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2014年03月16日

【ラテラル?】『ずるさで勝る水平思考トレーニング』木村尚義


ずるさで勝る水平思考トレーニング (SB新書)
ずるさで勝る水平思考トレーニング (SB新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、ラテラルシンキングに関する作品を数多くお出しになっている木村尚義さんの最新作。

今回は、大ヒットした『戦略思考トレーニング』さながらに、新書でのクイズ形式を採用されています。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
視野を横に広げることで、常識を覆し、枠にとらわれない考え方が自然と身につくクイズ形式のトレーニング本が遂に登場!
前提としている「枠」を外し、視点を横に広げ、幅広く考える思考法である「水平思考」(ラテラルシンキング)が、54問のクイズ形式で解きながら読み進むことで、自然と身につく1冊。

帯の「相手をくやしがらせる逆転の発想法」というフレーズがピッタリの1冊です!




【ポイント】

★「クイズ形式」である本書は、その答えを書いてしまうと完全に「ネタバレ」なので、『戦略思考トレーニング』の時と同様に、問題のみ引用していきます(スイマセン)。


■1.プロトタイプでモニターしてもらう理由とは?


Mock up / zabdiel

 生活用生活用品で世界中の人々に使われているP&G。品質はもちろんのこと、マーケティングも徹底しており、洗剤のボトルなど商品を製造する前に、消費者モニターを呼んで意見を聞いています。ところが、あるときからガムテープや段ボールを使ってつくられた不完全なプロトタイプをモニターに見せて、意見を聞くようになりました。こんないい加減な製品模型で、モニターは判断を下せるのでしょうか?(不完全なものを見せることにした理由を考えてください)


■2.タイプの下手な秘書が成功した理由とは?


Typewriter / mikeymckay

 世の中には、素養がなくてダメダメで、下手だからこそ成功した例もあります。1950年代のこと、アメリカでは、ビジネス文章はタイプライターで作成されていました。当然、間違えることなくキーを打つ能力が求められます。しかし、ある秘書はタイプが下手だったからこそ成功して大金を手にしました。いったいどうしたのでしょうか?


■3.映画『ジョーズ』の演出のヒントとは?

ジョーズ [Blu-ray]

 スピルバーグの代表作『ジョーズ』。ビーチリゾートを人喰いザメが襲う映画です。この映画の恐怖は、サメの姿がほとんど現れない演出の工夫にあります。スピルバーグは、この演出のヒントをどこから得たのでしょうか?


■4.ブランドコーヒーを半額で出すワケは?


Jamacia Blue Mountain Coffee / kadluba

 ある喫茶店では、毎月ブランドコーヒーの日があります。このときだけはブルーマウンテンやキリマンジャロといったブランドが半額なのです。ただし、お店としてはほとんど採算が合わないそうです。なぜ、このようなことをやるのでしょうか?


■5.砂を吹きつける洗浄法の改善策とは?


Sandpit - adventure playground / Darwin's Bulldog

 工業機械の洗浄には様々な技術が使われます。薬品はもちろん、水で濡らすと変色してしまうからです。そのような場合は、柔らかくて細かい砂を吹きつけて表面の汚れを飛ばす方法があります。ところが、この砂粒を吹きつける洗浄方法は1つだけ間題があります。機械の隙間に砂粒が入り込んでしまうのです。この洗浄方法、どうやって改善しますか?


■6.万年4位の会社のアピール方法とは?


Podium Subida Campa Torres 2010 / espinr

 あなたの会社は業界で1位を目指していますが、どうしても万年4位の業績です。何とかお客様にアピールする方法はないものでしょうか?


■7.なぜイヌイットはゆっくり歩くのか?


Two Waiting for Seal / subarcticmike

 1911年、人類史上初めて、南極点への到達に成功したロアール・アムンセン。彼は先住民族のイヌイットと暮らすことで、極寒の地域のサバイバル術を学びました。なかでも重要だったのは、イヌイットはどんなときでもゆっくり動くのです。雪上では滑りやすいということもあるのですが、アムンセンは観察しているうちに、もっと大切な事実を発見しました。その大切なこととは?


【感想】

◆元々、ラテラルシンキングというもの自体、「ひらめき」が大事な分、「クイズ」に近いと思っていたワタクシ。

ゆえに本書のようなクイズ形式のスタイルだと、ドンピシャにハマっていると思います。

というか、ラテラルシンキングの「反対」であるロジカルシンキングだと、「クイズ」というより「問題解決」に近い感じ。

一応ロジカルシンキングの中でも「フェルミ推定」あたりは、しいて言うならクイズっぽいですし、冒頭の『戦略思考トレーニング』でも1つの章を費やして「フェルミ推定」を扱っていましたが。


◆ただし「目からウロコ」感で言うなら、やはり「ラテラルシンキング」の方が上ではないかと。

たとえば「パラダイムシフト」を起こせるのは、やはり「ラテラルシンキング」でしょう。

上記ポイントの2番目のお話も、「どうしたらタイピングが上手くなるだろう」と考えるのが「ロジカル」なのでしょうが、それでタイピングが上手くなったとしても、凡庸な秘書に過ぎません。

そこで上手くならないままに、成功するにはどうしたらいいのか……?

答えを知ったら、ちょっとずるいと思われるかも知れませんが、それこそまさに本書のタイトル通りですよねw


◆ちなみに、本書収録のネタではないものの、知った時に「目からウロコ」だったのが、フリクションボールのとある使い方。

篠房六郎先生のフリクション講座 - Togetterまとめ

マンガ(イラスト)の下書きに使って、後でドライヤーで加熱して消してしまうというヤツです。

これ、ヨメに教えたら喜ばれて、さっそくムスコの上履きにイラストを書く際、実践していました。

……そして、この発想法に似たアプローチで解ける問題が上記の中にあるのですが、どれかはヒミツでw

多分読まれた方(もしくは分かった方)なら、「ハイハイ、確かに!」となると思います。


◆なお、本書の著者である木村さんのご本としては、以前この本をご紹介したことがありました。

ひらめく人の思考術: 物語で身につくラテラル・シンキング
ひらめく人の思考術: 物語で身につくラテラル・シンキング

参考記事:【超速レビュー?】『ひらめく人の思考術: 物語で身につくラテラル・シンキング』を読みました(2013年06月02日)

ストーリー形式の中に、これでもか、とばかりにラテラルシンキングのネタを散りばめられていて、それはそれで「アリ」なのですが、単純にネタを数多く取り上げるとしたら、やはり本書のようなクイズ形式がベストではないか、と。

ただし、本書の「はじめに」でも指摘されているように、「知ってる/知らない」「合ってた/間違えた」で終わらせないことが大事です。

あくまで本書の目的は、「ラテラルシンキング」を身に付けるためのトレーニングであることをお忘れなく。


これからの時代を生き抜くために読んでおきたい1冊!

ずるさで勝る水平思考トレーニング (SB新書)
ずるさで勝る水平思考トレーニング (SB新書)
1 前提を疑う章
2 本質を見極める章
3 偶然を見逃さない章
4 先の先を読む章
5 相手の力を利用する章
6 視点を増やす章
7 頭の柔軟性を確かめる章


【関連記事】

【超速レビュー?】『ひらめく人の思考術: 物語で身につくラテラル・シンキング』を読みました(2013年06月02日)

『戦略思考トレーニング』が想像以上に凄い件について(2013年04月20日)

【水平思考】「コトラーのマーケティング思考法」(2009年02月06日)

【水平思考】「イノベーション・シンキング」ポール・スローン(2007年08月25日)

「すばらしい思考法 誰も思いつかないアイデアを生む」マイケル・マハルコ(2006年05月16日)


【編集後記】

◆今日のご本に関連して。

アンシンク UNThink 眠れる創造力を生かす、考えない働き方
アンシンク UNThink 眠れる創造力を生かす、考えない働き方

この本もユニークな発想が得られそうな感じです。


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