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2014年05月25日

『非学歴エリート』のあまりの凄さに戸惑いを隠せない


非学歴エリート
非学歴エリート


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、昨日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

著者である安井元康さんの想像を上回る「ハードコア」っぷりに、ちょっとビビりました(マジで)。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
学歴なし、コネなし、金なしの僕が、 なぜ20代で上場企業2社の役員になれたのか?
ごく普通の大学を出て、小さなベンチャー企業に就職した著者が実践した、人生逆転のための働き方・学び方を大公開。
「結果につながる努力」の方法を教える一冊!
「社会に出た後にどういう努力をするかで人生は変わる。
著者のキャリアがその証だ」 冨山和彦氏、推薦!

思わず付箋を貼りまくりました!



そしてタイトルは、久しぶりに「ホッテントリメーカー」のお世話になっております。





El darrer en anar-se a casa / Carlez


【ポイント】

■1.自分のための目標を持つ
 よく「努力できるのも才能」いう言い方をする人がいますが、それは絶対に間違いです。
 条件さえ整えれば、誰でもが圧倒的な努力を積み重ねることは可能なのです。その努力のための条件とは、ただ1つ。
「自分はこういう人間になりたい」という確固たる目標を持つということです。
 この目標は、自分のための目標でなければなりません。会社や組織のための目標ではいけません。それでは、まわりにいいように利用されて終わりでしょう。そうではなく、「個」としての目標。これが大切なのです。
そして、この目標をいったん肚に据えたら、不要なことはいっさいやらないと覚悟を決めること。これだけのことで成功は約束されます。

 
■2.なしとげるまで努力し続けるクセをつける
 この「なしとげるクセ」というのは、社会で成功するためには非常に大切な要素です。
「勝ちグセ」「負けグセ」という言葉がありますが、要は「勝ちグセ」がある人は勝つまでやり抜くが、「負けグセ」のついている人は途中であきらめる、というだけのことです。逃げるのは簡単ですが、今日サボると、明日もサボることになります。人というのは簡単に「負けグセ」がつくものなのです。
 とても単純なことですが、しかし、これこそが人生を決定的に分ける要素なのではないでしょうか。


■3.自分の強みを徹底的に強化する
まずは自分の得意なこと、好きなこと、苦労せずにできることを徹底的に強化しましょう。とくに自分の目標から見て、コアとなる分野のスキルには、一点集中で全精力を注ぎ込みます。
 そして、苦手なことは、その強化した長所でカバーする。そのほうが効率的なのです。
 とにかく強みを作ること。なにも強みのない人は誰からも相手にされません。
 これは絶対に覚えておいてほしいのですが、私たちが「個」として評価されるときには、「あの人、なにができるんだっけ?」で評価されるのであって、「あの人、なにができないんだっけ?」なんて話にはならないのです。


■4.学問上のインプットと仕事上のインプットを回転させる
 私の考えでは、インプットにも、机でやる学問的なインプットと、「仕事を覚える」という意味での仕事上のインプットがあります。会計ならば、テキストでの勉強が学問的なインプット、実際の会計業務の経験が仕事上のインプットです。
 この2つのインプットを相互に行き来し、回転させていくようにできればべストでしょう。つまり、テキストで勉強した知識を実際の業務で使い、実際の業務で必要になったことをまたテキストで勉強する。こうした回転を作っていくのです。
 これは、他のスキルについても同じです。


■5.職場に違和感があるのなら、その正体を考える
 現在の会社で私は人を採用する立場にいますが、注目するポイントの1つは、相手が前職を辞めた(辞めたい)理由です。やれることをやり尽くして辞めたのか、ただ「嫌だ」ということなのか。たんに「嫌だ」というタイプの場合は、転職に必要な「ストーリー」にも突っ込みどころが多くなって苦労することになります。
 逃げグセがついた人というのは、どこに行ったって変わりません。
 変わるべきなのは、職場ではなくその人だからです。職場に違和感を覚えて、転職をしようというときには、まずひと呼吸置いて、それが「逃げ」ではないか、考えなくてはいけません。


■6.上司と同僚は無能でいい
 会社の中の仕事というのは、「誰かがやらなくてはいけない仕事を誰がやるのか」という話です。見方を変えれば、決まったパイの奪い合いでもあるのです。 
 まわりが怠け者のほうが、より多くのパイを手にするチャンスが巡ってくるわけです。(中略)
 上司や同僚が頼りにならないと、必然的にあなたの仕事の負担が増えてしまうかもしれません。ですがそうなると、学べることも増えるわけですし、そこでの経験は会社ではなくあなた個人に帰属するのです。仕事はやったもん勝ちです。
 働かない人たちのことを愚痴りはじめたらおしまいです。そういう人は、何年かしたらその働かない仲間に入っているでしょう。


【感想】

◆冒頭で「想像を上回る『ハードコア』っぷり」と書いておきながら、上記ポイントではその具体的なエピソードにまったく触れていないため、今ひとつ、ピンと来てらっしゃらないのではないかと。

まず、著者の安井さんのご家庭は、母子家庭(男ばかりの三人兄弟)だったため、14歳の頃から「なにかしらの仕事」をせざるを得ず。

その「仕事」というのも、大学時代にしてガテン系のアルバイトはまだしも、「商品先物のセールス」って、どんだけww

ただ、アルバイトをするにしても工夫もされており、例えば港区の宅配ピザ屋で働いていた時は、外国人からの注文が多かったため、「外国人向けの英語対応マニュアル」を整備したのだそう。

ちなみに、宅配しながらも英語の勉強をするため「常時ぶつぶつ言って暗記」。

おかげで、受験以外の英語の勉強を始められたのは大学に入ってからであるにもかかわらず、大学2年生ではじめて受けたTOEICは900点だったのだとか。


◆大学卒業後の経歴については、アマゾンのページの「著者について」にある通りです。

ただし、「なぜ最初にGDH(現ゴンゾ)に入ったのか」「その後MCJに移ったのか」「なぜ経営共創基盤で働くことにしたのか」等々については、本書にてご確認を。

「有名大学出身でない」安井さんが、「自分の目標」を実現するために、意図を持って「就職&転職」されていることが分かります。

また、MCJでは「入社1年目」にして、先頭に立って上場実務を担当。

あまりに仕事がハードだったため、上場の2ヵ月後には「吐血して入院」してらっしゃいます。

……なんて書いちゃうと、読まれた方が「うわぁ、自分には無理だわ……」となりそうで怖いんですがw


◆ならば、細かいところから真似をしよう、ということで、私たちにもできそうなのが「飲み会には行かない」

よく「2次会は時間のムダだから行かない」という話は聞きますが、安井さんの場合は思いっきり「1次会から」行きません。

何でも「社会人1年目のいちばん最初の飲み会からきっぱり断っていた」そうですから、もはや筋金入り。

それで仕事ができなければ「つきあいの悪い変人」になってしまうところ、仕事さえしっかりやっておけば「つきあいは悪いけど、仕事はちゃんとやってくれるから」という評価になるのだそうです(ホントかw?)。

しかも金曜の夜になると、同僚の仕事を引き受けて、「あとは僕がやっときますので、行ってきてください」と言う……って、こっちもやはり、実践は難しい気が。


◆なお、今回はバッサリ割愛してしまいましたが、本書の第5章で扱っているのが、安井さんの勉強法。

「熱が出ようが毎日欠かさず3時間続けていた」英語のほか、会計や財務に関する資格を取ったお話についても触れられています。

特に英語に関しては、具体的な単語暗記法からメディアの活用法までさまざま。

「『パルプ・フィクション』を教材に勉強をしていたら、ヤクザな英語ばかり覚えていた」という、エピソードにはワロイましたw

もっとも、録音機器等の技術的な面では、安井さんの大学時代と今とでは大きく変わっているので、別途他の英語勉強法の本等も読まれた方が良いかもしれません。

私も税理士試験の受験生時代には、倍速音声を作るために、ビデオデッキの早送り機能を使って高速化し、それをカセットテープに落としていたのですが、こんなの今ならソフトで一発ですもんね(遠い目)。


◆ところで本書を読んでいて感じたのが、安井さんの歩まれてきた道が、本田直之さんに似ているな、ということ。

独力で英語を学んだり、社会人になってからMBAを取りに留学しに行ったり。

また飲み会に行かなかったり、そうかと思えば、必要があれば周りに左右されず、とっとと帰ったり、というのも同じです。

そしてお2人に共通していたのが、働いていた会社の上場実務を担ったことで、急速に実力が付いたという点。

その後本田さんは、かつての苦労された姿を隠して(途中から公にされてますが)、「スキルアップ系著者」としてデビューしたのに対し、安井さんは、そのまま「ガチ」な「努力系著者」として登場された次第。

久し振りにこの手の作品を読んで、身の引き締まる思いがしました。


心に「喝」を入れる1冊!

非学歴エリート
非学歴エリート
第1章 「なりたい自分」の見つけ方
第2章 逆転のための羅針盤――どう努力したらいいのか
第3章 逆転のための「会社」とのつきあい方
第4章 逆転のための「人」とのつきあい方
第5章 逆転のための勉強法


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【編集後記】

◆昨日の記事で取り上げそこなったのがこちら。

おざわせんせい
おざわせんせい


そんな……HONZメンバーの仲野さんの『エピジェネティクス』を差し置いちゃうだなんてw


人気blogランキングご声援ありがとうございました!

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