2014年06月11日
【仕事術】『なぜあの人は定時に帰っても信頼されるのか?』能町光香

(035)なぜあの人は定時に帰っても信頼されるのか? ((ポプラ新書))
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、デビュー作『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』が20万部を突破した能町光香さんの最新作。タイトルからして「早く帰りたい」ビジネスパーソンなら、思わず手に取ってしまいそうな破壊力ですw
アマゾンの内容紹介から。
多忙を極めるトップマネジメント層を補佐する秘書でありながら、定時に帰る仕事スタイルを崩さなかった著者が、信頼され、期待以上の成果を上げられたのはなぜなのか?その鍵は、さりげない気配りにあった。感動を生み、相手との関係性を深め、働きやすい環境をつくる「なるほど!」と思う工夫と習慣。
単に「気配り」のひと言では済ませられない「仕事術」がここに!

Vince Cable Business Secretary and Rekha Mehr - founder of Pistachio Rose, at Fortnum and Mason store in London / bisgovuk
【ポイント】
■1.「先読み」をして時間を節約するまた、「シークレットボックス」をつくって、みんなが忘れやすい小物などを、常に用意しておく、ということもしていました。(中略)
あるとき、急に葬儀に参列することになった男性社員があわてていたことがあり、それからはお香典の包みと葬儀用のネクタイを3本ほど常備しておくようにしました。(中略)
実は、私がそうするようになったのは、定時に退社し、自分の時間を持ちたいからです。
帰ろうと思ったときに限って「ネクタイありますか?」と言われるもので、そうすると、探したり買いに行ったりして時間がかかってしまいます。
そういうことで帰る時間が遅くなってしまうのを避けたかったので、シークレットボックスをつくったのです。結果的には時間の節約にもなりましたし、みんなのストレス軽減にも役立ちました。
■2.余裕のあるうちに済ませてしまう
仕事には締め切りがあり、そこに間に合わせなければいけない、というのは当たり前のことなのですが、それが第一の目的になると「仕事主体」のやらされている感覚になってしまうのです。
同じ仕事でも、余裕のあるうちにサッとやっておけば、気持ちいいし、自分自身も楽になる。まわりが「まだ、着手もしてないだろうな」と思っているときに終わらせてしまうと、自分でその仕事のイニシアチブをとっているという実感がわいてきて「自分主体」で働けるようになります。その喜びは大きく、そこには「やらされ感」はありません。これは、日々のちょっとした仕事でもそうだと思います。
■3.まずは相手との信頼関係を構築する
私が新しい会社に入ったとき、一番大事にしていたのは、最初の6ヵ月間です。その中でも、特に最初の3ヵ月間は気を抜かずに、一人ひとりとじっくり丁寧に信頼関係を構築することに力を注ぎました。入社当初は、とにかく「この人はどんな人なんだろう?」という好奇心から、服装や態度、あいさつの仕方、人に対してどう話しかけているかなど、いろいろな部分を見られます。(中略)
さらにメールも、最初のうちはとても丁寧に書いていました。人間関係ができてきたら用件のみでもいいのですが、自分を知ってもらう前はそういうわけにはいきません。時間もかかりますしとても疲れるのですが、ここで信頼関係をつくっておくことが、のちの仕事をスムーズに運んでくれます。
■4.自分のペースに相手を巻き込む
私の場合は、「朝早く会社にいる」というスタイルをまわりの人にわかってもらえるように努力しました。
当然、そんなに早くから会社にいる人はほとんどいません。すると、おもしろいことに、朝一番に困ったときの「緊急電話」がたくさんかかってくるようになりました。(中略)
そのかわり「夜はオフィスにいない人」という認識もちゃんと浸透して、17時以降はよほどのことがない限り仕事をしない、というスタンスをまわりもちゃんと理解してくれました。だから、16時くらいに仕事の依頼メールがきて、私は安心して帰れるし、相手も翌朝やってくれるだろうと思っているから「その日のうちに返事がほしい」というリクエストは少なくなりました。
■5.朝やランチタイムに「残業」する
私は朝型なので定時になるとサッと帰って、夜は自分の勉強をしたりリフレッシュの時間にあてていました。だから、みんなが夜にする残業を、私はランチのときにしていました。(中略)
もちろん、ランチの時間だけでは足りないときもあります。そんなときは"残業"の時間をもっと早くシフトして、朝いつもより早く行って仕事をしていました。
だから「能町さん、おはよう。朝からなにやってるの?」
そう聞かれて「残業してます!」と答えたら、「朝に残業なんて、初めて聞いたよ!」と大笑いされたこともあります。
■6.朝イチでお礼メールを出す
クイックなサンキューメールを見習って、前日お世話になった人には、私も短いメールを出す時間を持つようになりました。基本的には相手が出社する前、できれば朝一番に。出社する前というのが大事で、出社してきたときには届いているという状態がうれしいものですよね。(中略)
「昨日のセミナーで、たくさんの気づきを得ることができました。ありがとうごぎいました!」
そんな感じで、気楽にポンッと送ってしまえばいいのです。そこでのポイントは、やっぱり個人的な感想をちょっとでも入れておくこと。ありきたりな文章だけでは相手の心に響かないし、せっかく出すのだから気持ちを込めたいもの。
【感想】
◆能町さんの作品は、当ブログでは過去2作ご紹介してきましたが、それらと比較しても、本書は仕事術的な意味合いが強かったです。特に「定時に帰っても」というフレーズが含まれているだけあって、「時間術」に通じるものがちらほら。
まずは上記ポイントの1番目のように、過去の経験・体験を活かして、不慮の事態に備えます。
もちろんこれは帰宅時だけにかかわらず、どの時間帯でも有効なことなのですが。
◆また、上記ポイントの5番目にある「朝残業」(?)は、「単純に時間を前倒しする」わけなのですが、単純に考えても効果も大きそうw
実は私も、ここ最近はブログの執筆を真夜中から早朝にシフトして、その分夜は早めに寝るようにしています。
もっとも早朝の場合、納得がいかないからといって何時間も時間をかけられないのがツライところ。
能町さんも「秘書」という仕事の性質上、たとえ予定作業が終わらなくても、始業時間になったら切り上げなくてはならなかったのは同じだと思います。
……私の場合は、朝きちんと起きられるかが、一番の問題なのですがけど。←朝苦手w
◆個人的に興味深かったのは、能町さんが「秘書」として働いているとき、上司やまわりの人に対して「気をきかせよう」と思った事がなかった、ということ。
能町さん曰く「気をきかせよう、というのは自分本位の視点である」と。
逆に「相手の視点」から自分を見れば、「なにかをしてあげよう」という発想はなくなり、「やるべきことがシンプルに見えてくる」、とのこと。
でもそれこそが、普通の人はなかなかできないことですし、できる人にとっては「当たり前」なことなんでしょうね。
その点、能町さんの場合は、人とコミュニケーションする機会を意図的に多くしていることもあって、「相手の視点」を持つことが可能なのではないかと……。
◆実は今回、「仕事術メイン」の記事にしたかったため、上記で抜き出したポイントのほとんどが第2章からであり、逆に第4章以降はすべて割愛しています。
ちなみにその第4章以降は、コミュニケーションや自己啓発的な内容が目立つ感じ。
確かに、仕事をスムーズに進めるためには、周りの協力や自分の意識も大事なので、これはこれで「アリ」ではありますが。
たとえば「なにげない笑顔が大事」と、こういうお顔(本書の帯より)で言われたら、それは説得力があります罠(画像は本書へのリンクになっています)。
でもそれって、「ただしイケメンに限(ry
気配りができてこその「定時帰り」です!

(035)なぜあの人は定時に帰っても信頼されるのか? ((ポプラ新書))
第1章 誰でも必ず「気がきく」社員になれる
第2章 なぜ「気がきく人」は定時に帰れるのか?
第3章 一緒に仕事がしたい!と思わせる人になる
第4章 ストレスフリーな環境は自分でつくれる
第5章 自分が最高に輝く働き方を見つける
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【編集後記】
◆昨日のお買いもの。
伝わっているか?
コピーライターさんの本は、正直なところあまり得意じゃないんですが、この本は面白そうです!

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