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2014年07月11日

【出世の秘訣?】『なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術』ジェーン・ホラン


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なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、やはり先日の「未読本・気になる本」の記事で人気だった1冊。

「社内政治」というと、できれば「関わりたくない」と思われる方が多そうですが、出世のみならずリストラを免れるためにも、ぜひ読んでおいて頂きたいところです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
日本で「社内政治」といえば部署間のいがみ合いや派閥抗争を思い浮かべがちだが、本書で扱うのは欧米エリートたちの「自分をよりよく見せる」「能力やアイデアを認めてもらう」技術。実際、外資系企業で彼らと張り合った日本人たちは、「彼らにはとてもかなわない」と口をそろえる。グローバル化の進展にともない、日本企業でもその傾向は強まっており、すでに若い世代は就職の段階から「海外の人材」との競争にさらされてもいる。
本書は、欧米的ビジネスエリートを目指す人のみならず、どんな形であれ「出世したい」人は絶対に知っておきたい、またこれからのグローバル化社会を生き抜くために今後は身につけておきたい「社内政治力」についての貴重なレポートであり、数少ない体系化された研究である。

「いい仕事さえしていれば……」という考え方は、危険なんです!

140711追記Kindle版がもう出ていました!





Bank on Human Rights / international accountability project


【ポイント】

■1.自己PRをする
 最初は反感を抱く人が多いが、自己PRは学習可能で、かつ、不可欠なスキルなのだ。あなた個人にとっても、あなたのチームにとっても、認めてもらうには自己PRが欠かせない。(中略)
 自己PRは自慢することでも大口をたたくことでもない。自分の考え方を変えて、自分の能力や知識がビジネスに不可欠であることを理解することなのだ。こう自問してみるといい。
●私の知識の中でみんなと共有できることはなんだろう?
●どうすれば同僚の役に立ち、組織に貢献できるだろう?


■2.政治認識力を身につける
 あなたは物事の本質を見抜けるタイプだろうか? それとも、微妙なニュアンスが理解できず、社内の権力闘争や駆け引きに気づかないタイプだろうか?
 次の4つの問いを自問して、よく考えてみよう。
●なぜこの人は私にこんなことを言うのだろう?
●隠された動機はなんだろう?
●この状況を私はどうとらえているのだろう? 
●なにを見落としているのだろう?


■3.新環境で速やかに状況を把握する
 転職したり昇進したときには、これまでしてきた仕事のスキルや強みが通用するか見極めることが大事だ。新しい職務ではどんな支援が必要となるかわかったら、それを誰に求めるか考えよう。それと同時に、その支援を期待できない人物を確認しておく必要もある。
 次に、上司が社内の政治環境の中でどう動いているか研究しよう。上司のモチべーションはなにか、意思決定プロセスを決定するのはなにか見抜こう。上司が好むコミュニケーション方法は、メールなのか電話なのか、あるいは対面式なのか、上司が得意とするスキルはなにか、ひそかに温めている計画があるのか?


■4.権力マップを作る上でのポイント
(1)意思決定者の名前をリストアップする。
(2)このグループとあなたがどうつながっているか見定める。
(3)このグループとあなたの上司がどうつながっているか見極める。
(4)このグループとあなたのチームとの間につながりがあるか、あるとしたら、それはどんなものか考える。
(5)このグループに対して、あなたやチームはどの程度の存在感があるか評価する。
(6)このグループがどんな考え方をしているか観察する。

(詳細は本書を)


■5.コネクターを見つける
社内に「コネクター」を見つけよう。誰でも知っていて、さまざまな職域や業界や地域に幅広く緊密なリンクを持つ人物を見つけるのだ。M・グラッドウェル(2000)は少数者が劇的な変化を生み出す「少数者の法則」を提唱し、コネクターの役割がいかに重要か説いている。リンクトインやフェイスブックなどのソーシャル・ネットワークの隆盛は、こうしたコネクターと彼らのコネクションを如実に物語っている。権力ネットワーク・マップを作るのにためらいがあるなら、社内に1人か2人コネクターを見つけて、少数者の法則を活用するといいだろう。これは駆け引きに走るためだと思う人もいるかもしれないが、そういうことではなく、賢い選択である。


■6.形容詞を3つ考える
ある大手高級ブランドのマーケティング・マネジャーが教えてくれたが、パーソナルブランドを築く簡単な方法は、自分をよく言い表している形容詞を3つ考えることだという。覚えやすくてインパクトの強い形容詞がいい。ほかの人がまだ知らないあなたの特徴はなにか考えよう。そして、現在のあなたと将来なりたいあなたを表現する適切な言葉を見つけたら、それを毎日口に出してみる。自分で選んだ表現だから、すらすら言えるだろう。何度も繰り返して、それがあなた本来の性質の一部になったら、こうした表現で自分を語ったとき、相手はあなたが本当のことを語っているのだと納得するはずだ。


【感想】

◆上記ではご紹介していないのですが、本書には「社内政治に疎かった」ため、不幸なキャリアを歩むことになるビジネスパーソンが多数登場します。

おどろくべきことは、そのほぼ全員が、能力的にはむしろ優秀である、ということ。

まさに冒頭で触れたような「いい仕事さえしていれば……」を地で行くタイプなワケです。

ところが、上司や会社に評価されなかったり、ライバルに蹴落とされたりして、不幸な結果に。

実は私自身、会社員時代に「社内政治」に疎かったため、予期せぬ「引き抜き」をされたことがあり、本書は大変興味深く読めたんですがw(遠い目)。


◆このような「不幸な人物」とともにエピソードに登場するのが、「社内政治に長けた人物」です。

自分を過大評価して売り込むのはもちろん、会議や新しい職場では、瞬時に「誰が権力を握っているか」を見抜いてすり寄ったりするという。

もしこの手の人物が周りにいた場合、「自分は関係ない」「上司はキチンと見ていてくれる」などと考えていると、極めて危険です。

自分の利益や出世のためなら、ライバルに「わざと」情報を流さなかったり、誤解を招くような表現で上司に報告をしたりするのですから。

こういう人って、フィクションの中だけなのかと思ってましたが、実際にいるんですね……。


◆ただ、こうして書いてしまうと、「不幸な人物」に何の落ち度もないようですが、必ずしもそうではありません。

たとえば、社内改革を推し進めるような場合、その事による「利害関係者」は必ず出てきます。

それを「会社の方針だから」「上からの指示だから」で強引に推し進めてしまえば、軋轢が出てくるのは当然のこと。

何らかの損害を受ける部署やそこの人物が、経営層の誰かと結びついていたら、思わぬ障害となって立ちふさがることも予想できるはずです。

また、信頼していた上司が異動してしまって、対立部署との争いに巻き込まれたような場合であっても、その上司が異動・転職する可能性も考えて、あらかじめ他の頼れる人物に話をしておくとか。

いざ問題が表面化してからは「ああしておけば良かった」といくらでも考え付くのですが、それを事前に準備しておくのが大事なんだな、と思った次第。


◆なお、本書は翻訳本ですから、収録されている事例もあくまで海外(主に米国)のもの。

日本では、ここまでエゲツナイことはないでしょう……と思ってる私の方が甘いのかもしれませんがw

いずれにせよ、読者さんに「社内政治に長けてもらいたい(ドンッ)」とまでは思ってはいないものの、本書の解説で三ツ松新さんも言われているように、「攻撃せずとも防御のスキルは必要」なわけで。

まずは、相手の「攻撃」の数々を本書でご確認下さい。


リストラを避け、出世街道を歩みたいなら、一読をオススメ!

4484141094
なぜ昇進するのはいつもあなたではないのか もっと早く知っておきたかった「社内政治」の技術
プロローグ なぜ昇進できないのか
第1章 政治に積極的になるわけ
第2章 政治力をつける
第3章 権力の盛衰を生き抜く
第4章 物事を額面どおりに受けとめる――信頼せよ、けれど検証せよ
第5章 権力マップをつくる―― 誰が権力を握っているか
第6章 周囲の認識を管理する
第7章 評判とブランド管理に気を配る――自分のストーリーはなにか
第8章 話し言葉に気をつける――ジェンダーと文化の問題
第9章 業績管理の政治を知る
第10章 権力、政治、性
エピローグ
謝 辞
解説 不言の言(三ツ松新)


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リア充がひた隠しにしていた『敵を味方にする19のテクニック』(2011年10月05日)


【編集後記】

◆ちょっと気になる本。

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世界を変える思考力を養う オックスフォードの教え方

この本の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」のラインナップがなかなかいい感じなので、この本も良さげな気がw


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