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2014年03月18日

【英語】『アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術』金田博之


アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術
アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログでは「ビジネススキル系」の著者として知られている金田博之さんの英語勉強本。

その著作の中でも、初めの頃は英語に苦労されていたことが明かされていましたが、その克服法を明かしたのが本書になります。

アマゾンの内容紹介から。
29歳でグローバル企業の副社長補佐に抜擢された時、英語を全く話せなかった筆者が、どのようにして「仕事で使える英語」を数カ月で習得したか、そのノウハウを開示する。キーワードは「アジアの非ネイティブに学ぶ」。日本式の「暗記」「座学」を捨て、韓国人、中国人などが実践する、より能動的な学習法を取り入れて、英語力を短期間で伸ばす。「実戦重視」「楽しさ重視」「コスパ重視」の3つの視点から、アジア式の英語勉強法を整理し、自ら磨きをかけてきたメソッドを紹介する。今日から使えるビジネス英語の例文、会話例、便利なサイトなど、内容に対応した「お役立ち情報」も豊富に掲載。

著者の金田さん曰く、30歳過ぎてからでも、十分英語は上達できるとか!?






extra credit / woodleywonderworks


【ポイント】

■1.英語学習の目的をはっきりさせる
 私が主催するセミナーの参加者や、会社の後輩から「どうやったら英語が話せるようになりますか」「どうやったら英語が聞き取れるようになりますか」という質問を受けることがよくあります。そんな時、「何の目的で英語を勉強しているのですか」と聞いても明確な答えが返ってこないケースが非常に多い。
 彼らの話をよく聞いてみると、英語を話せる状態になることが目的になっていて、英語を話せるようになってその先にどうなっていたいか、を見失っているのです。ここにそもそもアジアと日本の英語力格差の原因があります。


■2.英語力強化の第一歩は「自己紹介」
 私自身の経験上、自己紹介の練習を通じて英語力は飛躍的に向上します。なぜなら英語を実践するたびに自己紹介は欠かせないからです。つまり使用頻度が高いのです。そして自己紹介をきっかけに仕事や趣味など、様々な話につなげやすいのです。つまり自己紹介を重ねていくごとに、様々な話題を英語で話せるようになっていきます。


■3.英語をアウトプットする環境を作る
 英語の勉強をどれだけしても、実践する場がなければ身につきません。だから、英語を勉強(インプット)する際にぜひ考えてほしいことは、英語を実践(アウトプット)する環境を工夫して作ることです。インプットしたことは、アウトプットしないと身につかないものです。このインプット、アウトプットのサイクルを強く意識してみましょう。これが英語力を最短で伸ばしていく秘訣です。


■4.想定質問をまとめておく
 慣れないうちは、会議やパーティーでの想定質問をストックし、見やすいようにまとめておくといいでしょう。実際に作成してみるとわかると思いますが、自分で話す内容を英語にまとめるのは大変ですが、質問だったら容易なはずです。あとは実践の場でタイミングを見計らって、自分の持ち球を投げるのです。
 質間をすれば、それで自分が発言したことになります。そして必ず相手から答えが返ってきますから、その分、自分に直接的なインプットが入ります。それだけたくさんの単語を記憶できるのです。質問返しをされて、答えられなくても大丈夫。その悔しさを次の回にぶつければよいのです。


■5.「聞き取れない」「わからない」と意思表示する
 外国人との会話で相手の英語が聞き取れない時、あなたが取るべき一番の方法は何だかわかりますか?
 それは「聞き取れない」「わからない」と相手に意思表示することです。(中略)
 相手の発言を1つでも理解することができれば、その積み重ねで次はもっと多くのことを理解できるようになります。しかし、理解することができなければずっと同じ状態が続くだけ。いつまでたっても上達はありません。特に日本人にとって、この意識と行動の差はとても大きいのです。


■6.マレーシア式「ビジュアル勉強術」
 台湾やマレーシアでは、英語学習に様々な模型やおもちゃを取り入れています。英語を文字ではなくビジュアルで覚えていくと記憶に残りやすく、思考にも広がりができます。
 この学習法にならって、自分が朝起きてから会社に着くまでに目に入ってくるすべてを英語で表現する習慣をつけてみましょう。電車はTrain、「ドアが開く」はOpen the door、では、つり革は? といった要領でモノや動作を英語で表現してみるのです。これらの単語を文字で覚えるよりも、ビジュアルで脳に焼きつけるのです。
これは特に名詞を覚えるのに役立ちます。


■7.TEDを使った英語勉強法
 TEDの動画の右下にある「Show Transcript」というボタンを押すと英語、日本語のスクリプトを入手することができす。個人的には、以下のようなステップで勉強するのがお勧めです。
(1)まずはスクリプトなしで動画を最後まで見る。
(2)スクリプトで大まかな内容を把握し、再びスクリプトなしで見る。
(3)次に、英語のスクリプトを見て、聞き取れない箇所などをチェック。その部分を重点的にリピート学習する。
(4)通勤などのスキマ時間を利用して繰り返し聞く。細かい単語の聞き取りは気にせず、全体の「リズム(音)」を意識する。


【感想】

◆金田さんによると、日本人が国際レベルで最低限必要な英語力を身につけるためには、「ノンネイティブであるアジア各国の英語学習を盗むのが早い」とのこと。

本書の執筆に当たり、金田さんはアジア各国の約20人の知人にメールや電話でインタビューし、英語学習の工夫について探っています。

そこで明らかになったのが、彼らは「日本とはほぼ真逆の方法」で英語学習していた、という事実。

完璧な文法を目指したり、ひたすら単語を暗記するやり方は、日本特有のモノのようです。

特に、日本で「覚えるべき」とされている単語数(本によって1800〜2000、3000〜3500、4000〜4500等さまざま)は、彼らにとっては驚きだったそうで、彼らにとっての常用英語は500語くらいなのだとか。


◆さらに文法についても、多少アバウトでも気にしません。

文章を短めにし、「I have」「I am」「I make」と「I」を繰り返してもOK。

逆に、主語を「I」や「We」で始めず、あえて「It」や「There」を使ったり、「Which」や「That」を使ってわざと複雑な表現をしたりしていては、いつまでたっても英語は伸びない、と。

確かに私も、そういう凝った表現ができてナンボかと思っていた時期もありましたが、それではいけなかったわけですね。


◆本書では「試してみよう」と題したコラムで、テーマごとに英語のフレーズが紹介されていて、これも参考になりました。

テーマは、たとえばこんな感じで……。

「"カタコト英語"での話し方」

「副社長補佐当時に多用した10のフレーズ」

「気の利いた挨拶のパターン」

「グローバルリーダーが頻繁に口にする『キラー単語』」
etc...

詳細については、本書をご覧頂きたく。

中でもウケたのが「相手の英語が聞き取れなかった時に使うフレーズ」で、10パターンも色々な言い方が紹介されているというw

まさに上記ポイントの5番目を地で行っております。


◆この「試してみよう」のコラムでは、他にも「英語教材」や「映画・ドラマ」、「歌」等もそれぞれ紹介されており、これらもぜひ押さえておきたいところ。

ネタバレするのもアレですが、いくつかご紹介しておくとこんなところが。

どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング (CD BOOK)

英語の発音がよくなる本
英語の発音がよくなる本

ソーシャル・ネットワーク [DVD]
ソーシャル・ネットワーク [DVD]

マージン・コール [DVD]
マージン・コール [DVD]

ただ、「英単語は500語でOK」といいつつ、『DUO 3.0』があるのは、どうなんですかと、小一時間(ry


◆本書は、そのスタイルとしては、本田直之さんの『レバレッジ英語勉強法』に近いものだと思います。

目的をはっきりさせて、それに沿った勉強を優先するというやり方は、やはり効果的なのだな、と。

本書の場合、それに加えて「アジアの非ネイティブ」のスタイルを取り入れている点が、ポイント高し。

今回の記事では、上記ポイントの6番目くらいしか具体的には挙げてませんが、他にもいくつか興味深い勉強法が収録されていましたので、興味のある方は本書にてご確認を。


仕事で役立つ英語を身に付けたい方に!

アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術
アジアの非ネイティブに学ぶビジネス英語速習術
第1章 "実戦主義"を貫く!
 1-1 まずは「目的」を絞り込む
 1-2 実践主義の敵は「完璧主義」

第2章 楽しくなければ続かない
 2-1 「テキスト中心」の落とし穴
 2-2 暗記は苦痛でしかない

第3章 「安く・手軽に」が長続きのコツ
 3-1 英語を日常に取り入れる
 3-2 「ながら学習」を習慣に


【関連記事】

【英語】「レバレッジ英語勉強法」本田直之(2008年04月04日)

【英語学習】『7カ国語をモノにした人の勉強法』橋本陽介(2013年08月04日)

【裏ワザ?】『「銅メダル英語」をめざせ! 発想を変えれば今すぐ話せる』林 則行(2011年09月18日)

【英語】『残念な人の英語勉強法』山崎将志(2011年02月14日)

【英語】『「伝わる英語」習得術』から学んだ「英語活用5つのツボ」&「勉強法4つのポイント」(2009年09月09日)


【編集後記】

◆本書と似たようなタイトルの本で。

世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法
世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法

何故か出たばかりなのに中古しかないのですが、結構なプレミアが付いております(謎)。


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