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2014年05月20日

【オススメ!】『日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則』アービンジャー・インスティチュート


日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、あの名著『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の「日本版」とでも言うべき作品。

アービンジャー・インスティチュートの日本組織である、アービンジャー・インスティチュート・ジャパンのファシリテーターの1人、橋口遼さんが、自分自身の経験をもとに執筆されたものです。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
職場で、学校で、家庭で、プライベートで…イライラすることが多すぎて「こんな毎日がイヤだ! 」と思うすべての人に贈る、もう人間関係で悩まないための日常の小さなイライラから解放される「たった一つの秘訣」。

物語形式の本は、個人的にあまり得意ではないのですが、本書は読み始めたら最後まで一気読みしちゃいました!





BOX!! / pixydust8605


【ポイント】

■1.「心の持ち方」には2つある
「まず、1つめは、人を人として見る【思いやりの心】。たとえば、共感とか共鳴とかって言い方もするかな?(中略)」
「もう1つは、人をモノとして見る【抵抗心】。相手をモノとして見ると、じつは現状を見ていないということが起こる。事実が見えなくなるんだよ。もしも見えていたとしても、相手や、相手のしていることには、自分や自分がしていることほどの価値はなく、意味もないと思っている。俗に言う、上から目線ってやつだ。相手を見下すというのは、相手の存在価値を否定してしまうことなんだよ」


■2.「心の持ち方」は相手に伝わる
 岡山さんの話を聞いて、昔アルバイトをしていた居酒屋の店長のことを思い出した。その人は厳しかったが、でも、なぜか、どんなに厳しくされても、それに反発したりすることはなかった。他のアルバイト生もみんな、この店長を慕っていた。
「おそらく、その人は、人として見ながらリョウちやんを叱っていたんだね。心の持ち方というのは、不思議と相手に伝わるものだからね。人として怒ってもらうと伝わるし、逆にモノとして怒られると、それも伝わるんだよ」
 驚いた。ということは、吉本は僕の心を感じているのか?
「だから、たぶん吉本クンはリョウちやんから怒られるときに感じていると思うよ、いろいろと。どう思う?」


■3.自己裏切りをすると、自分を正当化してしまう
「そう。続けるね。僕は、妻が『洗濯物を取り込まなくていいように、自分がそれをしようと思った』、でも、しなかった。つまり、自分を裏切った。『自己裏切り』が起こったわけ。この瞬間に<<相手をどのように見始めたか>>。
 僕にとって、洗濯物を取り込まないで出かけていった妻は、『いい妻』だと思う? 『悪い妻』だと思う?」
「悪い妻、ですね」
 思うままを答えた。
「そうだね。洗濯物も取り込まずに出かけるなんて、僕は妻を『だらしない』と思った。でも、自分が取り込んであげてもいいと思う。けれども、僕がそうしても、妻は、『どうせお礼も言わないだろう』。お礼を言わないどころか、『タオルのたたみ方が違う』とか『文句を言うに違いない』と思う」
 岡山さんの話は、まるで、僕の話だ。実際に、それとまったく変わらないことを体験していた。


■4.自分を正当化するためにグループ共謀をしてしまう
「グループ共謀というのは、自分を正当化したいがために『仲間集め』を始めること。つまり、リョウちやんにとって吉本クンは悪い人だ、と証明するために、部長にグループ共謀をしかけるんだよ。『部長聞いてくださいよ。吉本のやつですね……』ってね」
「しかし、そう言われたら『ホウレンソウ』はできないですよ。ありのままを報告するのが部下の役目ですから」(中略)
「そうそう。だから、『ホウレンソウ』にも2通りの心の持ち方がある。リョウちゃんは最初は人として見て、ホウレンソウをしていたんだけど、箱に入るようになってから後者だったんじゃない? 吉本クンをモノとして見て、ホウレンソウをするようになった。そして、部長をグループ共謀に巻き込んだんだ」


■5.自分の状況を考え直す「最後のワーク」
1.その人が経験しているだろうと思われる障害、重荷、苦痛を考えてみる

2.自分が加えたと思われる障害、重荷、苦痛を書き出す

3.大きい小さいにかかわらず、その人を不正に扱ったり、見下してみたことはないか

4.これらのことを踏まえて、その人に自分がすべきことは何か
(4は10年後とかの長期プランじゃなくて、いますぐにでもできる簡単なこと)


【感想】

◆本書の設定というか、物語の登場人物を説明しないで上記ポイントを抜き出してしまったので、改めてご紹介。

まず、主人公は「デキの悪い部下=吉本」と「妊娠中で家事をさぼりがちな妻」に悩まされている「清水リョウ」(って、UEIの清水亮さんとは違いますよねw?)。

そのリョウが、仕事上のミスをした吉本をカフェで叱責しているところに出くわしたのが、経営コンサルタントの「岡山さん」。

リョウの姿が、かつての自分のようだと話す岡山さんに、リョウは悩みを相談していきます。

「相手が100%悪いのに、感情を振り回されて、気分が悪いのはこっち」

「しかも、相手は屁とも思っていないようなそぶりをみせる」

そんなリョウの状況に対し、岡山さんはズバリ「100%、リョウ自身に問題がある」と指摘します。

納得できないリョウに対して、岡山さんは上記のような話を始めるのでした……。


◆ちなみに、タイトルにもあり、かつ、この「考え方」の根底をなす「箱」について。

これは上記ポイントの3番目にあるような、「自己裏切り」をした場合に「自己正当化」し、相手を非難することを「箱に入る」と呼ぶところから来ています。

いったん「箱」に入ってしまうと、「自分は絶対悪くない」「悪いのは相手」という考えに支配されてしまうことに。

しかも、「箱」の中から相手を非難すると、相手も「箱」に入ってしまい、こちらのアドバイスが素直に聞けなくなります。

この2人の状態を「共謀」と呼ぶのですが、これが他の人にも「感染」していく(上記ポイントの4番目の「グループ共謀」)という。

テラコワス!


◆やがて物語は急展開し、最終的にリョウは「箱」から出られるのですが、詳細は本書にてご確認を。

「どんでん返し」とまでは言いませんが、それまで出てこなかった「家族」が重要な意味を持ってきます。

さらに、物語としては必然性があるのかもしれませんが、「ちょっとその展開はハード杉!」と思ったのは私だけはありますまい(ネタバレ自重)。

そのくらい「箱」から出るのは、大変なんでしょうね……と、さも自分が「箱」に入っていないかのように言ってみるテストw

もっとも、本書の中で岡山さんが言ってますけど、まずは「自分自身が箱に入っている」ことを認識するのが大事である、と。

おそらく「人間関係で悩んでいて、かつ、自分は悪くないと思っている人」は、「箱に入っている」可能性は極めて高そうですが……。


◆なお、本書における「自己裏切り」とは、いわゆる前著で「自己欺瞞」と呼ばれていたもの。

誰かに説明する際、「自己欺瞞」だと聞いただけではピンと来なかったものが、より分かりやすくなっています。

もちろんそれ以外の基本的な考え方としては、前著と変わりませんので、前著をお持ちの方には、積極的にはオススメしにくいところ。

ただ、私のようにあまり本を読みかえさない人間にとっては、久し振りに「箱」の考え方に接することが出来て良かったです。

……うん、家事をもっと手伝おうっと。←あまりに泥縄的なw


あなたは「箱」に入っていませんか?

日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
はじめに――あなたは「箱」に入っている?
第1のワーク 苦痛に満ちた箱の中の世界
第2のワーク 箱に入る些細なきっかけ
第3のワーク ところで箱って何だ?!
第4のワーク 職場の人間関係を見なおす
第5のワーク 家族の、それぞれの箱と向き合う
第6のワーク 誰にも触れられたくない堅い箱
第7のワーク 箱の外の世界で生きる
おわりに――小さなイライラから大きなトラブルを引き出さないために


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【気づかい】『誰からも「気がきく」と言われる45の習慣』能町光香(2010年11月15日)


【編集後記】

◆「前著」「前著」と書いてしまいましたが、アービンジャー・インスティチュートの本は『自分の小さな「箱」から脱出する方法』以外にも出ているので、厳密には「第1作」と呼ぶべきでした。

一応、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の続編がこちら。

2日で人生が変わる「箱」の法則
2日で人生が変わる「箱」の法則

こちらもアマゾンの評価は高いですね。


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