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2014年07月07日

【オススメ!】『交渉で負けない絶対セオリー&パワーフレーズ70』大橋弘昌


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交渉で負けない絶対セオリー&パワーフレーズ70


【本の概要】

◆今日ご紹介するのも、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げていた1冊。

「交渉の本場・ニューヨークで百戦錬磨の日本人弁護士」である大橋弘昌さんが、その交渉の秘訣を明かして下さっています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
この本では、交渉の序盤戦からクロージングに至るまでの局面で役立つノウハウを70項目の「絶対セオリー」にまとめ、わかりやすく解説するように努めた。
そして、各セオリーの末尾には、交渉ですぐに使える言い回しを「パワーフレーズ」として紹介している。
ぜひ、交渉のどのタイミングで効果を発揮するセオリーなのかを意識しながら読んでいただきたい。

想像していたよりも、かなり「使える」TIPSが満載でした!






Visiting our lawyer / @boetter


【ポイント】

■1.オープニングオファーは相手に促せ
 交渉を有利に進めるためには、最初が肝心。
 まずは「相手が何を望んでいるのか?」を把握することから始めよう。相手の希望がわからないまま自分の希望を伝えてしまうと、いきなり不利な交渉を強いられることになりかねない。(中略)
 この最初のオファー、いわゆるオーブニングオファーは交渉の流れを左右する大事なもの。あなたが損をしないためには、オープニングオファーを相手に促すのが原則だ。あなたはその内容を確認してから、自分にとってより有利な条件をカウンターオファーすればよい。
 もし、相手から「ご予算はおいくらですか?」「いつまでに納品すれば間に合いますか?」などと聞かれても、その質問にストレートに答える必要はない。「いくらなら引き受けていただけますか?」「いつまでにご納品いただけますか?」と逆質問して、相手の状況を探るようにしよう。


■2.「ノー」と言わずに「イエス・イフ」と答えよ
 相手から受け入れがたい要求をされたとき、ついつい「それはさすがに無理です」などと返事をしてしまいがち。
 しかし、たとえその要求があなたにとって不本意なものだったとしても、安易に「ノー」と言ってはいけない。相手は「真っ向から拒絶された」と感じて、交渉が続かなくなるからだ。
 ポイントは「イエス・イフ〜」。
 本心は「ノー」でも、条件付きで「イエス」と答えれば交渉は続く。相手のオファーに対して「イエス」と答えたうえで、「イフ〜(もし○○してくれるなら)」と自分が得をする条件を付けるのだ。


■3.相手を正したいときは「私ならこうする」と言え
 人はみな、プライドを持って仕事をしている。交渉の際も同じだ。相手のプライドを傷つけるような言い方をすれば、相手は自分の立場を守ろうとして、あなたに反発する。かたくなにあなたを拒むようになり、交渉がスムーズに進まなくなってしまうだろう。
 こうした事態を防ぐために、相手のミスや間違いを指摘するときは「You should (あなたはこうすべきだ)」ではなく「I would(私ならこうするだろう)」と言うべき。
「あなたはそれがふさわしい行動とお考えかもしれませんが、私なら別のやり方を選ぶと思います」という言い方だ。


■4.数字を上手に利用する3つのポイント
 1つ目は、おおまかな数字ではなく、正確な数字を示すこと。
「約1500項目」よりも「1498項目」、「約40%」よりも「41.5%」と、端数を省略せずに細かい数字をきちんと伝えたほうが信憑性が高まる。
 2つ目は、数字の大きさがわかるように示すこと。
 たんに「この製品の保証期間は3年もあります」と言っても、3年が長いのか短いのか、製品に詳しくなければ判断しにくい。(中略)
 3つ目は、第三者によるデータを使うこと。
 たとえば、「ウエストが平均3.4センチ、サイズダウンした」というエクササイズマシンの効果をアピールするとき。「自社のスタッフ100人で試したところ」と言うより、「○○大学のA教授にご協力いただき、100名のモニター調査を行ったところ」と言ったほうが説得力がある。


■5.短所を指摘されたら、その短所を長所に変えよ
 交渉において短所や弱みを指摘されたときは、「そんな短所はない」と否定しても相手は納得しない。むしろ強い口調で反論してくる。そうなれば、あなたの傷口はさらに広がりかねない。
 そうではなく、短所を指摘されたら、まず「そのとおり」と受け入れたうえで、その短所を長所に変換して伝えるのが効果的。思惑を外された相手は、とっさには反論できない。(中略)
 見込み客から「この製品は単純すぎる設計だね。価値が低いのではないか?」と言われたら、「おっしゃるとおりです。この製品の設計はシンプルです。シンプルな段計だからこそ壊れにくく、使いやすいのです」と説明することもできる。


■6.「イフ」の質問で相手の本音を探れ
 あなたが何を提案しても「できない」「いらない」「受け入れられない」という否定的な答えしか返ってこないとき、どうすれば状況を変えられるだろうか。
 相手から前向きな答えを引き出す「魔法の質問」がある。
 それが「イフ〜(もしも、○○だとしたら)」だ。(中略)
「「もしも、○○だとしたら」「仮に、○○だったとしたら」と質問すると、「仮定の話だから」と相手の警戒心も弱まり、思わず本音をのぞかせてしまうことが少なくないのだ。


【感想】

◆交渉術、特に弁護士さんの書かれた交渉術の本は、下記参考記事にもあるように、当ブログではそれなりにご紹介して参りました。

中には「変化球気味」なスタイルの方もいらっしゃいましたが、本書の大橋さんのやり方は、かなり真っ当。

その割には上記で挙げたようなポイントが、今まであまり出てこなかったのが不思議と言いますか(私が見落としていた?)。

おかげで、第1章の「序盤戦」のセオリーから「付箋貼りまくり」でした。

例えば、冒頭の「オープニングオファー」は、本書の最初のセオリーなのですが、付箋自体は最初の5つのセオリー全てに貼っているという。


◆というのも、この「オープニングオファー」の話は結構重要で、まず相手にオファーをさせます。

そして、もし逆に相手から聞かれたら、ポイントの1番目にあるように、「逆質問」せよ、と。

以降も、色々なパターンがあって

●どうしてもオファーしてくれない場合⇒こちらにかなり有利な金額でオファーする

●受け入れがたいオファーだった場合⇒条件付きで「イエス」(上記ポイントの2番目)

●希望に沿ったオファーだった場合⇒より有利な条件を引き出す

●あまりにも不利なオファーだった場合⇒カウンターオファーせず、再オファーを促す

●相手のオファーが妥当か分からない場合⇒同じく再オファーを促す

……と、もう交渉の最初の時点から細かく指南しているという(詳細は本書を)。


◆なお、それぞれの項目(セオリー)ごとに、もれなく大橋さんご自身の経験等が実例として付されているのも本書の特長かと。

例えば上記のオープニングオファーの「相手がオファーしてくれない場合」のところでは、クライアントの代理人として、子会社の売却交渉に臨んだお話が登場するのですが、これがなかなかロジカルなので、ここでご紹介しておきます。

なんでも、交渉相手から「まだきちんと検討できていないから、そちらの希望売却額を先に言ってくれ」と言われ、「100億円」と提示すると「会社の適正価格から考えれば、もっと安くていいはずだ」との反論が。

そこで「先ほど、まだきちんと検討できてないと言ったのに、何で適正価格がわかるのか?」と発言の矛盾をついたところ、相手はそれ以上反論できなくなり、「実は60億円までなら出せると考えている」とカウンターオファーしてきたという。

この場合、こちらのオープニングオファーが60億円より下だったら、相手はそれに乗っていたのでしょうから、やはり原則は「まず相手からオファーさせる」べきなのでしょうね。


◆もう1つ、これは大橋さんのパートナーのジェフのお話で、同じようにロジカルなものがありました。

とあるクライアントが脳腫瘍の手術用機器の事業を売却しようとした際、こちらの希望金額120億円は、交渉相手の希望金額23億円と間に大きな差が。

これは、クライアントが「この機器は将来的に改良を加えれば脊髄の手術にも使えるようになる」と考えていたのに対して、相手は「将来のことは分からないし、今は脳腫瘍の手術にしか使えないのだから、それをベースに算定すべき」と考えていたからでした。

ここでつい「それは間違ってる。将来の価値も認めろ」と反論したくなるところ、ジェフは違います。
「わかりました。あなた方の言うとおりにしましょう。脊髄の手術用機器としての価値はないことにします。だから脊髄手術用に改良・販売する権利は、私たちにライセンスバックしてください。それで構いませんね」
と主張したのだとか。

もちろん相手は「ちょwwおまwww(意訳)」となって、売却額は大幅にアップ。

この「相手の主張に賛成しながら、有利な方向へ話を導け」というTIPSは、テクニック的にはなかなか難しいとは思いますが、ハマるとかなり効果的だと思います。


◆こんな感じで、エピソードを挙げているとキリがないのでこれ以上は割愛。

翻訳本ではなく、日本人によって書かれた作品なのですが、何せ訴訟大国アメリカにお住まいなだけあって、仕事上だけでなく、日常生活の事例も多々ありました(大橋さんの買い物や、住居の賃借等)。

逆に言うと、そういう日常生活でも活用できるのが、本書に収録されたセオリーということ。

もちろん、「交渉期限は明かさない」「グッドコップ・バッドコップ」といった、お馴染みのTIPSもありますのでご安心を。

下記目次にあるように、序盤から終盤まで、段階を追って指南してくれているのも有り難かったです。


交渉術系の本が好きな方には、かなりオススメ!

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交渉で負けない絶対セオリー&パワーフレーズ70
第1章 あらゆる交渉を有利に進める11の絶対セオリー
-----序盤戦で優位な状況をつくる
第2章 あなたの主張を効果的に伝える11の絶対セオリー
-----中盤戦の駆け引きを制する(1)
第3章 タフネゴシエーターと渡り合う10の絶対セオリー
-----中盤戦の駆け引きを制する(2)
第4章 クロージングを成功に導く14の絶対セオリー
-----終盤戦で目的を達成する
第5章 交渉の力学を支配する14の絶対セオリー
-----「見えない力」を味方につける
第6章 交渉マインドを高める10の絶対セオリー
-----「負けない力」を身につける


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【編集後記】

◆これも交渉術本?

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ホスト界の頂点に立つ男の「心を操る」技術

私はよく存じ上げないのですが、著者の鶴見さんは、結構テレビにも出演されてらっしゃるようですね。


ご声援ありがとうございました!

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