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2014年02月19日

【モテ?】『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』ジョー・ナヴァロ,マーヴィン・カーリンズ


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、「25年にわたってFBIスパイ防止活動特別捜査官を務めた」という、ジョー・ナヴァロ氏のデビュー作。

続編である『FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学』の方は既にレビュー済みでしたが、ワケあってこちらも取り上げてみました。

アマゾンの内容紹介から。
体の中で一番正直なのは、顔ではなく脚と足だった! 「人間ウソ発見器」の異名をとる元敏腕FBI捜査官が、人々が見落としている感情や考えを表すしぐさの意味とそのメカニズムを徹底的に解き明かす。

こ、これはモテ本として読める内容では!?

161011追記:Kindle化されました!





Joe Navarro - Pop!Tech 2008 / Kris Krug


【ポイント】

■1.「快適」と「不快」に注意する
 長年にわたってノンバーバル行動を研究してきた結果、私は注目しなければならない2つの重要なポイントがあることに気付くようになった。快適と不快だ。(中略)
行動の意味がよくわからないときには、それが快適さを表しているのか(満足感、幸福感、リラックスなど)、不快を表しているのか(不機嫌、不満、ストレス、不安、緊張など)、自問してみるといい。ほとんどの場合、観察した行動をこの2つのどちらか(快適か不快か)に分けることができるだろう。


■2.「なだめ行動」を探す
 私は、相手が不安を感じていること、また私がしたことや言ったことに対して否定的に反応していることがわかるように、なだめ行動を探す。(中略)
 具体的な例を挙げると、「ヒルマンさんを知っていますか」という質問のたびに、相手が「いいえ」と答えながらすぐに首や口を触るなら、その質問に対してなだめ行動をしていることがわかる(図9)。その人がウソをついているかどうかはわからない。ウソを見抜くのは実に難しいからだ。それでも、相手がその質問でいやな思いをし、あまりに不快なので聞いた後に自分をなだめる行動をせずにはいられなかったのは確かだ。それなら、その点をもっと深く追究してみるべきだ。


■3.足は正直
 少し前にあったポーカー大会のテレピ中継で、フラッシュの手ができた男性を見た。テープルの下では、その男性の足が踊っていた! まるでディズニーワールドに連れて行ってもらえると知ったばかりの子どもの足のように、小刻みに揺れ、弾んでいたのだ。顔は平静さを保ち、テーブルの上の態度はまったく物静かだったが、床の近くでは心の動揺が丸見えだった! 私はテレビの画面を指差しながら、ほかのプレーヤーにゲームを降りるようにと叫んでみた。残念ながら私の声は会場まで届かなかったらしい。2人のプレーヤーが勝負に出て、見事に負けていた。


■4.胴体を守るしぐさは不快のサイン
 誰かが突然、胴体を守るしぐさをするのが見えたら、その人は不快な思いをしているか、何らかの脅威や危険を感じているとみなすことができる。1992年、FBIで働いていた私は、ボストンにあるホテルの一室で若者とその父親に事情聴取をした。(中略)
ホテルのソファーに腰をおろした若者は、ソファーにあったクッションを手にもち、3時間におよんだ聴取の間じゅうずっと、しっかり胸に抱え込んでいた。(中略)
驚いたのは、話題がごく一般的なこと、たとえばどんなスポーツをしているかなどになると、若者が何気なしにクッションを脇に置いたことだ。ところが重大犯罪に共謀したかどうかという話に移ると、またクッションを手にとって、しっかり胸にあてた。辺縁系が胴体を守る必要を感じたのは、彼が脅えたときに限っていたのは明らかだ。


■5.腕は気付かれたくないものを守ろうとする
 アリゾナ州ユマで税関の検査官をしている友人が、国境では入国する人たちのハンドバッグの持ち方に注目すると話していた。ハンドバッグの中に入っているものを心配している人は――価値があるもの、違法なものにかかわらず――バッグをきつく握りしめる傾向があり、特に税関のカウンターに近付くにつれてそれが目立つという。腕は、大切なものだけでなく、人に気付かれたくないものも、守ろうとする。


■6.まぶたの震えで不快がわかる
 相手のまぶたの震えを観察していれば、心を読んで、自分の行動をうまく調整するのに役立つ。たとえば親睦会や仕事の会議で、社交上手な人は参加者のまぶたの動きで快適に感じているかどうかを見分ける。まぶたが震えている人は、何か困ったことがあるにちがいない。このノンバーバルはとても正確で、人によっては問題が起きた瞬間に始まる。たとえば、会話中に相手のまぶたが震え始めたなら、話題が不穏当または受け入れがたいものになったことを示しているから、おそらく話を変える必要があるだろう。


■7.唇のひきしめは何かを隠している証拠
 事情聴取のとき、または誰かが断定的な言い方をしたとき、私は唇がひきしまったり消えたりしないかどうかに注目する。これはとても信頼のおける手がかりで、難しい質問をした瞬間に現れる。この動作を目にしたからといって、相手がウソをついているとは限らない。ただその質問が相手に不愉快な刺激をもたらし、困らせたことを示しているにすぎない。たとえば私が誰かに、「何か私に隠していることはありますか?」と訊いたとき、相手が唇をひきしめたなら、何かを隠している。


【感想】

◆実は冒頭で「ワケあって」と申し上げた、本書を読むに至った理由とは、高石宏輔さんのこのツイートでした。




宮台真司さんも認める「あの」高石さんが参考にされた本とあっては、読まない訳には参りませぬ。

ところが、このツイートを見て同じことを考えた人が他にも結構いたらしくて、本の在庫が消滅。

しかたがないので、私は単行本の中古をゲットした次第です。

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学

……こんなことなら、続編を読んだ時に本書も併せて確保すべきでした。


◆さて、私たちは相手のウソを見破ろうとするとき、その言葉や表情に注目しがちですが、本書を読むと、それだけでは足りない……むしろそれ以外の部分に注目した方が良いケースがあることが分かります。

たとえば、上記ポイントの3番目にあった「足(脚)」。

類書で、机やテーブルの下の足が明後日の方を向いていたら、相手に興味がない、もしくは早く立ち去りたい、というサインだという話は読んでいましたが、このように「快適」をも表現してしまうとは。

この事例じゃないですが、学生時代には麻雀三昧だった頃の私に、できることなら教えたいくらいです(全自動雀卓だと、足までは見えませんか)w

私は目線を隠すために、麻雀を打つ時には、よくサングラスをかけていましたが、顔以外だとサイン出しまくりだったのかも!?


◆もちろん顔は、本心を隠そうとすることはあるものの、注意して読み取れば、さまざまな情報を得ることができます。

隠しきれない、と言われているのが瞳の瞳孔なのですが、正直、瞳が黒い私たち日本人だと、あまり役にたちません。

その点、上記ポイントの6番目のまぶたなら大丈夫。

ちなみに、俳優のヒュー・グラントは、困っているときの表情を作るのに、まぶたの震えを多用しているのだそう。

トゥー・ウィークス・ノーティス 特別版 [DVD]



◆本書は、相手の心理を読み取ることがメインですが、逆に「相手に与える印象」を操作するワザも収録しています。

たとえば初対面の人に会うときは、「腕の力を抜き、できれば体の前面をよく見えるようにし、かつ、手のひらをはっきり相手から見えるようにせよ」とのこと。

これは相手の辺縁系に対して、「こんにちは、私に悪意はありませんよ」というメッセージを送る手だてであり、それによって相手を安心させ、会話をスムーズに進めることができるのだとか。

なるほど、これは確かにナンパの声かけ等に応用できそうな感じですね。


◆ナンパという意味では、声かけだけでなく、実際に打ち解けて、トークになってからも、本書の内容は使えるハズ。

相手と話している最中に、相手の顔や体から発せられるサインを読み取れば、会話の方向性を変えたり、そのまま続けることもできますから。

言葉ではっきり言われなくても、こうしたノンバーバルサインを活用できるのが、モテる秘訣な気が。

いや、男女の性差の本とか読むと、「言われなくても、そんなことわかれよ」的な女性の意見が多いんですよね……。

また、ナヴァロ氏いわく、誰かと親しくなるのに一番有効な手立ての1つが、「相手のある部分に触ること」なのだそう(ネタバレ自重)。


中古本なので画像は割愛しますが、思わず付箋を貼りまくりました!

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)
FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)
第1章 しぐさに秘められた意味を知る
第2章 辺縁系の遺産で生きる
第3章 ボディー・ランゲージへの第一歩を踏み出す―足と脚のメッセージ
第4章 胴体の語るヒント―腰、腹、胸、肩のメッセージ
第5章 手の届く範囲にある知識―腕のメッセージ
第6章 落ち着くために―手と指のメッセージ
第7章 心のキャンバス―顔のメッセージ
第8章 ウソを見抜く―慎重に判断すること!
第9章 最後に


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この『最強交渉人が使っている 一瞬で心を動かす技術』がすごい!!(2012年05月15日)


【編集後記】

◆今日ご紹介した本の中でも、何度も名前が出てきたポール・エクマンの代表作。

顔は口ほどに嘘をつく
顔は口ほどに嘘をつく

確かこれも「モテ本」として誰かが推奨していたハズです。


ご声援ありがとうございました!

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