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2014年05月08日

【エクセル】『入社1年目のエクセル仕事術』中山真敬


入社1年目のエクセル仕事術
入社1年目のエクセル仕事術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、以前『たった3秒のパソコン術』をご紹介したことのある、中山真敬さんの最新刊。

私も、仕事用ソフトの中では最も利用している「エクセル」の指南書です!

アマゾンの内容紹介から。
「エクセルの本当の使い方」を知れば仕事力が大幅アップする!機能・操作方法のマニュアルではない、エクセルの本質を深く理解するための教科書。「苦手」を「自信」に変える一生モノの作法。

私自身、今日からでも使いたくなるワザがいくつもありました!





Excel & OpenOffice Calc navigation shortcuts / Till Zoltan


【ポイント】

■1.エクセルなら丁度1枚に収める労力が不要
 リボンの「ファイル」タブ→「印刷」ボタンをクリックすると、印刷設定の画面が表示されます。設定項目の一番下は、「拡大縮小なし」という設定になっています。ここをクリックすると、表示される選択メニューの中に「シートを1ぺージに印刷」があります。
 みなさん、もうおわかりですね。
 1枚+数行、という文書を1枚に収めるのに、エクセルなら分量調整を行う必要がありません。「シートを1ぺージに印刷」を選べば、自動的にちょうど収まる大きさに縮小して印刷することができるわけです。


■2.申請書やアンケート票にエクセルが使われるワケ
 その理由とは、エクセルでつくられた各種申請書、アンケートの調査票は、管理がしやすいということ。ブック、ワークシート、とファイルの成り立ちが2段階になっているからです。
 例えば有給休暇の申請書がワード文書なら、Aさん、Bさん……の申請書は、それぞれ別のファイルとして保存されることになります。しかし、エクセルなら、「有給休暇2014年7月」などと1つのファイルにして、1人1ワークシートで挿入すれば、全員分の申請書をまとめて管理できる、というわけです。
 このように、同じ書式の大量の文書を、スッキリ効率よく管理するのに、エクセルは大きな威力を発揮できるのです。


■3.入力後、逆方向に移動するワザ
 ついでに、真上のセル、左隣のセルに戻る方法も紹介しておきましょう。入力を終え、指癖で[Enter][Tab]を押した後、入力ミスに気付いて、入力済みのセルに戻ってやり直す、といった場合に使うワザです。
 逆方向にセルを移動するためのキーが、[Shift]。[Shift」+[Enter]を押すと真上のセルに移動。[Shift]+[Tab]を押すと左隣のセルに移動することができます。


■4.複数のセルに一気に入力するワザ
 まず、「ToDoリスト」をスクロールして、「済」と入力するセルをチェックしていきます。そして、入力するセルがあったら[Ctrl]を押しながらマウスでクリック――これで、離れた場所にある複数セルを、同時選択できます。
「ToDoリスト」は、やる順に並べられていることが多いので、「済」と入力するセルが続いている、というなら[Shift]。[Shift]を押しながら、方向キーを押すと、選択したセルが拡がっていきます。また、最初のセルを選択した後、最後のセルを[Shift]を押しながらクリックすると、間にはさまれたセル全てを同時選択できます。
 さて、入力するセルの同時選択が終わったら、いよいよ入力。最後に入力を確定するために[Enter]を押しますが、この際[Ctrl]も一緒に押しておきます。すると、同時選択したセル全てに、一気に入力できてしまうのです。


■5.データを強調するコツ
 例えば、目立たせたいセルの数値を、太字にして目立たせる人がいますが、これはいかにもセンスが悪い。理由は、太字にすることで文字の間隔が変わってしまい、他の数字と見比べにくくなるからです。これが、1つ目のコツ。(中略)
 2つ目のコツは、セルを目立たせるのに、色は使わないこと。この理由は、2章ですでにお話ししました。仕事では、コスト削減のため、白黒で印刷することが多いからです。特に文字の色は、白黒にするとほとんど区別がっきません。
 3つ目のコツは、データの固まりを、罫線の強さで見せること。
 罫線は、太線、実線、破線の順に弱くなります。例えば、受注案件が、縦に並んだ受注表の場合なら、受注番号、受注日、顧客名……といった横の項目は、1つの固まり。横線を破線にして弱めると、ぐんと見やすくなります。


■6.データをまとめたら、まずグラフにして「見える化」する
 まず、データを範囲指定する。
 次に、[F11]を押すか、リボンの「グラフ」ボタンをクリックする。
 たったこれだけ。
 時間にして、1分もかかりません。
 ほんのわずかの手間で、グラフから何が読み取れるのかが、瞬時にわかるのです。(中略)
 コツと言えば、データを範囲指定する際、横軸の数値を示す行をデータに含めないことくらいです。


【感想】

◆上記ポイントの3,4番目をご覧になって、「こんなの知ってる」と言う方も結構いらっしゃるとは思います。

逆に、エクセルと言えば、単に「表を作って数値を合計するため」だけに使ってらっしゃる方も多そうな。

この辺は、個人のスキルもさることながら、仕事でどれだけ使うか、という点が大きいかと。

特に私の本業(税理士)だと、元々が数字を扱うワケですから、極めている人はとてつもなく極めているハズ。

マクロを活用して、エクセルで法人税の申告書(全ページではないと思いますが)を作ってらっしゃる方も、以前ネットで見かけた記憶があります。


◆本書の場合、マクロにまでは触れていないものの、下記目次にもあるように、エクセルのキモである「関数」は一応カバー。

ただし、個々の関数の解説についてはバッサリ省略して、関数の「仕組み」と「考え方」を述べるに留めています。

この辺は英断というか、個別に関数まで言及すると、いたずらにページ数が増えますし、人によっては書店でパラパラと眺めていて、そこだけで拒絶反応を起こす人もいそうな気が。

同様にグラフについても、「説得力」にフォーカスしている一方、円グラフや折れ線グラフといった、個々のグラフにまでは守備範囲を広げていません。

なるほど、よくあるエクセルのマニュアルとは、ひと味違うんだな、と感じた次第です。


◆一方で、エクセルをワード代わりに使う人にとっては必須の(?)「エクセル方眼紙」についても、第8章にて解説。

私も「方眼紙」というほどではありませんが、10年近く前に、本業で使う「異動届」を作ったことがありました(暇だったのでw)。

参考記事:エクセルで法人の「異動届出書」を作ってみました(2005年02月04日)

ただし、この記事にもあるように、「エクセル方眼紙」については賛否両論の模様。

「Excel方眼紙」の何が悪い? 日経トレンディネット

本書でも、エクセル方眼紙の弱点・問題点についてはキチンと触れておりますので、その点はご安心を。


◆なお、第10章では、エクセルのワザのうち、特に「効率化」にフォーカスしたものばかり、69個が紹介されています。

ちなみにこの第10章だけは、「横書き」かつ、字の大きさも「小さめ」で、図も多用されていており、マニュアル風味。

ですから、TIPS好きの方は、むしろこの第10章で満足して頂けるかと。

私も付箋を貼るだけでなく、活用して身に付けなくては。


仕事に直結するエクセル技がここにあります!

入社1年目のエクセル仕事術
入社1年目のエクセル仕事術
第1章 なぜ、仕事でエクセルを使うのか
第2章 何のためにデータをつくるのか
第3章 効率のいいデータ入力術を身につける
第4章 関数なんて、全然、むずかしくない
第5章 メリハリのある表のつくり方を知る
第6章 仕事がはかどるファイル術を知る
第7章 「説得力のあるグラフ」術を知る
第8章 「エクセル方眼紙」文書術
第9章 「エクセル」コミュニケーション術
第10章 1日1個エクセルがもっと「効率化」するワザ


【関連記事】

【3秒?】「たった3秒のパソコン術」中山真敬(2008年05月03日)

「すごいパソコン技」コスモピアパソコンスクール(2007年03月31日)


【編集後記】

◆同じエクセル本でも、こちらはちょっと上級編な感じ……。

外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方
外資系金融のExcel作成術: 表の見せ方&財務モデルの組み方

逆に、この本で挫折された方は、ぜひ今日の中山さんのご本をチェックしてみて下さい!


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