2014年01月31日
【記憶術】『東大生が選んだ「英語」勉強法』東大家庭教師友の会
東大生が選んだ「英語」勉強法
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、久々の英語勉強本。以前当ブログでご紹介した、『東大生が選んだ勉強法』の英語版になります。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
本書は、日本の大学の最高峰である東京大学に合格した「勉強の達人」たちへのインタビューをもとに編集されており、彼、彼女らの特異な勉強法を多数紹介している。
中には、「単語は書いて覚えるべき」「単語は書いて覚えるべきではない」など正反対の意見も含まれているが、そのことは勉強法には向き不向きがあり、ゴールへの道は一つではないことを物語っているといえる。
自分に合った英語勉強法が見つかる一冊。
本書は主に「単語暗記法」について述べられており、実は私自身が税理士試験で実践していた暗記法に通じるものがありました!
Studying / mer chau
【ポイント】
■1.既視感を積み重ねる「英単語を暗記するのには、"見たことがある""聞いたことがある"という既視感の積み重ねが大事だと思います。ですので、とにかく何度も繰り返して見るようにしていました。見ながら声に出す、というのもやっていましたね。それから、ちょっとした移動時間や、マンガを読んでいるときなどは、英単語のCDを聞いていました」(田中健輔・文科3類1年)
■2.単語カードで苦手な単語を重点的に見る
「単語カードのいいところなんですが、カードをめくって覚えていく中で、覚えきれていない単語や、見直していくなかでつまずいた単語は上にスライドさせて、別に避けておくんです。そうしておいて、最後までひと通り見終わったら、別にスライドさせておいたカードだけを外し、それらを一番前にまとめて持ってきて、リングで留め直す。こうすると、どの単語カードの束も一番前には自分の苦手単語だけがある状態になるから、次に見直すときも真っ先に目に入るし、試験の前などは苦手単語だけ、重点的に見ることができます」(渡辺里子・理科1類1年)
■3.覚えられない単語をノートの表紙に書く
「本当は、そうした英単語だけを集めたノートを別に作ろうかとも思ったんですよ。でも、表紙に余白があるし、そこにメモしてみるか、と試してみたら、"苦手単語一覧"みたいになって、別にノートを作るよりもずっとよかった。苦手な英単語だけが表紙と裏表紙にズラリと並んでいるから、ぺージをめくらずにパッとひと目で確認できるのがいい。カバンからサッと取り出して表紙だけを見直したりと、使いやすかったですね」(西村拓哉・文科2類1年)
■4.発音しながら紙に殴り書きする
「単語帳は『鉄緑会 東大英単語熟語 鉄壁』(角川学芸出版)を使っていたのですが、『鉄壁』を見て発音を口にしながら、紙になぐり書きをします。口で発音するのと単語を実際に書くのとは常にセットにして、暗記していました。暗記するには書く作業が必要だから書いているだけなので、別にきれいに書く必要はありません。力の抜けたようななぐり書きでいい。これなら、手もそんなには疲れないし、時間だってさほどかかりませんから」(新川一希・理科2類1年)
■5.イメージを思い浮かべる
「僕は英語の単語ではなく、主にフレーズを暗記していったのですが、やり方としては、フレーズをまとめた英単語帳の『システム英単語』の英語部分を何度も音読していました。このとき、口ではブツブツと英語を発音しながら、頭の中ではそのイメージをしっかり思い浮かべるんです。"shut the door (ドアを閉める)"というフレーズだったら、繰り返し"shut the door"と口の中でブツブツと発音しながら、頭の中ではドアを閉めている光景を思い浮かべるわけです」(菅野俊輔・文科2類1年)
■6.通学時にCDを聞く
「『システム英単語』には前もってざっと目を通しておき、登下校中はCDを耳で聞くだけです。流れてきたフレーズの意味が、ちゃんとわかればOK。聞いていて"あれ、これ何だっけ?"と思ったら頭に入れておき、学校(もしくは自宅)に到着したらテキストで調べます」(下田卓哉・理科1類1年)
■7.スマホのアプリを活用する
「アイフォーンに『i暗記』というアプリがあるのですが、これを使って暗記していました。問題集や模試、授業などでわからない英単語やフレーズが出てきたら、スマホを取り出してこのアプリに入力、保存します。あとは、ちょっとした空き時間などにサッと取り出して見るようにしていました」(木内翼・文科2類1年)
【感想】
◆本書はタイトルに「"英語"勉強法」とありますが、実際には冒頭で触れたように「"英単語"記憶法」とでもべき言うもの。ただ、そのおかげで、しばらく英語勉強から遠ざかっている私にも、内容を容易に理解することが出来ました。
何せやってることは、「記憶」というか「暗記」。
私が税理士試験の受験勉強でやっていたことと、大差ありません(レベルの差はあれど)。
◆さすがに語学ではないので発音はありませんでしたが、「繰り返す」「紙に書く」「音声を聞く」「ブツブツ言う」あたりは、まさに暗記の王道。
さらに割愛した中には、私もやっていた「わざと電車に乗って暗記」「湯船につかりながら暗記」なんてものもありました。
ただし、私が電車を活用したのは、「理論を暗記できなかったら最寄駅に着いても下りない」というだけのもので、本書に登場された方のように、わざわざ朝電車に乗って、夕方まで乗り続けたというワケではありません。
……「大回り乗車」なんて言葉も、初めて知りましたよw
もっとも、適度な雑音といい、風景で気分転換できることといい、暗記に一番よい環境だったのは電車内だと私も思っていますが。
◆また、私は思いもつかなかった「マンションの階段を昇り降りして英単語暗記」された方もいました。
「眠気は吹き飛ぶし、いい気分転換になった」って、普通の人だったら、覚える前に疲れ果てそうなんですがww
ただ、この方の場合、高層階だったため、階段を使う人はほとんどいないでしょうし、天候に左右されないことや、公道よりも安全であることは確実なので、方法としては「アリ」でしょう。
逆に、この世代の割には、アプリを活用している人がほとんどいなかった(わざわざ書かなかった可能性はありますが)のが、ちょっと意外でした。
◆ちなみに、本書内のところどころに「こんな声あんな声」と題して、あるテーマに対しての「東大生」の傾向を探るパートがあり、ここも興味深いところ。
特に「書いて暗記 VS 書かないで暗記」では、東大生は「書かない派」が優勢とのこと。
この辺は、当ブログでも何度か言及したように、人それぞれの特性があるので、自分にあったやり方を選ぶべき。
たとえばこの本では、実際に問いにこたえることによって、自分のタイプ(「認知特性」と言うそう)を知ることができます。
医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン (光文社新書)
参考記事:【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美(2012年06月19日)
ある程度色々な勉強法を試してみれば、自分にどのやり方が向いているかは大抵分かるものですが、こういうテストを受けてみても良いカモ。
◆そして、このように色々な勉強法があることについて、本書のまえがきには、次のようなお話がありました。
いわく、「受験生たちに紹介する上で、何かアドバイスは?」と問われた東大生たちは、不思議なほど似通った回答をしたのだそう。
「私の勉強法は、あくまで私にとって効果があったというだけのことで、これが"正しい勉強法"かどうかは分かりません」
「みんなそれぞれ、いろいろな勉強法の中から自分に最も合ったやり方を見つけ、勉強していくことをおすすめします」
その点、汎用性の高い「王道テク」から、人を選びそうな「ユニークなテク」まで幅広く収録している本書は、「いろいろな勉強法」を知るにはうってつけの1冊。
巻末に収録されている「主要英単語帳5選」の中には、東大受験に特化したものもありますが、普通に「英単語暗記本」(というか「記憶術本」)として、本書の価値は高いと思います。
「東大式記憶術」を学べる1冊!
東大生が選んだ「英語」勉強法
第1章 効果バツグン! 東大生の「定番勉強法」
第2章 空き時間を上手に活用! 東大生の「時間術」
第3章 こんなやり方があったのか! 東大生の「ユニーク勉強法」
第4章 意識次第でツラさ解消! 東大生の「勉強を続けるコツ」
巻末付録 「東大生が太鼓判! 主要英単語帳5選」
【関連記事】
【東大流】東大生が選んだ勉強法(2008年08月06日)知らないと損する『記憶法大全』活用法(2014年01月29日)
【オススメ!】『脳のワーキングメモリを鍛える! ―情報を選ぶ・つなぐ・活用する』トレーシー・アロウェイ,ロス・アロウェイ(2014年01月14日)
【英語学習】『7カ国語をモノにした人の勉強法』橋本陽介(2013年08月04日)
【6つのタイプ】『医師のつくった「頭のよさ」テスト 認知特性から見た6つのパターン』本田真美(2012年06月19日)
【編集後記】
◆今日の本に関連して。同時通訳者の英語ノート術&学習法
この本もなかなか面白そうです。
ご声援ありがとうございました!
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