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2014年06月06日

【教養】『ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊』出口治明


ビジネスに効く最強の「読書」   本当の教養が身につく108冊
ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも大人気だった1冊。

お馴染みライフネット生命の出口治明会長が、「これでもか!」とばかりにオススメ本をプッシュして下さっていますw

アマゾンの内容紹介から。
稀代の読書家として知られるライフネット生命の出口治明会長兼CEO。最も本を読んでいた頃は毎週10冊以上の書籍を読破していました。
多忙を極める今も4~5冊は読んでいるとのこと。読書にかける情熱は他の追随を許しません。
そんな“本の虫"が忙しいビジネスパーソンのために、教養を身につけるうえで最適なとっておきの本を選びました。
リーダーシップを身につけるうえで役に立つ本や未来予測をする際にヒントになる本など、それぞれの状況に応じた108冊をチョイスしています。
教養は読書でこそ磨かれるもの。出口会長兼CEOが選ぶ至極の108冊をお楽しみください。

今回は本書の中から、個人的にピンときた作品を6冊選んでみましたので、ご覧ください!





Dawn Treader Book Shop / aechempati


【出口さんオススメ本から選んだ6冊】

■1.『君主論』

君主論 (岩波文庫)
君主論 (岩波文庫)
 マキアヴェリズムと言う言葉があるように、マキアヴェッリは結局、権謀術数について書いただけなのではないかという人もいます。そんな人は、虚心坦懐に一度、本書を読んでみてください。そんな些末なことが書かれているのではありません。この本を丁寧に読めば、リーダーとは何か、人を率いるというのはどういうことか、、人を「使う」とはどういうことか、といった大枠がきちんと、しかも明確に理解できると思います。


■2.『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
 この本は何度も読み返しているのですが、読むたびに新しい発見があります。大成する作家は処女作が一番素晴らしいとか、あるいは処女作の中にすべてがあるとかいう人がいますが、私自身もそう思います。この作品に、塩野さんの良いところがすべて凝縮されていると思います。
 世評が高いのは20ぺージでも触れた『ローマ人の物語』(新潮文庫)で、私も全巻読みましたが、50年先まで残るかどうかと言えば、『チエーザレ・ボルジア』の方に軍配が上がると思います。塩野さんが文学に真正面から取り組もうとした時の情熱というか気迫が感じられ、将来の塩野さんを予見させるみずみずしさと、良い意味の「毒」がたっぷり詰まっている素晴らしい小説です。


■3.『戦争論 上・下』

戦争論〈上〉 (岩波文庫)
戦争論〈上〉 (岩波文庫)
 戦争について人間がどう考えてきたか、その最高の古典の1つは、クラウゼヴィッツの『戦争論上・下』(岩波文庫)です。経営者の間でも好まれ、多くの解説本が出版されているようですが、やはり原典を読まなければいけません。
 読書はスポーツと一緒です。ジムに行っても、疲れるからと軽く運動しているだけではジムにお金を落とすだけに終わってしまう。筋肉痛になるぐらい本気になって鍛えないと、筋肉もつかないし、体重も落ちないでしょう。これは脳も一緒。ある程度読み応えのある本を読んで脳に負荷をかけなければ、「考える力」が鍛えられませんし、貴重な先人の経験も身につきません。


■4.『気候で読み解く日本の歴史』

気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年
気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防1400年
この本は、読み物としてどこから読んでも面白いのですが、「えっ、歴史ってそうだったっけ?」と、目からうろこがボロボロ落ちる点でも特筆に値します。
 例えば、源氏と平家の争いではなぜ源氏が勝ったのでしょう。私たちは平清盛が権力を握って傲慢になり、悪い政治をしている間に源氏は東国でじっと耐え、質実剛健に頑張っている中で、源義経という天才的な武将が現れて平家は滅んだ。おごれる者は久しからず……と、そういう印象で捉えていませんか。でも、実際は全く違うらしいのです。
 著者が当時の気象条件をよく調べたところ、東日本は作物ができたのに、平家が地盤としていた西日本は天候が不順で食べ物がなかった。自分の地元で食べ物がなかったら、当然お腹がすいて戦いもろくにできない。それで平家は滅んだ、と指摘するのです。


■5.『田中角栄 戦後日本の悲しき自画像』

田中角栄 - 戦後日本の悲しき自画像 (中公新書)
田中角栄 - 戦後日本の悲しき自画像 (中公新書)
 日本の政治といえば、55年体制です。55年体制を描いた本はたくさんあるのですが、個人の伝記を通して、55年体制を見事に描き切った本が、『田中角栄 戦後日本の悲しき自画像』(中公新書)です。
 著者は元朝日新聞記者の早野透さん。55年体制を象徴する政治家、田中角栄元首相の番記者だった早野さんが、55年体制とはどういうシステムだったのかを、田中角栄の個人史を通じて解き明かした本です。戦後政治の枠組みをこれほど明瞭に描き切った本はほかにないのではないでしょうか。これ1冊で、戦後の政治の大きな流れが理解できると思います。私自身は田中角栄とは考え方が全く違うのですが、本書を読んで改めて田中角栄はすごい人だったのだなと思いました。


■6.『クアトロ・ラガッツィ 天正少年使節と世界帝国 上・下』

クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国  (集英社文庫)
クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)
 クアトロ・ラガッツィとは、4人の少年という意味です。16世紀の終わりごろ、日本がグローバル社会に開かれていた時代に、夢と希望にあふれて世界に出て行った九州出身の4人の少年たちの物語です。(中略)
 私はもう66歳ですから、最近は面白い本でも徹夜して読むことはありませんが、この本は徹夜して読み通した最後の本でした。大変感動したので、翌朝になってすぐに著者の若桑先生に電話して、「勉強会に話しに来てください」とお願いしました。その時は奇跡的に電話がつながって、その場で快諾いただきました。皆さんも、ぜひ歴史のうねりと非情を全身で感じられる素晴らしい傑作の醍醐味を味わってください。


【感想】

◆以上、個人的にピンと来た、6冊(上下巻等もあるので、厳密には6作品)でした。

今まで当ブログでご紹介してきた書籍とは、ちょっと毛色が違うと言いますか、実際、本書収録の108冊中、当ブログで記事にしていたのは、この1冊だけという……。

自分のアタマで考えよう
自分のアタマで考えよう

参考記事:【オススメ】『自分のアタマで考えよう』ちきりん(2011年10月29日)

ちなみに、この本が紹介されていたのは、Part3の「仕事上の意思決定に悩んだ時に背中を押してくれる本」なのですが、ここで他に登場する中には『西遊記』や『宇宙論と神』といった作品が含まれており、ちょっとビックリw

なるほど、こういった本を読んでおくと、いざという時の「仕事上の意思決定」に役立つのだな、と(震え声)。


◆ところで、こうした本をどこで出口さんが見つけてこられるか、については、Part4と5の間にあるコラム「出口流、本の選び方」で述べられています。

それによると、「約7〜8割は新聞の書評から」とのこと。

ただ、それを買われているのではなく、図書館に予約を入れて、それを読み、図書館にない本に限って購入しているのだとか。

かつて、某生命保険会社でロンドン赴任の際して、蔵書をすべて古本屋に引き取ってもらってからは、「保有から貸借に切り替えた」とのことなのですが、当ブログが「図書館で借りた本」でレビューしたら、ネタが古くて読者さんから不満が出そうな気が。

もちろん、本書で紹介されているような、古典や過去の名作の類は、図書館でも十分対応できると思いますが。


◆同じくコラムが、Part7と8の間にあり、そこでのテーマは「出口流、本の読み方」。

出口さんの読書スタイルについては、過去の著作でも触れられていますが、まずは「最初の4〜5ページをきちんと読む」のだそう。

そこで面白ければ、「一字一句、腹落ちするまで精読」します。

ゆえに、速読などはもってのほかで、本書内でも
 大嫌いな言葉は「速読」です。
と言われてて、smooth涙目の巻……。
             /)
           ///)
          /,.=゙''"/
   /     i f ,.r='"-‐'つ____   こまけぇこたぁいいんだよ!!
  /      /   _,.-‐'~/⌒  ⌒\
    /   ,i   ,二ニ⊃( ●). (●)\
   /    ノ    il゙フ::::::⌒(__人__)⌒::::: \
      ,イ「ト、  ,!,!|     |r┬-|     |
     / iトヾヽ_/ィ"\      `ー'´     /


ドンマイ、自分!!


◆下記目次にあるように、本書で扱っているテーマは、まさに「教養」と呼ぶにふさわしいものです。

逆に、当ブログでよく取り上げる「スキルアップ」的なものは皆無。

そういう意味では、当ブログで本書をご紹介しても、あまり受け入れて頂けない可能性もあるわけなので、ぶっちゃけ本エントリーがコケる可能性は覚悟しております。

ただし、こうした本を日頃から読んでおくことで「ビジネス基礎体力」が高まるハズ。

また、外国人と話をする際にも、日本や世界の歴史や文化が「常識」として必要な状況があるかもしれません。

それこそが、まさに私にとって「すっぽり抜けた」知識なのですが……。


本当の教養を身につけるために!

ビジネスに効く最強の「読書」   本当の教養が身につく108冊
ビジネスに効く最強の「読書」 本当の教養が身につく108冊
Part1:リーダーシップを磨くうえで役に立つ本
Part2:人間力を高めたいと思うあなたに相応しい本
Part3:仕事上の意思決定に悩んだ時に背中を押してくれる本
Part4:自分の頭で未来を予測する時にヒントになる本
【Column】出口流、本の選び方
Part5:複雑な現在をひもとくために不可欠な本
Part6:国家と政治を理解するために押さえるべき本
Part7:グローバリゼーションに対する理解を深めてくれる本
【Column】出口流、本の読み方
Part8:老いを実感したあなたが勇気づけられる本
Part9:生きることに迷った時に傍らに置く本
Part10:新たな人生に旅立つあなたに捧げる本


【関連記事】

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【これはヤバいw】『面白い本』成毛 眞(2013年01月24日)

【HONZ本】『ノンフィクションはこれを読め! 2013 - HONZが選んだ110冊』成毛 眞 編著(2013年10月25日)

【本好き必読!】『ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊』(2012年10月25日)


【編集後記】

◆アマゾンで本書の「よく一緒に購入されている商品」として挙げられていたのがこちら。

知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)
知性を磨く― 「スーパージェネラリスト」の時代 (光文社新書)

田坂先生のご本も、しばらく手にしてなかったような。


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