2014年07月23日
【貴方は大丈夫?】『困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典』村上英記
困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも取り上げた1冊。著者の村上英記さんは、東大大学院卒の「敬語アドバイザー」であり、その著作である『ビジネスメール言い換え辞典』が、当ブログでも人気となったことがありました。
アマゾンの内容紹介から。
心から謝罪し、失敗したときに役立つ“窮地を脱する言い訳”。「言いにくいこと」を工夫して伝える、“角を立てない言い訳”。これらを「ふだんの言葉」から引ける辞典です。「言い訳」はビジネスの必須スキル!相手と状況に合わせたフレーズで、困った場面でも信頼関係が保てます。仕事で「やらかしたとき」こそ、きちんとした敬語と表現で切り抜けよう!
私自身、言ってることは間違っていなくても、その言い方がマズくて失敗した経験があるだけに、なかなか耳痛かったです。
Sorry ! / Wiertz Sebastien
【ポイント】
■1.部下・後輩のミスを詫びるとき× ○○も悪気があってやったことではないので。
◎ 私の不徳の致すところです。上司が、責任は自分にあると宣言するのは潔いイメージを与えます。部下(後輩)にもそれが伝わり、上司にここまで言わせてしまって申し訳ないという気持ちにもなりますので、さらなる信頼関係を築けることでしょう。
■2.質問に答えられないとき
× わかりません。
◎ 不勉強ですみません。「不勉強で」のほうが「わからない」という否定的な印象が薄くなります。「不勉強」は「勉強不足で」と言い換えてもOKですが、「不勉強」は「勉強していない」、「勉強不足」は「勉強したが、まだ足りていない」という意味の違いがあります。いずれにせよ、若手のうちだけ使えるフレーズと心得ておきましょう。
■3.出せない結論を求められたとき
× いま決めるのは無理です。
◎ 中途半端に結論は出したくないので、もう少しお時間をいただけますか?自分が結論を出すのが遅いのではなく、しっかりと納得したうえで結論を出したい、あるいはより適切な結論を出したいという気持ちを伝えられます。相手に優柔不断な印象を与えることなく、考える時間を得られるでしょう。
■4.相手の指摘に納得できないとき
× 弁解してもよろしいでしょうか。
◎ 行き違いがあるように感じますので、2,3確認させてください。誤解をきちんと解きたいときは、このような質問のフレーズで切り返してみましょう。たしかめれば、疑いも晴れるはずです。「行き違い」は人や物がすれ違ってしまい、出会えるものが出会えないことですが、意志が通じ合えず、誤解が生じることも指します。
■5.相手が無理な要求をしてきたとき
× それはとてもできない相談です。
◎ このあたりでご容赦いただけますと幸いです。不可能だということをやんわり伝える表現です。「ご容赦」は相手が自分より強い立場であることを認めて使うフレーズなので、相手に優越感を抱かせることにもつながります。「そんなにいじめないでください」といったフレーズも使えますが、フランクな印象になるので、ふだんから親しい相手などに限って使うとよいでしょう。
■6.相手の言い訳をやめさせたいとき
× つべこべ言わないでください。
◎ 心中お察ししますが。「あなたの気持ちはわかりますが」という意味です。「心中お察しする」は本来、相手に同情することなので、相手に悪いことがあった場合などに使われます。
【感想】
◆本書は「読み物」というより、タイトルが「辞典」となっているだけあって、1項目につき1ページ用いてまとめているスタイルでした。ただし、実際はもっとボリュームがあって、「×」な言い方についても解説があると同時に、「×」と「◎」の間にも「○」な言い方とその解説もアリ。
ちなみに、この「○」な言い方は、「◎」ほどではないものの、ビジネスシーンでは問題のない丁寧な言い方です。
例えば、上記ポイントの4番目の「○」な言い方は、「少し誤解があるようなのですが。」であり、確かにこれでもいいような。
ただ、聞いてる相手としては、「◎」な言い方である「行き違いがあるように感じますので、2,3確認させてください。」の方が、より感じが良いでしょう。
◆さらに、「○」と「◎」の言い方には、おしまいにそれぞれ例文が付されています。
例えば、上記ポイントの5番目のケースですと、割愛した「○」の言い方が「ごめんなさい、これが精一杯なんです。」で、その具体例が「たいへん恐縮ですが、これが精一杯です。」。
これが「◎」の言い方だと、「当社としては誠心誠意ご対応しているつもりです。このあたりでご容赦いただけないでしょうか。」になります。
確かにあった方が分かりやすいのですが、この部分まで引用するとボリュームが半端なくなるので、割愛した次第。
きちんと確認されたい方は、直接本書にてお願いします。←アサマシw
◆また、今回は「言い換え」とは違うので、丸ごとカットしてしまったのが、コラムの数々。
ここだけ読んでも勉強になるくらい良質なものばかりなので、参考までに見出しをいくつかご紹介しておきます。
・「申す」を使いこなす
・「いただく」「くださる」の微妙な違い
・「〜しかねます」は本当に使える?
・「〜です」をつけてはいけない場所
・上司にモノを言いたいときに角を立てない2つのポイント
このうち、「〜です」をつけてはいけない場所、というのは、例えば「嬉しい」「危ない」などの形容詞や、「知らなかった」などの動詞。
普通に「〜です」と言ってた気もしますが、これも本来間違いなのだとか。
これらの正しい言い方についても、本書にてご確認下さい。
◆一方、コラムとは違いますが、ところどころに挿入されているのが、補足的な性質をもつ「ワンランク上の」フレーズ集。
「例えばミスをしたとき」という項目のすぐ次には、「ワンランク上の謝罪するときのフレーズ」と題して、さまざまな「謝罪フレーズ」が解説付きで収録されています。
笑ったのが、「ワンランク上の悪口にならないポジティブフレーズ」で、
●要領が悪い人と、褒めてるのでしょうけど、まぁ、モノは言いようだな、とw
⇒いつもひたむきに仕事に取り組んでいますよね。
●計画性がない人
⇒行動力があって、うらやましいです。
●優柔不断な人
⇒思慮深い人ですよね。
こんな感じで、多方面に活用できそうなので、「正しいことを言えば問題ない!」と思ってる人、「誰でもいいんですけど、●●さん、教えてください!」とバカ正直に口にしてしまう人なら、必読かと。
口は災いのもとですから!
困ったときの「モノの言い方」言い換え辞典
第1部 上手な“言い訳”のコツと基本
第2部 窮地を脱する“言い訳”
第3部 角を立てない“言い訳”
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【編集後記】
◆冒頭でも触れた、村上さんの前作がこちら。中古でもほとんど値崩れしてませんね。
「きちんとした敬語と表現」がすぐに見つかる ビジネスメール言い換え辞典
レビューは上記関連記事にて。
ご声援ありがとうございました!
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