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2014年06月29日

【東大式?】『本物の勉強法』白川敬裕


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本物の勉強法


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった1冊。

東大法学部在学中に、旧司法試験に合格された弁護士である白川敬裕さんが、その秘訣を明かした勉強本です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
効率的で王道の勉強法、それが「本物の勉強法」です。
著者の白川敬裕氏は、小学校5年生まで「勉強ゼロ」。
そこから勉強を開始して、「明治学園中学」→「ラ・サール高校」→「東大」→「司法試験・合格」→「裁判官」→「弁護士」という結果を手にすることができましたが、実は、勉強ができたわけではなく、本当に、どこにでもいる「普通の学生」でした。
でも、「普通の学生」が「天才」たちと肩を並べるには、「手っ取り早く成果を出す勉強法」などというものはありません。
ですが、無理や無駄を省いた、効率的で王道の「本物の勉強法」というものは、存在します。

新刊であるにもかかわらず、既にKindle版が出ている点も、ポイント高いです!






【ポイント】

■1.成績が伸び悩んでも焦らない
 新しいことに取り組んだとき、その成果は、すぐにはあらわれません。
 停滞状態(=それほど成績が上がらない時期)が続き、ある時期を経てから、急激に上昇するカーブである「勉強の2次曲線(=2次曲線のように、急に成績がよくなる時期)」を描きます。
 つまり、成績がよくなる前には、ほぼ必ずと言っていいほど、「勉強をしているのに、なかなか結果が出ない時期」があるのです。
 この「勉強の2次曲線」を、あらかじめ知っておけぱ、それほど焦ることもないでしょう。


■2.「1日0.2%」の上積みが1年後には「2倍の差」になる
 いままで「1日10個の英単語」を覚えていたのなら、2倍の「1日20個」に増やす必要はありません。
 いままでより「1個だけ」増やして「1日11個」覚えるようにずる。毎日「60分」勉強をしているのなら、2倍の「120分」に増やすのではなく、勉強時間を「10分だけ」伸ばして「70分」勉強してみる……。
 こうした、ほんの少しの上積みでいいのです。そうでなければ、長続きはしません。「他の人」よりも、そして「いままでの自分」よりも、ちょっとだけ多く(長く)勉強をすれば、「遠くにあった目標」を、徐々に徐々に、たぐり寄せることができます。


■3.1日にやる勉強にはさまざまな科目を組み合わせる
 ひとつのことを長時間やり続けると、効率が悪くなります。ですから、「1Day戦略」を立てるときは、1日中、同じ勉強をやり続けるのではなく、「さまざまな科目を組み合わせる」べきです。
「今日は1日中、日本史だけやる、明日は数学だけやる」よりも、
「午前中は日本史、午後は英語、夕方からは数学、夜は現代文」
といった具合に、1日の時聞を「いくつかの科目に割り当てる」ほうが、より集中して勉強できるようになります。


■4.アウトプットすることで、応用力をつける
 知識を正確に暗記したとしても、その知識を「試験の問題に応じて、使いこなす」ことができなければ、何も知らないのと同じになってしまいます。問題集を解いてみたり、模擬試験を受けたりと、「教科書の内容」をいろいろな角度、いろいろな方法で繰り返し勉強することが大事なのです。
 模擬試験を受けたあとに教科書を読み返すと、「ああ、こういう意味だったのか」とより理解が深まるのです。


■5.気が重くなる勉強は「何もしない→1」にする
「気が重くなるような科目が目の前にあるとき、どうすれば、躊躇しないですむだろう…? どうすれば、取りかかるまでの時間を『ゼロ化』できるだろう…?」
 私は、「数学」を勉強するにあたって、ひとまず、次のように考えることにしました。
「『何もしない→100』にするのではなく、まずは『何もしない→1』にする」
「はじめは、『ちょっとだけ』でもいい。慣れるまでは、『少しだけ』勉強すればいい」(中略)
 いきなりむずかしい数学の問題を解いたり、長時間勉強しようとすると、数学に対する苦手意識がさらに強くなってしまいます。ですから、「少しずつ、数学に慣れていく」ように心がけました。


■6.苦手な科目から先に片づける
 誰にでも「苦手で、なかなか手がつけられない科目」があると思います。
 でも、だからこそ、後回しにしないでください。むしろ、「いちばんむずかしいこと、いちばん面倒なこと、いちばん気が重いこと」から先に勉強をはじめてみましょう。
「いちばんむずかしいこと、いちはん面倒なこと、いちばん気が重いこと」をクリアしたときのほうが、「やさしいもの、簡単なもの、好きなもの」をクリアしたときよりも、爽快感が大きくなって、結果的に勉強へのやる気をうながすのです。


【感想】

◆いかがだったでしょうか?

ぶっちゃけ、当ブログで勉強本を楽しみにされているような「勉強本オタク」の方にとっては、既知のTIPSがほとんどかもしれません。

もちろん、本の帯にあるような、「ラ・サール」⇒「東大」⇒「司法試験」⇒「弁護士」という経歴はレアなのですが、その過程においておやりになったことは、意外と「シンプル」というか「王道」。

私の場合、「王道が大事」であることは理解した上で、それでも「裏ワザ」や「目からウロコのやり方」を求めて、こうして勉強本を読み漁っているワケなんですがw


◆本書はまず、序章にて白川先生の「勉強歴」を明らかにしていきます。

冒頭の内容紹介では「小学5年生まで『勉強ゼロ』」と言われてますが、これは単に「やらなかった」だけであって、「頭が悪い」訳でもそれほど成績が悪かった訳でもありません。

しかもその後は、努力し続けた甲斐もあって、成績は常にトップクラスでした。

ところが挫折を味わったのが、大学3年時の最初の司法試験で、当時付き合っていた彼女と論文試験の合格発表を見に行ったところ、見事に玉砕。

さめざめと泣いた……とあるのですが、そもそも論文試験の模擬試験では、一度も合格判定も出ておらず、本番での成績も「A〜G」のうちの「E評価」だったというのですから、余裕の不合格だったという……。


◆そんな挫折を経験した上で、白川先生が確立した勉強法は、続く第1章から第3章までで展開されています。

ただし、第3章の「自分の頭で深く考える力」というのは、司法試験の論文試験はさておき、一般的な資格試験では、ちと微妙なところ。

白川先生は、「模範答案を覚えて、試験本番ではテーマに応じて、少しアレンジして解答する」ことしかしなかったため、最初の司法試験で不合格になったと分析されているんですけど、普通の資格試験ではそれができれば十分ですw

というか、それを「いかに効率よく、確実にやるか」が一般的な勉強本のテーマであり、下手に「自分の頭で考えて」いたら、時間が足りませぬ。

もちろん、これはあくまで「試験合格」だけを目的とした勉強法であって、実際に社会に出てから通用するかと言ったら、おそらくダメでしょう。

つまり、白川先生のやり方こそが、本当の意味での「勉強」ということ。

ただし、資格試験の中には、その資格がないと仕事すら行えないモノ(税理士もその1つです)もありますし、どちらの勉強法を目指すべきかは、おのおの考えて頂きたく……。


◆本書はそのタイトルが『本物の勉強法』というだけあって、受験だけでなく、仕事にも活かせるものを目指している模様。

第4章は、タイトルからして、まさにそのものであり、最後には「教養本リスト」まで収録しています(詳細は本書を)。

そういう意味では、上記ポイントのような受験に役立つTIPSはあるものの、本書は受験を目的としない「広義の勉強本」と考えた方が良いのかもしれません。

いずれにせよ、「ガチ」な受験勉強本をお望みの方は、その点十分ご留意を。


「王道」+「教養」のミックス本です!

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本物の勉強法
序章 私の勉強歴
第1章 【感情】「やる気をコントロールする力」
第2章 【戦略】「計画を立てて継続する力」
第3章 【思考】「自分の頭で深く考える力」
第4章 「仕事」に本物の勉強法を活かす


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【編集後記】

◆同じく未読本記事にてご紹介していたこの本に、いよいよ書影が!?

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東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法

こちらも「東大卒弁護士」さんの勉強本ということで、期待しております……。


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