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2014年02月22日

【BCG流?】『外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク』森 秀明


外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク
外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、先日の「未読本・気になる本」の記事でも人気の高かった1冊。

ボストン・コンサルティング・グループ、ブーズ・アレン・ハミルトン等の外資系コンサル出身である森 秀明さんによる、資料作成術です。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
低クオリティ、低スピードで使えない資料ばかり作っていませんか? 効果的な資料を効率的に作成するスキルが身につけば、生産性が大幅にアップし、ビジネスをぐんぐん動かせるようになります。外資系コンサルティング会社で磨いた説得する資料をつくる原則とテクニックが満載。

森さんによると、ビジュアルの類型は、たった12パターンしかないのだとか!?






Intelligence (v) Drive / psd


【ポイント】

■1.資料のビジュアルは論理の組み立て方で決まる
ビジネスにかかわる資料の12類型は、実は論理学という学問の考えにも基づいています。相手を説得する技、議論の際の論の組み立て方は、人類の長年に及ぶ英知の結晶です。これは一対一論法、並列論法、結合論法、連鎖論法、対立論法、比較論法という6つの基本的な論法から成り立っています。ビジュアルの12類型はこの論法に対応しています。(中略)
 ビジネスにかかわる資料のカタチとその論理の組み立て方は、密接にかかわっているのです。資料の大枠のカタチを見れば、どのような論理に基づいているかがわかります。その逆に、相手を説得できる論理の組み立て方が見えてくれば、おのずと作るべき資料のカタチが決まってきます。


■2.論理と主張と保証をわかりやすく表現する
 ビジネス資料では、まず、(1)相手に納得してほしいこと、決めてほしいこと、アクションをとってほしいことを主張として記述します。そして、(2)その主張はみなさんが集めたり分析したりした証拠をもとにして語られます。事実やデータ、事例などが証拠に該当します。さらに、(3)みなさんの主張はそれらの証拠によって十分に論証されていることを示す必要があります。この役割を担うのが保証です。証拠と主張と保証、この3つの要素を1枚の資料の中でわかりやすく表現することが必要なのです。


■3.初心者はグラフを使った資料作りを
 筆者がボストン コンサルティング グループ(BCG)で経営コンサルティングにかかわり始めたころ、とにかくグラフを用いた資料を作ることを奨められました。データを収拾して分析し、棒グラフや折れ線グラフ、散布図、面積グラフなど、どんな資料でもグラフを作成しました。
 後になってわかったことですが、グラフを作るとおのずと論理が組み込まれるので、論理に慣れていないコンサルティング初心者でも、ロジックに破綻の少ない資料を作りやすいのです。ですから、初心者はグラフを使った資料作りから入ることをお奨めします。


■4.マッキンゼーの好きな【結合論法×連鎖論法】
結合論法とは、2つ以上の証拠が組み合わさって主張を証明する十分な論拠になるという考えです。
 また連鎖論法では、証拠から結論が導き出され、その結論が次の証拠になり、その証拠から次の結論が導かれ、さらにその結論が次の証拠になるという連鎖によって最終的な主張に結びつきます。
 この結合論法と連鎖論法の組み合わせは、仕事の流れを時間軸に沿って順番に記述する、業務プロセス図を描くときなどに頻繁に使われます。また、ビジネスの発展を物事の節目ごとに記述するとき、すなわち事業の展開のステップや事業の発展経路を示すときにもよく使われます。

(詳細は本書を)


■5.ロジックを明らかにする3つの質問
 ロジックを考えるときや、ロジックの確からしさを確認するときに役立つ3つの質問があります。
 (1)伝えたい結論は何なのか
 (2)その結論を支える根拠は何なのか
 (3)その結論はその根拠から合理的に導くことができるのか
 これらの質問では、主張、証拠、保証の3つが明確であるかどうかを尋ねています。ビジネスにかかわる資料を作成するとき、いつもこの3つの質問を問いかけてみてください。ロジックの構成要素をこの3つに分けることで、自分の主張が論理的な組み立てによって導き出されているかが明らかになります。


■6.資料のカタチだけ先に作ってしまう
表紙とへッダーだけの目次、13ぺージの空白の資料をつづった文書ファイルを1つ作ります。それにファイル名を付けて保存してください。たとえば「顧客名_資料名_日付.docx」のようなファル名です。そしてそのファイルをパソコンのデスクトップ上の目立つところに置いておけば、「いついつまでにこの資料を作成しなければなない」ということを常に確認できます。
 このように作成する資料のカタチを作っておくだけで安心感が得られます。これだけですでに、資料の完成に向けた第一歩を踏み出したことになるわけで、資料の提出日間際になって、ゼロの段階から資料を作るのとは大きく違う状況になります。これが、資料作成が決まったときに料のカタチを作ってしまうことの効果です。


【感想】

◆今回もちょっと引用量が多くなってしまったのでこの辺で。

と言いますか、本来ご紹介したかった(もしくは「しなければならなかった」)部分の多くを、今回泣く泣くカットしております。

それが下記目次の第2章と第3章。

上記ポイントの1番目で「ビジュアルの12類型」と呼ばれているものの、解説部分になります。

ここはもう、ビジュアルのひな型の構造解説や、具体的な事例について解説されているので、正直な話、そのビジュアルがないとお話になりません。

せめてその12類型だけでも、チラ見程度で……。




◆そのポイントの1番目で「6つの基本的な論法」という記述があるので「12の類型と数が合わない」とお思いの方もいらっしゃるのではないか、と。

これは単純に「各論法に2つずつ類型がある」のではなく、実はちょっと複雑な(?)対応になっています。

まず、一対一論法は類型の(1)、並列論法は類型の(2)、結合論法は類型の(3)(4)(5)、連鎖論法は類型の(6)(7)、対立論法は類型の(9)、比較論法は類型の(10)(11)で、ここまでは単独の論法との対応。

一方、複数の論法の組み合わせが、類型の(8)と(12)で、それぞれ「結合論法と連鎖論法」「対立論法と比較論法」という対応になっているという……。

私は今まで、「言いたい事に適したスライドを作るもの」だと思っていましたが、論理の組み立て方で、ビジュアルが決まってしまうとは知りませんでした。


◆ところで、上記ポイントの4番目で「マッキンゼーの好きなもの」として挙がっていたのが【結合論法×連鎖論法】というビジュアル。

では、BCGが好きなものもあるのか、というとこれもしっかり収録されていまして、類型の(12)の【対立論法×比較論法】が、それ。

典型的なのがSWOT分析等のプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントで、実際これは「BCGマトリクス」と呼ばれているのだそう。

指摘されてみたら、なるほど確かに「対立」と「比較」が同居しているな、と。


◆繰り返しになりますが、今回のレビューは、本書のキモの部分が丸ごとぬけているので、その辺を考慮頂ければ。

やはり、図やグラフ等がメインコンテンツの本をレビューする際には、もうちょっと工夫する必要があるように感じました。

また、やはりこの手の本は左開きなのが、速読派にはツライところかも。

それでも「12類型と6論法の組み合せ」をマスターできれば、本書の元は十分取れると思います。


ワンランク上の資料を作るために!

外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク
外資系コンサルの資料作成術---短時間で強烈な説得力を生み出すフレームワーク
第1章 資料作成のガイドラインなしに、やみくもに仕事を始めてはいけない
第2章 ビジュアルを論理で裏付けることが重要(基礎編)
第3章 効果的なビジュアルには周到な論理が隠されている(応用編)
第4章 相手を説得するロジックは人類最高の知恵
第5章 資料作成はメモ書き、チャラ書き、ホン書きの3段階で進化する
第6章 コミュニケーションとは相手の変化に寄りそうこと


【関連記事】

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【資料作成】『「伝わる」「通る」ビジネス資料作成術』渡辺克之(2013年05月03日)

もしものときのための『ウォールストリート・ジャーナル式図解表現のルール』6選(2011年04月13日)

【オススメ】「超ビジュアルシンキング」ダン・ローム(2009年05月25日)

【88のワザ】「図解力の基本 ちょっとしたコツだけど、だれも教えてくれない88のテクニック」山田雅夫(2010年07月12日)


【編集後記】

◆似たタイトルだったので、本書と著者が同じか思わず確認してしまった書籍がこちらw

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック
外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

こちらはサブタイトルにもあるように、もうちょっと形式的なお話が多かったです(レビューは上記関連記事にあります)。

両方読めば、「鬼に金棒」かも!?


ご声援ありがとうございました!

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