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2014年04月13日

【モテ】『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』二村ヒトシ


なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)
なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気だった1冊。

その際にも触れましたが、この本の単行本は、何人かの方にお勧め頂いておりました。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
「苦しい恋」にはわけがある。
「心の穴」と「自己受容」をキーワードに、なぜ「楽しいはずの恋愛」が苦しいのか、の秘密に迫ります。
上野千鶴子氏、白河桃子氏ほか、《女性の生き方》問題の第一人者も絶賛した『恋とセッ●スで幸せになる秘密』が、大幅増補・改題し文庫化! 「恋愛」と「生きづらさ」を考えるための決定版。

元々、単行本の中古価格が値崩れしていない上に、文庫化に際して新たに80ページ強大幅増補されているのですから、これは「買い」でしょう!





Coloured Pencil Heart / {innocent eyes}


【ポイント】

■1.「恋」は「愛」とは真逆のもの
 恋とは、なんでしょう?
「恋する」とは「相手を求め、自分のものにしたがる」こと。
 つまり恋とは、「欲望」です。
 では、愛とは、なんでしょう?
「愛する」ということは「相手を肯定する」ことです。
 つまり相手が存在していることを、心から「いい」と受けとめることです。あなた自身の損得勘定とは関係なしに。
 ただ、それだけです。


■2.「自分を認めて、愛すること」が自己受容
「私は自分が好きなのに、同時に、すごく自分が嫌い」と思ったこと、ありませんか?
 これは矛盾しているようですが(そしてあなたは「私って、なんて「あまのじゃく」なんだろう」って思いつづけてきたことでしょうが)じつは矛盾してないんです。
 あなたが「自分を好き」なのはナルシシズムの意味で好きなのだし、「自分を嫌い」なのは自己受容できていないという意味で嫌いなのです。
 そして(例外もありますが)たいてい「自己受容していない人ほど、ナルシシズムが強い」のです。


■3.心の穴を完璧に埋めてくれる相手は、どこにもいない
 恋愛することで「さみしさ」を感じなくなるのも、自分のネガティブな部分を忘れて「より良い自分」になれたと思えるのも、錯覚にすぎません。
 むしろ、心の穴を埋めるために恋愛をしていると、かならず「しっぺがえし」をくらいます。
「心の穴を埋める」ということは、自分が自分を受容していないのをごまかして、苦しみを相手のせいにすることだからです。


■4.「ヤリチ●」は彼に恋する女性にはなおせない
「●リチン」とは「たくさんの女性とセッ●スできる自分」という自意識で、自分の心の穴を埋めようとしている男のことです。
 そんな彼に恋する女性は「この人をヤリ●ンから卒業させよう」「彼の心の穴(さみしさ)を私がふさいであげよう」とするかもしれません。そして「それができたら彼は私に感謝してくれて、将来は結婚できるかも……」と、ひそかに期待するかもしれません。
 しかし彼女が自己受容していいないまま、彼に恋をしているまま彼女の心の穴が、彼を必要としているままだと、彼のヤリチ●ぶりを変えることは絶対にできないでしょう。


■5.心の穴の原因は、幼いころの親との関係にある
 あなた自身を苦しめる感情は、「劣等感」か「さみしさ」か「怒り」か「罪悪感」の、どれかです。
 その原因は、幼いころの親との関係にあります。
◆幼いあなたは親の望み通りにできなくて(なれなくて)劣等感を持った
◆愛してほしいぶんだけ愛してもらえず、さみしさや悲しみを感じた
◆あなたを否定したり、さみしさを感じさせる親に、腹を立てた
◆あなたが「したこと」あるいは「しなかったこと」が親を悲しませて、罪悪感をもった


■6.「自分を正当化して近づいてくる」のは、インチキ自己肯定してる人
 たとえば昔の彼氏や、以前あなたが恋されたけど気が進まなくて断った男性が、何年かたって現れて、
「こんなに成長した僕を見て! 君のために、がんばったよ!」とか、
「君はあいかわらずひねくれてるね。そろそろ素直になりなよ……」などと自らアピール、再アプローチをしてきたら、気をつけましょう。なんだかんだ理由をつけ「自分を正当化して近づいてくる」のは、インチキ自己肯定してる人です。
 あなたに執着している人は、かつての「あなたと自分の関係」に憎しみを持っていて、あなたを支配することで「過去の自分に復讐したい」だけなのです。


【感想】

◆本書は基本的に女性読者に向けて書かれた本なのですが、本書の「男性読者のためのまえがき」によると、2種類の男性読者にとっても有益なのだそう。

1つは「恋愛や性に悩む女性のことを好きになってしまったマジメで不器用でモテない男性(A)」。

もう1つは「そういう女性たちを苦しませながらセッ●スしつづけてきて、『そろそろそういうのを卒業して大人にならないと』と思い始めている不マジメなのにモテる男性(B)」。

そして本書は、(A)の人には「なぜ自分は彼女のことを好きになってしまったのか?」の答えや、「彼女のことを幸せにすることは可能なのか?」のヒントが。

(B)の人には、「なぜ自分のような悪い男が彼女たちから『恋される』のか?」の答えや、「自分自身の孤独から卒業できるのか?」のヒントが書いてある、とのこと。

ただ(B)の人が、こういう本を手にしたり、当エントリーを読まれることはまずないでしょうから、(A)の人が本書を手にすることを祈るばかり。


◆私自身は(B)はもちろん(A)でもないのですが、(B)の人にもて遊ばれているであろう女性の「恋愛に関する悩みや愚痴」は、散々聞いてきました。

曰く「浮気されてるかもしれない」「結婚を真面目に考えてくれない」「ホントは奥さんがいるかもしれない」「ただのセフレかもしれない」等々。

今までこうした女性の方々が、「どうして報われない恋」に没頭しているのか良く分からなかったのですが、本書を読んで、かなり腑に落ちました。

本書の表現に従うと、そういう女性は「自己受容」できていないから、であると。

そして彼女たちは、自分の「心の穴」を、そういう男性たちに埋めてもらおうとしている、と。

本エントリーは、当ブログの大多数を占める男性読者向けに書かれていますので、思い当たるフシのある女性の方には、できれば本書を熟読して頂きたく。

多分目からウロコがポロポロ落ちるのではないでしょうか。


◆そしてそんな女性に恋焦がれてしまう(A)の人というのは、現状こういうことなのではないか、と。


ひょっとしたら本書を読んだ(A)の人は、本書の内容を彼女たちに伝えたくなってしまうかもしれません。

ただし、本書の「男性読者のためのあとがき」によると、
彼女に向かって語りまくったとしてもダメです。あなたは心の底で「彼女を支配したい」と思っているわけですから。
とのこと。

この事に関する具体的な方法は、二村さんによると「別の本で書く」そうなのですが、少なくとも男性自身も「自己受容」しなくてはならないことは確かなようです。


◆なお、今回の文庫化に際して増補されたのが、第10章の「女性読者の恋のお悩みに答える」と、信田さよ子さんとの特別対談。

前者では2人の女性が悩み相談しているのですが、2番目の読者さんの悩みと言うのが「彼氏がヤリチ●だった」というもので、これが見事に二村さんにフラッシュバックするというw

さらにそれに続く特別対談では、二村さん自身が「インチキ自己肯定」していたことが明らかに!?

単行本をお持ちの方は、普通、文庫本までお買いにならないとは思いますが、こと本書はこの増補部分も読みどころの1つだと思いますので、ぜひ購入をご検討ください。


これはオススメせざるを得ません!

なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)
なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか (文庫ぎんが堂)
1章 なぜ、あなたの恋は「うまくいかない」のか?
2章 「恋する女は美しい」は、嘘。
3章 恋しても「心の穴」は埋まらない。
4章 ヤリチンとオタクだらけの男たち。
5章 「女は、しんどい」社会のしくみ。
6章 すべての「親」は子どもの心に穴をあける。
7章 「いいセックス」をするために。
8章 自分を受容できるようになるための7つの方法。
9章 運命の相手は、どこにいるのか?
10章 女性読者の恋のお悩みに答える
特別対談 信田さよ子×二村ヒトシ―どうして女性学はあるのに「男性学」はないんですか?


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【編集後記】

◆二村さんの男性向けモテ本を。

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)
すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

レビューは(単行本ですが)上記関連記事にて。


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