


【編集後記】

◆大石さんの作品は、当ブログでもかなりご紹介していますが、中でも必読なのがこの本。

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過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題

この本を読んで以降、大石さんにハマってしまいました(レビューは上記関連記事にて)!


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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