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2014年01月17日

【絶品!?】『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』氏家健治


1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ  4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)
1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ 4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)


【本の概要】

◆今日ご紹介するのは、『食べログチョコレート部門第1位』ケンズカフェ東京の氏家健治さんが、その人気のヒミツを明かした1冊。

私は全然存じ上げなかったのですが、ここのガトーショコラは、テレビにも何度も取り上げられており、「日本一有名なガトーショコラ専門店」らしいです。

アマゾンの内容紹介から。
弱者が強者に勝つ! 戦略的ブランディング

徹底的にわかる! 大逆転の儲け術
人気スイーツ店が教える儲けのカラクリ

ブランディング好き、マーケティング好きなら一読の価値アリです!




【ポイント】




■1.精選された原材料
 ガトーショコラの味と品質を決めるのは、なんといっても主原料のチョコレートです。チョコレートに関しては、奇をてらわずにいちばん品質の高いべネズエラ産のカカオを原料とした最高級のものを使っています。(中略)
 無塩バターは、「カルピス特撰バター」を使っています。このバターは"幻のバター"とも呼ばれる国産最高峰のバターで、一流のフランス料理店などでも使われています。(中略)
 卵は「昔の味たまご農場」の「昔の味たまご」。神奈川県にある農場で100%天然の飼料のみを使い、地下40mからくみ上げた地下水を与えて大切に育てられているニワトリが産んだ卵です。


■2.「特撰ガトーショコラ」の「特撰」とは?
 特選とはコンテストやコンクールなどでなにか賞を獲ったり、上位に選ばれたりしたものを差す言葉。つまり「特別に選ばれた」という意味があります。これに対してテへンの特撰は、「より手間をかけている」という意味。私のガトーショコラは後者なので「特撰ガトーショコラ」としたわけです。「カルピス特撰バター」も同じテへンです。テへンは手作りという意味にも通じます。


■3.高級ブランド並みのパッケージ
私はティファニーにもルイ・ヴィトンにもエルメスにもあまり興味はないのですが、高級ブランドのパッケージングの秘密を知るために、友人へのプレゼント用として購入するなどして独自に研究しました。
 そうやって考案したのが、オリジナルの貼り箱と手提げ袋。「スイーツが入っているようには見えない」と褒められますが、それもそのはず。スイーツではなく、ティファニーのアクセサリー、ルイ・ヴィトンやエルメスの小物を入れても違和感がないものを目指して作ったからです。


■4.自社サイトにはない"裏メニュー"
 いわゆる"裏メニュー"ではないのですが、実験的にスぺシャルなべロア調のボックスも用意しています。
 これはある宝石店のボックスを見て、「宝石を入れてもおかしくないような高級感のあるボックスができないものか」と考案したもの。こんな遊び心のある冒険も、価格を3000円にしたおかげで許される賛沢のひとつです。
 べロア調のボックス入りにすると1本3500円ですが、ケンズカフェ東京の公式サイトではその存在は伏せています。


■5.商品を1つに絞って仕入れを有利に
1品に特化していると、たとえ小さな店でも大量生産できます。すると使用する材料が増えるので、仕入れ先と有利な条件で交渉できます。どの世界でも大口の顧客は大事にするものだからです。
 実際、私は個人店なからヴァローナ社のチョコレートを年間およそ4トン、大型コンテナ2個分も使っています。
 これだけ使うと価格交渉力は高まります。通常のスイーツ店の数十倍、年間およそ4トンのチョコレートを使っているのですから、スケールメリットから輸入業者さんも納入価格を下げてくれるのです。


■6."1店主義"を徹底
 私の店はネット通販には対応していますが、特別な催事などを除いて、百貨店や駅ビルなどへの出店依頼はお断りしています。
 私一人の限定手作りですから、繁忙期にはネット通販に対応するだけでも精一杯。販路を広げても高品質のガトーショコラを安定供給できる保証がないからです。はじめから狙ったわけではないのですが、店をひとつ、さらに商品もひとつに絞っていることが結果的に限定感や特別感を高める一因となり、ガトーショコラの市場でバリューを高めているのです。


■7.ネット通販で全国展開
 東京の新宿御苑前にある私の店であれば、来店のみの需要では商圏はせいぜい新宿近郊のエリアに限られてしまいます。これがネット通販の商圏となると、北海道から沖縄まで日本全国に広がります。
 商品はできるだけ絞り込んだほうが有利ですが、商圏は可能な限り広いほうが有利。それが物販ビジネスを成功へと導くポイントです。


【感想】

◆冒頭でも触れたように、私自身は、こちらのガトーショコラを味わった事がございません(上記の画像は本書収録の写真を写したもの)。

ただ、本書を読んで、「これはチョコ好きなら買っちゃうわ」と思ったのも事実。

現に、私がかかさずチェックしているこちらのグルメサイトでも、ケンズカフェ東京のガトーショコラはべた褒めです。

ケンズカフェ東京 ガトーショコラ | 銀座でランチ

140204追記:楽天にもお店出てました


もらいものではなく、自腹でお取り寄せしてこの評価ですから、かなりの満足度が得られることは間違いなさそう。


◆そしてそれ以上にポイントなのが、かなり「贈答用仕様」となっていること。

味はもちろんのこと、上記ポイントの3番目にもあるように、パッケージにも抜かりはありません。

しかも、下記のお店のサイトを見ると、ラッピングどころか「のし」までつけられる模様w

ガトーショコラのお取り寄せ - ケンズカフェ東京の特撰ガトーショコラ

お中元やお歳暮なら、3000円はむしろ最低価格帯です。

もしこれが1500円や1200円だったら、もらった方がネットで値段を調べて「こんな安いものを……」ともなりかねません。

そう考えていくと、「ガトーショコラが3000円」という値段設定はきわめて妥当かと。


◆そこで、改めて考えたいのが、本書のサブタイトルにもある「4倍値上げ」のこと。

当初このガトーショコラは、レストラン経営のかたわら、お持ち帰り用に1300円で販売していたものでした。

その後、1500円に値上げしたのと同時に、大きさを半分に。

それからも商品を改良しつつ、2000円、3000円と値上げをしていくのですが、本書を読むと、その都度、工夫や思惑があったことが分かります。

初っ端の第1章が、この値上げのお話なくらいなのですから、ある意味本書の「キモ」。

とはいえ、デリケートなテーマでもありますので、詳しくは本書にてご確認を。


今年のバレンタインデーは、このガトーショコラで決まり!?

1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ  4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)
1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ 4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 (SB新書)
第1章 なぜ4倍値上げしてもお客が増えるのか?
第2章 今より高く売る! ブランドの育て方
第3章 ブランド力の伝え方
第4章 “ありがたみ"を形にするサービスブランディング
第5章 究極の1品ビジネス
第6章 スペシャリテ(看板商品)の磨き方
第7章 ダントツのネット活用術
第8章 どん底だから勝機は見えてくる
第9章 正しいチャレンジのしかた


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【オススメ!】「外食の天才が教える発想の魔術」フィル・ロマーノ(2008年03月20日)


【編集後記】

◆こちらは、アマゾンで徘徊していて見つけた1品。

ルタオ (LeTAO) ドゥーブルフロマージュ / チーズケーキ
ルタオ (LeTAO) ドゥーブルフロマージュ / チーズケーキ
ベストお取り寄せ大賞 2012 洋菓子・スイーツ部門 (※1) 金賞受賞 『 ドゥーブルフロマージュ 』
だそうです(ジュルリ)。


ご声援ありがとうございました!

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