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2014年01月27日

【家計圧迫?】『もっと面白い本』成毛 眞


もっと面白い本 (岩波新書)
もっと面白い本 (岩波新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、当ブログでも大ヒットした成毛眞さんの書評ガイド・『面白い本』の続編。

最近、Twitterをちゃんと見ていなかったこともあって、数日前に出ていたのにまったく気が付きませんでした(恥)。

アマゾンの内容紹介から。
「本がどんどん増えて困る」「給料がみるみる本に変わる」。大反響(悲鳴?)を呼んだ前作『面白い本』。火のついた読書欲に“もっと"が止まらない。「もっと面白い本はないのか」「もっと面白い本が読みたい」。人間、宇宙、歴史、芸術、科学。まだまだあります、面白い本。熱い要望にこたえて贈る、家計圧迫必至の第2弾。

相変わらず「成毛節」が冴えわたっておりますw





Love Reading~~ / JulyYu


【個人的に気になった7冊】

誰も知らなかったココ・シャネル
誰も知らなかったココ・シャネル
 著者はまったくの偶然から、シャネルがドイツ軍情報部のスパイであった証拠を発見する。フランスの公文書館で別の人物をリサーチしていたとき、フランス警察の報告書の中に、「ウェストミンスター」というコードネームとともにシャネルの名前を見つけたのだ。
 アメリカ人のジャーナリストである著者自身も、冷戦時代、CIAの工作活動に関わっていた人物である。つまり、書く側も書かれる側も「スパイ経験あり」ということだから面白くないわけがない。


鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)
鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)
本書を読むにあたっては、いささかのスキも見せられない。本文も脚注も、あわせて100点近くあるかわいいイラストも、すべて油断ならない。何が飛び出してくるかわからないのだ。しっかりした科学読み物なのに、1ぺージに1回は爆笑することができる。電車の中で読んではならない科学書とは前代未聞だ。


ヴェネツィア・ミステリーガイド
ヴェネツィア・ミステリーガイド
 一見、ごくふつうの観光スポットめぐりのようだが、そうではない。そうしたスポットにまつわる、さまざまなミステリー(都市伝説や歴史的な逸話)が語られる。たとえば、サン・マルコ寺院では、本来首がないはずの聖マルコの遺体には首があり、じつはアレキサンダー大王だとする説もあるという。そのほか「夜逃げした元首」「星の盾」など、魅力的な逸話を散りばめ、サン・マルコ寺院に行ってみよ、と迫る。


謎の独立国家ソマリランド
謎の独立国家ソマリランド
 ソマリランドは、国は貧しいが、人々は食べものには困らず、携帯電話も使える。日本の戦国時代のようなソマリアの中で、何故そんなことが可能なのか。その謎を解明するため現地に飛び込んだのは、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。それをおもしろおかしく書く」がモットーのノンフィクション作家・高野秀行だ。本書は、彼の冒険の一部始終を伝える大作である。


ユダヤ人の歴史 (河出文庫)
ユダヤ人の歴史 (河出文庫)
 海外でビジネス経験のある人はおわかりになると思うが、国籍はどこであれ、ビジネス・パートナーがユダヤ系であるケースは少なくない。本書の訳者も文庫版のあとがきで書いているように、一緒に食事をしたり、少し親しくなって自宅に招かれたりすると、ユダヤ人である自分の家族に話が及ぶこともある。そういうときに、ユダヤ人の歴史を知識としてもっていないと、お互いが残念な思いをする。


量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突
量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突
 今まだ物理学に興味がない読者であっても、本書は入手困難になる前に買って、手元に置いておくべき本だ。じっさいに読むのは数年後でもいい。縦書きで、数式は一切なし。平易なことばで手際よく、難しい量子力学の概念を説き明かしてくれる。翻訳者の青木薫さんも訳者あとがきで述べているように、"量子力学を一般向けに解説することに成功した"稀有な本である。しかも、真理を探究する天才的な物理学者たちの姿を、これほど生き生きと描き出している本は他にない。


病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上
病の皇帝「がん」に挑む ― 人類4000年の苦闘 上
本書は、著者が研修医時代から勤務の合間をぬって書き継いで生まれた作品であるという。実質的なデビュー作だが、2010年にはニューヨーク・タイムズ紙のべストブックに選ばれ、2011年にはピュリッツアー賞とガーディアン賞をダブル受賞している。(中略)
 本書の魅力は、よく吟味され組み立てられたストーリーにあるだけではない。著者の深く鋭い洞察を伝える言葉にもある。言葉がまさに輝いているのだ。その素晴らしさを語れば語ろうとするほど、こちらの言葉が陳腐に思えてきてしまう。ゆえに多言は無用。読め。このひと言に尽きる。


【感想】

◆このレビューを目にされた方が、実際にアマゾンで本書をチェックされるのがいつであるかにもよるのですが、少なくとも私が今見た時点では、本書は在庫切れ。

しかも、上記の本のリンクを貼るため、やはりアマゾンに飛んだところ、何冊かは同様に入荷待ちとなっていました。

完全に出遅れたの巻w

もともと、よほどの新刊や常時売れている定番本でもない限り、アマゾンの在庫はたかが知れてますから、覚悟はしていたものの、発売後数日のブランクは大きいです。

かといって、「在庫がある本を優先しよう」とはできないので、自らの怠慢を反省することしきり……。


◆それはさておき、前作で選ばれた本が100冊だったのに対し、本書に収録されたのは全部で70冊(図鑑等もあるので「70点」というのが正しいのカモ)。

その分、1冊ずつの解説がより長くなっています。

また、成毛さんが印象に残った文章を引用しているのも、前作とは違うところ。

本書のまえがきによると「その本の面白さをより具体的に伝える趣向に変えてみた」のだそうです。

ただでさえ、本を薦めるのがお上手な成毛さんに、そんなチューンナップ(?)をされてしまった日には……。


◆もう1点、選書のコンセプトが変わっているのも見逃せません。

本書では、下記目次をご覧頂ければお分かりのように、「人間」「世界」「歴史」「芸術」「科学」といった「堅め」なものばかり。

そういう意味では、前作以上に当ブログで日頃ご紹介している本とはかけ離れてはいるのですが、これも「教養」とお考え頂ければ。

特にグローバルなお仕事をされている方なら、この手の知識は「常識」として持っていた方が良い気がします。

そう考えると、上記の『ユダヤ人の歴史』あたりは、やはり「マスト」かと。


◆ちなみに、全70点のうち、私がレビューしていたのは、この1冊のみ。

理系の子―高校生科学オリンピックの青春
理系の子―高校生科学オリンピックの青春

参考記事:【スゴ本】『理系の子―高校生科学オリンピックの青春』ジュディ・ダットン(2012年06月07日)

もう1冊、巻末の「余禄」に登場する本もレビューしているのですが、それは本書のテーマとは関係ないので、ここでは割愛します。

ところで、この「余禄」は、成毛さんがブログを始める前から現在のHONZにいたるまでの「成毛さんの書評の歴史」を綴ったもので、書評系ブロガーである私には、非常に興味深いものでした。

中でも「博物館や美術館がそれぞれに特徴や専門があり、自信がある所蔵物だけを展示しているように、ネット書評家も専門分野をもって、良書を推薦するしかないのである」というお言葉には、深く納得。

そして、「あとがき」での「本書で紹介した本を全部(全集&品切れ本を除く)購入すると18万6324円(本体価格)」「全集も合わせて買うと56万8146円(本体価格)」という合計金額提示も、成毛ファンには大変ありがたいです(謎)。


前作にハマった人なら買って当然の1冊!

もっと面白い本 (岩波新書)
もっと面白い本 (岩波新書)
まえがき
この本で紹介する本
1 まずは人間から
2 世界を俯瞰する
3 歴史という迷宮
4 アートな読書
5 サイエンスとは謎解きだ
6 揃えておきたい本
余 録
あとがき


【関連記事】

【これはヤバいw】『面白い本』成毛 眞(2013年01月24日)

【HONZ本】『ノンフィクションはこれを読め! 2013 - HONZが選んだ110冊』成毛 眞 編著(2013年10月25日)

【本好き必読!】『ノンフィクションはこれを読め! - HONZが選んだ150冊』(2012年10月25日)

【オススメ】『実践! 多読術 本は「組み合わせ」で読みこなせ 』成毛 眞(2010年07月10日)

【読書】成毛眞さんのセミナー「遠くを見すえるための非ビジネス読書術」に潜入してきました(2011年05月11日)


【編集後記】

◆一応、その前作もご紹介。

面白い本 (岩波新書)
面白い本 (岩波新書)

レビューは上記関連記事にて。


ご声援ありがとうございました!

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