2014年03月09日
【炎上必至!?】『堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ』友里征耶
堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ (角川SSC新書)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、ちょっと炎上しそうな(?)グルメ本。本書の著者である友里さんは、「辛口グルメ評論家」なんですが、本書では料理のみならず、店主やレビュアーさらにはお客さんにまで辛口論評を加えてらっしゃいます。
アマゾンの内容紹介から。
バッシングの嵐が巻き起こったグルメ業界。いや待て、そもそもそこは「偽装、脅迫、出入り禁止…etc.」なんでもありの伏魔殿であることは、とうの昔からわかっていたじゃないか。本書ではグルメ業界の“不都合な真実”を著者の実体験に基づいてあらためて明らかにすると同時に、グルメを堕落させてきた“被害者面した”客たちの悪行をもぶった斬る。飲食店主そして客、双方の実態からグルメ再生のための細き道を導き出す!
それにしても「関西気質」にまでクレームしなくともww
Rotisserie Inn, the unique Italian - French Restaurant par excellence, Salt Lake City, Utah / Boston Public Library
【ポイント】
■1.ステマ会社(A)と飲食店運営会社(B)による、食べログ操作の会話B もし、これカカクコムにばれた場合どうなるんですか
A でも、取引してるって事がばれることはないんで。1つ1つのアカウントを探ることっていうのはできないんですよ。しかも一般のレビュアーなので。会社単位でアカウントを持っていたら一発でばれちやいますけど
B 御社がお持ちなのは、そういった何百件も書いている人たち
A そうです
B 10件で10万
A そうですね。ただ各店舗に振り分けていただくこともOKです
■2.某立ち食い主体フレンチで出される格安キャビア
問題なのはへラチョウザメキャビアも「キャビア」と表記できるため、最近では高額店でも彩りに使用し始めているのです。価格が1桁も2桁も違うこのへラチョウザメキャビア(ネット小売で一瓶2000円前後)を廉価店で提供することはもちろん可能。ですからこの立ち食い店のウリを正確に赤ぺンさせていただくと
高級食材のキャビアとは一線を画した低価格なキャビアを
それなりの利益率を乗せて損せず客に提供している。
真相を暴露してしまうと、この店で有り難がってキャビアを食べる気がしなくなりますね。
■3.行列はレジでコントロール
今は下火になっているようですが、人気で入手困難と言われたラスクやロールケーキの行列、その長さをコントロールしているのはご存じかと思います。行列は短すぎても長すぎてもダメなのです。短いと人気がないと思われ敬遠されますが、逆に長すぎても集客には不利。それは長時間待つのを嫌がり客は帰ってしまうからです。ですから繁盛させたい店は行列の長さをコントロールするため、数台のレジを開けたり閉めたりして、一定の行列の長さを保とうとしているのです。並ぶ客が少なくなってきたらレジを減らす。行列が必要以上に長くなりそうになったらレジを増やすわけです。
140310追記:
著者の友里さんから「中身をかなり多めにコピペ」「ここまで開示されたら『わざわざ本を買わなくてもいいや』なんて人が出てきてしまうのではと心配」との懸念のお言葉がありましたので、謹んで後半部分をプライベートモードに移管しました。
ジャン・ジョルジュが今週金曜、六本木にオープン! | TOMOSATO BLOG
友里さん、大変失礼いたしました。
【感想】
◆思えば、友里さんの著作は、以前当ブログでレビューしたこちらでも大変辛辣でした。グルメの真実 (宝島社新書)
参考記事:【外食Hacks!】『グルメの真実』から学んだ、外食する際気を付けたい7つのTIPS(2011年10月30日)
特にこの本では、問題のあるお店やシェフの名前を挙げまくりw
こんなこと昔からやられてて、よく揉めないものだと思っていたら、実は色々と一悶着あったようです。
それについて触れられているのが本書の第1章で、小見出しを挙げても、
・カード会社に個人情報流出を依頼した店主
・家族への脅迫をちらつかせた元・カリスマ和食職人
・職場に殴りこんできた、巨体小心鮨職人
……etcetcと、半端ありません。
何を言って揉めたか、どう脅されたか等、具体的なお話は本書にてご確認を。
◆一方、正体を隠して活動している友里さんには珍しく(?)、各ジャンルの料理人の皆さんにヒアリングしたのが、第4章の「飲食店の“不都合な真実”に対する店主の本音」。
ここでは、和食、イタリアン、フレンチ、中華 鮨の料理人(シェフ、職人等)に、本音ベースで迫っています。
世間的に話題だった「偽装」のお話やら、お客の出入り禁止、身なりや職業で客を区別するか等々。
おそらくある程度以上の価格帯の高級店のシェフだからこそ、「職業はこだわらないが、身なりは見る」という意見に、思わず納得しました。
また、友里さんも本書で言及していたように、「ドタキャン客」が各シェフに与えるダメージはかなり大きいようなので、もうすぐホワイトデーですが、丁度同じ時間に、くれぐれも複数のお店の予約を取られないよう、宜しくお願い申し上げます(懇願)。
◆そして当ブログ的に、一番関心があったのが、上記ポイントの初っ端にあった「ステマ会社」の活動の件。
本書では、ほぼ12ぺージに渡って、ステマ会社と飲食店運営会社との間における「口コミグルメサイト」の操作に関する営業会話が繰り広げられています。
上記では主に金額のことしか触れておりませんが、このステマ会社、レビュアーを200人ちょっと抱えてらっしゃるとか。
しかも他のステマ会社(5社ほど)と提携してこのビジネスをやっており、全体でのレビュアーはもっと多くなるとのこと。
……もう食べログも信じられません。
◆なお、上記で登場した『グルメの真実』が、実名だしまくりだったことに比較すると、本書はかなりマイルドな作りになっています。
ただし、登場するお店や料理人の名前は明記されていないものの、ヒントがストレート過ぎて、ググれば一発で分かる事ウケアイw
たとえば、「家族への脅迫をちらつかせた元・カリスマ和食職人」というのは、友里さん曰く「当時はマスコミ露出も多かった西麻布近辺の有名和食料理人(どこかの人気球団の永久監督から頼まれて、アテネまで侍ジャパンの料理を作りに行っていましたっけ)」とのこと。
このGoogle普及時に、これは直接Disってるのに近い気がww
さらに第6章では、上記ポイントの7番目を初めとして、「関西人の異常習性」と題したビーンボール(?)をビュンビュン投げ込んでおります。
……これはアマゾンレビューが荒れる悪寒w
外食する前に読んでおきたい1冊!
堕落のグルメ ヨイショする客、舞い上がるシェフ (角川SSC新書)
第1章 店主はいつも性悪だ!
第2章 脳天気国民に巻き起こった「偽装騒動」の顛末
第3章 飲食店のわがまま慣習を法に問う
第4章 飲食店の“不都合な真実”に対する店主の本音
第5章 好待遇を求める一見客やスレた常連客の弊害
第6章 グルメ界をぶち壊す“関西業界”
【関連記事】
【外食Hacks!】『グルメの真実』から学んだ、外食する際気を付けたい7つのTIPS(2011年10月30日)【グルメ必読?】『人気グルメ情報番組プロデューサー 秘密のノート うまい店の選び方 魔法のルール39』本郷義浩(2014年02月15日)
『絶対にうまい食べ方』が想像以上に凄い件について(2012年11月29日)
【名著復活!】モテ本『東京いい店やれる店』が『新東京いい店やれる店』となって復活した件(2012年07月11日)
【スゴ本】『トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる』宇野隆史(2011年05月12日)
【編集後記】
◆先月ご紹介したこちらの本でも食べログが登場していました。人気グルメ情報番組プロデューサー 秘密のノート うまい店の選び方 魔法のルール39 (ノンフィクション単行本)
ただし、「点数や口コミの評価は一切参考にしない」という意味では、本書の流れに沿うものかと。
レビューは上記関連記事にてご確認下さい。
ご声援ありがとうございました!
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