2014年02月21日
【ビジネス心理学?】『できる人は感情の整理がうまい!: ラクに成果が出るビジネス心理学』佐々木正悟

できる人は感情の整理がうまい!: ラクに成果が出るビジネス心理学 (知的生きかた文庫 さ 46-1)
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、「シゴタノ!」でお馴染みの佐々木正悟さんの、書き下ろし文庫本。サブタイトルに「ビジネス心理学」とあるように、効率的に仕事をする上での感情の処理方法について言及されています。
アマゾンの内容紹介から。
その怒りも、その嫉妬も、その苦手意識も、上手にコントロールすることができれば、仕事の大きな原動力に変えることができます!
本書では、誰もが悩まされがちなマイナス感情を仕事力に転嫁するコツを紹介!
・断りたくても断れない
・怒りたくても怒れない
・休みたいのに上手に休めない
・凹むとなかなか立ち直れない……
そんな悩みも、本書がすべて解決!心がスッキリ軽くなり、日々の仕事が好転します!
仕事のパフォーマンスを考える上で、非常に意義のある1冊です

worry closet / ursonate
【ポイント】
■1.自分自身の本当の忙しさを「見える化する」人は忙しさを想像の中で検討していることが少なくありません。自分の仕事が〆切に間に合うかどうか。家に帰ってから、やることを終えたら何時になるのか。それらのことを、頭の中で適当に検討しているのです。(中略)
これを避けるためには、「やるべきこと」を全部手帳に書き出して「見える化」することがいちばんです。
正確な見積もり時間などは必要ありません。「最低でもこれだけはかかるギリギリの時間」を書き出すのです。
■2.落ち込んだときには「感情を紙に書く」
落ち込んたときには、そのことを「記録する」のです。おそらくこれがもっとも有効な対策です。記録するというのは、単なる私の思いつきではありません。「筆記療法」という名前のれっきとした心理療法です。(中略)
筆記療法には一応定まった形式があります。しかしそんなに難しく考えるような方法でもありません。
なるべく「客観的に書く」――。それに尽きます。
・落ち込んでいるという事実
・どんな気分か?
・なぜ落ち込んでいるのか?
・関連する事項
などといったことについて書くのです。要するに、関係のあることを書きつづっていけばいいわけです。
■3.一生懸命がんばるのは一定の限度までにする
一生懸命がんばるということは、意識を高く持つことであり、集中力を高めることであり、真剣に壮事に取り組むという心の使い方をすることです。
それで何ら悪いことはない、そう思ってしまうかもしれませんが、その方針でうまくいくのはある一定の限度まで。一生懸命の度がすぎると、効率は低下するのです。
緊張感を高め、集中力を高めるというのは、クルマで言えばエンジンの温度を上げることです。(中略)
ずっと高い緊張感を保って仕事を続けている人というのは、この加熱しすぎたクルマをますます熱くすることで、クルマが速く走ると思っている様子にたとえられます。
必要なのは加熱ではなく冷却なのに、本人も周囲もみんなで「加熱! それでダメならもっと加熱!」とやってしまっているのです。
■4.見通しが立たないことでも、とにかく手をつけてみる
たとえば、部屋の掃除がやりたくない、と思っている人でも、実際に掃除に手をつけてみると、意外と充実した気持ちの中でできたりすることがあります。やっているうちに楽しくなるということは、よくあることなのです。
これが起こるのは、どんなふうに掃除をやったらいいかの見通しがうまく立たない間は、脳が気力を厳しく管理しているため、イヤイヤながら掃除に手をつけます。そういうときの掃除というのは、やっていて気分がいいものではありません。
しかし、掃除に集中するうちに、どのように進めるかの手順について、見通しが急にハッキリしだします。すると脳のほうでも気力を提供してくれます。
気力十分の中で進める活動は、おもしろく感じられるのです。
これが「やっているうちにおもしろくなってくる」の正体なのです。
■5.「打たれ強い心」をつくる5ステップ
1、批判に対応する理由をハッキリさせる
2、そもそも批判された内容は重要かどうかをとりあえず考える
3、批判に動じたように見せない
4、自分自身と時間をかけて対話する
5、実際に取る対処行動を決める
(詳細は本書を)
■6.ルーチン化を活用する
適切な頻度でルーチン化されたタスクは、考えたり決めたりする苦労から解放され、最小限のやる気で遂行できます。
人が1日にできることは限りがあるのです。時間があってもやる気が足りなければタスクを進めることはできませんし、その逆もしかりです。時間の限度もやる気の限度も考慮して、バランスよくタスクを実行しなくてはいけません。
1日の最初に、タスク実行以外の部分で必要以上のやる気を使ってしまえば、時間があってもうまく活用できなくなってしまいます。
ルーチン化することで、時間とやる気のどちらも節約することができます。無意味にやる気を消耗しないので、ストレスも減ります。
いいことだらけのルーチン化を活用しない手はありません。ラクをしながらたくさんのタスクをこなすために、積極的にルーチン化をしていきましょう。
【感想】
◆今回は個々の引用部分が長くなってしまったのでこの辺で。一応、自分自身でピンと来た部分を選んでいるつもりなのですが、冒頭の内容紹介にあった「マイナス感情を仕事力に転嫁するコツ」的な部分については、割愛してしまっています。
というのも、例えば「わざと人を怒らせる」というTIPSが典型的だと思うのですが、それぞれ結構デリケートであり、できるだけ簡潔に引用しようとすると、まず誤解されてしまうから。
やはりこの辺は、うまくご紹介する自信がないので、本書にてご確認ください。
同じく「怒りは仕事に向ける」という話があったのですが、これは理屈としては理解できるものの、そんな器用な真似ができるのか、個人的にはちょっと疑問だったり。
佐々木さんには何度かお会いしたことがあるんですが、とても「怒る」感じの方じゃないんで、一般的な人と怒りのレベルが違うんじゃないかという懸念がw
◆一方、割愛してしまいましたが『「気力」と「意欲」と「やる気」の違い』のクダリ、については、思わず納得。
クルマで言うなら、「気力」が「ガソリン」で、「意欲」が「エンジン」で、「やる気」が「ガソリンが燃えている熱量」である、と。
ここで注意しなくてはならないのが「気力」で、身体の中からしかわかず、カラダの外から来るものではない、ということ。
ゆえに「体力の限界=気力の限界」ですし、脳は「気力の使用を厳しく制限」しているのだそう。
上記ポイントの4番目に「脳が気力を厳しく管理」とあったのは、そういうことなんですね。
よく「やる気が出ないときは、とにかく手をつけてみる」という話を聞きますが、「見通しが立つ」ことにより、気力が提供されて、ガソリンが燃えるのかな、と。
◆そして割愛した中で興味深かったのが、『人前で「あがらずに話す」いい方法』というTIPS。
そもそもプレゼン等で問題なのは、あがることで「頭の中が真っ白になってしまう」ことであり、そうなると「言うべきことを忘れて」しまいます。
それを防ぐには、まずは「慣れる」ことなのですが、場数を踏むまで毎回「頭の中真っ白」になるわけにもいきません。
そこで佐々木さんが提案されているのが、あの「高橋メソッド」!?

でかいプレゼン 高橋メソッドの本
一般的に、プレゼンで「やってはいけない」と言われる「スライドの読み上げ」方式なんですが、これが意外な効果があるらしく……(詳細は本書を)。
◆本書はストレートなビジネススキル本ではないものの、自らのパフォーマンスを改善するには、こういった「心理面」でのメンテは必要だと思います。
特に精神的に今ひとつ強くない方や、「頑張っているのに報われない」と感じられている方なら、本書の教えはきっと役に立つはず。
もちろん、精神的に強い、と思ってらっしゃる方でも、スランプになったら必須の内容ではないかと。
類書というか、「ビジネス」と「心理学」を結びつける書籍があまり見当たらない分、本書の価値は高いと思われ。
このお値段でこの内容なら「買い」でしょう!

できる人は感情の整理がうまい!: ラクに成果が出るビジネス心理学 (知的生きかた文庫 さ 46-1)
はじめに
第1章 人間関係・感情を上手に整理できる人
第2章 忙しくても「テンパらない」人
第3章 空回りせずに「結果を出せる」人
第4章 仕事の壁を「ラクに突破できる」人
第5章 「気持ちの切り替え」がうまい人
【関連記事】
【仕事術】『スマホ時代のタスク管理「超」入門』佐々木正悟,大橋悦夫(2013年01月28日)【仕組み化時間術】「ルーチン力」佐々木正悟(2009年01月14日)
【GTD】『ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編』デビッド・アレン(著),田口 元 (監修,翻訳)(2010年11月29日)
【スゴ本!】『やってのける 〜意志力を使わずに自分を動かす〜』ハイディ・グラント・ハルバーソン(2013年09月24日)
【オススメ!】『習慣の力 The Power of Habit』チャールズ・デュヒッグ(2013年04月26日)
【編集後記】
◆本書の中で紹介されていた1冊。
難しい性格の人との上手なつきあい方
もし同僚や上司の「難しい性格」に困らされていたら「必読」とのことです。
ご声援ありがとうございました!
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