2014年05月23日
【下から目線?】『相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法』植西 聰
相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、心理カウンセラーである植西 聰さんのコミュニケーション本。本書を読むと、さまざまな状況における「カドの立たない言い方」を学ぶことができます。
アマゾンの内容紹介から。
大切なことほど、伝えにくい。上司に反論したいときは…怒りのクレーム電話がきたときは…友人に頼み事をするときは…子供の悪いところを直したいときは…いやでも耳を傾けてしまう、自尊心のくすぐり方。
私自身、「あの時知っておけば……」と思う言い方もありました!
Danbo conoce a Domo - Danbo meets Domo / GViciano
【ポイント】
■1.「ごもっともです」と言って、相手の心を和らげるこの「ごもっともです」という言葉には、相手の気持ちを落ち着かせる効果があると言います。
「それは違います」と言われると相手はいっそう感情的に反発してしまいがちですが、「ごもっともです」と言われると不思讃に怒りが静まるのです。
そこで彼女は「ごもっともです」という話し方でお客さんの怒りを静めてから、その上で「ただしその件につきましては……」とお客さんの言い分に反論するように心がけていると言います。
■2.「できません」より「お役に立てずに、ごめんね」がいい
たとえば、冷たい話し方ではっきりと、
「できません。お断りします」
とだけしか言わない人がいます。(中略)
一方で、同じ断るにしても、
「お役に立てなくて、ごめんね」
という話し方をする人もいます。(中略)
「あなたのために力を貸したいが、どうしてもできない」という思いが伝われば、相手にいい印象を与えることもできるのです。
「お役に立てなくて申し訳ない」という話し方は、それを可能にします。
■3.「イヤなら遠慮なく断って」と前置きしてから頼む
「私を助けると思ってぜひお願いします」
という強い話し方をしてしまうと、相手がその頼み事を断る際に心理的な負担を感じてしまいます。(中略)
ですから、自分勝手なお願い事をして相手に迷惑をかけてしまう可能性があるような場合には、あらかじめ「断る時は遠慮なく断ってほしい」ということを相手に伝えておくほうがいいと思います。
また、「ぜひお願いします」と強く迫るよりも、「遠慮なく断って」と相手を思いやる話し方でお願いするほうが、引き受けてくれる可能性も高くなるのではないでしょうか。
■4.「冷静になれ」ではなく、「お互いに冷静になろう」と話す
怒っている相手をなだめる時には、相手を非難したりイヤミな言い方にならないように注意する必要があります。
そのためには、一方的に命令口調で「冷静になれ」という話し方をするのではなく、
「お互いに、もっと冷静になって話し合おうよ」
と、提案するような話し方をするほうがいいと思います。
ここでのポイントは、「お互いに」という言葉の使い方にあります。
これは、「私も冷静になるから、あなたも冷静になってほしい」という意味を相手に伝えることになります。
■5.「私はこうしている」という話し方でアドバイスする
人にものを教える時には、あくまでも謙虚な話し方をするほうがいいと思います。
それが相手との人間関係をギクシャクさせることなく、ものを教えるコツになります。それは、
「私は、カレーを作る時は、いつもこのようにしているの。よかったら参考にしてください」
という話し方です。
つまり「あなたの知らないことを、私が教えてあげる。こうしなさい」と強要する話し方ではなく、「私の場合はこのような方法でやっている。参考にしてください」という話し方です。
■6.「こうしなさい」ではなく、「判断するのはあなたです」と話す
一般的にガンコな性格の人は、他人から「こうしろ」といった言われ方をすると、ますますガンコになっていく傾向があるようです。
むしろ距離感を保ちながら、「こちらの言うとおりにしなさい」ではなく、「判断するのはあなた自身ですが、こうする方法もありますよ」という話し方のほうがいいと思います。
この息子さんの場合は、
「腰の治療に定評がある病院があるよ。資料をここに置いておくから、行くか行かないかはお父さんが決めてよ」という話し方です。
【感想】
◆ダーッと読まれて、「ずい分下手に出てるなー」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。確かに、「合理手的か否か」と言った観点から見ると、必ずしもそうではないものもあります。
例えば割愛した中に「正当な権利を主張する時も、『身勝手を言って申し訳ない』と切り出す」なんてのもあって、人によっては「なんで正当な権利なのに、そんな言い方を?」と憤慨される可能性も!?
しかしこれらすべては「相手がカチンと来ないようにする」ため。
とにかく人は「理論」より「感情」に左右されがちな生き物ですから。
◆特にネット上だと、リアルよりは「匿名性」が確保されますから、ちょっとしたことで「逆恨み」(?)されかねません。
たとえ自分の言い分が正しいとしても、その言い方や伝え方によっては、相手の気分を害する可能性も大。
自ら炎上を狙ってやってる人(「誰」と言うのではなく)はさておき、意図せぬところで粘着されてしまうと、それに対処するだけでもエネルギーを必要とします。
……もっとも、本書のような言い方をし続けることの方が、エネルギーがいる、という方もいらっしゃるかもしれませんが。
◆もちろん、これはリアルであっても同じこと。
ワタクシ事で恐縮ですが、以前、投資用不動産の勧誘電話がかかってきた際(と言うか、職業柄よくかかってきますw)、仕事が忙しい時期だったこともあって、無下に断ったことがありました。
すると直後から始まった、いたずら電話の嵐……。
それも直接かけてくるのではなく、「ニセ出前電話」という悪質なモノ。
たまたま、毎回注文先が確認の電話をくれた(番号履歴が告げた番号と違うから?)ので「いえ、それイタズラです……」と未然に防げたものの、それから数ヵ月に渡って、合計20回以上かかってきました。
こういうことがあると、「相手と気まずい関係にならない、断り方」という本書の第3章の内容が、身に沁みるワケです(涙目)。
◆思うんですが、あまりに「効率性」とか「論理性」を追求し過ぎると、違った意味からの「反動」があるんじゃないか、と。
なんたって、対するのが「機械」だけならまだしも、相手は人間で、かつ、必ずしも論理的ではない可能性もありますし。
……って、ブログでビジネススキル本とか紹介している私が言えた義理でもないのですがw
ただ、今回上記に挙げたポイント等を読んで、「なるほど」と思えない方は、どこかで誰かに「カチン」とこられたことが、きっとあるハズ。
「そんなことはない!」と思われても、それはたまたま私のような悲惨な目にあってないだけかもしれません。
いずれにせよ、会社で出世したり、人生で成功するためには、本書のような「感情面の指南書」を読んでおいた方が良いと思います(ガチで)。
コミュニケーションスキルを高めるために!
相手を怒らせずに言いにくいことを伝える100の方法
第1章 相手と口ゲンカにならずに済む、反論の仕方
第2章 相手を感情的に怒らせない、言い訳の仕方
第3章 相手と気まずい関係にならない、断り方
第4章 相手のプライドを傷つけない、否認の方法
第5章 相手を不愉快な気持ちにさせない、ものの頼み方
第6章 相手から嫌われることのない、自己主張の仕方
第7章 自分の気持ちを上手に伝える時の話し方
第8章 相手に失礼にならない、社交辞令の言い方
第9章 相手にそっぽを向かれないための、話しかけ方
第10章 みんなをシラケさせない、話の盛り上げ方
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【編集後記】
◆昨日コンビニで見かけた1冊。北斗の拳 イチゴ味 1 (ゼノンコミックス)
クッソ面白そうなんですけど、ウチでレビューできませんよね、これ……。
ご声援ありがとうございました!
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