スポンサーリンク

       

2014年01月26日

【出世の秘訣?】『20代のあなたに、会社が期待していること』相原孝夫


20代のあなたに、会社が期待していること
20代のあなたに、会社が期待していること


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、人事・組織コンサルタントの相原孝夫さんによる仕事術本

以前レビューした『会社人生は「評判」で決まる』が、新書の割にかなり濃い内容だったので、本書もリアル書店で見かけて「即買い」であります。

アマゾンの内容紹介から一部引用。
あなたは会社(上司)に対して、こんな不満を持ったことはありませんか?
「結果を出しているのに、誰も評価してくれない」
「がんばっていない同僚のほうが、上司から頼りにされている」

この原因を、世界最高峰の人事コンサルティングファームにて、人材評価・組織開発に携わったプロが明らかにします。

何やかんやで付箋も貼りまくってしまいましたよ……。






【ポイント】

■1.業務と関係ない資格取得は転職に不要
「転職の際、履歴書に資格の記載があれば有利になるのではないか」という意見もよく聞きますが、むしろ不利に働くことすらあります。(中略)
 その人の採用を真剣に考えれば考えるほど、自社に入った場合にどのような活躍をしてくれるだろうかと考えます。であれば、仕事にとことん打ち込んでもらいたいと思うのは当然で、資格取得などに精を出してほしくはないのです。それゆえ、履歴書上に、これまでの仕事に関係するとは思えない脈絡のない資格や免許が列挙されていたら、プラスになるどころか、マイナスにすらなりかねません。


■2.「やりたいこと」にこだわらない
 社会に出る前の興味は、多少の情報を集めたところで、現実とは大きくかけ離れてしまうのは当然です。本当にやりたい仕事など、職業経験がない中で見つかるものではありません。ついでに言えば、それができるかどうかも、やってみなければわかりません。従って、よく言われるような「やりたいことと、できることが重複することを仕事にしなさい」などという言脱は戯言でしかありません。


■3.組織で働く以上、「根回し」は必要
 根回しを怠った場合、「事前に聞いていなかった」というだけでへそを曲げられ、大反対に回られてしまうなんてことは多々あります。誰しも自分を重んじてほしいので、根回しをメールで簡単に済まそうなどとすると、「自分は軽んじられている」との思いから容易に反対に回られたりもします。意思決定権のある立場の人ほど、そうした傾向があると思って下さい。(中略)
 もし、「正しいことをやっていれば、根回しなどしなくても理解は得られるはず」と思っているとしたら、それは大きな間違いです。


■4.上司にはこまめに「報・連・相」を
 コミュニケーションの密度は尊重の証です。なぜ、多くの上司が部下に「報・連・相」(報告・連絡・相談)を求めたがるのでしょうか。ラクに管理したいとか、トラブルの芽を早めに摘んでおきたいなどの理由もあるでしょう。しかしそれ以上に、部下から頻繁に報告や相談を受けたいという思いがまずあります。いつも部下から頼りにされたいのです。部下としてコミュニケーションを図っているつもりでも、メールだけのコミュニケーションの場合、上司としては尊重されているとは思えないものです。それゆえ、直接の「報・連・相」を求めたがるのです。


■5.トラブル時ほど、電話して駆けつける
 あるメーカーの営業課長の方が、こんな話をしてくれました。
「20代の営業マンは、普段からお客さまとの連絡をメールですませがちです。そして、クレームなどに対しても平気でメールでやりとりをしてしまいます。即座に電話をかけて会いに行けば、たいていのことは収まるのですが、それをしません
 そして、メールで散々やりとりをして、相当にこじれた後に助けを求めてくるのだそうです。やりとりをしたメールを見てみると、相手の怒りはありありと感じとれ、とてもメールで収束する状態ではありません。


■6.「程よい図々しさ」を身につける
 多くの「対人能力」に長けた人を見ていると、すでに述べたような基本的な点以外にも、共通した点があります。それは「程良い図々しさ」です。
 図々しくても、あまり反感を持たれない。その意味で「程良い図々しさ」なわけですが、いわゆる仕事がデキる人はたいていこの点が備わっています。(中略)
ビジネスでは、"いい人"というだけでは相手と仲良くはなれても、成果が挙がることはありません。そのバランス、兼ね合いが重要なのです。


■7.失敗を恐れず、たくさん怒られる
「たくさん怒られたほうが後々伸びる」とよく言われます。怒られる場面で怒られなければ、そこで学べたはずの重要なことを学び損ねることになるわけです。ですから、「怒りがいがある」と言われるくらいでちようど良いのです。(中略)
 若いうちからちっぽけなプライドが邪魔をして、もっともらしい御託を並べる人は、早い時点で成長がストップすることになってしまいます。そういう人は入社時点では優秀であっても、入社時点ではそうでもないが、泥臭くがんばれる人に数年後には追い抜かれ、どんどん引き離される結果が待っているのです。


【感想】

◆自己啓発書を数多く読んできた私にとっては「え?そういうモノなの?」と面食らった点がいくつかありました。

まず、上記ポイントの初っ端の「資格取得が転職に不利になるかも」、というお話。

結局のところ、「本業に関係ない資格を持っている=仕事以外に関心がある」という先入観を持たれかねないということです。

実際、相原さんは、前職の外資系コンサルティングでは、採用面接を数多く行ってきたものの、資格欄はほとんど勘案しなかったとのこと。

逆に、社長賞のような社内表彰は、本業における実績なので考慮したのだそう。


◆また、今回割愛した中でも、「交流会での『人脈』は今すぐ捨てる」なんてお話もありました。

類書のいくつかでも、似たようなことを言われていましたが、本書での主張はそれらとは若干異なっていて。

相原さんによると、「結局のところ、一緒に仕事をしてみないと人脈にはならない」のだとか。

というのも、相原さんは仕事柄、優れたビジネスパーソンにインタビューする機会が多いのですが、そこで「ご自身に大きな影響を与えた人は?」と問うた場合、社外の人が出てくることはほとんどナシ。

稀にあったとしても、お客様や取引先当の「一緒に仕事をした人」なのだそう。


◆一方、本書で目についたのが「上司を立てる必要性」について。

上記ポイントの3,4番目辺りもそうなんですけど、意外と忘れがちなお話ではないでしょうか?

ドロドロしてるので割愛したお話として、「上司から嫉妬されない」なんてものもありました。

曰く、たとえ自分が中心となって、何かやりとげたとしても、対外的には上司を立てよ、と。

もちろん、成功すればするほど、色々な人から嫉妬ややっかみを受ける可能性は高くなるわけですから、「立場が上がるにつれて、より謙虚になっていく」ことが必要なんですね。


◆本書はタイトルに「20代」と入ってはいるものの、基本的に経営者以外の多くの世代の方にとって一読の価値があると思います。

ただし、相原さんご自身が「人事」「人材」関係のコンサルタントである以上、ポジショントーク的なバイアスがかかっているのは、ある程度はしょうがないかと。

ですから「起業する!」「独立する!」というマインドをお持ちの方にとっては、違和感があって当然だと思います。

あくまで、「会社勤めを最大限に成功させる」ためにお読み頂ければ、と。


会社で出世したいなら必読!

20代のあなたに、会社が期待していること
20代のあなたに、会社が期待していること
序 章 社会人としておさえておくべき「5つのポイント」
第1章 20代で知っておきたい「会社のルール」
第2章 20代のあなたに「上司が求めていること」
第3章 20代で覚えておきたい「仕事のルール」
第4章 20代で身につけたい「人間関係の基本」
第5章 20代で大きく伸びるための「行動習慣」


【関連記事】

【必読!】『会社人生は「評判」で決まる』相原孝夫(2012年02月17日)

【仕事術】『伝説の人事部長が明かす 32歳までに必ずやっておくべきこと』小宮謙一(2014年01月12日)

【仕事術】『他社から引き抜かれる人の仕事術』中山遼二(2012年05月23日)

【出世作法】『課長になれない人の特徴』に学ぶ7つの出世のコツ(2012年01月20日)

【出世心得?】『やはり、肉好きな男は出世する』に学ぶ7つの出世のポイント(2012年01月17日)

【出世の秘訣?】『人事部は見ている』に学ぶ出世の6つのポイント(2011年07月10日)


【編集後記】

◆その相原さんの本で、私自身がチェックしそこなっていた1冊。

仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか (幻冬舎新書)
仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか (幻冬舎新書)

……完全に見逃してました。


ご声援ありがとうございました!

この記事のカテゴリー:「ビジネススキル」へ

「マインドマップ的読書感想文」のトップへ

スポンサーリンク




               

この記事へのトラックバックURL


●スパム防止のため、個別記事へのリンクのないトラックバックは受け付けておりません。
●トラックバックは承認後反映されます。