2014年03月15日
【グローバル】『世界とつきあう心得 海外旅行からビジネスまで』植山周一郎
世界とつきあう心得 海外旅行からビジネスまで
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「サッチャー元英国首相の日本代理人とヴァージン・グループの顧問を務めた」という植山周一郎さんの新刊。帯には「シュー(著者)は私が会った日本人の中で最もグローバルな人間だ」というヴァージンのリチャード・ブランソンの推薦文が光ります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
まず必要なのは、笑顔と中学校で学んだ英単語。この一冊で物怖じせずに、世界中の人たちと堂々とつきあえるようになります。
出張や駐在のみならず、外国からのお客様をもてなす際にも役立つ1冊です!
Hamburg Airport - Waiting crowd / Jasmic
【ポイント】
■1.趣味と話題が多い、魅力的な人になる海外でのビジネスの現場でも、堅苦しいビジネスの話ばかりしている人は飽きられてしまいます。食事やパーティやゴルフなどのプライべートな場面でいかに自分が魅力的な人間であるか、つまリビジネスパートナーに相応しいかをアピールする必要があります。そんなときに美術、文学、音楽、スポーツ、料理、政治、経済などあらゆる分野の話題を提供できるだけの知識と教養を持つことが重要です。そのような魅力あるパーソナリティで勝負する人はビジネスでも成功します。
■2.食事の時すする音をたてない
うどんや蕎麦、ラーメンをすすって食べるのは、日本人にとってはごく当たり前です。しかし、国内であっても外国人がいるような晩餐会やパーティではやめましょう。
スターターのポタージュをすする音が会場のあらゆるところから聞こえると、びっくりされてしまいます。それはイタリアン・レストランでスパゲッティ・ボンゴレを食べるときでも同じことです。
■3.外国語を飛躍的に高める手段として、同じ映画を3回観る
1回目は、いつもと同じように外国語の音声を聞きながら、日本語の字幕を読みます。これでストーリーやせりふを理解することができます。
2回目は、字幕を外国語に切り替えましょう。外国語のせりふを聞きながら、字幕を読むのです(中略)
そして3回目は、字幕なしで観ます。すでに日本語と外国語の字幕を読んだ後なので、そのシーンで何が話されているかは分かっています。その上で見ると、知っている単語が聞こえてきます。そしてシーンがつながり、聞き取れる感覚をつかめるだけでなく、字幕なしでどこまで聞き取れるかのチェックにもなります。
■4.ホテルを選ぶ要件(抜粋)
・CNNやBBC、またはCNBCなどの番組を見ることができる。
・Wi-Fiなど、インターネットを無料で使用できる。
・商談用に使えるバーやレストランがある。
・フイットネス設備やプール、サウナがついている。
■5.会社と日本を代表している自覚をもつ
海外出張や海外赴任をすると、突然、会社や日本を代表する立場となり、「私たちの国における、あなたの企業の将来のプランは何ですか?」とか「日本人として、我が国の最近の動向をどう見ていますか?」など、発言を求められる機会に遭遇するようになります。
こういうときのためにも、普段から自社の経営方針や経営的数字などを熟知しておく必要があります。また、日本政府の外交政策や経済政策なども勉強しておき、それらに関する自分の意見も構築しておくことが重要です。
■6.外貨預金をしておく
外貨預金をお薦めする理由は、単にドルやユーロというような外貨を自分の口座からおろせるというだけではありません。為替に左右される外貨を自分で持つことで、普段から外国為替市場や海外のマーケットに興味が深まり、グローバルな金融ネットワークに自分の身を置くことになるからです。それは世界経済、国際政治、原油、金相場などの情報にも敏感になり、国際感覚が増すことにつながります。
■7.空港に車で迎えに行く
日本を訪れる知人や友人、またはビジネスでのパートナーや顧客は空港まで迎えに行ってあげましょう。初めて日本に来ることでワクワクしている反面、日本語を理解できずに不安いっぱいのはずです。そんなときに到着ロビーで待っていてくれる人がいるのは最大の歓迎になります。(中略)
そして疲れていなければ、さっそく寿司屋に誘ってあげてください。また、東京であれば「明日は浅草寺と参道沿いの土産物屋をめぐり、原宿で竹下通りを散策して、ランチにしゃぶしゃぶやトンカツを食べましょう」など、休日のプランも具体的に提示してあげましょう。
【感想】
◆いきなりですが、上記ポイントの2番目は思い当たるフシありまくりでして……。実は学生時代、英国に短期語学留学したことのあるワタクシ。
さすがに、食事のマナーとして「音を立ててはいけない」ことくらいは知っていて、いつも注意していたわけです。
ところが、とあるキツ目の授業が終わって、友人たちとカフェテラスでコーヒーを飲んだ際、気が緩んだのか、コーヒーを一口
「 ズ ズ ッ 」
っとすすった途端、周りにいた友人たちの見る目が冷たいこと……。
いや、これこそまさに「空気が変わる」ということなんだな、と実感しました。
◆マナーついでに書いておくと、「大口を開けて食べるのはNG」。
著者の植山さん曰く、洋食にナイフとフォークがあるのは、「大きな料理を小さく切って素早く口に入れるため」なのだそう。
……私は留学中、一切気にしたことなかったんですが(手遅れw)。
また、これは聞いたことがありますが、「女性が男性にお酌をする」のも要注意。
「水商売」ないしは「誘惑しようとしている」と勘違いされることもあるのだとか。
以前流行った「ボディコン」ファッションも、向こうの人から見たら、モロにストリートガールですしね。
◆同様に「宗教の話もNG」とのこと。
ただ、これまたワタクシごとですが、留学中に「無宗教だ」と言ったら、ホストファミリー(イギリス人)に怪訝そうな顔をされたんですが……。
そういえば、その時以外、誰からも宗教の話が出なかったのは、やはりデリケートだからだったのでしょう。
そしてもちろん、人種差別もご法度です。
これについては、最近サッカー界でも話題になったので、ご存知の方も多いと思われ。
【浦和】Jが人種差別横断幕問題で厳罰 無観客試合も:Jリーグ:サッカー:スポーツ報知
◆本書は下記目次をご覧頂ければお分かりのように、純粋に「ビジネス術」なのは第4章のみです。
しかし、その「ビジネス」を完璧にこなすためには、それを支える「インフラ」がしっかりしていないといけません。
こと、外国でビジネスを行なったり、国内で外国の人と仕事をするためには、こうした「インフラ」が思いのほか重要であり、本書はその「インフラ強化」に役立つことウケアイです。
巻末の植山さんと著名人たちのエピソードも、彼らの知られざる一面を垣間見れて、ポイント高し!
グローバルを志す方なら要チェックで!
世界とつきあう心得 海外旅行からビジネスまで
Chapter 1 世界とつきあうための心構
Chapter 2 世界とつきあうための語学術
Chapter 3 世界とつきあうための海外旅行&出張術
Chapter 4 世界とつきあうためのビジネス術
Chapter 5 世界とつきあうための海外赴任術
Chapter 6 世界とつきあうためのおもてなし術
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【グローバル】『「世界標準」の仕事術』に学ぶリーダーシップのルール7選(2011年09月29日)
【編集後記】
◆同じく植山さんによる新刊。世界の一流から学んだ仕事の品格 ~次のステージに行くために必要なこと
こちらも面白そうですね!
ご声援ありがとうございました!
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