2014年01月24日
【リモートワーク?】『強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」』ジェイソン・フリード,デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」
【本の概要】
◆今日ご紹介するのは、『小さなチーム、大きな仕事』を以前ご紹介したことのある、37シグナルズの最新作。一足先に、土井英司さんのメルマガでご紹介されているので、ご存知の方も多いかと思います。
アマゾンの内容紹介から一部引用。
前作『小さなチーム、大きな仕事』で圧倒的な支持を集めたカリスマ経営者たちが、今回取り上げたのは「リモートワーク」。
世界に散らばる36人の社員を率いて、数百万人ものユーザーにサービスを届けている彼らが、新しい時代にふさわしい働き方を伝授する。
会社や組織にまつわる固定観念が、徹底的にくつがえる!
本書を読めば、「在宅勤務」に踏み切りたくなること必至デス!

Working at Home / mikecogh
【ポイント】
■1.会社は昔からリモートだったあなたの会社も、気づかないところでリモートワークをすでにとりいれているかもしれない。
たとえば、弁護士や税理士。それに、給与計算などのバックオフィス業務や広報を外部の会社にまかせていることも少なくないだろう。
法務、会計、給与、広報。どれもビジネスに絶対欠かせない業務だ。これらがなければ、会社は成り立たない。そんな大事な仕事が、オフィスの外でおこなわれているのだ。会社のネットワークから切り離され、マネジャーの目も届かないところで。
それでも、業務はうまくまわっている。
■2.リモートワークを監視する必要はない
シンプルに考えよう。あなたが上司なら、信頼できない部下を雇わないほうがいい。あなたが部下なら、信頼してくれない上司のもとで働かないほうがいい。
リモートワークをまかせられない人間に、何をまかせられるというのだろう。つねに見張っていないと仕事ができないダメ社員に、顧客と話をさせるなんておかしいじゃないか?
■3.セキュリティのチェックリスト
(1)ハードディスクはかならず暗号化する
(2)自動ログインを使わない
(3)ウェブサイトを見るときは、暗号化通信を使う
(4)スマートフォンやタブレットにはパスワードをかける
(5)パスワードは長くて複雑なものにする
(6)Gmailの2段階認証を利用する
(詳細は本書を)
■4.オフィスはサンクコストに過ぎない
立派なオフィスを構えるほど成功している企業の上司なら、サンクコスト(埋没費用)という言葉の意味はよく知っているはずだ。(中略)
サンクコストとは、すでに支払ってしまったお金のことだ。オフィスの購入や家賃に支払ったお金は、もう二度と戻ってこない。オフィスを使おうと使うまいと、同じことだ。
使っても使わなくても同じなら、考えるべき点はただひとつ。オフィスで働いたほうが成果が上がるかどうか、それだけだ。
■5.バーチャルな雑談の場をつくる
僕らの会社では、キャンプファイアというチャットツールを使って雑談を実現している。(中略)
息抜きがしたくなったら、チャットをのぞいてみればいい。みんな適当なことをつぶやいたり、ネタ画像を上げたり、冗談をいったりしている。仕事の質問が交わされることもあるけれど、基本的には仲良くコミュニケーションするための場だ。
こうしたチャットのいいところは、気が向いたときだけ見ればいいということだ。仕事に疲れてきたら、チャットにつないでみる。仕事に戻りたくなったら、離れればいい。
■6.ためしに部下を会社の外で働かせてみる
もしもあなたが経営者やマネジャーなら、いまいる部下たちに会社の外で仕事をさせてみたらどうだろう。きっといいきっかけになるはずだ。オフィスを離れて働くというのがどんなものかわかるし、だめならまたオフィス勤務に戻せばいい。リスクはほとんどない。
ただし、注意すべきことがある。試してみるなら、本気で試さなければ意味がないということだ。
少なくとも3ヵ月はやりつづけてほしい。そうしないと、環境に慣れることができないからだ。新たな働き方が定着するには、それなりに時間がかかる。
■7.仕事と遊びを切り替えるためにコンピュータを変える
もっと現実的な対応策は、仕事とプライべートで別々のコンピュータを使うことだ。仕事には仕事専用の端末を使い、くつろぐときは別の端末を使う。そうすれば、仕事中に遊んだり、プライべートな時間に仕事をしてしまったりという事態を避けられる。
プライべート用の端末には、仕事で使うツールを一切入れないほうがいい。(中略)
さらに、仕事用のコンピュータは仕事をするデスク以外で使わない、というルールを決めるといいだろう
【感想】
◆当初、本書を読み始めた際には、よくある「ノマド本」かと思っていました。確かに、従来の「オフィスにこもった働き方」ではない、「外で働く」スタイルは、ノマドにも通じるモノ。
ただし、ノマドと言うと「一匹狼」的な感じですが、本書の目指すのは、各人が独立した「組織」。
イントロダクションのサブタイトルにもあるような「オフィスのない」状態で、効率的に働こう、という内容になっています。
◆さて、こうしたワークスタイル、本書では「リモートワーク」と呼んでいるのですが、今まで広まらなかった理由がいくつもあるわけでして。
それらについて、1つ1つ反論しているのが、本書の第2章(と言いつつ、章の番号は振られてないのですが)の「リモートワークの誤解を解く」。
上記ポイントの2〜4番目は、この章からの引用になります。
なお、ポイントの3番目のセキュリティのチェックリストは、本書では個々の項目について解説がなされていますので、ご確認頂きたく。
これはもう、リモートワーク関係なく、ビジネスパーソン必須のお話でしょう。
◆また、本書ではリモートワークの「バラ色」の面だけではなく、問題点についてもキチンと触れられています。
まずは「孤独」であること。
たとえネット上ではつながっていても、それらはあくまでバーチャルであり、実際に触れ合うことの代わりにはならないのだとか。
さらに、主に通勤しないことからくる「運動不足」も大きな問題です。
実際、医療保険会社のエトナ社では、社員の約半分がリモートで、彼らは通勤している社員よりも体重が増えていることがわかったのだそう。
もちろん、これらの問題点についての対応策も本書では触れられていますので、その点はご安心を。
◆なお、本書の最後には「ツールボックス」と題して、37シグナルズの面々が使っている、リモートワークを支援するウェブサービスが紹介されています。
スカイプや、ドロップボックス、グーグルドキュメント辺りは、ご存知の方も多いでしょうから割愛して、それ以外から。
●ベースキャンプ(プロジェクト管理)
Project management software, online collaboration: Basecamp
⇒使い方を「Webクリエイターボックス」さんが解説してくれています。
●WebEx(オンラインミーティング)
シスコ WebEx Web 会議、オンライン ミーティング、デスクトップ共有、ビデオ会議
●キャンプファイア(グループチャット)
Business group chat, file sharing, group decision making: Campfire
このうち、1番目と3番目は、37シグナルズ自身によって提供されているモノ。
また、2番目のサービスは、私も大昔に体験したことがありました!
こうした便利なツールは、オフィス/リモート関係なく、活用していきたいものですね。
これからの働き方の主流になるのかも!?

強いチームはオフィスを捨てる: 37シグナルズが考える「働き方革命」
イントロダクション──オフィスのない世界
リモートワークの時代がやってきた
リモートワークの誤解を解く
リモートのコラボレーション
リモートワークの落とし穴
リモート時代の人材採用
リモート時代のマネジメント
リモートワーカーの仕事スタイル
【関連記事】
【起業&仕事術】「小さなチーム、大きな仕事―37シグナルズ成功の法則」(2010年02月26日)【速報】『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』の拡大アップデート完全版がついに登場した件(2011年01月31日)
【必読】『1万円起業』緊急レポート(2013年09月11日)
【ヤバ本】『仕事は1日30分! ―お金と時間を増やすドラクエ流成功法』菅谷義博(2010年11月28日)
【ノマドなう!】『「どこでもオフィス」仕事術』に学ぶ8つのポイント(2010年06月04日)
【編集後記】
◆冒頭でご紹介している、37シグナルズの前作を再度。
小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕: 37シグナルズ成功の法則
旧版ですが、レビューを上記関連記事にあげております。
ご声援ありがとうございました!
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