2014年04月27日
【全51問!】『戦略思考トレーニング3』鈴木貴博
戦略思考トレーニング3 (日経文庫)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのも、昨日に続いて、先日の「未読本・気になる本」の記事にて取り上げた1冊。当ブログでも人気となった「戦略思考トレーニング」の第3弾が8カ月ぶりに登場であります。
アマゾンの内容紹介から。
本書は、クイズを解きながら戦略思考力を身につける大人気シリーズの第3弾です。今回は、優れた戦略を考える「やわらかな頭の作り方」をテーマにしました。「常識の枠を取り去る」「ニュースを見て発想を盗む」「違う立場の人の『目』を借りる」など、日常でできるトレーニング方法を具体的に解説します。クイズはいずれも本当にあったことに基づいて作られています。思わず他人に話したくなる「まさか?」「なるほど!」の事例が満載。ビジネス教養を身につけられます。
今回も、解けなくて「ぐぬぬ……」となってしまいましたが、何か?
【ポイント】
★「クイズ形式」である本書は、その答えを書いてしまうと完全にネタバレなので、過去2作同様、問題のみ引用していきます(スイマセン)。■1.CDとブルーレイのパッケージの大きさはなぜ違うのか?
Physical media / Zepfanman.com
音楽CDと映画のブルーレイディスクは、デイスクは同じ直径12センチの大きさのディスクですが、販売されるパッケージの形は違います。音楽CDは正方形に近いやや横長のパッケージ、映画のブルーレイディスクやDVDは縦長のパッケージに入って売られています。なぜこのふたつの商品パッケージの形は違うのでしょうか?
■2.マクドナルドがフランチャイズをしなかった理由は?
McDonald's / Vacacion
日本マクドナルドの創業者・藤田田さんの逸話です。1980年代、外食産業では多くの企業がフランチャイズ方式で成長をしていきました。ところが当時の日本マウドナルドは数百店舗を展開する中でフランチャイズは10店舗前後に留まっていました。ある経済紙の新聞記者が「なぜマクドナルドはフランチャイズで拡大しないんですか?」と質問したところ、藤田田さんはどう答えたのでしょう?
■3.ルンバが日本勢よりも有利な理由とは?
Linus stalking the Roomba / Eirik Newth
イギリスから日本に進出したロボット掃除機のルンバは、日本のロボット掃除機市場で7割という圧倒的なシェアをもっています。日本の掃除機メーカーも対抗商品を発売するのですが、なかなかルンバの域まで到達するのは難しいようです。なぜならルンバの技術にはイギリス企業が日本企業よりも有利になるある構造的な要素があるからなのですが、ルンバが日本勢よりも有利なその理由とは何でしょう?
■4.ヤマト運輸が東京―大阪間の当日配送を可能にできたワケ
20110123 Tsumago 3 (Signboard) / BONGURI
宅急便のヤマト運輸では、東京―大阪間での当日配送サービスを始めるそうです。さて、この当日配送は、これまでの翌日配送の物流プロセスではコストがかかるためできないことでした。そのプロセスのどの点を変えることで、東京―大阪間の当日配送が実現できるようになるのでしょうか?
■5.TSUTAYAとゲオの戦略は、なぜ違うのか?
Bangkok : 30 Oct - 2 Nov 2008 / chinnian
レンタルDVD大手のTSUTAYAとゲオの戦略は違います。TSUTAYAが新作の品ぞろえに注力するなど高付加価値方向で戦おうとするのに対して、ゲオは常時旧作100円や期間限定で新作半額といった価格破壊方向での戦いを好んで採用する傾向があります。さて、なぜゲオは価格を下げたがるのでしょう? そしてなぜTSUTAYAはそれに追随しないのでしょうか?
■6.缶ビールの上蓋部分は、なぜ小さくなっているのか?
Big Flats beer / MattHurst
缶ビールの形をよく見ると、缶の上の部分が少しずつ絞られていて、プルタブがある缶の上面の直径は缶の太さよりもかなり小さくなっていることがわかります。なぜ缶ビールはこのように上面が小さい設計になっているのでしょうか?
【感想】
◆とりあえず今回も、私が答えを当てられなかった問題ばかり集めてみました。……ってこれ以外でも豪快に間違えたものや、まったく見当がつかなかったものもあるのですが、いずれにせよ相変わらず正解率の低いこと。
元々知っていた問題以外で見た場合、かなりなさけない結果になってしまいました。
それもあってか、このシリーズは出たら必ず買って、毎回「知識のアナ」を防いでいる次第。
もっとも本来であれば、知らない問題でも解けるように、思考を「トレーニング」するのが本シリーズの目的なのでしょうが。
◆特に今回は、書影にもあるように(そして何故か書名には含まれていないのですが)、「柔軟発想力」がテーマです。
著者の鈴木さん曰く「常識、業界内、定石」という、これまでの競争環境で有効だった戦略思考をいったん忘れて、「戦略脳を柔らかくトレーニングし直す」のが本書の目的である、とのこと。
私の場合、問題を読んですぐに答えを思いつき、かつ、たいてい間違えるのですが、それこそ「古い戦略思考」がインストールされたまま、ということなんでしょうね。
ちなみに、本書の冒頭の「はじめに」では、ソフトバンクが携帯電話の会社になった「戦略」に触れられています。
9年前には、携帯電話事業に新規参入すべく、総務省と電波の割り当ての交渉をしていたソフトバンクも、ボーダフォンのM&Aに戦略を切り替えた途端、あっという間に「業界の風雲児」に。
これぞまさに「柔軟な発想力」のたまものと言えるかと。
◆なお、前著では「最低でも3つの可能性を考えよ」と言われていた(ことすら忘れていたのですがw)ので、私も一応、全問答えを考えてはみたワケです。
しかし、上記のように間違えまくりw
特に3番目のルンバの件は、
「国による違いなら、税制の問題でしょう!(`・ω・´)キリッ」
と答えたら、盛大に違ってましたww
また、最後の缶ビールの件は、普通に強度の問題と思われる方が多いと思います(私もそう考えました)が、これまた「ハズレ」。
個人的には、過去2冊に比べて「手も足も出ない」感は減ったものの、地味に間違え続けたなー、という印象を受けました。
◆ところで、この手の「クイズ本」は、いったん読んだら答えを知ってしまうので、価値が薄れると思いがちです。
しかし今般、過去の2冊の記事を読み返したところ、答えを忘れていたものがチラホラ(って私だけ?)。
もちろん、問題は答えを覚えているかどうかよりも、問題が解けるアタマになっていないということなんですが。
要は私の場合、「まだまだアタマがカタイまま」ということかと。
「たとえ忘れていても、再度答えを導き出せる」ようにするために、定期的にこのシリーズを再読したいと思います……。
楽しみながら、頭が柔軟になる1冊!
戦略思考トレーニング3 (日経文庫)
1 脳を柔らかくするウォーミングアップの章
2 謎を受け入れる心を磨くの章
3 ニュースを見ながら発想を盗むの章
4 違う仕事をしている人の「目」を借りるの章
5 外国の常識は日本の非常識の章
6 左脳を鍛えて原因を分解するの章
7 知識を増やせば常識も広がるの章
8 発想をもう一段ジャンプする訓練の章
9 クールダウンしながら柔らか頭を持続させるの章
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【編集後記】
◆良く似たタイプのこんな本も出ていますね。クイズで身につく会社の数字 (日経文庫)
レビューを見る限り、こちらも面白そうです。
ご声援ありがとうございました!
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