2014年06月02日
【超整理?】『コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ』齋藤敦子
コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、コクヨ株式会社の働き方とワークプレイスの研究機関である、「WORKSIGHT LAB.」所長・齋藤敦子さんの「整理術本」。とはいえ、タイトルに「整え方」とあるように、単純な整理術とはひと味違いました。
アマゾンの内容紹介から。
大切なのは「週1回、5分の習慣」――デスク上、引き出しの中、キャビネット、打合せスペース。ただ「片付ける」だけでは、生産性は上がりません! 文具・オフィス家具メーカーのコクヨが研究結果の一部を公開! !
ただ「片づける」ですら満足にできない漏れ、涙目の巻……。
tabletop assistant / MattHurst
【ポイント】
■1.共有文具を活かす「あまり使わない文具」をたくさん持っていても、机まわりは整いません。何より、使われずに置かれっぱなしになる、文具のほうもかわいそうです。
では、どうすればいいか。
よほど頻繁に使うもの以外は極力、部内で共有することをおすすめします。(中略)
文具を共有するには、まずは共有文具スペースをつくることが必要です。そうして、「あそこに行って作業したほうが効率的だな」という場所があることで、個人の持ち物が減っていくのです。
■2.文具は引き出しではなくケースに収納する
少し大きめのぺンケースを1つ用意して、文具のほとんどは、その中に入れてしまうのです。筆記具のみならず、修正ぺンやのり、ハサミ、スケールなど、自分の仕事に必要な文具を集約して入れておく。最近は、ハサミやのりさえも、ぺン並みに細いものもあるので、それほどかさばることはないでしょう。
「文具は必ずぺンケースに」――この法則さえ守っていれば、。ペンはどこだ? とカバンの中や、洋服のポケットを探す手間はなくなります。
どこにいても使いたい文具の置き場所が決まっていれば、探す時間はゼロになります。
■3.引き出しは、なるべくスカスカに
必要がないかもしれない引き出しでも、「あるから使う」のは当然のこと。でも、「あるから使う」という意識では、机はかえって「整わなく」なります。
とくに、引き出しは、「モノが見えなくなる場所」だからです。(中略)
引き出しは、10O%を使う必要はないのです。
自分専用に与えられた空間があると、「なにか入れなきゃ損」とばかりに、なんでも入れてしまいがちです。これは、収納庫にもあてはまります。
引き出しの中は、なるべくスカスカにしておくほうが使い勝手がいいのです。本当に必要なものだけ、上から見渡せる状態にして入れておくのです。
■4.デスクの光の種類を「変える」
以前、コクヨが大学と共同研究したとき、ずっと同じ光の下にいるよりも、光の種類が変化するほうが効率性(スピードと正確さ)が向上することがわかりました。複数の光環境の下で実験をしたのですが、どの色なら仕事の効率や創造性が高まる、という差はなく、浴びる光の種類を「変える」ことには意味があったのです。
光の変化のない環境は自然界にはありません。人間は自然界という環境の中で進化しているので、変化のある自然光が入ってくる「窓際」を有効活用するとよいでしょう。
自席の卓上ライトでも工夫できることがあります。電球の種類を交換する、タスクライトであれば照らす位置を変えるなど、いろいろやってみてください。
■5.打ち合わせスペースには「円卓」を
コクヨ品川オフィスの1階には、広々としたオープンサロンがあります。ここは社内向けではなく、ビジネスパートナーやお客様との打ち合わせをする場所ですが、パーティションなど空間をさえぎるものは一切ありません。そして、少し低めの大きな「円卓」が、間隔を置きながら並べられています。
ここでは、仕事に関する打ち合わせが頻繁に行われています。
四角いテーブルでなく、円卓を選んでいるのには理由があります。
テーブルが四角いと、たいてい相手と相対して座ることになり、お見合い姿勢になってしまいますが、丸ければそのような状態を自然と避けることができます。
■6.壁を「知恵が集まる」場にする
ブレストや企画会議などは、オープンな場所で行うほうがよいことは先ほど述べました。でも、よいアイデアを出すために、「もっとオープンな場所」を活用する方法があります。それは、「壁」です。
たとえばコクヨでは、「ナレッジウォール」を設けています。
「ナレッジ(知識・知恵)」を共有する「ウォール(壁)」。いろいろな人がつくった優れた企画書や提案書を、サムネイル形式にしてアナログな壁に掲示しているのです。壁面は通路にもなっているので、通りがかりになんとなく眺めるだけで、ヒントを得たり、あまり話をしたことがない同僚のアウトプットに感心することがあります。
【感想】
◆本書の「はじめに」には、本書の位置づけというか、考え方のようなものが述べられています。まず、本書はいわゆる「片づけのコツ」をまとめたものではない、ということ。
そもそも、たとえ机まわりが「片づけ」られたとしても、すぐに元に戻ったり、仕事にあまりいい影響がなかったりするのは、「片づけること」自体を目的にしているから、と著者の齋藤さんは看破されています。
そこで本書では、机を「生産性の高い場」「創造性に満ちた場」にすることを目指す、と。
それもあって、俗に言う「片づけ」ネタは、序章と第1章にほぼ集約されています。
……実はこの2つの章だけで、引用部分が終わっていたので、後半と一部差し替えたくらいなんですがw
◆その序章で割愛した中で「なるほど」と思ったのが、「机の高さ」。
確かに「机の高さ」によって、「他の人とのコミュニケーションのあり方」まで変わってきます。
かつて、ウチの事務所の応接スペースの父が選んだテーブルは、膝の高さほどしかなく、雑談するには良かったものの、仕事の打ち合わせをするには極めて非効率的でした(女性は、スカート中が見えないよう意識せざるを得ませんでしたし)。
それを私の代になってからは、作業用の楕円形の作業テーブル(通常の机と同じ高さ)に変更したところ、仕事が捗ること捗ること。
今では普通に、お客さんがいない時は、この作業テーブルに書類を広げまくって仕事をしております。
また、高めのテーブル(カウンター等)は、立ったままの相手とそのまま話ができるので、ちょっとした意見も聞きやすくなる、という指摘もなるほど納得。
そういえば、前いた会社の喫煙スペースのテーブルもそのくらいの高さだった記憶が。
◆割愛した中でもう1つ興味深かったのが、「時間は区切って、空間は自由に」というお話。
何かを考える時、時間が無制限にあるより、制約を設けた方が、かえってアイデアが出る、というのはよくあることだと思います。
これは1人で考える時だけでなく、会議でも同様で、ストップウォッチやタイマーを活用せよ、とのこと。
これとは逆に、アイデアや思い浮かんだことを書くスペースは、広ければ広いだけ良いそう。
実際、シリコンバレーにある企業の多くが、壁全面をホワイトボードにしています。
ちなみに、上記ポイントの5番目に登場する「コクヨ品川オフィス」には、周囲の壁がすべてホワイトボードになっている「アイデアラボ」という扉のない部屋があるのだとか。
……「アイデアラボ」でググって、どんな部屋か見てみようとしたら、コクヨのオフィスが先進的でビックリの巻w
こんなオフィスで働きたい! 第10回コクヨ株式会社(KOKUYO Co.,Ltd.) 前編 - MdN Design Interactive
こんなオフィスで働きたい! 第10回コクヨ株式会社(KOKUYO Co.,Ltd.) 後編 - MdN Design Interactive
◆ホントは他にも、クリアフォルダの使い方やら、ノートの選び方のお話もあったものの、「前半偏重」になってしまうので、泣く泣く割愛。
「コクヨ」さんと言えば、文房具の会社なんですから、ぶっちゃけ正直この手の話だけで終始しても良かった気がす(ry
なお、最後の第6章では、世界のオフィスを調査して見つけた、「世界のクリエイティブな働き方をしている企業」における「整え方の実践例」を紹介されています。
ザッポス、エバーノート、スカイプといった企業が、どんな工夫をしているか、については本書にてご確認下さい(実践できるかは別としてw)。
単なる「片づけ」のその先にあるものを求めて!
コクヨ式 机まわりの「整え方」 社内で実践している「ひらめきを生む」3つのコツ
序章 生産性の高い机には「共通点」があった
第1章 仕事の成果は「机まわりの環境」で9割決まる
第2章 心と体を心地よく。すると、頭の働きがクリアに
第3章 会議室に「情報が流れる道」をつくるのです!
第4章 アイデアは「準備が整った場」から生まれます
第5章 「職場を整える」から「成果がきちんと出る」
第6章 ちょっと高度でカッコいい「机まわり」の整え方
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【編集後記】
◆上記ポイントの2番目のところで登場していたのが、コクヨさんのこのヒット商品。コクヨ ペンスタンドになるペンケース ネオクリッツ ブラック×レッド F-VBF130-6
色違いをウチのムスメも愛用しております!
ご声援ありがとうございました!
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