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2014年07月16日

【勉強法】『難関資格に確実に合格する勉強法』尾崎智史


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難関資格に確実に合格する勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事で一番人気だった勉強本

著者の尾崎さんは、大学在学中に公認会計士試験に合格し、その後資格試験の専門学校で「累計1,000人を超える公認会計士の受験者を指導」された方です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
初めての全国模試の成績は4桁だった著者が、2年目には1桁順位まで引き上げることができた。
特別な才能があったわけではなかった著者が実践した方法とは。
確実に合格する近道とは。
本書は、超効率的な裏ワザ勉強法でもなく、真似のできないウルトラC的ノウハウ書でもない。
超現実的な、目的達成まで継続してがんばれる力を発揮する、すべての受験者に共通する「最強の勉強法」である。

なるほど、講師経験のある方だからこそ書ける、実践的な1冊でした!





Student studying / UBC Learning Commons


【ポイント】

■1.モチベーションは下がるものと心得る
 資格を取ろうと思って勉強しているのにモチべーションが下がるなんて自分はダメな人間だ! と思ってしまうと、どうしても後ろ向きになってしまって机に向かうのが余計に嫌になってしまいます。
 モチべーションは下がるものであると思っていれば、モチべーションが下がったとしても冷静でいられます。大事なのは、モチべーションが下がってしまったその後なんです。
 優秀な人は、必ずしも常に高いモチべーションを維持しているわけではありません。モチべーションが下がることを予め想定した上で、モチべーションが下がったときの自分なりの対処法を持っているのです。


■2.小さなことでも3連勝を積み重ねる
 勉強を軌道に乗せるためにオススメなこと。それは、「小さな3連勝」を積み重ねること。まずは3回続けて勝利してみる。「小さな」3連勝ですから、何でも構いません。
 毎日7時に起きるという目標ならそれでもいいですし、小テストで80点をとるでもいいですし、毎日2時間は必ず勉強するというものでもいいです。
 まずは3回連続を目指しましょう。そうすると、勢いが少しずつついてきます。3連勝できたら、また次も3連勝しようと思うことができます。


■3.復習は5回やる
 まず1回目の復習は、1回目の勉強をしたあとすぐに行いましょう。
 講義を受けたのであれば、その直後がベストですが、難しい場合は帰りの電車の中でも帰宅してからでも構いません。(中略)
 そして、2回目の復習は翌日に行いましょう。1日目に記憶した内容をより強固なものにするためです。
 3回目はその1週間後に行います。(中略)
 そこからさらに2週間後に復習。最後はその1ヶ月後に復習します。そうすると、全部で5回を2ヶ月以内で回すことができます。


■4.普段から「最後の5分」を粘る
 私が受験時代に座右の銘にしていた言葉の1つに「あと5分、あと1問」があります。もう今日は勉強を終わりにしようかな、と思ってから、5分だけ頑張ってみる。あるいはあと1問だけ問題を解いてみる。これも毎日継続していると、自然と最後の粘りができるようになります。
 試しに5分間の時間を計りながら問題を解いてみてください。5分あれば、けっこう解けると思います。その5分で合否の結果が分かれることがないとは言えません。最後の粘りを普段から意識してみてください。


■5.疑問点は必ず質問する
 疑問点はドンドン質問しましょう。質問するということは自分から声を発すると言うことですから、主体的な行動です。普段の講義を受けているときは基本的に受け身ですが、質問するときだけは主体的にならざるを得ませんね。主体的な行動は、記憶に残りやすいです。自分の起こした行動というものは、なぜか頭に残るのです。
 質問は、何も講師に対してだけでなくてもいいです。友達にももどんどん聞いてみましょう。質問をされた側にとってもそれは効果があります。


■6.効率的で効果的な「目次学習」のススメ
 まず、目次を開き、大項目を眺めます。場合によっては中項目まで目次に載っているでしょうからそれでもOKです。それを見て、該当ぺージに書かれていたことはどんなことだったかを思い出してください。
 重要なポイントは何だったか、覚えるべき項目、対比する考え方、本試験における出題実績、重要な条文番号など、特に受験上大切だと思われることや、講師が強調していたポイントについてできる限り思い出しましょう。内容にもよりますが、1項目につき1分以内が目安です。
 そして、すべて思い出したと思ったら、該当ぺージを開き、実際に書かれている内容を確認します。(中略)
 まったく思い出せない場合は、まだ復習が足りていないか、頭に残りにくい内容である可能性が高いので、もう一度内容の復習をじっくり行ってください。その際には、目次だけを見たときにきちんと思い出せるようになっていることを意識しながら復習してください。意識することが大切です。


【感想】

◆画像は割愛しますが、今回はかなり付箋を貼りました。

それも「なるほど受験生を指導されてきた方らしいな」と思わせられるものが多々。

冒頭の内容紹介にあった「超効率的な裏ワザ勉強法でもなく、真似のできないウルトラC的ノウハウ書でもない」というクダリが腑に落ちる、実践的なものばかりでした。

特に付箋が多かったのが、第1章の「合格のためのメンタル術」と第3章の「合格のための勉強術」で、上記ポイントもこの2つの章が中心になっています。


◆割愛したモノをちょっとだけ紹介しておくと、例えば「資格を取ろうと思った瞬間をノートに書く」というのは、地味にスゴイな、と。

これはつまり、「資格を取ろうと決めた瞬間が、最もモチベーションが高まっている」からで、ノートを見てその瞬間を思い出すことによって、折れかかった心も復活するわけです。

例えば、尾崎さんは講義中によく「TAC(尾崎さんの指導する専門学校)に申し込んだときの気持ちを思い出してください」と言っているのだとか。

また、このノートは週に1回見返すだけで、やる気がみなぎってくるそうなので、特に長期戦の試験を受験する方は試してみて頂きたく。


◆もう1つモチベーションネタで付箋を貼ったのが、「たとえ勉強が手につかない日があっても、翌日には再開する」というお話です。

これは、1日勉強ができない日があると、翌日もなんとなく気が乗らなくなり、「今日くらいいいか」となって、結局そのまま受験を断念してしまうパターンを避けるためのもの。

実際、会計士受験生でも、しばらく講義がお休みになる年末年始やゴールデンウィークの後、出席者数が少し減り、そのまま元に戻らないことがしばしばあるのだそう。

これを避けるには、勉強しない日があっても、とにかく「翌日再開する」ことが大事なんですね。

この辺、妙に完璧主義だったりする人だと、1回の中断で勉強を放り出しそうですが……。


◆また、類書でもよく目にするので割愛したのが「素直になる」というTIPS。

私も税理士試験の受験生時代に、講師の方から何度も言われましたし、勉強本を読んでいても頻繁に出くわすので、何度強調しても足りない位です。

特に、講師をされている著者の方がよく言われるので、実体験として「素直な人ほど合格する」というのは、もはや「常識」なのだと思われ。

私自身もどちらかと言うと「こだわり」がある方で、客観的に見て「素直」とは言いにくかった(むしろ「頑固」)ので、受験も長期化した可能性がw←笑えない


◆このような「合格できる人」と「なかなか合格できない人」の共通点をまとめたのが、本書の第5章。

見出しでは点数が出ていますけど、この章では点数が問題なのではなく、「合格不合格を分けるちょっとした差」をパターンごとにまとめています。

初っ端がまさに「素直な人、素直じゃない人」で、それ以外にも「言い訳しない人、言い訳する人」、「メモをとる人、とらない人」といった感じで、ここもほとんど納得の内容。

ただ、本書のそれまでの内容とも一部かぶるので、そこだけは気にする人はしちゃうかもしれません。


◆ところで、下記参考記事でも何冊かご紹介していますけど、公認会計士試験を合格された方、もしくは公認会計士試験の専門学校の講師をされている方のご本というのは「真っ当な」勉強本が多いです。

これが旧司法試験の合格者の方の本になると、何故かちょっとクセがあるというか、その人自身の属性に帰するTIPSがあったりするのですが。

ただ、あの名著『スーパーエリートの受験術』の有賀ゆうさんでさえ「司法試験だけは、『こうすれば絶対受かる』というものはなかった」と言われているくらいですから、ある種の「裏ワザ」的なものが必要なのでしょう。

それに比べれば、会計士試験の関係者の方の場合、あくまで「正攻法」が中心。

その分、他の資格試験にも応用できますし、本書のTIPSも、帯にもあるように「どんな資格試験にも効果バツグン!」だと思います。


資格試験に本当に合格したい方にオススメ!

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難関資格に確実に合格する勉強法
第1章 合格のためのメンタル術
第2章 合格のための時間術
第3章 合格のための勉強術
第4章 直前期を乗り切る技術
第5章 70点で受かる人、69点で落ちる人


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【ガチ系勉強本】「資格試験の合格技術」多田健次(2009年04月23日)


【編集後記】

◆今日のご本の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」に掲載されていた1冊。

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東大教授が教える独学勉強法

個人的には、資格試験に独学はあまりお勧めしませんが、果たして……!?


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