2014年04月30日
【エリート?】『世界のエリートはなぜ次々とチャンスをつかむのか?』鶴野充茂
世界のエリートはなぜ次々とチャンスをつかむのか?
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「世界のエリート」の発想や行動パターンについて言及した1冊。著者の鶴野さん曰く、「チャンスを手にするのに、学歴や、現在の給与や立場、頭の良さなどは一切関係ない」のだそうです。
アマゾンの内容紹介から。
「苦手」は人に任せて「得意なこと」でチャンスをつかむ!経歴、頭の良さは関係なし!著者がコロンビア大学、ソニーで学んだ世界のエリートの共通点。
エリートを目指したい方なら、要チェックです!
Columbia University / InSapphoWeTrust
【ポイント】
■1.大きな夢でも実現可能だと信じる大きな夢というのは語ろうと思っても、意外に語れるものではありません。話そうとする自分自身が本気で信じていないからです。
しかし、私が出会ってきた世界のエリートたちは、夢に対して、独特な考え方をしています。彼らはその夢が実現可能かどうか、という尺度では考えないのです。彼らはこう考えています。
「かならすできる。なぜならば……」と。
それがどんなに途方もなく大きな夢であっても、です。
そして、馬鹿げた夢でさえも、まじめに語り合う習慣があるのです。
■2.チャンスが巡ってきた時に、すでに準備ができている
私の会社業務の1つに、人材紹介業があります。求人の依頼があると、マッチングしそうな候補者を探して声をかけます。するとその反応で、チャンスをつかむ人とそうでない人が明確に分かれます。単純なことのようですが、明らかな差があるのです。
チャンスをつかんでいく人は、「レジュメを出してください」とこちらが言うと、次の日の朝までに出します。
ところが、どれだけ紹介してもチャンスをつかめない人は、「では週末に用意します」と言う。残念ですが、わずかこれだけの差が、統計的にその後の結果の差につながっています。クイックアクションの人でないと、結果としてチャンスはつかめないということです。
■3.相手の聞きたい結論から話す
エリートの話の導入がすごいとは、どうすごいのでしょうか。それは一言目から、「聞かねば」という気にさせる話し方をするのです。(中略)
多くの人は、つい、「ちょっと話があるのですが」とか「相談したいことがありまして」とあいまいに言って、おもむろに話を始めます。これでは相手の意識を強く引くことはできません。
何らかの形でひとこと、
「あなたが知りたかった情報を持ってきました」
と話し始めれば、聞く側としても、話を真面目に聞いてみようとしてくれます。
■4.文章の最後まではっきりと相手に聞こえるように話す
話す際、聞き違えられると困る部分については口を大きく開いて一言一言を今よりもはっきり話しましょう。わずかこれだけでも、伝わり方が良くなるはずです。
海外のエリートたちは、この「わざとゆっくり発音する」話し方をプレゼンなどでよく使います。数字や聞きとりにくい単語の場合は、一文字ずつアルファべットで繰り返したりもします。一つ一つが厳選した重要な情報だからこそ、口頭の説明でもくどいくらいに誤解を防ぐ工夫をしているのです。
■5.エリートが心をつかむ4つの質問
(1)相手がこだわっていることこれが、相手の心にヒットする質問の4大ポイントです。こうしたポイントを意識した質問をすることで、最終的な結果につながるまでの接触回数を減らすことができたりする。これもまた何度目に会った時に言えばいいのかなども法則性を意識しながら試すことで、より安定して結果を高めていくことができるわけです。
(2)相手が努力していること
(3)相手が得意にしていること
(4)相手が本人自身を評価していること
■6.話の最後に具体的な「お願い」を付ける
「このプロジェクトに専門家を集めたいのですが、デザイナーの岡田さんをご紹介いただけないでしょうか」とか、「別の部署に、この仕事に詳しい方がいますので、あなたが間に入って調整をお願いできないでしょうか」など、積極的に具体的なお願いを付け足して最後をしめくくるのです。
これまで意識したことのなかった人にとって、最後に具体的なお願いにつなげることは高度なテクニックに思えるかもしれません。
しかし、その効果は計り知れないものがありますので、「今日は具体的に何をお願いするのか」を考えて打ち合わせに臨む習慣をつけるようにしてみて下さい。
【感想】
◆タイトルや内容紹介には載っていないものの、本書には上記のようなTIPS(本書では「LECTURE」と呼んでいます)が、60個収録されています。その初っ端が上記ポイントの1番目なのですが、実はこんなエピソードが。
著者の鶴野さんがコロンビア大学院に留学している時のこと、「将来どんなことをしたいのか」と友達に聞かれたので、少し冗談ぽく「アル・パチーノと映画に出たいと思っている」と答えたのだそう。
これはなかなかスマートな「ボケ」(鶴野さんご自身も「正直に言えば、笑ってもらえるかな、という気持ちもあったとのこと)だと思うのですが、それを聞いた友達の第一声は、こう。
「急いだほうがいいよ、彼はもう高齢だから」
……節子、それマジで言ったんやない(ry
◆鶴野さんはそれを聞いて、衝撃を受けます。
馬鹿にするでも、実現性を問うのではなく、「それなら急いだほうがいい」というのは、「できるかどうか」をそもそも問題にしていない、と。
その代わり、「本気で実現を考えるなら、具体的にどうすべきか考える」のが大事です。
いったいアル・パチーノとどこで会えるのか、会った時にどんな話をするのか、一緒に映画に出る必然性をどう作るのか等々……。
要は、そういったイメージなくして、実際にチャンスがあった時に、それをつかめないワケですから。
◆これはたまたま映画の話ですが、ビジネスにおいてもまったく同じこと。
準備万端整えておかねばならないのは、上記ポイントの2番目にもある通りです。
ここでは履歴書ですが、たとえば「本を出したい」という人なら、「実際に1冊書上げちゃっておく」という手もあるわけですし。
1冊が無理でも、企画書くらいは書いて、常時持ち歩いておく、という話があったような(どの本か失念しましたが)。
◆本書の最後のLECTUREでは、こうしたエリートの行動習慣についてまとめられています。
結局、エリートが次々とつかんでいる「チャンス」は、偶然でも運が良かったわけでもなく、彼らがつかもうという意思を持ち、計画と準備をして得たモノであるということ。
そして具体的な個々の方法について、まさに「LECTURE」しているのが、本書なワケです。
また、これらは「チャンス」のみならず、普通のビジネスシーンでも有効なTIPSが多々。
アマゾンの詳細な紹介では「コミュニケーション術」となっていますが、むしろ普通に「ビジネススキル」が学べる良書だと思います。
……1点だけ言うなら、「世界のエリート」というフレーズには少々食傷気味ですがw
これぞ「実践的な成功本」です!
世界のエリートはなぜ次々とチャンスをつかむのか?
第1章 チャンスを手にする世界のエリートの考え方
第2章 エリートの説明の仕方、言葉の選び方
第3章 世界のエリートが実践する自分を優位に立たせるための報告・交渉・誘導術
第4章 エリートが実践するチャンスを呼びよせるネットワーク術
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【編集後記】
◆「食傷気味」と言いつつ、あえてこんな本を紹介してみるテストw可能性(ジーニアス)を見つけよう 世界のエリートから学ぶ自分の枠を突破する勇気
著者の石角さんは、「ハーバード×Google」ですから、ご自身も「世界のエリート」です罠。
ご声援ありがとうございました!
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